雷さんの話 ー雷神ー

晋の時代のことである。陝西省の住人の楊道和という人が、田を耕している最中に、大雷雨に見舞われたので、大急ぎで桑の木の下に駆けこんだ。とたんに雷が落ちてきた。かれは持っていたすきを武器として、雷神と大立ち回りを演じてその股を叩き切った。雷神は目は鏡の様にきらきら光っている。身体は牛か馬のような動物に似ているが、頭は猿みたいで、長さ三寸ほどの毛の生えた角を生やしていた。(「捜神器」巻一二、霹靂被格へきれきひかく)江西省のある村で雷が落ちたとき、一人のおばさんが片腕をすっかり焼けただらせてしまった。すると、空中で「まちがったのだ、許してくれ」という声がしたかと思うと、たちまちぬり薬の入った瓶が空から落ちてきた。そして、「これをつけるとすぐになおるから」と付け加えた。そこで、云う通りにしたら奇麗に直ってしまった。家族の人たちは、これは神様の薬だから大切にしまって置こうと相談して、その瓶を持ち上げようとしたが、そんなに大きくもないのにびくともしない。しばらくすると、また雨が降ってきて、その瓶を持っていってしまった。(「稽神録」巻一、江西村嫗)董某が昼寝をしていると、妙な姿の鬼があらわれ、この男は口がとんがっているから、病気中の神様の身代わりになれそうだといいながら斧をそこで押し込み、りっぱな御殿につれていった。殿上にすわっている天子ふうの人が「あの村の姑に不幸をする嫁が天罰を受ける事になったが、雷公が折あしく病気なので行く者がない。手下どもがお前を代わりに推挙しているから、御札をもらって行ってこい」といいう。薫がおうけをして御殿のそとにでると、もう足元には雲がむrがり、まわりには稲妻が光って、りっぱな雷神となっていた。空を飛んでその村に行くと、土地神が案内に来た。空から見ると、嫁が姑に毒づき、そのまわりを大勢の人が取り囲んでいる。薫が袖から斧をだして一撃すると物すごい音がして、嫁はすぐに倒れ、まわりの人はおどろいてひざまずいた。薫が帰って報告すると、天子風の人はひきとめて別の職につかせようとしたが、辞退した。改めて、希望を聞かれたので、学校に入りたいと答えた。「来年は 入学できる」、と天子ふうの人が云ったとたん、夢からさめた。不思議に思って、その夢の話をして、みなと一緒にその村に行ってみたら、確かに一人の女が雷に打たれて死んでいたし、その日時も全く一致していた。しかも、翌年には入学もできた。(「子不語」巻五、署雷公)

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