|
組織がその最も価値のある財産である「評判」を築き上げるには何年もの期間を要します。しかしそれを破壊するには数センチ...新聞のヘッドラインの長さ...があれば十分なのです。
組織は社会の中から人を集めその力を結集して成果を生み出していく仕組みです。存立基盤を社会に依存する以上、社会が定めたルールを遵守して行動すべきは当然のことです。もしこれに反した行動をとるときは、社会の側から相応の制裁が加えられることを覚悟しなければなりません。(例えば、行政処分、刑事罰、罰金支払、評判失墜、製品ボイコット、従業員モラールの低下、組織内外からの恐喝、等)
企業倫理の確立と適切な運用は、組織行動の中から違法性や不道徳な要素を除去するものです。これにより組織は次の便益を得ることになります。
 | 社会のルールを踏み外す組織行為(違法行為等)の発生確率を抑制する |
 | 従業員不正発生の可能性を抑制する |
 | 何かの間違いでルール違反を発生させてしまったときの情状酌量余地を広げる(倫理規範の確立・運用の事実により社会的制裁は軽減されるのが通例である) |
 | 高い倫理意識を通じて組織従業員に誇りを持たせ、忠誠心、帰属意識、モラールを高める |
 | 顧客に選好される(顧客は倫理的に信頼できるサプライヤーを選好する) |
わが国では近年不祥事が多発していますが、「企業倫理の徹底」は、これに対する最も重要な防止対策の一つです。(「不祥事発生の構造」参照)。組織行動は結局のところ従業員を通して生み出されていきます。不祥事を防止するための機構を設計し運営する主体も従業員です。
したがって従業員個人個人の意識の中に倫理意識、価値規範を確立し、徹底することにより、自律的な従業員個人の倫理意識が、
 | 品性に欠ける行動を慎み、不祥事に手を染めようと思いたつ可能性自体を低下させ、 |
 | 統制活動を無力化する「共謀」への誘惑に乗りにくくし、 |
 | トップの暴走に対しても毅然とした態度で接することにより一定の歯止めとして機能し、 |
 | 自らが不祥事を発生させない安全な統制の仕組みを設計し保守するよう動機付けられる |
効果をもちます。統制活動に対する阻害要因を抑制します。まさにこの「各個人の倫理意識」こそが、組織全体の「倫理的」活動、品格のある信頼される行動を保証し、もって組織を成長させる素として機能します。
企業倫理の徹底/コンプライアンスが不十分であれば、社内の「統制の仕組み」をいくら念入りに施してみたところで、例えば次のような事態を完全に防止することは困難です。
 | 顧客等に対する「暴言」 |
 | 正式な統制の仕組みを無化する「裏マニュアル」に基づく運用 |
 | 部門ぐるみ、組織ぐるみの不祥事とそのもみ消し工作 |
 | 株主に対する誤魔化しを意図した総会屋への利益供与/「粉飾商品」の購入 |
 | NGO敵対視の「企業戦略」提言の社外流出 |
社会経済生産性本部で毎年実施している新入社員半年間意識変化調査(春と秋)で
 | 「上司から会社のためにはなるが、自分の良心に反する手段で仕事を進めるように指示されました。このときあなたは、」 |
の質問に対して
 | 「あまりやりたくはないが、指示の通り行動する」 |
という答えの割合は次の通りです。
 | (注)2000年までは質問が「上司から利益は上がるが、不正、もしくは自分の良心に反する手段をとるように指示されました。このときあなたは、」と微妙に異なります。 |
 | (注2)2006年春までは「あまりやりたくないが、指示の通り行動する」だった回答選択肢が、2006年秋から「指示の通り行動する」に変更されています。 |
全体として30%を超える水準で推移しており、更に2004年春は前年比11.5ポイント悪化しています。ただ、2004年秋はここ数年来で初めて春→秋でこの割合が8.5ポイント減少し、2005年秋もこの傾向は維持されています(6.7ポイント減少)。わが国組織において、社員個人の倫理判断よりも社内規範を優先させる同調圧力とこれに対する新入社員の順応という図式に変化の兆候がでてきたと見ることもできます。
ちなみに、同じ調査で2003年秋に新設した「職場で法令に抵触する可能性のあることが行われ
ていることがわかりました。あなたとしては是正した
方がよいと思い、上司に相談しましたが、具体的な指
示や行動をとってくれそうにありません。このときあ
なたは」の質問に対して「わからない」という答えの割合は次の通りです。
グローバルな倫理基準確立のむつかしさ。
活動内容と行動規範の不適合
関連ニュース
組織倫理が組織内でどのように確立され運用されるべきかについては、概略次のようにまとめることができます。
「行動規則+個人のインテグリティ」の形式
倫理綱領の組み立て方として、行動規則への準拠だけで全てのエリアをカバーすることは不可能です。個人のインテグリティ(品格、誠実性、一貫性)に依存することによって生きた企業倫理の規範が生み出されます。
組織に埋没した自律しない個人の集団では倫理性が保持できず、支配するのは容易であっても、その組織を成長発展させることは至極困難です。
経営戦略との整合性/変化への対応
経営戦略との整合性は当然のこととして、モノによっては遵守状況を測定し、監視することも検討されます。
近年の環境及び組織変化のスピードは速まっています。変化に応じて倫理綱領も更新されていく仕組みが倫理綱領自身の中に組み込まれていなければなりません。
業務特性に応じた倫理規範の焦点
倫理綱領の中にはいくつかの異なるタイプの要素が含まれます。贈答品の収受やセクハラ、薬物に関連する要素は、いずれの組織においても普遍的に適用されるでしょう。
しかし組織の業務特性に応じて、倫理規範のどこに重点を置くかは異なったものとなりえます。例えばある組織では環境に対する責任が重点となり、また別の組織では独立性の保持が強調されます。
突き詰めれば個別組織の倫理規範の重点は、
 | 組織の目的、戦略、リスク評価を通じて、 |
 | 倫理面でのリスクエリアが識別・優先順位付けされ、 |
 | これを反映して個別組織の倫理綱領の重点が決定される |
ということになります。
いずれにせよどこの組織にも共通して適用される標準仕立ての倫理綱領などはありえません。組織戦略に適合しない倫理綱領は、組織の倫理綱領に対する無理解と無関心を示すものであり、組織内で十分に生かされ、活用されることは期待できません。
各従業員への徹底
倫理綱領が作成されても、これを軽視するような組織風土/文化が支配しているようでは、戦略上のリスクに対する統制機能を発揮しえない事は言うまでもありません。
次の施策は既存の倫理綱領を各従業員に徹底する上で有用です。
 | 定期的に倫理綱領遵守への誓約書に署名させる。同時に社内の他の従業員による倫理規範違反の事実を開示させる。 |
 | 倫理遵守責任者の指名 |
 | 従業員からの質問受付、違反事項の報告受付のための、倫理相談室、人事、上司を含む複数のチャネル |
 | 倫理研修コース |
 | 常時更新される倫理への注意喚起 |
 | 倫理への取組みについて顧客・取引先へのアナウンス |
社内通報制度参照。
マネジメントの率先垂範
マネジメントの率先垂範は組織内への倫理規範徹底のために、極めて重要です。
マネジメントが自ら倫理綱領に違反する行動をとっていたとしたら、倫理遵守を口を酸っぱくして言ってみたところでおそらく大多数のものは真面目に取り合わないでしょう。
企業風土・文化
昔は会社や上司に対する悪口/不満は一杯飲み屋でぶちまける程度でしたが、現在ではインターネット上でこうした情報が即時にグローバルに共有化される仕組みが存在します。この結果「内部告発」(と同一の効果を持つ行為)に対する心理的障壁は全く低くなってきています。
「社内告発」は、一般にこれを嫌う風土があるとはいえ、問題をいきなり社外に告発されることと比べたら、経営者にとってははるかにマシな選択肢といえるでしょう。
告発を「内部に留めておく」ためには、2つの条件の充足が必要です。
 | (匿名内報制度や目安箱等)違法行為報告のメカニズムが制度として確立されていること |
 | 社内でこの制度に対する信頼感があること |
これが充たされる場合に、内部告発者がこの制度を利用しようとすることが期待され、問題点が社内的に処理できる可能性が高まります。
制度の信頼感を高めるための施策には次のものがあります。
 | 経営者の姿勢・・・問題点を経営者が真剣に取り上げてくれると、社員/告発者に確信させる
 | 報復禁止のポリシーを明示する、 |
 | トップ自らが組織の倫理行動規則を重視する姿勢を打ち出す |
|
 | 強力なコンプライアンスプログラム・・・告発者に社外に救いを求める気持ちをなくさせる最良の方策、
 | 告発は徹底的に調査する |
 | 企業価値規範がトップから末端まで浸透している状態を作り上げる、 |
 | 内部監査はその浸透度合いを定期的に評価し監視する(例、ホットラインの年間利用本数等) |
|
 |
社内管理の匿名ホットラインを外部管理に切り替える |
最近ではわが国企業にも社内告発を奨励する動きが少しずつ出てきました。
ただ聞くところでは、ホットライン制度を作ったものの「開設以来一回も利用されたことがない」、といったケースが少なくないようです。この場合にはその原因がどこにあるのかをキチンと見極めることがまず重要です。
 | 本当に組織が何ら問題もなく経営されているのか、 |
 | 制度が信頼されず利用されていないのか |
後者であることが判明したなら、責任者はまず大いに反省し(組織が期待する役割/責任が果たせていない)、その上で、制度の信頼確立に向けて真面目に取り組まなければいけません。
 | 雪印乳業 提言に関する当社の取組概要
第1回目 T.信頼回復策 ◇
「VOICE」運動の展開
VOICEとは、一連の不祥事によって著しく損なわれたお客様の信頼を回復し、再び大地の恵みを丁寧に、安全にお届けするために、お客様の声に誠実に、率直に耳を傾け、自分自身と会社を変えていく全社活動である。
従業員を含む全てのステークホルダーからの意見に耳を傾け、「生活者との関係修復」と「販売環境の再整備」を継続的に展開。 |
 | 三菱自動車 社員相談室の設置について(平成12年9月1日)
2. 組織体制: 相談室をCBEO(企業倫理担当役員)の直属に設置し、まずは3名の担当者でスタートする。
弁護士・カウンセラー等社外有識者をアドバイザーとしてお願いする。
3. 業務内容: 社員からのあらゆる相談(下記に例示)を電子メール、電話、文書、面談等で受付け、調査を行い、関係部門へ対策の実施を提言するとともに、
必要なものについては相談者へ調査結果・対策内容を回答する。
相談内容の例示 「仕事上の悩み、提案、意見、訴え」
「業務運営に関する諸問題の相談、苦情、訴え」
「セクハラや人権関係の相談、苦情、訴え」
「社内外における人間関係の悩み、相談」
「人事処遇上の不平・不満」 など
法令違反等の不正行為については、事実関係を必ず経営トップまで報告するとともに、関係部門での対策の実施を提言・フォローする。
当社社員OB並びに関連会社・販売会社社員からの相談、訴え等も本相談室で受付け、問題解決を図る。 |
 | Jonathan Figg, Whistleblowing (Internal Auditor, 2000/4) |
告発者を法的に保護することで、組織活動の透明性を高めていこうとする動きは、世界的に活発化しています。
 | 内閣府
公益通報者保護制度ウェブサ イト |
 | 公益通報支援センター(通称・内部告発支援センター)
(1)
企業、団体、行政機関等の違法行為について、従業員、関係者等から通報および相談を受付け、通報者の氏名を含む個人情報を保護しながら、問題の性質に応じて、通報者に対して必要な助言をし、その防止と早期是正のための活動を行います。
(2)
企業、団体、行政機関等のコンプライアンス、スピークアップ制度、通報者保護規定、国の公益通報者保護制度等のあるべき姿について、宣伝、啓蒙、提案活動を行います。 |
 | 公的利害開示法(the Public Interest Disclosure Act)(1999年英国)
 | 私企業、公企業、NPOにおける内部告発者に対して総括的な保護を与えるもの |
 | 内部告発者が問題点を外部に提起しても、安全であり許容される・・・このことによりダメもとの気分で安心して社内告発制度を利用できることにもなる |
 | 組織が、倫理的かつ責任のある仕方でビジネスをしているならばこの法律をおそれることはない |
|
 | 米国の公的機関における内部告発
 | 連邦虚偽請求法(Federal False Claims Act)で従業員は問題点を内部的チャネルを飛び越えて法廷に持ち込むことで金銭上の便益を得ることができる最終的な政府回収金額の10〜15%が内部告発者に支払われる・・・この方法をとることに強いインセンティブ |
 | 【脳味噌煮込みうどん】98年5月〜98年6月
FEDERAL FALSE CLAIMS ACT(連邦政府虚偽請求法)というのがあって、その最大の特徴は私人が政府に代わり、政府に損害を与える不法行為に対して訴訟を提起できる点であり、しかもなんと、被告より回収した損害賠償金の一部を訴訟提起者が報償として受け取ることができるというものである。さすが「司法取引」のお国柄(^_^)。要するに、いわゆる内部告発にインセンティブを与えているのだ。 |
 | Taxpayers Against Fraud, The
False Claims Act Legal Center (TAF)
is a nonprofit, public interest organization dedicated to
combating fraud against the Federal Government through the
promotion and use of the Federal False Claims Act and its qui
tam provisions. |
|
関連ニュース。
倫理綱領の形骸化
全く無視されて顧みられないのは論外としても、倫理綱領が単に形式的に取り扱われてる場合にも期待された役割を果たせないことになるので注意しなければなりません。次の現象は形骸化のサインといえます。
 | 趣旨を理解するのではなく、決められた手続の機械的遵守に流れがちになる |
 | 新しい状況に基づきルールが変更されるスピードが、実際の文書としての倫理綱領が書き換えられるスピードを上回ってしまうことが往々にしてあるが、これは倫理綱領そのものを軽視させる原因となりうる |
 | ルールについての誤りや違反といった否定的なことばかりにとらわれてしまい、理解やコミットメントを醸成するといった肯定的な面に努力が向かわない |
各従業員に倫理綱領を徹底させるため、従業員一人一人に倫理規範を十分に理解させ、コミットメントを引き出すことに留意します。
組織目的・戦略・リスク評価と倫理綱領との一貫性評価
組織内における倫理綱領の浸透度合い評価
 | 従業員へのインタビュー |
 | 従業員自身の倫理綱領の認識 |
 | 組織及びマネジメントの倫理遵守への取組みは十分か |
CSAの活用
監査技術の一つである統制自己評価(CSA)の手法には倫理意識を高める効果もあります。
 | オープンなグループディスカッション |
 | 日常の仕事を広範かつ詳細に討議 |
 | 倫理規範への違反を表面化させる |
 | 倫理規範へのより深い理解を共有化する |
企業倫理のチェックリスト
 | 企
業 活 動 の 評 価 指 標(宮 坂 純
一 ビジネス倫理学への招待)
T 全般的な評価指標
1 企業独自の倫理綱領について
2 企業倫理の内部制度化について
U 与件としての指標(全体としてのステイクホルダ−社会との関係)
1 自然環境への配慮に関して
2 政府(規制)への対応に関して
V マネジリアルな指標(個々のステイクホルダ−との関係)
1 株主(投資家)への義務(報い方)に関連して
2 競争(取引)相手企業への義務(付き合い方)に関連して
3 従業員への義務(働かせ方)に関連して
4 消費者への義務(財・サ−ビスの提供の仕方)に関連して
5 コミュニティへの義務(立地の在り方)に関連して |
 | ビ
ジ ネ ス ・ エ シ ッ ク ス 賞 受 賞 企 業
選考基準(2001-)(下記の基準をすべて満たす必要はない)
1) 当該事業分野でリ−ダ−的な存在であり、倫理的に事業を展開していること
2) 社会的責任プログラムを展開し、誠実で、会社内が常に活気に満ちていること
3) 本社が米国にあり、国内的にあるいは国際的に影響力があり、倫理的な行動が広く知れ渡っていること
4) すべての領域で模範的である必要はないが、すくなくとも社会的責任の1分野において顕著な業績を上げていること
5) 近年の諸問題を誠実に直視しそれを克服しているか、積極的に関与していることを明らかに示すような、動きがあること
6) 最近の活動で利益を上げているか、財務的に健全な経営を展開している実績があること |
 | 麗澤大学「企業倫理研究センター」
企業倫理研究センターは、企業倫理の研究を通してビジネス社会の調和ある発展に資することを目的とします。具体的には、次の3つを柱とします。
@ 企業倫理、コンプライアンス、リスク・マネジメントなどに関する問題を総合的・多角的に研究し、その成果を広く社会に公表すること。
A 企業その他組織による倫理法令遵守マネジメント・システム、コンプライアンス体制などの確立を支援し、公正かつ責任あるビジネスの実践を促すこと。
B 倫理的な企業その他組織がより正当に評価され、明確な形で報われるビジネス社会の建設に寄与すること。
|
米国における海外腐敗行為防止法(FCPA)は、ロッキード事件を契機として1977年に制定されたもので、海外政府への贈賄行為について厳しい罰則を設けることで取り締まろうとする法律です。これにより米国企業/個人は、内部統制を整備し、支出が贈賄に該当しない正当なものであることについての挙証責任を負うこととされます。この法律は、米国親会社/個人の指示に基づく行為は規制対象に含むものの、基本的に海外子会社は対象外となります。
こうした規制は、米国単独で導入するとどうしても米国企業の競争力を落とすことになります。このような背景から、グローバルな動きとして、OECDの音頭取りにより1997年「国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約」が締結され、これに基づき日本でも不正競争防止法が改正されました。
わが国ではこれまでのところ、この法律の適用については慎重姿勢を崩さず、企業の贈賄行為に対して寛容な態度を維持してきました。
しかし、2003年に入って経済産業省が新法を導入して本社の関与のない海外現地法人による贈賄行為に対しても摘発できる態勢を整える方針を打ち出しました。
「政財界からは『日本経済が苦しい時に、日本企業の競争力を弱めることにならないか』と危惧(きぐ)する声が上がっている」(読売新聞2002年9月13日)ということなので、今後どのように動いていくのかは不明です。
ただ国レベルでは、なるべくなら、金儲け(経済)のために手段を選ばないような非倫理的イニシアチブをわが国全体の「トップのトーン」としてしまうようなことは、避けたいところです。
 | 「国際社会において、名誉ある地位」を占めることを目指す(今は違う?)努力への悪影響 |
 | 国レベルのトップのトーンが非倫理的では、マジメにやっている企業も「その国に所属している」という事実に基づくマイナス・イメージ等の不利益を被り、バカバカしくなる |
個別企業としては法令側のブレに一喜一憂していないで、より高い倫理規範を確立し、倫理を曲げずに知恵を使うことで、贈賄の必要のないユニークな製品/サービスの提供を心がけるべし、ということになるのでしょうか。
 | 海外投資実行前にしっかり時間を使って現地の法律/文化の内容とそれらがどのように本国の法令・実務と関係するかを十分検討する。重大な相違点についてどのような機会/脅威となりうるか分析する。 |
 | 現地の文化を反映し、かつ本国の法令にも違反しない方針・手続を適用する。これを本国の取締役会、上級経営陣、業務経営陣、現地経営陣等と十分討議する。 |
 | 本国、現地、グローバルにおける組織の評判は、2〜3年の短期間の利益よりもはるかに重要であることを肝に銘じる。 |
事前の検討を怠たると、当然のことながら進出した後に問題がでてくる可能性が高まります。こうした場合には撤退も視野においた総合判断が必要となります。
余談ですが、「メガワティ大統領の苦悩」の少なくとも一部は、一度倫理レベルを下げてステイクホルダーからの信頼を失ってしまった組織がどのような事態に直面するかを象徴するものです。他山の石としましょう。
OCEG(Open Compliance & Ethics
Group)は「会社はこれができているか?投資家がコンプライアンスと倫理のマネジメントに関連して問うべき(回答を入手すべき)20の質問」として次のものを挙げています。
 | 組織文化
 | 組織は正式なコンプライアンスと倫理ミッション文書においてどのような内容を言っているか? |
 | 取締役会と経営陣はどのようにトップのトーンを設定し、コンプライアンス、倫理的価値観、ミッション、ビジョンを伝達しているか? |
 | 従業員やその他のステイクホルダーが、会社がコンプライアンスや倫理的責任について真剣であることを確信していることをどのように確かめているか? |
|
 | 範囲・戦略
 | 会社のコンプライアンスと倫理プログラムの範囲はどのようなもので、それはどのように事業戦略に統合されているか? |
 | 倫理とコンプライアンスリスクをどのように評価し、それはどのように全社的リスクマネジメントに統合されているか? |
 | 構造・資源
コンプライアンス/倫理機能を監督し、これにリーダーシップを発揮しているのは組織のどのポジションで、それは組織図のどこに位置づけられるか? |
 | 会社のコンプライアンスと倫理マネジメントチームの組織構造はどうなっているか?
日常的および突発事項発生時との両方において、コンプライアンスと倫理マネジメント活動への経営資源配分は、どのようになっているか? |
|
 | 方針
 | 行動規則にはどのような内容が盛り込まれ、またそれは誰に配布しているか?
行動規則はどのように配布され、従業員の受領と理解を確認しているか? |
 | 方針と手続の更新のプロセスはどのようなものか? |
 | 行動規則やその他の方針によって規定される要求事項は適用が見送られ、あるいは覆されることがあるか、それはどのようなプロセスによってなされるか? |
|
 | コミュニケーションと訓練
 | どのような頻度と手法で、経営陣はコンプライアンスと倫理プログラムの価値観、ミッション、ビジョンを従業員その他のステイクホルダーに伝達しているか? |
 | コンプライアンスと倫理的責任が理解・遵守され、必要なスキルが学習され実践されたことを保証するために、包括的な訓練を提供し、個別仕事役割に対して実績査定を実施しているか? |
|
 | 課題マネジメント
 | 従業員、エージェント、その他のステイクホルダーはコンプライアンスや倫理関連の問題点をどのように提起するか? |
 | 持ち上がったコンプライアンスと倫理課題をどのように取り扱い、コンプライアンス上の欠陥原因の調査を実施しているか? |
 | これまで「問題児」をどの程度一貫して、またどんな風に処分してきたか? |
 | どの問題を取締役会にあげるか、また問題解決を取締役会に知らせるかを判定するプロセスは何か? |
|
 | 評価
 | コンプライアンスと倫理プログラムの有効性を監視するためにどんな継続的なプロセスが稼動しているか?
コンプライアンスと倫理プログラム関連の事項を監査するのに外部法律事務所やコンサルタントを活用しているか? |
|
OCEGレポート。
コンプライアンス経営
各業種別コンプライアンスガイドライン
 | 製薬協コンプライアンス・プログラム・ガイドライン (2001年4月1日
現在)
製薬企業には、生命関連産業として他の業種より高い倫理観が求められている。
このため製薬協ではこれまでも「製薬企業行動憲章」を制定するとともに、法令遵守と企業倫理の徹底を図ってきた。しかし、最近の不祥事を巡り多くの批判がある中で、何よりも不祥事の再発防止を図ることが最優先の課題であり、単に倫理綱領、行動指針等を示すことに止まらず、法令・ルールや行動規範・倫理綱領等を遵守のための具体的手順・手続き、実施体制等を示すことが必要になっている。
製薬協では2001年4月1日付で、企業倫理と法令遵守のより一層の遵守を目指して、「コンプライアンス・プログラム・ガイドライン」を策定し、会員各社に示した。
今後は会員各社において、このガイドラインを参考に、既にある各社の法令遵守のためのプログラムや体制を見直していただき、より一層効果的・継続的な法令遵守の体制がとられることを期待するとともに、製薬産業が、真に生命関連産業として高い倫理観を持って行動し、社会から公正な理解と評価が得られることを念願している。
はじめに
第1章 製薬協コンプライアンス・プログラム・ガイドラインの基本方針
ガイドラインの目的 コンプライアンスへの取り組み
製薬協としてのコンプライアンスに関する取り組み
第2章 各社のプログラム策定・実行のためのガイドライン
効果的なプログラムたる要件
プログラム策定・改定の実務
法令遵守を徹底するのための組織体制
プログラムの効果的な運用 |
 | 全日本金属産業労働組合協議会 企業行動規範締結(COC)の取り組み |
量刑ガイドライン
費用対効果
 | RIGHT-SIZING:
CUSTOMIZING COMPLIANCE TO THE SMALL CORPORATION (Kristen K.
McGuffey Thomas C. Soldan, Simmons Bedding Company, 2006 Simmons
Bedding Company)
 | A company's efforts to "effectively" structure its
compliance program, however, will only be tested by the government
when misconduct occurs and the company comes under investigation
for potential wrongdoing. In other words, at a critical time, when
potential illegalities have been identified and the compliance
program is being reviewed under the microscope of a cynical group
of prosecutors or regulators, it may be very difficult to prove
that the company's compliance efforts were "reasonable"
given its size and risk profile. |
 | 組織文化:小規模会社ではトップがどのように行動しているかが全て、トップがコンプライアンスを重視していなければどんな立派なプログラムを作ってみたところで社員はこれを重視しない |
 | 責任者:
 | 上級経営陣あるいはコンプライアンス委員会・・・即戦力であり社内認知も得やすいが、小規模会社では忙しくて余裕がない、やるべきことをやっていなければいざという時に法的不利益のリスク |
 | マネジャー他への権限委譲・・・コンプライアンストレーニングや規程類整備、社内通報制度設置等、マネジャーが執行しコンプラ委員会が適切に監督するというイメージ |
 | アウトソーシング・・・コンプラプログラムの基盤となる組織のリスク評価(遵守すべき法令識別/影響度評価/発生可能性評価)、リスク対応手段識別と優先順位付け |
|
 | 有効なコミュニケーション手段とトレーニング
 | 小規模会社では日常的なインタラクションや非公式なコミュニケーションが中心。・・・これは文書化されず後から存在したことの立証が困難 |
 | 公式化する知恵・・・業務上実施していることにかこつける(営業会議でトレーニング実施等)、KPI/KRIの報告体制整備 |
|
|
コンプライアンス関連ニュース
実態調査
 | 日本経済新聞社 環境経営度調査・第5回
日本経済新聞社が製造業を対象に企業の環境対策を総合評価した「第5回環境経営度調査」で、日本IBMが初めてランキングの首位に立った。省エネなどに優れた実績をあげた。全体の1割近くは成果を社員の人事評価に反映させるなど、企業が環境対策を重要な経営課題の一つとする姿勢も鮮明になった。
日本IBM首位
製造業、ランキング上位30社 |
 | 平成13年7月13日
平成12年度「環境にやさしい企業行動調査」の結果について
環境省は、平成3年度から継続している「環境にやさしい企業行動調査」の平成12
年度の結果を取りまとめた。 平成12年度の調査結果によると、環境に関する経営方針の制定、具体的目標の設定、それらを達成するための行動計画の作成など、環境管理に関する取組を進める企業が企業規模を問わず増加し、環境保全に関するわが国企業の自主的、積極的取組が進展していることが明らかとなっている。その中で、企業活動における環境情報を公開する動きが広がっており、環境報告書の発行、環境会計の導入などに取り組む企業も増加している。
また、地球温暖化問題に関して、「重大な問題であり、できる限り防止に努力するよう定め、防止のための取組を行っている」と回答した企業の割合が前年に比べて増加している。 |
 | 環境ブランド調査、結果速報!
“環境”がブランド力に与える影響度は7-10%(日経BP環境経営フォーラム2001/06/21)
日経BP社と会員企業96社からなる日経BP環境経営フォーラムは、企業の環境に対する活動が、企業のブランド構築にどのくらい影響するのかを測定する手法を開発し、その効果についてこのほどまとめました。
それによると、企業のブランド力を表わす「ブランド指数」に「環境活動への評価」が与える影響度の割合は、平均して一般消費者の場合で7.4%、ビジネスマンで10.5%あることが分かりました。企業の環境活動が企業のブランド構築にどれくらい効果があるのかを調査・分析したのは、世界でも初めての試みといえます。 |
 | 「企業の環境コミュニケーション」についての調査結果について(概要)
(お知らせ:本省記者クラブ同時配布)(平成13年5月14日
国立環境研究所)
a)企業経営における環境経営の位置づけ:環境対策を短期的な企業利益の追求というよりは、長期的な企業存続の手段として位置づけている
b)業績評価システムと環境対策の連動: 回答企業の3割以上が何らかの形で(企業全体、事業所や部署など個別部門、従業員個人、取締役など経営陣の)業績評価と環境対策を結びつけている
c)環境戦略・行動へのステイクホルダーからの影響:回答企業の約37%が、これらのステイクホルダーから寄せられた要望が、企業の環境戦略や行動に何らかの影響を与えたと回答した。
d)環境コミュニケーション: 企業が環境コミュニケーションに期待することについては、「ステイクホルダーとの相互理解を促進すること」(46.1%)が最も多かった
e)環境コミュニケーションの手段: 環境に関するデータや取り組みなどの情報をステイクホルダーに提供する手段について尋ねたところ、自社の環境情報を積極的に公開するというスタンスに立つ企業、マイナス情報も公開するという企業はそうでない企業よりも多様な媒体を利用する傾向にあった。全体的には、「社内報」(72.6%)「会社案内やパンフレット」(69.5%)「自社ホームページ」(60.0%)「事業所の公開」(50.3)「環境報告書」(45.5%)の順に多かった。
f)企業が重視しているステイクホルダー: 企業が環境コミュニケーションを行う上で特に重視しているステイクホルダーを3つまであげてもらったところ、「地域社会」(52.4%)「取引先企業」(49.5%)「社内(経営者、従業員、労働組合等)」(48.0%)「消費者」(44.2%)の順に多かった。
g)インターネットの活用: 環境情報の提供手段としてインターネットは欠かせないものになってきていることがわかった。回答企業の60%がインターネットで環境情報の提供を行っていると回答し、環境報告書を公開している企業(217社)の72%がホームページに環境報告書を掲載していると回答している。
h)環境コミュニケーションの効果: 環境コミュニケーションの効果を内部的な効果と外部的な効果に分けてみると、内部的な効果としては「従業員の環境意識が高まった」(82.9%)「経営者の意識が高まった」(61.5%)「環境対策において部署間の協力体制が築けるようになった」(50.3%)などが過半数を占める回答であった。 |
 | 学校法人産能大学 環境会計に関する実態調査 |
 | 東洋経済 環境報告書賞 |
 | エコ商品に関する消費者の意識調査(産業能率大学
2001.3)
◎ほとんどが環境問題に関心あり
◎商品購入の際には環境への対応を意識
◎価格上昇の許容度は1〜2割
◎大幅な機能低下は受け入れがたい
◎環境問題への取り組み強化は教育の充実で |
 | 地球環境大賞 大賞にソニーが受賞
10社2自治体決まる(2001年1月)
産業の発展と地球環境の共生をめざし、環境保全活動に熱心に取り組む企業や地方自治体を顕彰する第10回「地球環境大賞」の受賞企業10社と2自治体が決まり、大賞にはソニーが輝いた。受賞企業・自治体は別表の通り。授賞式は4月18日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで行われる。 |
 | 産業能率大学 顧客満足型エコマーケティング実態調査報告書(2000.12)
環境に関する意識が高まる中で、顧客はエコ商品の購入に対してどのような認識を持っているのか、とくに企業が物品を購入する際にエコ商品に対してどのようなスタンスをとっているのか、などについての実態調査を実施し、報告書としてまとめました。
◎エコロジー活動への取り組み状況:省エネルギーの推進=65.8%(36.4%)
廃棄物の削除=65.6%(36.3%)
資源のリサイクル活用=56.7%(31.6%)
二酸化炭素の削減=45.8%(21.9%)
有害物質の使用量削減=44.7%(21.0%)
グリーン調達=30.8%(13.8%)
◎グリーン購入の実態:何らかの形でグリーン購入を実施している企業・自治体は66.4%と約2/3を占めています。ただしグリーン購入の規程については、「ある」という答えは40.3%にとどまっています。
◎エコ商品に関する認識:「当てはまる」と「やや当てはまる」の合計は33%にとどまりました。
◎購買行動と意思決定の構図:「会社内で環境配慮の方向性が確立されているか」という質問では、43.9%が「当てはまる」と回答し、「やや当てはまる」(35.4%)を合わせるとほぼ8割の企業で方向性が打ち出されてることがわかりました。
◎具体的な取り組み:実際に1年以上前からグリーン購入に取り組んでいる商品項目を尋ねたところ、トップ3はすべて「紙」関係となりました。
一方、「グリーン購入を推進することによって、環境保全に多大に貢献できるもの」という質問では、以下のものがトップ3になりました。自動車=59.1%
OA用紙=53.0% 家電製品=42.3% |
 | 日本総研 わが国企業の環境経営の動向
― 2000年 UBS日本株式エコ・ファンド アンケート調査報告(2000年12月8日)
環境IR の対応 業種間で積極度に格差
環境に関する経営方針の明確化 銀行の遅れ目立つ
ISO14001 の取得 非鉄、機械などで高い割合
第三者による環境監査 実施は約半数
定量的な目標設定 非鉄、自動車・輸送用機器で100
%
環境教育 建設業、商社・卸売業、小売業でも努力
従業員の家庭での意識向上プログラム 2 割にとどまる
環境に関する危機管理計画 実施は約半数
環境コストの公表 取り組みは全体の約3 割
環境報告書は4 割強の企業が発行
廃棄物対策、省エネルギー対策が先行
取引先への環境基準適合 電気機器では2 /3 が要求
ライフサイクルアセスメント(LCA )
普及はこれから
製品、容器包装の回収 全体の3 割で実施 |
 | 日本経済新聞社 第4回「環境経営度調査」調査結果(2000年12月4日) |
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