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不正対応
不祥事発生の構造

目次

企業倫理はなぜ必要なのか
企業倫理の実状
あるべき姿/ベンチマーク
社内通報制度
陥りがちな誤り
チェックポイント/手法
情報ソース

 

1.企業倫理はなぜ必要なのか

組織がその最も価値のある財産である「評判」を築き上げるには何年もの期間を要します。しかしそれを破壊するには数センチ...新聞のヘッドラインの長さ...があれば十分なのです。

組織は社会の中から人を集めその力を結集して成果を生み出していく仕組みです。存立基盤を社会に依存する以上、社会が定めたルールを遵守して行動すべきは当然のことです。もしこれに反した行動をとるときは、社会の側から相応の制裁が加えられることを覚悟しなければなりません。(例えば、行政処分、刑事罰、罰金支払、評判失墜、製品ボイコット、従業員モラールの低下、組織内外からの恐喝、等)

不祥事に対する対応/反応(例)
企業対象暴力

企業倫理の確立と適切な運用は、組織行動の中から違法性や不道徳な要素を除去するものです。これにより組織は次の便益を得ることになります。

社会のルールを踏み外す組織行為(違法行為等)の発生確率を抑制する
従業員不正発生の可能性を抑制する
何かの間違いでルール違反を発生させてしまったときの情状酌量余地を広げる(倫理規範の確立・運用の事実により社会的制裁は軽減されるのが通例である)
高い倫理意識を通じて組織従業員に誇りを持たせ、忠誠心、帰属意識、モラールを高める
顧客に選好される(顧客は倫理的に信頼できるサプライヤーを選好する)

わが国では近年不祥事が多発していますが、「企業倫理の徹底」は、これに対する最も重要な防止対策の一つです。(「不祥事発生の構造」参照)。組織行動は結局のところ従業員を通して生み出されていきます。不祥事を防止するための機構を設計し運営する主体も従業員です。

したがって従業員個人個人の意識の中に倫理意識、価値規範を確立し、徹底することにより、自律的な従業員個人の倫理意識が、

品性に欠ける行動を慎み、不祥事に手を染めようと思いたつ可能性自体を低下させ、
統制活動を無力化する「共謀」への誘惑に乗りにくくし、
トップの暴走に対しても毅然とした態度で接することにより一定の歯止めとして機能し、
自らが不祥事を発生させない安全な統制の仕組みを設計し保守するよう動機付けられる

効果をもちます。統制活動に対する阻害要因を抑制します。まさにこの「各個人の倫理意識」こそが、組織全体の「倫理的」活動、品格のある信頼される行動を保証し、もって組織を成長させる素として機能します。

企業倫理の徹底/コンプライアンスが不十分であれば、社内の「統制の仕組み」をいくら念入りに施してみたところで、例えば次のような事態を完全に防止することは困難です。

顧客等に対する「暴言」
正式な統制の仕組みを無化する「裏マニュアル」に基づく運用
部門ぐるみ、組織ぐるみの不祥事とそのもみ消し工作
株主に対する誤魔化しを意図した総会屋への利益供与/「粉飾商品」の購入
NGO敵対視の「企業戦略」提言の社外流出

 

2.企業倫理の実状

社会経済生産性本部で毎年実施している新入社員半年間意識変化調査(春と秋)で

「上司から会社のためにはなるが、自分の良心に反する手段で仕事を進めるように指示されました。このときあなたは、」

の質問に対して

「あまりやりたくはないが、指示の通り行動する」

という答えの割合は次の通りです。

 
2006年度(注2) 38.8% 35.7%
2005年度 43.3% 36.6%
2004年度 43.4% 34.9%
2003年度 32.0% 36.2%
2002年度 31.1% 38.6%
2001年度 33.3% 35.1%
2000年度(注) 28.8% 32.0%
1999年度(注) 39.1% 40.2%
(注)2000年までは質問が「上司から利益は上がるが、不正、もしくは自分の良心に反する手段をとるように指示されました。このときあなたは、」と微妙に異なります。
(注2)2006年春までは「あまりやりたくないが、指示の通り行動する」だった回答選択肢が、2006年秋から「指示の通り行動する」に変更されています。

全体として30%を超える水準で推移しており、更に2004年春は前年比11.5ポイント悪化しています。ただ、2004年秋はここ数年来で初めて春→秋でこの割合が8.5ポイント減少し、2005年秋もこの傾向は維持されています(6.7ポイント減少)。わが国組織において、社員個人の倫理判断よりも社内規範を優先させる同調圧力とこれに対する新入社員の順応という図式に変化の兆候がでてきたと見ることもできます。

ちなみに、同じ調査で2003年秋に新設した「職場で法令に抵触する可能性のあることが行われ ていることがわかりました。あなたとしては是正した 方がよいと思い、上司に相談しましたが、具体的な指 示や行動をとってくれそうにありません。このときあ なたは」の質問に対して「わからない」という答えの割合は次の通りです。

 
2006年度 12.6% 16.7%
2005年度 13.6% 20.5%
2004年度 15.0% 23.8%
2003年度 26.1%

 

 

グローバルな倫理基準確立のむつかしさ。

 

活動内容と行動規範の不適合

 

関連ニュース

 

3.あるべき姿/ベンチマーク

組織倫理が組織内でどのように確立され運用されるべきかについては、概略次のようにまとめることができます。

「行動規則+個人のインテグリティ」の形式

倫理綱領の組み立て方として、行動規則への準拠だけで全てのエリアをカバーすることは不可能です。個人のインテグリティ(品格、誠実性、一貫性)に依存することによって生きた企業倫理の規範が生み出されます。

組織に埋没した自律しない個人の集団では倫理性が保持できず、支配するのは容易であっても、その組織を成長発展させることは至極困難です。

経営戦略との整合性/変化への対応

経営戦略との整合性は当然のこととして、モノによっては遵守状況を測定し、監視することも検討されます。

企業フィランソロピーの変革−バランス・スコアカードを活用した戦略化と評価制度の構築−(NRI 野村総合研究所 知的資産創造2001年10月号)

近年の環境及び組織変化のスピードは速まっています。変化に応じて倫理綱領も更新されていく仕組みが倫理綱領自身の中に組み込まれていなければなりません。

業務特性に応じた倫理規範の焦点

倫理綱領の中にはいくつかの異なるタイプの要素が含まれます。贈答品の収受やセクハラ、薬物に関連する要素は、いずれの組織においても普遍的に適用されるでしょう。

しかし組織の業務特性に応じて、倫理規範のどこに重点を置くかは異なったものとなりえます。例えばある組織では環境に対する責任が重点となり、また別の組織では独立性の保持が強調されます。

突き詰めれば個別組織の倫理規範の重点は、

組織の目的、戦略、リスク評価を通じて、
倫理面でのリスクエリアが識別・優先順位付けされ、
これを反映して個別組織の倫理綱領の重点が決定される

ということになります。

いずれにせよどこの組織にも共通して適用される標準仕立ての倫理綱領などはありえません。組織戦略に適合しない倫理綱領は、組織の倫理綱領に対する無理解と無関心を示すものであり、組織内で十分に生かされ、活用されることは期待できません。

各従業員への徹底

倫理綱領が作成されても、これを軽視するような組織風土/文化が支配しているようでは、戦略上のリスクに対する統制機能を発揮しえない事は言うまでもありません。

次の施策は既存の倫理綱領を各従業員に徹底する上で有用です。

定期的に倫理綱領遵守への誓約書に署名させる。同時に社内の他の従業員による倫理規範違反の事実を開示させる。
倫理遵守責任者の指名
従業員からの質問受付、違反事項の報告受付のための、倫理相談室、人事、上司を含む複数のチャネル
倫理研修コース
常時更新される倫理への注意喚起
倫理への取組みについて顧客・取引先へのアナウンス

社内告発の奨励

社内通報制度参照。

マネジメントの率先垂範

マネジメントの率先垂範は組織内への倫理規範徹底のために、極めて重要です。

マネジメントが自ら倫理綱領に違反する行動をとっていたとしたら、倫理遵守を口を酸っぱくして言ってみたところでおそらく大多数のものは真面目に取り合わないでしょう。

 

企業風土・文化

Japan-ability(ジャパナビリティ) “融知創新”のダイナミズム -電通総研が「日本の潮流2002」を発表-(電通総研 2001. 12. 18)
2002年に向けてのテーマは、<Japan-ability(ジャパナビリティ)〜“融知創新”のダイナミズム〜>である。世界経済停滞の懸念、日本の構造改革の遅れと長引く経済停滞。世界と日本のクライシスを冷静に受け止め、その連鎖を絶つために必要なことは、システムを再構築し、本来日本が持つ優れたポテンシャル-内外の知を融合し、人と人との間柄を大切にし、絶えず自己を磨き、自然との共生を保ち、新しい価値を創造するエトス(気風)-をJapan-abilityとして顕在化させることである。
信頼と創造を軸とした企業風土変革(野村総合研究所 2001/11)
 企業風土とは、企業全体から発せられるその企業独自の「雰囲気」や「におい」であり、価値観、行動規範のようなものであり、抽象的でとらえにくい。しかし、このとらえにくい企業風土こそ、変革の過程で味方にも敵にもなり、創造性や活力の土台にもなりうる重要な要素なのである。いち早く企業風土変革へのアプローチに着目し、信頼と創造を軸とした企業のメンタル面でのマネジメントに着手することが、この21世紀に勝ち残る秘訣であろう。
会議体の活性化を契機とした参画型経営体質の構築(NRI Research News 2001.11)
成果をあげる組織の企業風土とは?(NRI Research News 2001.10)

 

4.社内通報制度

ネット告発のリスクと性格
社内通報の基本的考え方
告発者の法的保護
内部告発についての関連情報

ネット告発のリスクと性格

昔は会社や上司に対する悪口/不満は一杯飲み屋でぶちまける程度でしたが、現在ではインターネット上でこうした情報が即時にグローバルに共有化される仕組みが存在します。この結果「内部告発」(と同一の効果を持つ行為)に対する心理的障壁は全く低くなってきています。

2ちゃんねる−ちくり裏事情

 

社内通報の基本的考え方

「社内告発」は、一般にこれを嫌う風土があるとはいえ、問題をいきなり社外に告発されることと比べたら、経営者にとってははるかにマシな選択肢といえるでしょう。

告発を「内部に留めておく」ためには、2つの条件の充足が必要です。

(匿名内報制度や目安箱等)違法行為報告のメカニズムが制度として確立されていること
社内でこの制度に対する信頼感があること

これが充たされる場合に、内部告発者がこの制度を利用しようとすることが期待され、問題点が社内的に処理できる可能性が高まります。

制度の信頼感を高めるための施策には次のものがあります。

経営者の姿勢・・・問題点を経営者が真剣に取り上げてくれると、社員/告発者に確信させる
報復禁止のポリシーを明示する、
トップ自らが組織の倫理行動規則を重視する姿勢を打ち出す
強力なコンプライアンスプログラム・・・告発者に社外に救いを求める気持ちをなくさせる最良の方策、
告発は徹底的に調査する
企業価値規範がトップから末端まで浸透している状態を作り上げる、
内部監査はその浸透度合いを定期的に評価し監視する(例、ホットラインの年間利用本数等)
社内管理の匿名ホットラインを外部管理に切り替える

最近ではわが国企業にも社内告発を奨励する動きが少しずつ出てきました。

ただ聞くところでは、ホットライン制度を作ったものの「開設以来一回も利用されたことがない」、といったケースが少なくないようです。この場合にはその原因がどこにあるのかをキチンと見極めることがまず重要です。

本当に組織が何ら問題もなく経営されているのか、
制度が信頼されず利用されていないのか

後者であることが判明したなら、責任者はまず大いに反省し(組織が期待する役割/責任が果たせていない)、その上で、制度の信頼確立に向けて真面目に取り組まなければいけません。

雪印乳業 提言に関する当社の取組概要
第1回目 T.信頼回復策 ◇ 「VOICE」運動の展開 
VOICEとは、一連の不祥事によって著しく損なわれたお客様の信頼を回復し、再び大地の恵みを丁寧に、安全にお届けするために、お客様の声に誠実に、率直に耳を傾け、自分自身と会社を変えていく全社活動である。 従業員を含む全てのステークホルダーからの意見に耳を傾け、「生活者との関係修復」と「販売環境の再整備」を継続的に展開。
三菱自動車 社員相談室の設置について(平成12年9月1日)
2. 組織体制:  相談室をCBEO(企業倫理担当役員)の直属に設置し、まずは3名の担当者でスタートする。
 弁護士・カウンセラー等社外有識者をアドバイザーとしてお願いする。 
3. 業務内容:  社員からのあらゆる相談(下記に例示)を電子メール、電話、文書、面談等で受付け、調査を行い、関係部門へ対策の実施を提言するとともに、 必要なものについては相談者へ調査結果・対策内容を回答する。 相談内容の例示 「仕事上の悩み、提案、意見、訴え」 「業務運営に関する諸問題の相談、苦情、訴え」 「セクハラや人権関係の相談、苦情、訴え」 「社内外における人間関係の悩み、相談」 「人事処遇上の不平・不満」 など
 法令違反等の不正行為については、事実関係を必ず経営トップまで報告するとともに、関係部門での対策の実施を提言・フォローする。
 当社社員OB並びに関連会社・販売会社社員からの相談、訴え等も本相談室で受付け、問題解決を図る。
Jonathan Figg, Whistleblowing (Internal Auditor, 2000/4)

告発者の法的保護

告発者を法的に保護することで、組織活動の透明性を高めていこうとする動きは、世界的に活発化しています。

内閣府 公益通報者保護制度ウェブサ イト
公益通報支援センター(通称・内部告発支援センター)
(1) 企業、団体、行政機関等の違法行為について、従業員、関係者等から通報および相談を受付け、通報者の氏名を含む個人情報を保護しながら、問題の性質に応じて、通報者に対して必要な助言をし、その防止と早期是正のための活動を行います。
(2) 企業、団体、行政機関等のコンプライアンス、スピークアップ制度、通報者保護規定、国の公益通報者保護制度等のあるべき姿について、宣伝、啓蒙、提案活動を行います。
公的利害開示法(the Public Interest Disclosure Act)(1999年英国)
私企業、公企業、NPOにおける内部告発者に対して総括的な保護を与えるもの
内部告発者が問題点を外部に提起しても、安全であり許容される・・・このことによりダメもとの気分で安心して社内告発制度を利用できることにもなる
組織が、倫理的かつ責任のある仕方でビジネスをしているならばこの法律をおそれることはない
米国の公的機関における内部告発
連邦虚偽請求法(Federal False Claims Act)で従業員は問題点を内部的チャネルを飛び越えて法廷に持ち込むことで金銭上の便益を得ることができる最終的な政府回収金額の10〜15%が内部告発者に支払われる・・・この方法をとることに強いインセンティブ
【脳味噌煮込みうどん】98年5月〜98年6月
FEDERAL FALSE CLAIMS ACT(連邦政府虚偽請求法)というのがあって、その最大の特徴は私人が政府に代わり、政府に損害を与える不法行為に対して訴訟を提起できる点であり、しかもなんと、被告より回収した損害賠償金の一部を訴訟提起者が報償として受け取ることができるというものである。さすが「司法取引」のお国柄(^_^)。要するに、いわゆる内部告発にインセンティブを与えているのだ。
Taxpayers Against Fraud, The False Claims Act Legal Center (TAF) 
is a nonprofit, public interest organization dedicated to combating fraud against the Federal Government through the promotion and use of the Federal False Claims Act and its qui tam provisions.

関連ニュース。

 

内部告発についての関連情報

 

.陥りがちな誤り

倫理綱領の形骸化

全く無視されて顧みられないのは論外としても、倫理綱領が単に形式的に取り扱われてる場合にも期待された役割を果たせないことになるので注意しなければなりません。次の現象は形骸化のサインといえます。

趣旨を理解するのではなく、決められた手続の機械的遵守に流れがちになる
新しい状況に基づきルールが変更されるスピードが、実際の文書としての倫理綱領が書き換えられるスピードを上回ってしまうことが往々にしてあるが、これは倫理綱領そのものを軽視させる原因となりうる
ルールについての誤りや違反といった否定的なことばかりにとらわれてしまい、理解やコミットメントを醸成するといった肯定的な面に努力が向かわない

各従業員に倫理綱領を徹底させるため、従業員一人一人に倫理規範を十分に理解させ、コミットメントを引き出すことに留意します。

 

5.チェックポイント/手法

組織目的・戦略・リスク評価と倫理綱領との一貫性評価

組織内における倫理綱領の浸透度合い評価

従業員へのインタビュー
従業員自身の倫理綱領の認識
組織及びマネジメントの倫理遵守への取組みは十分か

CSAの活用

監査技術の一つである統制自己評価(CSA)の手法には倫理意識を高める効果もあります。

オープンなグループディスカッション
日常の仕事を広範かつ詳細に討議
倫理規範への違反を表面化させる
倫理規範へのより深い理解を共有化する

企業倫理のチェックリスト

企 業 活 動 の 評 価 指 標(宮 坂 純 一 ビジネス倫理学への招待)
T 全般的な評価指標
 1 企業独自の倫理綱領について
 2 企業倫理の内部制度化について
U 与件としての指標(全体としてのステイクホルダ−社会との関係)
 1 自然環境への配慮に関して
 2 政府(規制)への対応に関して
V マネジリアルな指標(個々のステイクホルダ−との関係)
 1 株主(投資家)への義務(報い方)に関連して
 2 競争(取引)相手企業への義務(付き合い方)に関連して
 3 従業員への義務(働かせ方)に関連して
 4 消費者への義務(財・サ−ビスの提供の仕方)に関連して
 5 コミュニティへの義務(立地の在り方)に関連して
ビ ジ ネ ス ・ エ シ ッ ク ス 賞  受 賞 企 業
選考基準(2001-)(下記の基準をすべて満たす必要はない)
 1) 当該事業分野でリ−ダ−的な存在であり、倫理的に事業を展開していること 
 2) 社会的責任プログラムを展開し、誠実で、会社内が常に活気に満ちていること 
 3) 本社が米国にあり、国内的にあるいは国際的に影響力があり、倫理的な行動が広く知れ渡っていること 
 4) すべての領域で模範的である必要はないが、すくなくとも社会的責任の1分野において顕著な業績を上げていること 
 5) 近年の諸問題を誠実に直視しそれを克服しているか、積極的に関与していることを明らかに示すような、動きがあること 
 6) 最近の活動で利益を上げているか、財務的に健全な経営を展開している実績があること
麗澤大学「企業倫理研究センター」
企業倫理研究センターは、企業倫理の研究を通してビジネス社会の調和ある発展に資することを目的とします。具体的には、次の3つを柱とします。
@ 企業倫理、コンプライアンス、リスク・マネジメントなどに関する問題を総合的・多角的に研究し、その成果を広く社会に公表すること。
A 企業その他組織による倫理法令遵守マネジメント・システム、コンプライアンス体制などの確立を支援し、公正かつ責任あるビジネスの実践を促すこと。
B 倫理的な企業その他組織がより正当に評価され、明確な形で報われるビジネス社会の建設に寄与すること。
R-BEC001 社会責任投資基準(2001/7/19)
「倫理法令遵守マネジメント・システム規格(ECS2000 v1.2)」(2000年5月)
「倫理法令遵守マネジメント・システム規格(ECS2000v1.2)」ガイダンス・ドキュメント(2000年5月)

 

6.情報ソース

企業倫理の考え方
実態調査
各社の倫理綱領(例)
業界統一倫理
不祥事に対する対応/反応(例)
コンプライアンス
海外での贈収賄行為
セクハラ
プライバシー保護
喫煙の弊害/受動喫煙/嫌煙権
環境戦略
遺伝子組換え食品
消費者運動

企業倫理の考え方

企業不祥事防止へ「自主行動基準」指針(読売オンライン 2002年12月17日)
 内閣府は17日、企業不祥事を防止するため各企業が策定する「自主行動基準」の指針を発表した。国民生活審議会消費者政策部会の自主行動基準検討委員会(委員長・松本恒雄一橋大教授)が同日、最終報告をまとめた。
 指針は「不祥事を組織内部で隠蔽(いんぺい)することは許されない。また可能でもない」とし、経営トップが先頭に立ち、企業倫理の順守に努める必要があると指摘している。具体的な行動基準作りに際しては、製品(食品)の安全性、環境への配慮などの項目を盛り込んだ上、社内責任の明確化や社員研修などで実効性を確保することを求めている。
日本経済団体連合会 企業行動憲章 ― 社会の信頼と共感を得るために ― (2002年10月15日)
魅力ある日本−創造への責任−経団連ビジョン2020−第2部 我々が目指す日本の未来 第5章 企業は市民社会づくりの中心的な役割を担う(1996年10月)
東京海上「企業倫理と危機管理」(1999年)
ビ ジ ネ ス 倫 理 学 へ の 招 待 ☆倫理学を 身近なモノにby Jun'ichi Miyasaka 宮 坂 純 一
ビジネス倫理学に関連する用語集、事例集、文献目録、日本的経営に関する情報、リンク集等
高浦康有 Business and Society
麗澤経済研究センタ− 企業倫理研究プロジェクト
倫理法令遵守マネジメント・システム規格(ECS2000)とは、公正かつ責任ある経営を行なおうとする、企業その他の組織が、対価を支払うことなく、まったく自由に利用することのできる、企業倫理実践のための一般基準
企業行動規範締結(COC)の取り組み 麗澤大学国際経済学部助教授 高 巌、講演「重視される企業倫理」(全日本金属産業労働組合協議会、2000年12月19日講演)
◆2000年夏以降
◆政治からのアプローチが変わる
◆市場からのアプローチが変わる ―エコ・ファンドの成功―社会的格付け
◆急速な社会制度的な変化
◆企業倫理に関する規格や原則の世界的な動向
◆企業倫理がリスク・マネジメントの基礎
◆リスク・マネジメントに取り組む際の考え方
◆まとめ−トップのリーダーシップが不可欠
モラロジー研究所
「21世紀の地球人のモラルを考える」提言等
人事院「平成11年公務員白書」【第1部】<人事行政の動き>第2章 国民の信頼の回復を目指して 〜不祥事から何を学ぶべきか〜
日本能率協会総合研究所
ビジネスエシックスって何ですか?
「企業倫理」定着の考え方について〜「企業倫理」を個人と組織に定着させ、魅力ある企業づくりを実現する〜
The Defense Industry Initiative (DII)
Ethics Officer Association (EOA)
Center for Business Ethics at Bentley College 
Institute for Business Ethics at DePaul University 
Ethics Resource Center
Institute for Global Ethics 
International Business Ethics Institute 
European Institute for Business Ethics
Lockheed Martic Corporation - Corporate Ethics Online Information
KPMG Business Ethics 
The Institute for Applied and Professional Ethics 
Illinois Institute of Technology, Center for the Study of Ethics in the Professions: Codes of Ethics Online Project
Crime and Misconduct Commission
Examples of the five ethics principles - Taken from The Grassroots of Ethical Conduct Kit
Respect for the law and system of government
Integrity
Respect for others
Economy and efficiency
Diligence
Research / Publications
Monitoring the Ethical Climate of Organizations: A Queensland case study

実態調査

小林 義彦企業部会・学習会報告 関西企業の倫理実践の現状と課題(関西経済連合会 2001.1.24)
<1>.会員アンケートにみる企業の対応と社員の意識
<2>.変わる企業評価の尺度と社会的責任ある企業行動の推進
(財)経済広報センター「企業に対する信頼感」の低下に歯止め 信頼の回復・向上には「事業を通じて」が第1位 〜第5回「企業観アンケート」の集計結果〜(2002年1月21日)
(1) 企業が社会的信頼を維持・向上させるための第1位は「事業を通じて」。
(2) 「企業に対する信頼感」は、低下に一応の歯止め。
(3) 企業の情報公開は「不十分」が、前回より11ポイント減少。
(4) 企業情報の入手で一番役に立つ媒体としてインターネットが第2位に。
 (財)経済広報センター 第4回「企業観アンケート」の集計結果(2000年12月25日)
「企業に対する信頼感」は2年連続で低下。 信頼回復・向上には「企業倫理の確立と順守」を
社会的信頼を維持・向上するために重要なこと /第1 位「企業倫理の確立」52.2%
企業情報の質や量について / 「不十分と思う」が85.7 %で前年より増える
インターネットでの企業情報収集経験 / 「ある」が過半数
インターネットによる情報公開への評価 / よいとする回答が約80 %
「2000年度 社会貢献活動実績調査結果」要約(経済団体連合会)
 社会貢献活動支出について回答した323社の2000年度社会貢献活動支出総額は1,345億円、1社平均では4億1,600万円と1999年度の4億300万円に比べ3.2%増加した。
経団連・社会本部 「99 年度 社会貢献活動実績調査結果」 要約 (2000年11月30日)
経団連会員企業ならびに1 %クラブ法人会員の合計1,048 社を対象 にアンケート票を郵送し、99 年度の社会貢献活動支出、社会貢献活動を推進するための社内体制や従業員の社会貢献活動支援制度の導入、社会貢献活動に関する意識、N PO ・NGO に対する支援・連携等について回答入手
社会貢献活動支出について回答した309 社の99 年度の社会貢献活動支出 総額は1,246 億円であった。1 社平均では4 億300 万円(309 社)と98 年度の3 億円8,200 万円に比べ5.5 %増加した
日本消費者連盟 「企業の社会的責任に関する考え方」アンケート結果(2000年2月)
全体として今回のアンケートによって、社会的責任を認め、消費者を重視していくという企業の姿勢が明らかになりましたが、問題はその実行です。日本の企業が本当の意味で市民社会の一員として活躍してもらいたいものです。今回の回答と実際の企業活動を比べながら、私たち消費者は今後も監視していかなければなりません。
経済同友会「企業行動規範」関連アンケート調査結果について(1997年4月4日)
関西経済連合会「企業倫理の実践に関するアンケート調査報告書 要旨」(1998年10月2日)
経済広報センター 「企業の不祥事に関する『会社員の声』アンケート調査」 (1997年5月14日)
PwC Surveys Find Many Consumers Hold Companies Responsible for Their Actions (SEP 1999)
社会的責任を果たさない企業は消費者にそっぽを向かれる
社会経済生産性本部 経営革新部 99年度新入社員半年間の意識変化調査(2000年1月12日)
倫理意識について 「良心に反しても指示通り行動する」者→春39.1% 秋40.2%
The Transparency International Bribe Payers Survey
発展途上国14カ国のビジネスリーダーに対して、政府機関の人間が賄賂を要求した場合、その要求に応じないと考える度合いを支払企業の国籍別(19の主要輸出国)に10段階評価でランク付けしたインタビュー調査結果(10点が最も透明度が高い−賄賂を支払わない)。スウェーデンが1位(8.3ポイント)でわが国は5.1ポイントで19カ国中14位。

各社の倫理綱領(例)

三菱自動車の企業行動指針
吉富製薬企業倫理(平成10年6月)
帝人 「企業行動規範」および「企業行動基準」の制定について (1998年4月21日)
資生堂 THE SHISEIDO WAY (1997年)
ユニ・チャーム 「新企業理念」及び「企業行動原則」(1999年4月5日)
IYG企業行動指針(イトーヨーカドー 2001年7月17日 改訂)
オムロン 企業理念(98年5月10日)
プロミス倫理綱領
日清紡績 企業行動憲章
日本テキサス・インスツルメンツ TIエシックス
日本IBM IBM企業行動基準
Independent Computer Consultants Association (ICCA)
宮坂純一 企業の倫理綱領

業界統一倫理

 

不祥事に対する対応/反応(例)

不祥事発生の構造」のページに移動しました

海外での贈収賄行為

米国における海外腐敗行為防止法(FCPA)は、ロッキード事件を契機として1977年に制定されたもので、海外政府への贈賄行為について厳しい罰則を設けることで取り締まろうとする法律です。これにより米国企業/個人は、内部統制を整備し、支出が贈賄に該当しない正当なものであることについての挙証責任を負うこととされます。この法律は、米国親会社/個人の指示に基づく行為は規制対象に含むものの、基本的に海外子会社は対象外となります。

Foreign Corrupt Practices Act (FCPA), US DOJ
Foreign Corrupt Practices Act's Antibribery Provisions, Excepted from U.S. Commerce Dept. material dated May 10, 1994.
APRIL 1997, FOREIGN CORRUPT PRACTICES ACT, by O. Forrest Morgan and Clive R.G. O’Grady

こうした規制は、米国単独で導入するとどうしても米国企業の競争力を落とすことになります。このような背景から、グローバルな動きとして、OECDの音頭取りにより1997年「国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約」が締結され、これに基づき日本でも不正競争防止法が改正されました。

OECD Home: Corruption
不正競争防止法の一部を改正する法律案について(平成13年3月 経済産業省)
RONの六法全書 on LINE 不正競争防止法 (改正:平成13年6月29日法律第81号、施行:平成13年12月25日)

わが国ではこれまでのところ、この法律の適用については慎重姿勢を崩さず、企業の贈賄行為に対して寛容な態度を維持してきました。

 

しかし、2003年に入って経済産業省が新法を導入して本社の関与のない海外現地法人による贈賄行為に対しても摘発できる態勢を整える方針を打ち出しました。

 

「政財界からは『日本経済が苦しい時に、日本企業の競争力を弱めることにならないか』と危惧(きぐ)する声が上がっている」(読売新聞2002年9月13日)ということなので、今後どのように動いていくのかは不明です。

ただ国レベルでは、なるべくなら、金儲け(経済)のために手段を選ばないような非倫理的イニシアチブをわが国全体の「トップのトーン」としてしまうようなことは、避けたいところです。

「国際社会において、名誉ある地位」を占めることを目指す(今は違う?)努力への悪影響
国レベルのトップのトーンが非倫理的では、マジメにやっている企業も「その国に所属している」という事実に基づくマイナス・イメージ等の不利益を被り、バカバカしくなる

個別企業としては法令側のブレに一喜一憂していないで、より高い倫理規範を確立し、倫理を曲げずに知恵を使うことで、贈賄の必要のないユニークな製品/サービスの提供を心がけるべし、ということになるのでしょうか。

海外投資実行前にしっかり時間を使って現地の法律/文化の内容とそれらがどのように本国の法令・実務と関係するかを十分検討する。重大な相違点についてどのような機会/脅威となりうるか分析する。
現地の文化を反映し、かつ本国の法令にも違反しない方針・手続を適用する。これを本国の取締役会、上級経営陣、業務経営陣、現地経営陣等と十分討議する。
本国、現地、グローバルにおける組織の評判は、2〜3年の短期間の利益よりもはるかに重要であることを肝に銘じる。

事前の検討を怠たると、当然のことながら進出した後に問題がでてくる可能性が高まります。こうした場合には撤退も視野においた総合判断が必要となります。

 

余談ですが、「メガワティ大統領の苦悩」の少なくとも一部は、一度倫理レベルを下げてステイクホルダーからの信頼を失ってしまった組織がどのような事態に直面するかを象徴するものです。他山の石としましょう。

コンプライアンス

OCEG(Open Compliance & Ethics Group)は「会社はこれができているか?投資家がコンプライアンスと倫理のマネジメントに関連して問うべき(回答を入手すべき)20の質問」として次のものを挙げています。

組織文化
組織は正式なコンプライアンスと倫理ミッション文書においてどのような内容を言っているか? 
取締役会と経営陣はどのようにトップのトーンを設定し、コンプライアンス、倫理的価値観、ミッション、ビジョンを伝達しているか? 
従業員やその他のステイクホルダーが、会社がコンプライアンスや倫理的責任について真剣であることを確信していることをどのように確かめているか? 
範囲・戦略 
会社のコンプライアンスと倫理プログラムの範囲はどのようなもので、それはどのように事業戦略に統合されているか? 
倫理とコンプライアンスリスクをどのように評価し、それはどのように全社的リスクマネジメントに統合されているか? 
構造・資源 コンプライアンス/倫理機能を監督し、これにリーダーシップを発揮しているのは組織のどのポジションで、それは組織図のどこに位置づけられるか? 
会社のコンプライアンスと倫理マネジメントチームの組織構造はどうなっているか? 日常的および突発事項発生時との両方において、コンプライアンスと倫理マネジメント活動への経営資源配分は、どのようになっているか? 
方針 
行動規則にはどのような内容が盛り込まれ、またそれは誰に配布しているか? 行動規則はどのように配布され、従業員の受領と理解を確認しているか? 
方針と手続の更新のプロセスはどのようなものか? 
行動規則やその他の方針によって規定される要求事項は適用が見送られ、あるいは覆されることがあるか、それはどのようなプロセスによってなされるか? 
コミュニケーションと訓練 
どのような頻度と手法で、経営陣はコンプライアンスと倫理プログラムの価値観、ミッション、ビジョンを従業員その他のステイクホルダーに伝達しているか? 
コンプライアンスと倫理的責任が理解・遵守され、必要なスキルが学習され実践されたことを保証するために、包括的な訓練を提供し、個別仕事役割に対して実績査定を実施しているか? 
課題マネジメント 
従業員、エージェント、その他のステイクホルダーはコンプライアンスや倫理関連の問題点をどのように提起するか? 
持ち上がったコンプライアンスと倫理課題をどのように取り扱い、コンプライアンス上の欠陥原因の調査を実施しているか? 
これまで「問題児」をどの程度一貫して、またどんな風に処分してきたか? 
どの問題を取締役会にあげるか、また問題解決を取締役会に知らせるかを判定するプロセスは何か? 
評価 
コンプライアンスと倫理プログラムの有効性を監視するためにどんな継続的なプロセスが稼動しているか? コンプライアンスと倫理プログラム関連の事項を監査するのに外部法律事務所やコンサルタントを活用しているか?

OCEGレポート。

Does the Company Get It? 20 Questions Investors Should Ask (And Have Answered) Regarding Compliance and Ethics Management (OCEG 2004/2)

コンプライアンス経営

国民生活審議会消費者政策部会自主行動基準検討委員会
自主行動基準検討委員会報告 「消費者に信頼される事業者となるために−自主行動基準の指針−」(平成14 年12 月17 日)・・・概要全文
1.企業経営は、消費者をはじめとする社会からの信頼と共感を基本としてい る。しかし、最近続発した企業不祥事は、事業者に対する信頼を大きく損な い、ひいては我が国の市場経済そのものへの不信にもつながりかねない深刻な事態をもたらしている。
2.不祥事を組織の内部で隠蔽することは許されないことであり、また可能で もない。不祥事を隠蔽していた事実が後から発覚すれば、事業者は永年にわ たって築き上げてきた信頼を一朝にして失い、市場からの撤退をも余儀なく される。こうした現状を踏まえ、経営トップは、自ら率先垂範し、早急に自 社の企業倫理を総点検するとともに、問題を未然に防止するための事前の対 応に万全を期す必要がある。また、ひとたび問題が発生した場合は、社会に 対して説明責任を果たし、有効な再発防止策を講じることが求められている。 
3.上記の要請に応え、事業者に対する消費者等からの信頼を獲得していくた めには、事業者がコンプライアンス経営に積極的に取り組むことが不可欠で ある。事業者は自らの経営姿勢、経営方針を対外的に明らかにし、透明性の 高い経営を行っていくことが極めて重要であり、そのための一手段として、 自主行動基準の策定・運用を求めたい。自主行動基準とは、事業者が目指す 経営姿勢や、消費者対応等に関する方針を具体的に文書化したものである。 自主行動基準は、積極的に公表することが望ましい。 
4.自主行動基準の策定・公表により、事業者は自らの経営方針を消費者に明確に伝えることができ、消費者は、自主行動基準を通じて事業者の経営姿勢 を評価することが可能となる。また、自主行動基準は、計画−運用−監査− 見直し(Plan-Do-Check-Act)のマネジメントサイクルの中で、絶えず見直し をしていく必要があり、事業者は、自主行動基準の適切な運用のための継続 的な努力を通じて、消費者からの高い信頼を得、競争力を高めていくことも可能となる。
5.本報告書は自主行動基準の策定・運用のあり方を示した指針となっている。 各事業者におかれては、この指針を踏まえ、自主行動基準の策定・運用に積 極的に取り組まれることを強く期待している。この取組みを通じ、事業者に 対する消費者の信頼の再構築が促進されることを念願するものである。
自主行動検討委員会中間報告(案)(2002年4月4日)
コンプライアンス研究会 自主行動基準作成の推進とコンプライアンス経営 〜 新たな消費者行政の枠組みのための検討課題 〜(2001年9月10日)
朝日監査法人 コンプライアンス経営(マネジメントニュース 2001.02)
第14回 「コンプライアンス経営」 (MBA Digest, 2001.07.19.)
経済法規委員会消費者法部会(部会長 宮部義一氏)/11月6日、企業や業界における自主行動基準とコンプライアンス経営の推進 −一橋大学 松本教授よりきく(経団連くりっぷ No.160 (2001年12月13日))
1.消費者政策の変遷 日本の旧来の消費者政策は、1968年に施行された消費者保護基本法に基づく、行政中心型の枠組みによる。この枠組みは監督官庁の事前規制と行政処分によって実効が確保されてきた。 規制緩和や構造改革の流れの中で、こうした消費者政策は、1990年代より行政中心から民事ルールの整備へと変容してきた。そのシンボルが、製造物責任法(1995年施行)、消費者契約法(2001年施行)、金融商品販売法(2001年施行)である。 事業者側は、これらの法律を業種・業態に応じて解釈し、トラブルの未然防止と消費者の信頼獲得に向けた、自主的な対応を進める必要がある。
2.ISO(国際標準化機構)の取組み
3.規格化への日本の取組み
4.国民生活審議会での検討 国民生活審議会消費者政策部会は、10月4日、傘下に自主行動基準検討委員会を設置し、消費者と事業者の信頼関係を構築するための方法として、企業の自主行動基準のモデルとコンプライアンスのメカニズムについての検討を開始した。 委員会は、2002年3月に自主行動基準のモデルについての中間報告をまとめ、業界からのヒアリングを経て、2003年4月に最終報告をまとめることとしている。
(1) 自主行動基準の策定
(2) コンプライアンス経営
(3) 実効性の確保
(4) 今後の課題
The Open Compliance & Ethics Group (OCEG)

各業種別コンプライアンスガイドライン

製薬協コンプライアンス・プログラム・ガイドライン (2001年4月1日 現在) 
  製薬企業には、生命関連産業として他の業種より高い倫理観が求められている。 このため製薬協ではこれまでも「製薬企業行動憲章」を制定するとともに、法令遵守と企業倫理の徹底を図ってきた。しかし、最近の不祥事を巡り多くの批判がある中で、何よりも不祥事の再発防止を図ることが最優先の課題であり、単に倫理綱領、行動指針等を示すことに止まらず、法令・ルールや行動規範・倫理綱領等を遵守のための具体的手順・手続き、実施体制等を示すことが必要になっている。 製薬協では2001年4月1日付で、企業倫理と法令遵守のより一層の遵守を目指して、「コンプライアンス・プログラム・ガイドライン」を策定し、会員各社に示した。 今後は会員各社において、このガイドラインを参考に、既にある各社の法令遵守のためのプログラムや体制を見直していただき、より一層効果的・継続的な法令遵守の体制がとられることを期待するとともに、製薬産業が、真に生命関連産業として高い倫理観を持って行動し、社会から公正な理解と評価が得られることを念願している。 
はじめに 
第1章 製薬協コンプライアンス・プログラム・ガイドラインの基本方針 ガイドラインの目的 コンプライアンスへの取り組み 製薬協としてのコンプライアンスに関する取り組み 
第2章 各社のプログラム策定・実行のためのガイドライン 効果的なプログラムたる要件 プログラム策定・改定の実務 法令遵守を徹底するのための組織体制 プログラムの効果的な運用
全日本金属産業労働組合協議会 企業行動規範締結(COC)の取り組み

量刑ガイドライン

Hon. Rya W. Zobel, An Overview of the United States Sentence Guidelines (From the Public Lecture organized by ACPF, UNAFEI and JCPS on 10th February 1999 at the Ministry of Justice, Japan)
US Sentencing Commission

費用対効果

RIGHT-SIZING: CUSTOMIZING COMPLIANCE TO THE SMALL CORPORATION (Kristen K. McGuffey Thomas C. Soldan, Simmons Bedding Company, 2006 Simmons Bedding Company)
A company's efforts to "effectively" structure its compliance program, however, will only be tested by the government when misconduct occurs and the company comes under investigation for potential wrongdoing. In other words, at a critical time, when potential illegalities have been identified and the compliance program is being reviewed under the microscope of a cynical group of prosecutors or regulators, it may be very difficult to prove that the company's compliance efforts were "reasonable" given its size and risk profile.
組織文化:小規模会社ではトップがどのように行動しているかが全て、トップがコンプライアンスを重視していなければどんな立派なプログラムを作ってみたところで社員はこれを重視しない
責任者:
上級経営陣あるいはコンプライアンス委員会・・・即戦力であり社内認知も得やすいが、小規模会社では忙しくて余裕がない、やるべきことをやっていなければいざという時に法的不利益のリスク
マネジャー他への権限委譲・・・コンプライアンストレーニングや規程類整備、社内通報制度設置等、マネジャーが執行しコンプラ委員会が適切に監督するというイメージ
アウトソーシング・・・コンプラプログラムの基盤となる組織のリスク評価(遵守すべき法令識別/影響度評価/発生可能性評価)、リスク対応手段識別と優先順位付け
有効なコミュニケーション手段とトレーニング
小規模会社では日常的なインタラクションや非公式なコミュニケーションが中心。・・・これは文書化されず後から存在したことの立証が困難
公式化する知恵・・・業務上実施していることにかこつける(営業会議でトレーニング実施等)、KPI/KRIの報告体制整備

コンプライアンス関連ニュース

 

プライバシー保護

 

環境戦略

気象庁 地球温暖化予測情報
環境情報ガイド
EICネット
環境庁による環境情報の提供・交流のコーナーです。環境情報ガイドは便利。
さくら総研 企業評価のキーワードは環境経営(2000年7月)
生田 孝史 環境経営の高度化 富士通研究レポート No.63
日本環境財団
人と自然の共生、持続可能な社会づくりを実現するために、基本的な考え方を提示し具体的行動プログラムの開発を行なう
経済団体連合会 循環型社会の課題と産業界の役割 (2000年1月24日)
現状の問題点と基本的考え方
産業廃棄物対策の推進
使用済み製品のリサイクルを含む処理を進めるにあたっての役割分担の明確化
日本産業廃棄物処理振興センター 電子マニフェスト制度の概要
環境庁 環境等・環境保全コストの把握に関する検討会 環境保全コストの把握及び公表に関する ガイドライン  〜環境会計の確立に向けて〜中間取りまとめ  (平成11年3月)
あさひ銀行 「環境会計」をめぐって
事業者の広場・事業者の環境への取り組み(環境省)
環境・安全対策関連報告書(中小企業総合事業団 情報・技術部 環境・安全等対策 室)
環境経営格付機構

実態調査

(報道発表資料)gooリサーチ結果(No.35) 「環境報告書発行企業の意識調査」 〜 6割がインターネット上で公開、英語版作成は4割。 課題は、発行企業と読者とのギャップの解消、費用対効果の向上〜(平成13年12月26日 NTTエックス 三菱総合研究所)
本調査により、環境報告書の発行者である企業と、読者である一般消費者との意識のギャップが明らかになり、環境報告書発行企業の今後の課題が浮き彫りとなった。
 環境報告書発行企業は、その6割が「自社やグループ企業の従業員を読者として想定」しており、「一般消費者を読者として想定」の4割を上回っている(調査結果のポイント 3(1))。しかしながら、gooリサーチ結果(No.33)『環境報告書に関する、生活者2万人の意識調査』結果によると、一般消費者層における環境報告書の認知率は6割、環境報告書に関心をもつ層が9割と高くなっており、各企業が一般消費者を読者の対象として考える必要性は高まってきていると言える。
日本経済新聞社 環境経営度調査・第5回 
 日本経済新聞社が製造業を対象に企業の環境対策を総合評価した「第5回環境経営度調査」で、日本IBMが初めてランキングの首位に立った。省エネなどに優れた実績をあげた。全体の1割近くは成果を社員の人事評価に反映させるなど、企業が環境対策を重要な経営課題の一つとする姿勢も鮮明になった。
 日本IBM首位
 製造業、ランキング上位30社
平成13年7月13日 平成12年度「環境にやさしい企業行動調査」の結果について
 環境省は、平成3年度から継続している「環境にやさしい企業行動調査」の平成12 年度の結果を取りまとめた。  平成12年度の調査結果によると、環境に関する経営方針の制定、具体的目標の設定、それらを達成するための行動計画の作成など、環境管理に関する取組を進める企業が企業規模を問わず増加し、環境保全に関するわが国企業の自主的、積極的取組が進展していることが明らかとなっている。その中で、企業活動における環境情報を公開する動きが広がっており、環境報告書の発行、環境会計の導入などに取り組む企業も増加している。  また、地球温暖化問題に関して、「重大な問題であり、できる限り防止に努力するよう定め、防止のための取組を行っている」と回答した企業の割合が前年に比べて増加している。
環境ブランド調査、結果速報! “環境”がブランド力に与える影響度は7-10%(日経BP環境経営フォーラム2001/06/21)
  日経BP社と会員企業96社からなる日経BP環境経営フォーラムは、企業の環境に対する活動が、企業のブランド構築にどのくらい影響するのかを測定する手法を開発し、その効果についてこのほどまとめました。  それによると、企業のブランド力を表わす「ブランド指数」に「環境活動への評価」が与える影響度の割合は、平均して一般消費者の場合で7.4%、ビジネスマンで10.5%あることが分かりました。企業の環境活動が企業のブランド構築にどれくらい効果があるのかを調査・分析したのは、世界でも初めての試みといえます。
「企業の環境コミュニケーション」についての調査結果について(概要) (お知らせ:本省記者クラブ同時配布)(平成13年5月14日 国立環境研究所)
a)企業経営における環境経営の位置づけ:環境対策を短期的な企業利益の追求というよりは、長期的な企業存続の手段として位置づけている
b)業績評価システムと環境対策の連動: 回答企業の3割以上が何らかの形で(企業全体、事業所や部署など個別部門、従業員個人、取締役など経営陣の)業績評価と環境対策を結びつけている
c)環境戦略・行動へのステイクホルダーからの影響:回答企業の約37%が、これらのステイクホルダーから寄せられた要望が、企業の環境戦略や行動に何らかの影響を与えたと回答した。
d)環境コミュニケーション: 企業が環境コミュニケーションに期待することについては、「ステイクホルダーとの相互理解を促進すること」(46.1%)が最も多かった
e)環境コミュニケーションの手段: 環境に関するデータや取り組みなどの情報をステイクホルダーに提供する手段について尋ねたところ、自社の環境情報を積極的に公開するというスタンスに立つ企業、マイナス情報も公開するという企業はそうでない企業よりも多様な媒体を利用する傾向にあった。全体的には、「社内報」(72.6%)「会社案内やパンフレット」(69.5%)「自社ホームページ」(60.0%)「事業所の公開」(50.3)「環境報告書」(45.5%)の順に多かった。
f)企業が重視しているステイクホルダー: 企業が環境コミュニケーションを行う上で特に重視しているステイクホルダーを3つまであげてもらったところ、「地域社会」(52.4%)「取引先企業」(49.5%)「社内(経営者、従業員、労働組合等)」(48.0%)「消費者」(44.2%)の順に多かった。
g)インターネットの活用: 環境情報の提供手段としてインターネットは欠かせないものになってきていることがわかった。回答企業の60%がインターネットで環境情報の提供を行っていると回答し、環境報告書を公開している企業(217社)の72%がホームページに環境報告書を掲載していると回答している。
h)環境コミュニケーションの効果: 環境コミュニケーションの効果を内部的な効果と外部的な効果に分けてみると、内部的な効果としては「従業員の環境意識が高まった」(82.9%)「経営者の意識が高まった」(61.5%)「環境対策において部署間の協力体制が築けるようになった」(50.3%)などが過半数を占める回答であった。
学校法人産能大学 環境会計に関する実態調査
東洋経済 環境報告書賞
エコ商品に関する消費者の意識調査(産業能率大学  2001.3)
◎ほとんどが環境問題に関心あり
◎商品購入の際には環境への対応を意識 
◎価格上昇の許容度は1〜2割 
◎大幅な機能低下は受け入れがたい 
◎環境問題への取り組み強化は教育の充実で
地球環境大賞 大賞にソニーが受賞 10社2自治体決まる(2001年1月)
 産業の発展と地球環境の共生をめざし、環境保全活動に熱心に取り組む企業や地方自治体を顕彰する第10回「地球環境大賞」の受賞企業10社と2自治体が決まり、大賞にはソニーが輝いた。受賞企業・自治体は別表の通り。授賞式は4月18日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで行われる。
産業能率大学 顧客満足型エコマーケティング実態調査報告書(2000.12)
環境に関する意識が高まる中で、顧客はエコ商品の購入に対してどのような認識を持っているのか、とくに企業が物品を購入する際にエコ商品に対してどのようなスタンスをとっているのか、などについての実態調査を実施し、報告書としてまとめました。
◎エコロジー活動への取り組み状況:省エネルギーの推進=65.8%(36.4%) 廃棄物の削除=65.6%(36.3%) 資源のリサイクル活用=56.7%(31.6%) 二酸化炭素の削減=45.8%(21.9%) 有害物質の使用量削減=44.7%(21.0%) グリーン調達=30.8%(13.8%) 
◎グリーン購入の実態:何らかの形でグリーン購入を実施している企業・自治体は66.4%と約2/3を占めています。ただしグリーン購入の規程については、「ある」という答えは40.3%にとどまっています。
◎エコ商品に関する認識:「当てはまる」と「やや当てはまる」の合計は33%にとどまりました。
◎購買行動と意思決定の構図:「会社内で環境配慮の方向性が確立されているか」という質問では、43.9%が「当てはまる」と回答し、「やや当てはまる」(35.4%)を合わせるとほぼ8割の企業で方向性が打ち出されてることがわかりました。
◎具体的な取り組み:実際に1年以上前からグリーン購入に取り組んでいる商品項目を尋ねたところ、トップ3はすべて「紙」関係となりました。 一方、「グリーン購入を推進することによって、環境保全に多大に貢献できるもの」という質問では、以下のものがトップ3になりました。自動車=59.1% OA用紙=53.0% 家電製品=42.3%
日本総研 わが国企業の環境経営の動向 ― 2000年 UBS日本株式エコ・ファンド アンケート調査報告(2000年12月8日)
環境IR の対応 業種間で積極度に格差
環境に関する経営方針の明確化 銀行の遅れ目立つ
ISO14001 の取得 非鉄、機械などで高い割合
第三者による環境監査 実施は約半数
定量的な目標設定 非鉄、自動車・輸送用機器で100 %
環境教育 建設業、商社・卸売業、小売業でも努力
従業員の家庭での意識向上プログラム 2 割にとどまる
環境に関する危機管理計画 実施は約半数
環境コストの公表 取り組みは全体の約3 割
環境報告書は4 割強の企業が発行
廃棄物対策、省エネルギー対策が先行
取引先への環境基準適合 電気機器では2 /3 が要求
ライフサイクルアセスメント(LCA ) 普及はこれから
製品、容器包装の回収 全体の3 割で実施
日本経済新聞社 第4回「環境経営度調査」調査結果(2000年12月4日)
日本経済新聞社 第3回「企業の環境経営度調査」調査結果
地球・人間環境フォーラム、社団法人全国環境保全推進連合会 「第4回環境レポート大賞」(00.11.07)
環境庁 平成10年度「環境にやさしい企業行動調査」の結果について(平成11年5月26日)

環境関連のニュース

Yahoo! Japan News トピックス ガラパゴス、予断許さず
 

各社環境レポート

リコー産業新聞 21世紀型企業経営の新指標 環境経営、環境会計とは?
リコー 環境保全活動ページ
日本IBM IBM 環境レポート
NEC 環境活動ホームページ
住友商事 環境レポート(2000/10)
イトーヨーカ堂 環境負荷の小さな小売業へ

遺伝子組換え食品

日経 遺伝子組み替え食品特集
ジェネティックID
独立第三者検査及び認証 世界最高水準の遺伝子組み換え食品分析&国際非遺伝子組み換え食品認証
US Food and Drug Administration (FDA): Bioengineered Food
米国FDA
厚生省 遺伝子組換え食品の安全性評価に関するQ&A (改訂第3版)
農林水産省 組換え農作物早わかりQ&A
 

消費者運動

日本消費者連盟
日本消費経済新聞社
消費者の考え方を知る
この人に聞く 21世紀は、人にやさしい、家族にやさしい企業の時代(日経リサーチレポート 99−W 1999年12月15日) 
日本産業協会の主任研究員にきく、企業の考えるべき消費者志向のあり方。

 

 

 

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最終更新日 : 2007/06/28