「ラフカディオ・ハーンの会」ニュース NO.8 (2001414発行)

 

例年になく見事であった満開の桜を楽しめる時期はやや峠を越えましたが、草木の燃える春爛漫の季節を迎え愈々新学期が始まりました。 今年に入ってからNHKビデオ『日本の面影』の鑑賞を行い、先月までで第1部「ニューオーリンズから」(cf.後半に下市での「盆踊り」の情景が出てくる)が済みました。山田太一『日本の面影』(NHKテレビ・シナリオ、1984)の中から、座談会「百年目の今…」も読みましたが、山田太一が何故このシリーズをニューオーリンズから始めたのか少し分かった気がしています。ハーンの来日の理由については、宇野先生から、西洋文明の発展の行き詰まりを痛感したハーンが、休むことなく我武者羅に発展を追い求めることから生ずる「疲れ」(この先は、「狂気」と「死」か?)から逃れて、古い日本に救いを求める為にやって来たのであり、こうした認識は夏目漱石の場合も同じだとの大変貴重な指摘を頂きました。今回からは第2部「神々の国の首都」(cf.途中に「水飴を買う女」と「幽霊滝」が劇画風にアレンジしてある)を見ます。44日(水)に佐藤先生が電話をかけて下さって、朝5時過ぎのNHKラジオで今日はハーンが日本に到着した日である旨の放送をしていたことを親切にお知らせ下さいました。189038日、挿絵画家ウェルドンと共にニューヨークを出発したハーンは、モントリオールから太平洋横断鉄道の「横浜号」でヴァンクーヴァに着き、318日「アビシニア号」に乗船、約2週間の船旅のあと44日横浜港に到着したのであった。この旅の様子は、『日本への冬の旅』A Winter Journey to Japan (Harper’s Magazine, November 1890An American Miscellanyに所収) に詳しく書かれている。

さて、今回はビデオの他に『日本瞥見記』Glimpses of Unfamiliar Japanから「盆踊り」Bon-Odoriを読んでみようと思います。上にも触れておいた如く、前回の『日本の面影』の後半に登場しました。ハーンがニューオーリンズに於いて示してくれた踊りや音楽に対する興味からもこの短編は是非一度読んでおきたい作品です。幸い講談社学術文庫に仙北谷晃一氏の名訳があるので、それを利用させて頂きます。

1.《最近・各地の情報から》

311日、アイルランド大使館主催reception (東京外人記者クラブ)

315日、St. Patrick Day In Kumamoto:小島一浩氏(元三井電満アイルランド社社長)による卓話「アイルランド今」他。

・小泉凡氏:今年9月、ワシントン州・エレンズバーグ大学へ交換教授として渡米の予定。

321日、NHK総合1100 「小泉八雲アイルランド幻影―佐野史郎の『怪談』紀行」が再々放送された。(50分)

・インターネットに「小泉八雲掲示板『遍留武板』」あり。他に「日本の古本屋」の「小泉八雲」欄には、110件あった。(312日現在)

 

2、《本の紹介、8》池野誠著『ギリシャ幻想紀行―ラフカディオ・ハーン生誕地巡礼』(山陰文芸協会、20011,800円)

著者がハーンの故郷・レフカダ島を訪ねた旅の感慨を詩と随想と写真とでえがいたもの。中国新聞「郷土コーナー」(3月25日)でも紹介された。

事務局が書評を書いたもの(別紙)があるので、そちらを参照して下さい。なお、前回の『小泉八雲事典』の書評が未だ出ないが、313日の中央新報(松江)に紹介が載っている。

 

3、《次回予告》

ビデオ『日本の面影』の第2部を続けて上映します。会場は今回と同じですが、日時は、やはり連休を避けて512日(土)2時〜4時とします。

 

4、《新刊書》(事務局が最近入手したものを含む)

@『川端康成・三島由紀夫往復書簡』(新潮文庫、2000438円)

A       金本正孝遍『強齋先生語録』(渓水社、20013010円)寄贈

B       Lafcadio Hearn: Kwaidan (ICG Muse,Inc.,2001, 1,200)

C       Lafcadio Hearn: A Japanese Miscellany (ICG Muse,Inc.,1,300) B、Cは【英文復刻版】である。

D       桶谷秀昭『文明開化と日本的想像』(福武書店、1987