「ラフカディオ・ハーンの会」ニュース NO.24200297発行)

 

今年の夏は例年になく酷暑の日々でした。甲子園での全国高校野球大会が幕を閉じて、吹く風、草むらで鳴くキリギリスの声にもようやく秋の気配が感じられるようになりました。Season for Study の始まりです。

前回『神国日本』理解の一助としてご紹介した平田俊春著『出雲学論攷』(出雲大社、昭和52)は、照沼先生の御好意でコピーを頂いたものでした。その論攷―小泉八雲の出雲大社参拝とその著「日本」の成立―は、ハーンの出雲大社参拝の意義について書かれた誠に重要な資料でした。出雲大社参拝こそハーンを神道研究に向かわせた重要な一つの契機であると指摘しています。実はこの事について、高木大幹氏が『小泉八雲・その日本学』(リブロポート、1986)の62頁で、既に指摘しておられることを迂闊にも失念しておりました。遅ればせながら、一言付け加えて置きます。

仙北谷晃一氏の言にある如く、今日の学校教育は、神道を故意に避けているかのように見えるのは事実です。キリスト教の学校は数多くあるのに、神道系の学校は國學院大學と皇學館大学くらいのもので、この数は、仏教系の学校に比べても著しく少ないと思われます。初詣や受験祈願や七五三の祝いだけが神道と私達の関わりようで、祝詞も『古事記』も本居宣長も私達の生活から抜け落ちているのは、西洋人と聖書との関係に照らしてみても、明らかに均衡を欠いていると言わざるを得ません。

本日は、近藤啓吾氏の「祖先崇拝の信仰―小泉八雲を偲ぶ」(『神道学』所収、平成3)を読みたいと思います。この論考は佐藤・金本両先生の御好意で、先日御送付頂いたものです。

所で、鉄森さんがホームページ“RAINBOW WORLDを創設されています。その中で「ラフカディオ・ハーンの会」の紹介もされています。この会設立の趣旨、過去25回の活動の模様なども知る事が出来ます。アドレスはhttp;//home.att.ne.jp/sea/reiko です。「ラフカディオ・ハーンの会」の文字をクリックしてみて下さい。

8月出席者】熊野、鉄森、村田、横山、渡辺、谷、照沼、岡田、田村、風呂(10名)

1.《最近・各地の情報から》

・日本英文学会中国四国支部大会(島根大学、112~3)の発表題目:

1、YOUMA―ハーンの聖母子像の記憶をたどってー(小梨有美)

2、ニューオーリンズにおけるハーンーThe Daily Item の挿し絵入り記事を中心にー(横山純子)

3、Hearn D.H. Lawrence―物質文明への懐疑と両者にとっての理想的世界とはー(伊野家伸一)

4、L.ハーンとJ.G.ホイッティア―東大での最終講義 Note on Whittier”を通してー(風呂鞏)

5、ハーンと「もう一人のハーン」モラエス―その日本及び日本人観ー(長沢隆子)

6、ハーンの音の世界とそのvisualization について(大塚裕晤)

7、ラフカディオ・ハーンと上田敏のウィリアム・コリンズ論(松村恒)

・「日本古書通信」(8月号)「東京帝大一学生の日記から」(金子三郎)

 

2、《本の紹介、24》:ピエール・ロチ/村上菊一郎・吉氷清訳『秋の日本』(角川文庫、昭和28

明治18年に日本を訪れたロチの日本見聞記である。違和感と嫌悪感で日本を観察したロチとハーンの観かたの違いを知るための必読書。

 

3、《次回予告》1012() 2時〜4時 (於)県立生涯学習センター

「比治山大学公開講座」:「ラフカディオ・ハーンと日本」(風呂鞏) 

11月9日(土)2時〜4時を予定しています

 

4、《事務局が最近入手した新刊書など》:

・『明治百年島根の百傑』(島根県教育委員会、昭和43

・鶴見俊輔ほか『神話とのつながり』(熊本子どもの本の研究会、1997)

・笠谷和比古『武士道の思想』(NHK人間講座、200289月)

The Boy Who Drew Cats adapted by Margaret Hodges (Holiday House, New York.,2002)