「ラフカディオ・ハーンの会」ニュース NO.232002810発行)

 

梅雨明けで一安心と思う間もなく、今度は連日の猛暑です。台風接近との関係からかエルニーニョ現象なのか、蒸し暑さといったら堪りません。風が吹いても、涼しくなるどころか、逆に汗が出るような始末です。近所の子供と一緒になって一日中でも水の中に浸かっていたい気になります。さて、前回713日は、貝嶋先生にはお忙しい中、楽しい「ハーンとワイルド」をお聞かせくださり、誠に有難うございました。暑さに悲鳴を上げないで、今月も元気を出してハーンの研究を続けたいものです。

ところで、何時までも亡き銭本健二氏のことを引きずっていて申し訳ありませんが、先日松江訪問の際、運良く古書店(「だるま堂」)で銭本健二著『詩集海沿いの国々』(柏木印刷、1985)を入手しました。「あとがき」を読んでみると、中谷喜一郎教授がご指摘であったように、銭本氏の思想上の大きな転換期は水俣の事件にあったことが良く分りました。氏が正義感に燃えて「この国は、足尾鉱毒事件によって秩父山系に象徴される父なる国、チッソ水銀事件によって不知火海に象徴される妣の国の生命を失った。」と書かれているのが誠に印象的でした。

以前この会で狩野泰子さんの曽祖父様のことが話題となりました。先日小泉八雲記念館を訪問した際、同記念館所蔵の「さげかご」(carrying basket)を実際に見てまいりました。片手に持てる位の綺麗な竹製の籠がガラスケースの中に展示してありました。説明によると、「松江時代に小原郡の篤農家からおくられた薬草採集かごである。来待(きまち)村大字和名佐(わなさ)でセンブリ摘みをして道に迷っていたハーンを見かけた狩野(かりの)半三郎氏は、大東町までハーンを案内し、旅館を紹介した。提げ籠はそのお礼にハーンが同氏に贈ったものと言われる。なお、狩野氏は農業近代化の先覚者として高く評価されている。」とありました。狩野半三郎氏については、『大東町史』の「発展に尽した人々」に紹介されています。599600頁)

【7月出席者】狩野、熊野、鉄森、村田、横山、照沼、岡田、貝嶋、風呂(9名)

1.《最近・各地の情報から》

・ジョージ・ヒューズ著『ハーンの轍の中で』(研究社、9月上旬発売?

・比治山大学公開講座:「ラフカディオ・ハーンと日本」(風呂鞏)

1012()県立生涯学習センターで

・日本英文学会中国四国支部大会(島根大学)112(土)・3(日)

 

2、《本の紹介、23》:風呂本淳子篇著『アメリカ文学とニューオーリンズ』(鷹書房弓プレス、2001

横山純子氏が前回紹介のため持参されたもの。昨年の八雲会が主催したワークショップ・イン・USAでの体験を補強する意味でも格好の参考書と言える。ニュ−オーリンズを代表する作家紹介の中に、西成彦氏の「ラフカディオ・ハーンの放浪と遍歴―ルイジアナがその人生の半ばで負った意味」が載っている。西氏は『チータ』やフランス語詩人アドリアン・ルーケットとの交友にも触れている。

 

3、《次回予告》 97日(土)2時〜4時を予定しています。

 

4、《事務局が最近入手した新刊書など》:

・河島弘美著『ラフカディオ・ハーン』(岩波ジュニア新書、2002

・山岸哲著『オシドリは浮気をしないのか』(中公新書、2002

・松井正文著『カエルー水辺の隣人』(中公新書、2002

・松島まり乃著『アイルランド民話紀行』(集英社新書、2002

・銭本健二著『詩集海沿いの国々』(柏木印刷、1985

★照沼好文著『栗田寛の研究』(錦正社、昭和49

★垣田直巳先生退官記念『英語教育学研究』(大修館書店、昭和62

*銭本健二「英文学教師としてのラフカディオ・ハーン」を所収

★上記の2冊は岡田秀昭先生からの寄贈

・岡本嗣郎著『歌舞伎を救ったアメリカ人』(集英社文庫、2001

The Poetry of John Greenleaf Whittier, edited & introduced by William Jolliff (Friends United Press, 2000)