「ラフカディオ・ハーンの会」ニュース NO.202002511発行)

 

前回は初参加の熊野美津子、横山純子、岡田秀昭の三氏が出席して下さり、御蔭様で大変賑やかな会となりました。初対面の緊張をほぐす為、珍しく自己紹介をすることになりました。今迄よく存じ上げていた積りの人についても、新しい発見があり、楽しい時を持つことが出来ました。

照沼好文先生から、最新版のご著書『栗田寛博士と『継往開来』の碑文』(水戸史学会・錦正社、平成14)を全員が頂戴しました。先生の栗田寛研究に注がれる情熱は驚嘆すべきものですが、この度の前人未到の碑文解読により、先生の研究が一段と進まれたことをお慶び申し上げます。更に、先生ご指摘の如く、田部隆次氏が『小泉八雲』(北星堂、昭和27)の中で、ハーンの東大に於ける同僚の教師として、根本通明翁と栗田寛教授の名前を挙げています(p.131)。ただ相見て目礼微笑するだけの間柄であったにせよ、松江の篭手田知事、熊本の秋月胤永の如き人物として、栗田寛教授に触れていることは注目すべき価値があると思います。関田かをる氏も『小泉八雲と早稲田大学』(恒文社、1999)の中で、明らかに田部隆次氏の著書を参考にした文を書き加えています。蛇足ながら、今我々が読んでいる『神国日本』の中にも、栗田寛教授についてハーンが触れていると思える箇所(新発見!?)があります。(cf.366)

松江時代の西田千太郎、熊本時代の秋月胤永、焼津の山口乙吉等と並んで、東大時代の栗田寛教授についての研究が今後進展を見せ、ハーンとの接点がより詳しく追跡されることを希望します。照沼先生には既に『栗田寛の研究』(錦正社、昭和49)という優れた論考があり、先生のご指導を仰ぎながら、究明して行きたいものです。

 『神国日本』の理解をより深める為、平井呈一「八雲と日本」(その二)、安津素彦著『異邦人の神道観』(白帝社)所収の「小泉八雲の神道論」を3月、4月と読んできました。今回の参考には、岡田哲蔵著『英詩文の片影』(新生堂)から、「小泉八雲の思想」を読みます。

4月出席者】村田、渡辺、鉄森、狩野、熊野、横山、照沼、岡田、宇野、貝嶋、風呂(11名)

1.《最近・各地の情報から》

・小泉凡先生が4月初めアメリカより帰国され、松江に戻られた。

・横山純子氏が4月より広島大学大学院(博士課程)で社会学の研究を続けられることとなった。指導教官は飯田 操教授。飯田教授にはエドワード・トマス『ラフカディオ・ハーン』(文評、1990)なる訳書がある。

・山口雄之氏より、ご著書『小泉八雲の神道観』の恵贈を受ける。

・照沼好文先生より、ご著書『栗田寛博士と『継往開来』の碑文』を頂く。

 

2、《本の紹介、20》:司馬遼太郎『街道をゆく3132』愛蘭土紀行T・U(朝日文庫、1993

   前回ご参加下さった熊野美津子さんは、上記の本を読まれ、且つアイルランドを訪問されたことで、ハーンに興味を持たれたとのお話。誠にこの本の紹介にはgood timing でした。ハーンが少年時代を過ごしたアイルランドまで足を伸ばした司馬氏が、熱い思いで氏独特のアイルランド分析を語るもの。イエ―ツやドルイド教と関連させながら、ハーンについて言及する氏の解説は実に楽しい。氏の全著作の中で、文学を語ることに最も多くの紙幅が割かれているこの本は、八雲愛好家に必読の書と言えよう。

 

3、《次回予告》

6月8日(土)2時〜4時を予定しています。

 

4、《新刊書など》:(事務局が最近入手したものを含む)

・楠木誠一郎『小泉八雲探偵帖』(双葉社、2002

・松本健一『地の記憶をあるく』(中央公論新社、2001

★《平戸・長崎編》および《出雲・近江編》

・『俳句』第十四巻第十号(角川書店、昭和40年)

★若杉 慧「小泉八雲と野の仏」(野ざらしの歴史・22)所収

・栗原 基『一日一文 趣味の英語』(廣文堂、大正14

・野中ともそ(絵・文)『カリブ海おひるねスケッチ』(東京書籍、1996

    ★マルティ二―クに関する記述あり。