「ラフカディオ・ハーンの会」ニュース NO.19200246発行)

 

 例年より約10日間早い桜の開花を迎えた今年の春です。周りでは、人々の会話、歩き方などにも春特有の何か活き活きとしたものが感じられ、そのエネルギーが伝わって来ます。皆様ご承知の如く、愈々この4月からは小・中学校において文部省の新学習指導要領に基づく完全週5日制が実施されます。多くの親は子供達の学習時間が減り学力が低下すると言って、文部省のやり方を厳しく批判しています。一方、この大幅な授業数及び学習内容の削減によって「ゆとり」が生まれ、自ら学び・自ら生きる子供を育む新しい日本の教育が生まれるのだと、教育長は胸を張っています。従来の「学力」に対する偏狭な視点からの大幅な転換になるのでしょうか。

さて、わがラフカディオ・ハーンの会も目出度く第20回目を迎えました。前々回から読み始めた『神国日本』は今回56章となります。2月および3月例会の活動報告は、例によって鉄森令子氏がインターネット「へるん掲示板」に載せて下さいました。どうぞご覧になって下さい。

34章においてハーンらしくないモタモタした書きぶりが伺われるとか、来日前には念頭になかった神道をハーンが日本滞在中に如何に理解していったのか、また「赤い婚礼」の“Religion of Suffering”との比較を視野に入れて考察することも大切ではないか、等等の提言もありました。前回、来日前のハーンが『ハーパーズ・マンスリー』の美術主任パットンに提出した「日本渡来意見書のリスト」を添付しておきましたが、ハーンがあの表に列記した各項目を始終念頭に置きながら日本研究を重ねていたことへの一つのヒントにはなったと思います。

 本日はワイルド研究の第一人者、貝嶋 崇先生から「ハーンとワイルド」と題するお話を伺う予定です。Literary Essays1939)には1882年の“The Apostle of Aetheticism”、“Oscar Wilde as a Fashion Designer”が載っています。『小泉八雲事典』(恒文社)では「ハーンは、ワイルドのアメリカ訪問について最初は情熱的に語ったが、次第に彼のやり切れない軽薄さについては留保をつけるに至った」との可成り辛辣な評言も見えます。果たしてどのような内容のお話を頂けるものか楽しみです。

1.《最近・各地の情報から》

・稲垣明男氏より『記憶との再会』(2000)を頂戴する。

 西宮市にお住まいの富永そひや様(明治32年生まれで103歳、父上は英語学者の入江祝衛氏)のことについて、その驚異的な記憶について書いておられる。

・八雲会会長銭本健二先生が黄疸症状で再入院され、314日に手術(肝臓へ通ずる血液の流れを正常に戻すもの)をされた。事務局は13日に病院を訪問、お見舞金を渡しました。手術は一応成功したかと思われたが、23日不帰の人となられた。葬儀は25日、日本キリスト教団松江北堀協会で営まれた。

・京都洛北盛年団『小泉八雲に親しむ−パート9−』(2002)の寄贈

 

2、《本の紹介、19》:鎌田東二『神道とは何か』(PHP新書、2000

最近の映画・音楽・文学作品を例証に、中高生にも解り易く「神(から)の道」と「神(へ)の道」を説く。神仏習合を軸としながら、明治元年の神仏分離令がもたらした負債に言及し、これからの神道への展望を語る。

ハーンの『神国日本』を読んでいる今だからこそ、併せて読むと、神道への理解が深まること請け合いである。

 

3、《次回予告》

511日(土)2時〜4時を予定しています。

《第一週は連休中なので、第二週とします。》

 

4、《新刊書》:(事務局が最近入手したものを含む)

・絵本『さめびとのおんがえし』(新世研、2001

・絵本『樹のおつげ』(新世研、2001

・復刻版『小泉八雲秘稿画本妖魔詩話』(博文館新社、2002

Andrew Lang:The Nursery Rhyme Book  (London:Frederick Warne,

 1897

・苫米地千代子『千代女覚え帖』(暮らしの手帳社、昭和55