ラフカディオ・ハーンの会」ニュース NO.18200232発行)

 

 先月の例会は事務局の都合で2月16日になりました。ご迷惑をお掛けしましたが、多数のご参加を頂き深謝致しております。あれから僅か2週間しか経過致しておりませんが、本日3月2日は早や3月の例会です。愈々前回から『神国日本』を読むことになりました。次の「上代の祭祀」及び「家庭の宗教」の2章を読んで準備されるのに忙しかったと思いますが、引き続いて活発なご意見、ご討議をお願い申し上げます。

 日本語版テキストとしては、東洋文庫292『神国日本 解明への一試論』(柏倉俊三訳注、平凡社)の創立30周年記念「復刊フェア版」(1994)を使用しますが、各自で入手して頂ければと存じます。他に、恒文社発行の平井呈一氏の訳されたものもあります。

 さて、近い将来小泉時先生ご夫妻と江田島にご一緒する為に、事務局は26日海上自衛隊第一術科学校を視察訪問しました。教育参考資料館担当の新宮武雄事務官に面接して、ハーンの東大に於ける生徒の一人であり、かって海軍兵学校で教鞭をとっていた、西宗(西田)久壽馬のことにつきご指導を仰ぎました。明治33年から36年(この年、姓が「西宗」に変わっている)まで普通学の教官であったことは確認できましたが、他に直接本人に属する資料は全然ありませんでした。―原書房発行:有終会編『明治百年史叢書 海軍兵学校沿革 海軍兵学校編』参照

 前回は「中国新聞ファミリー高陽」の記者である松林陽子氏が例会に参加して下さいました。お忙しいところをどうも有難うございました。また機会を見つけてハーンに関するご発表を頂ければと思っています。

 先日、会員の鉄森令子氏からパーマーの教科書に引用されているハーンの文章についてご教示頂きました。Standard English Palmer’s Standard Readers (Palmer’s)にそれぞれ『日本瞥見記』、『東の国から』の両書から、かなりの引用があることが判りました。「教科書に表われたハーン」の研究の一環としても大変興味ある資料であり、教科書編纂に当たってのパーマーの視点とか時代背景、引用箇所等についての彼の見解を含めて、今後の鉄森氏のご発表を期待しましょう。

1.《最近・各地の情報から》

@       池田恒雄(ベースボール・マガジン社会長)が、29日逝去され、

 芝の増上寺で15日に葬儀が行われた。氏はハーン著作本のコレクターとしても著名であり、恒文社の創業者として数多くのハーン関係の書を出版された。平成10年、新潟の浦佐に池田記念美術館がオープンしたことは記憶に新しい。

 

2、《本の紹介、18》:萩野弘己『地霊論 感性のトポロジー』(青土社、2001

「ラフカディオ・ハーンと日本の地霊」という論考の中で、「神の国」を日本で見出した“ケルト人”ハーンと日本の地霊と共棲するメンタリティの関係を考察している。西洋人仲間からは裏切り者或いは変人と見なされるハーンは毀誉褒貶の激しい人物であるが、ハーンの持つフェミニズム、ジャーナリストとしての特性を通して、彼の心の形成および日本で発見したものについて新しい角度から論及している。

 

3、《次回予告》

4月6日(土)2時〜4時を予定しています。

 

4、《新刊書》:(事務局が最近入手したものを含む)

B.H.Chamberlain. A Handbook of Colloquial Japanese: Kelly&Walsh, Ltd., 1898

・岡倉一雄『父天心』(聖文閣、昭和15

・『神国日本』改譯版(田部隆次・戸川秋骨共訳:第一書房、昭和17

安津素彦『異邦人の神道観』(白帝社、昭和55

・小山久二郎『ひとつの時代 小山書店私史』(六興出版、昭和57

・ロレト・トッド『ピジン・クレオール入門』(大修館書店、1986

・ジョン・ダワ―『敗北を抱きしめて』上・下(岩波書店、2001

・『芸術新潮』2002・2:「ラフカディオ・ハーンのクレオール料理」

・佐藤 泉『漱石 片付かない<近代>』(NHKライブラリー、2002