「ラフカディオ・ハーンの会」ニュース NO.172002・2・16発行)

 

 今年もあっという間に1.5ヶ月が過ぎ、寒さも一段と厳しくなって参りました。中学生、高校生にとっても今が一番辛い入試のシーズンです。先月は元気よく今年度ラフカディオ・ハーンの会の滑り出しができました。会員の皆様方に有難くお礼申し上げます。その際、今年度中に是非皆様と揃って、松江或いは江田島を訪問しようという計画も持ち上がりました。また小泉時先生ご夫妻にも一度広島にお越し頂き、親しくお話を伺う機会を設けたいものだとの事務局の提案にも賛成がありました。何とか実現させたいものだと存じます。宜敷くご協力下さい。

 なお、このニュースを書いている間に小泉時先生から大変ご丁重なお手紙(25日付)を頂戴いたしました。文面によると、昨の暮れにDNA精密検査で抗酸菌の結核菌が見つかったとのこと、ただし6ヶ月の投薬で撲滅出来るらしいので、体調の具合をみて是非広島にお邪魔させて頂きたい、旧海軍兵学校の見学もご一緒させて頂けたら、とありました。嬉しいお便りに感激しています。一日も早く全快されて広島にお迎えできる日の来る事を祈るばかりです。

 さて、今年度はハーンの卒業論文と言われております『神国日本』を毎回2章ずつ読んで行くことを計画しております。『神国日本』を読むためには、勿論彼の日本における第一作『日本瞥見記』との関連を無視するわけには行きません。また、築島謙三氏がその著書『ラフカディオ・ハーンの日本観』で力説されるように、彼の熊本での生活体験、心理推移およびその意義を知ることも不可欠でしょう。僅か2章ずつの進行ですが、併せて読まなくてはならない物も次々と出てきそうです。皆様方のご指摘・ご教示を心よりお願い申し上げます。

 先月は岡倉天心を取り上げました。ほんの導入的なものしかご紹介できませんでした。ハーンを認めて庇ってくれた天心の真情に報いる意味からももっと深く取り組む値打ちは十分にありそうです。「アジアは一つ」という天心の理念は問題でありますが、天心の東洋観とハーンのそれとを本格的に論究する課題は残されていると思えます。

1.《最近・各地の情報から》

@ 昭和9年にハーン没後30周年を記念すべく、小山書店から秘稿畫本『妖魔詩話』が500部限定で出版されましたが、今年二月完全復刻版が再び500部限定で発売されることになりました。出版元は博文館新社で価格は5万円です。ハーン生誕150周年記念の一環として誠に素晴らしい企画であると喜んでいます。

A 熊本アイルランド協会・市民講座「ハーンとアイルランドの文化」

1月27日、第5回は山本啓湖「ケルティック・スパイラル」のお話。

 

2、《本の紹介、17》:築島謙三『ラフカディオ・ハーンの日本観』増補版(勁草書房、1984

ハーンの正しい日本理解の実相を知るべく『日本―ひとつの解明―』を考察し、ハーンが鋭い日本人批判者であったこと、そして彼の日本への見方は熊本時代に確立されたことを指摘する。さらに、チェンバレン、スペンサー、ベネディクトの『菊と刀』等とハーン自身との関係についても啓蒙的な論考が含まれている。左のページにも書名のみ紹介しておいたが、ハーン研究者には必読書である。

 

3、《次回予告》

3月2日(土)2時〜4時を予定しています。

 

4、《新刊書》:(事務局が最近入手したものを含む)

・鷲津名都江『マザーグースと日本人』(吉川弘文館、2001

・マリーズ・コンデ/三浦信孝編訳『越境するクレオール』(岩波書店、2001

・中沢新一・ほか著『ケルトの宗教ドルイディズム』(岩波書店、1997

・藤岡大拙『出雲人』(ハーベスト出版、1991

・松野良寅『エッセイ集 ヘルンさん言葉』(吾妻榮記念館、2001

・萩野弘己『地霊論』(青土社、2001

Simon J. Bronner. Lafcadio Hearn’s America:Ethnographic Sketches and Editorials. The University Press of Kentucky, 2002