「ラフカディオ・ハーンの会」ニュース NO.42001・11・3発行)

 

“勲章に縁なく生きて文化の日(坪池律子)”―今日113日は文化の日(Culture Day)です。明治時代は「天長節」、大正時代以後から戦前までは「明治節」と言いました。折角の祭日ですが、ご出席ご苦労様です。

 さて、1020日・21日には萩国際大学で日本英学史学会の第38回全国大会が開催され、田村先生、鉄森さんと三人で出かけました。高成玲子氏の発表「ラフカディオ・ハーンと日本美術」を楽しく拝聴しました。また、先週の土曜日(1027日)には、徳島大学で日本英文学会中国四国支部大会があり、事務局は「赤い婚礼」の発表の為出席しました。京都の桝井幹生教授のグループ(洛北盛年団)からの出席者が多数おられました。比治山大学の貝嶋 崇教授もハーンの部屋に座って発表に耳を傾けておられました。他にハーン関係の発表では、“ハーンとH.G.Wellsとの関係”、“「雪女」における音楽性”、“ハーンにおける外国文学受容の形態(フランス文学の場合)”といった三名の方のpresentationがありました。

 徳島では、研究発表の他に、阿波踊りの鑑賞と体験レッスン、モラエス縁りの地散策(旧居跡、お墓)、眉山山頂のモラエス館見学、モラエス会との講演会並びに意見交換会(出席者は桑原信義、石原侑、林啓介の各氏)、阿波十郎兵衛屋敷での人形浄瑠璃「傾城阿波の鳴門」鑑賞等などびっしり詰まったスケジュールでしたが、八雲会々員でもある福間直子氏がご主人共々色々とお世話して下さり、2日間楽しいstudy tourとなりました。

 本日の例会では、徳島訪問の予習として福間直子氏自らが吹き込んで送って下さったテープ「モラエスの旧居跡とお墓」(約25分)を聞きながら、モラエスについて少し勉強をしたいと思います。御承知の如くモラエス(18541929)はポルトガルに生まれましたが、徳島のハーンと言われた程日本を愛し、日本で生涯を終えた文人であります。

 その後で、時間的に余裕があれば、事務局が先日の日本英文学会中国四国支部大会で発表しました“The Red Bridal”に見られる愛と死―「心中」を通して観たハーンの日本理解―(以前から少しづつお話しておりました「赤い婚礼」に就いてのもの)をお聞き下されば有難いと存じます。

1.《最近・各地の情報から》

・『富山八雲会』が設立される。1012

・日本英学史学会第38回全国大会(萩国際大学)102021

・日本英文学会中国四国大会(徳島大学)1029

・熊本市民講座「ハーンとアイルランドの文化」1028

 

2、《本の紹介、14》:新田次郎著『孤愁』上下(毎日新聞社、1999

新田次郎氏の絶筆となったこの『孤愁』は昭和548月より毎日新聞に連載された。翌55年に文芸春秋社から発行されたが、永らく絶版となっていた。この名作が2年前やっと毎日新聞社から新装版として出た。日本を愛し、徳島の女性およねを熱愛したポルトガルの文人モラエス、そのモラエスに憑かれた様に取り組んでいた新田次郎のこの本は是非読みたい。解説を次男の藤原正彦氏が書いている。未完に終わったこの作品の後編を仕上げるのが藤原氏の終生の願いだとか、それも早く読みたい。

 

3、《次回予告》

12月1日(土)2時〜4時を予定しています。

 

4、《新刊書》(事務局が最近入手したものを含む)

・林 啓介『評伝モラエス―「美しい日本」に殉じたポルトガル人』(角川選書、平成9)★著者より恵贈されたもの

・原 武史『<出雲>という思想』(講談社学術文庫、2001

・濱川 博『荒魂の人びと』(永田書房、1985

・グリフィス/山下英一訳『明治日本体験記』(平凡社、1998)東洋文庫

 

5、モラエスについての“QUESTIONS:(福間直子氏のテープ)

・ポルトガルの海軍士官が何故にマカオから日本へ来たのか。

・なぜ大阪・神戸の総領事になったのか。

・月450円の給料をもらっていた職をなぜ止める気になったのか。

・公職を断り背捨て人として日本に留まらせたものは何か。