205回「広島ラフカディオ・ハーンの会」        (201799

 

We have lived innumerable lives in the past; we have lived in the flowers, in the birds, in the emerald abysses of the ocean;we have slept in the silence of solid rocks, and moved in the swells of the thunder-chanting sea;we have been women as well as men;we have changed our sex a thousand times like the angels of the Talmud; and we shall continue the everlasting transmigration long after the present universe has passed away and the fires of the stars have burned themselves out. Can one know these things and laugh at the theories of the East? (Metempsychosis, Item, September 7, 1880)

 

1】本日のスケジュール:

@「ある保守主義者」@Aを読む

A 雨森信成について

Bハーン(1850-1904)とイェイツ(1865-1939

C「勝五郎再生記」の補足説明→資料《再掲》参照

 

2】ニュース&情報交換:

・井野口慧子さんが同人誌「アルケー通信第16号」を送信して下さった(81

1980年に訪問した際の思い出話「キプロス島」などが読める

・『へるん』54号(八雲会、2017

・“「へるん」54号を読む”(山陰中央新報、201781、常松正雄)

100de 名著・8Eテレ「大岡昇平・野火」(講師:島田雅彦)

・小林正樹監督作品『怪談』の放映、NHK-BSプレミアム3で、(812日、0.153.20

・小泉八雲・朗読のしらべin 赤間神宮 (826日、19:00開演)

・『日米の衝突:ペリーから真珠湾、そして戦後』(ウォルター・ラフィーバー著/土田宏・生田目学文訳:彩流社、2017)を寺下氏よりご紹介頂いた。→ハーンの「日本文化の真髄」(『心』所収)への言及がある

・紀要『へるん倶楽部』第15号(20176)富山八雲会

富山八雲会では、江利川春雄・和歌山大學教育学部教授を迎えて、秋の公開セミナー(1014)を計画。公開セミナーに関連する資料(作品)として、会員ページに紙芝居「ちんちん小袴ハンドブック改訂版」を追加した。

 

3】次回の予定:1014日(土)

 

4】八雲の若侍と渡欧記に学ぶ(作家:松田悠八):

幕末期、厳格な武家に育った若侍が、開国の嵐に乗ってやってきた欧米文化の洗礼を受けて英語を習得し、欧州へ渡る―八雲の「ある保守主義者」は、その若侍の生きる軌跡を追う物語です。しかし彼が欧州で見たのは都会の豪奢な生活、寺院の横に建つ悪徳館、富者と貧者、強者と弱者の間に横たわる深い淵などの暗闇ばかり。若い頃から禁欲と節制を重んじて修業してきた彼は、欧州文明の憐れな堕落に別れを告げる―1896年に書かれたこの物語に22年遅れて、「国々は墜ちた」とするシュペングラーの問題の書、『西洋の没落』が出版されました。若侍の物語にとてもよく似た構成で、小泉八雲は今から百年も前に西洋の没落を予見していたのかもしれません。それのみか、若侍の帰郷はこの和の国が数千年培ってきた、融通無碍で、直感的で、寛容な精神性が、先の見えない21世紀を「霊的」に切り拓いていく美しい刃になりそうだと思わせてもくれるのです。(「小泉八雲の怪談―八雲が愛した日本の面影2201679日、求道会館、パンフレットより抜粋)

 

「シュペングラー」Oswald Spengler18801986):

ドイツの文化哲学者、歴史家、政治評論家。大学卒業後高校の教職につくが、1911年ミュンヘンに居を移して文筆生活に入る。そして、ある雄大な作品の構想が第二次モロッコ事件を契機に彼をとらえる。それが、数年の思索と推敲ののち、1918年に第1巻が刊行された『西洋の没落』(第21922年刊)にほかならない。世界史を形態学という有機的な方法によって概観し、西欧文化の没落を予言した本書は第一次世界大戦後のドイツで大ベストセラーとなり、大きな波紋を呼んだ。文明は文化の不可避的な運命だと考える没落史観を背景に置きながらも、文化と文明の比較研究というパラダイムはトインビーなどに受け継がれ今後の世界史探求の源泉の一つであり続けよう。(神川正彦)―小学館の『日本大百科全書』(ニッポニカ)より抜粋

 

《参考文献》:

O・シュペングラー/村松正俊訳『西洋の没落』@A(五月書房、2007

・山下英一『グリフィスと福井』【増補改訂版】(エクシート、平成25

・染村絢子『ラフカディオ・ハーンと六人の日本人』(能登印刷出版部、2017

・平川祐弘監修『小泉八雲事典』(恒文社、2000p.19, 26

・平川祐弘『異国への憧憬と祖国への回帰』(明治書院、平成12

・平川祐弘『破られた友情』(新潮社、1987

・平川祐弘編『小泉八雲 回想と研究』(講談社学術文庫、1992

★雨森信成/仙北谷晃一訳「人間ラフカディオ・ハーン」が採録されている