「広島ラフカディオ・ハーンの会」第204回例会     (2017812

 

Whether you believe in ghosts or not, all the artistic elements of ghostly literature exist in your dreams, and form a veritable treasury of literary material for the man that knows how to use them. All the great effects obtained by poets and story writers, and even by religious teachers, in the treatment of supernatural fear or mystery, have been obtained, directly or indirectly, through dreams.    (The Value of the Supernatural in Fiction)

 

1】本日のスケジュール:

@「雪女」の原文を読む(精読!

A ハーン(1850-1904)とイェイツ(1865-1939

B「勝五郎再生記」についての補足(時間があれば?

 

2】ニュース&情報交換:

・『Grande ひろしま』夏号(Vol.17)を井野口慧子様よりご恵贈頂いた。尚、

井野口さんは624日、中区大手町の長遠寺で「〈赤い鳥〉から現代詩まで―言霊に導かれて」と題して講演をされた。

・市報『松江』(20177月号)「21世紀の小泉八雲」を松江から世界へ!

・多ケ谷有子「ハーン(小泉八雲)Kwaidan の“Yuki-Onna”と“Diplomacy”―読みの可能性再び―」(『シルフェ』56号掲載論文抜刷、平成2921日)←「八雲会会報」第60号の寄贈資料の欄に載っていたもの。八雲会事務局に頼んで、コピーを送って頂いた。

・焼津小泉八雲記念館が開館10周年、小泉八雲来焼120年を記念して、講演会や展示会など多彩な催しを行っている。108日(日)は“公演とシンポジュウム”として第1部「紺野美沙子公演、トークと音楽、朗読の時間」、第2部シンポジュウム「地域資源としての文学」が予定されている。

cf. 稲垣明男様からの情報では、奈加靖子さんもご出演とか。

7月例会で、6月にイギリス旅行をされた古川先生から、St Cuthbert’s Chapel Ushaw College, Durham の絵葉書を2葉頂戴した。謝謝!

・日本英学史学会九州支部・第40回研究発表大会(624日)、西川盛雄(熊本大学名誉教授)の研究発表「ラフカディオ・ハーンと浮田和民」があった。cf. 西川盛雄著『ラフカディオ・ハーンの魅力』(新宿書房、2016)にも、「ハーン・浮田和民・ジェーンズ」があるので参照されたい。

 

3】次回の予定:99日(土)

 

4】「“雪女”の見た一つの夢」: (前回資料の一部を再掲)

@異類との出会い、再会、別れの三部構成だが、夫々key sentences

You are a pretty boy, Minokichi.

By the time they reached the village, they had become very much pleased with each other.

Tell me about her….Where did you see her?

A「小屋の中での雪女との出会い」の情景と「縫物を置いて立ち上がるお雪」の姿と口調とが酷似している⇒これが何度でも繰り返される!

B「雪女」は『怪談』の11番目の作品である。cf. It was I-I-I!  (eyes)

   Me mo kuchi hodo ni mono wo ii:

「目は口ほどに物を言い」Eyes are more eloquent than lips.

cf. 廣野由美子著『視線は人を殺すか』(ミネルヴァ書房、2008

“視線”=非言語的な交信媒体→頼山陽の俗謡:大阪本町糸屋の娘/姉は十六妹は十四/諸国諸大名は弓矢で殺す/糸屋の娘は目で殺す

C頭韻(alliteration)など:Musashi Mosaku and Minokichi; river rises; river was roaring; slashing of the snow; showering of snow; woman in white; blow her breath; situation as servant; being as beautiful as you; Woman of the Snow

D最後の文:Never again was she seen. [n]の沈んだ響き、長母音、とリズムある1行(余韻描写) cf. 4歳で別れた母Rosa への思いも

 (“n”で始まり“n”で終るという誠に象徴的な文…5533420

EMinokichi「箕(蓑)吉」←straw rain-coats cf. 巳之吉

F雪女はdoorway から出て行くが、お雪はroof-beams から霧となって消える(雪なのでmelted)。“梁(はり)”は「針」、縫もの(sewing)を想わせる。

G出会いはwhite woman (woman all in white) だが、再会時のお雪は”girl”

Hshe was very beautiful,though her eyes made him afraid.⇒雪女の美しさを読者の想像力に任せるハーン独特の表現技法

IMr. Furoの新解釈:《雪女vs.巳之吉=女神アテナvs.オデュッセウス》

 アッティカの守護神として多くの英雄たちを助けた女神アテナ(ゼウスの娘)は、様々な技術、工芸の保護神となったが、一般には戦(いくさ)の神として知られている。ホメロスの物語では、特に智謀に長けた”オデュッセウスの守り神”として活躍している。『オデュッセイア』第1歌では、”神々の集会で、アテネがゼウスに建言し、カリュプソの島で足留めされているオデュッセウスを帰国させることが決議される”とある。

 巳之吉も雪の女神に愛された逞しい木樵の若者。「雪女」は“雪女の見た一つの夢”、自然の女神と人間の愛の物語であった。(cf. ハーンとギリシャ神話)