質  問  書

厚生省医薬安全局 中西明典局長殿

  同審査管理課 平井俊樹課長殿

 国民の健康をまもるため、医薬品の安全性審査における貴職の日頃のご奮闘に敬意を表します。
さて、私どもは現在中央薬事審議会において審議中の低用量経口避妊薬(ピル)について、再々慎重審議の要望書を提出してまいりました。
 このたび、以下の点につきましてぜひご説明を承りたくお願い申し上げる所存です。よろしくおとりはからいのほどお願いいたします。

T.中高用量ピルについて

  1. 中高用量ピルの使用データについて
  2.  低用量ピルの審議にあたっては、現在まで中高用量ピルを避妊用に使用している女性たちの健康状態についてのデータをふまえて検討されるべきと考えますが、そのようなデータをお持ちでしょうか。日本でどのような問題点があげられているかお聞かせください。

  3. 副作用と疑われる日本での死亡例について
     1984年2月に避妊薬としての中高用量ピル使用の副作用と考えられる死亡例があったことが、1986年11月14日付けの毎日新聞で報道されました。当時の厚生省薬務局安全課副作用情報室の話として「事実関係を調査する」とされていますが、この調査の結果についてお聞かせください。

U.低用量ピルについて

1.臨床試験中ならびに試験後の妊娠例追跡調査について
  臨床試験中の妊娠17例ならびに試験中止(終了)後の妊娠例について、出生にいたったものの長期追跡調査を要望いたしましたが、それらについて現在どのように把握しておられますでしょうか。

2. 臨床試験の問題点について
 臨床試験の中では血液凝固や耐糖能などについて非常に小人数の検査で「特に(ピルの)影響はない」といった結論が出されております。また対象除外規定に抵触する被験者を多く試験に参加させるなど、試験そのものの有効性に疑問がもたれますし、被験者に対するインフォームド・コンセントも充分とは言えない内容になっております。このような形で医薬品が認可されるならば、医薬行政に対する不信感を生むことになりかねないのではないでしょうか。これにつきましてどのようにお考えでしょうか。

3. 「中間とりまとめ」について
 審議の「中間とりまとめ」では癌発生について年齢別のリスクには触れられておりませんが、若年でのピル服用開始は乳癌や子宮頚癌のリスクをより高めると言う報告が多く出ております。健康な女性が服用するものである以上、年齢別などあらゆるリスクを明確に示して国民に問うべきと考えますが、どうお考えでしょうか。

4. ピルによる免疫力低下について
 他のステロイドホルモン剤同様、ピルを服用することにより免疫力の低下を引き起こすことが心配されます。子宮頚癌のヒトパピローマウィルスやエイズにおけるHIV感染のリスクもそうした免疫力低下と関連付けて検討されるべきと考えますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。

5. 私どもが提出した医学文献について
 私どもは検討していただきたい医学文献を提出いたしましたが、それらの文献は審議会ではどのように扱われたのでしょうか。

6. 「内分泌攪乱物質(環境ホルモン)」としての検討について
 ピルの「内分泌攪乱物質」としての検討として、厚生省は体内から排泄された後の水系の汚染についての検討しか公表されておりません.しかし極微量のホルモン様物質が問題となる「内分泌攪乱乱物質」の視点から見ますと、微量であれ体内に残ったピルの合成ホルモンの、@服用者への影響、A服用中はもちろん服用中止後妊娠した際の胎児への影響、さらにB授乳中にピルを服用した場合の乳児への影響、がより危惧されます。これらについてどうお考えでしょうか。

7. 処方(成分)の異なる6種類のピルを一括して審議されていることについて。特に第三世代ピルの扱いについて
 6種類の処方のピルが一括して審議され評価されておりますが、薬剤の特性を考えるにあたっては個別に評価されるべきではないでしょうか。特に、血栓症のリスクを従来のピルよりも高めるとしてヨーロッパやニュージーランドでも規制のかかった第三世代ピルであるマーベロンをも一括することには問題があるのではないでしょうか。
 このマーベロンの扱いについて、さる3月15日の国民福祉委員会において中西局長は「(添付)文書上で別扱いをするかどうかも含めて審議会にお願いしてある」旨の答弁をなさいましたが、そのような個別の扱いがなされるためにはまず個別の安全性評価が必要と考えますが、どのようにお考えでしょうか。

8. 重篤な副作用に対する集団訴訟など外国の例について
 イギリスではピルに関連した死亡や重症例について、わかっているだけで現在136人が製薬会社ならびにピルを処方した医師を訴えています。その他の国の例も含め、ピルに関連した重篤な副作用や訴訟についてどのように把握しておられますでしょうか。またピルの審議にあたってこのような事例は考慮に入れられましたでしょうか。

9. 意見の公募について
 以前厚生省は、「認可について、インターネットやマスコミを通じて広く国民の意見を聞く」と述べられておりました。「中間とりまとめ」が出て以降も正式には意見を募られておりませんが、いつごろ、どのような形で予定されておられるのでしょうか。

10.「中間とりまとめ」以前の要望書などについて
 3月3日に公表された資料は「中間とりまとめ」公表以降自発的に厚生省に寄せられたものと理解しております。しかしそれ以前にも多くの要望書が提出されていると思いますが、それらは審議会の中でどのように扱われたのでしょうか。

1999年4月8日

                        「エコロジーと女性」ネットワーク
                        準備出産&からだのおしゃべり会


 

厚生省との交渉記録


1999年4月14日厚生省交渉   午後3時半より 参議院会館1階第2会議室  参加者16名(1999.4.14)
厚生省側出席者 医薬安全局審査管理課 A氏 調整官、   B氏   オーファンドラッグ専門官
           医薬安全局安全対策課 C氏   課長補佐、 D氏  主査

前置きとしてA氏より
 質問書をもらったが、低用量経口避妊薬はいま審議中であり基本的に答えられる状況ではない。私どもで答えられる範囲は12月2日の「中間とりまとめ」と3月3日に出したものとなる。そもそも私たちは答える立場にないことを理解してほしい。意見はこれまでにももらっているが、賛成・反対とも審議会に出して審議の参考にしてもらっている。「どのように考えているか」という質問が多く、それはまさに有効性・安全性の問題で承認の可否にかかわることなので、現時点では公表資料に基づいてだけ。
(回答、再質問、再回答の形を項目毎にまとめ直し一部省略してあります。)

質問書に対する回答 (基本的にA氏が回答)

1. 中高用量ピル使用者のデータについて

A) 審議会では申請品目(低用量ピル)について審議している。中高用量ピルは参考にしてもらう程度

質問) 中高用量ピル服用者の健康の問題があるので、(低用量ピルへの)移行プログラムが必要ではないか。このデータは「中間とりまとめ」にも関係あると思う。低用量ピルでルでは出血の問題などが出てくると思われる。ただ低用量ピルが安全だ、優れているというだけでは納得いかない。

A)意見としてうかがう。

質問) 86、87年ごろさまざまな雑誌に出たが、ライターの潜入ルポなどでわかったように、検査もないといった(中高用量ピルの)非常に野放しの中で、低用量ピルを処方・服用する土壌があるとは思えない。

質問) ピルをやめた後の妊娠に異常が出るかどうかが重要。昭和60年代の先天異常モニタリングでは、(ピルをやめたあとの妊娠例に)口蓋裂が増えるという報告になっている。低用量と言ってもやめてから実際に身体の中に残っている量は高用量とあまり変わらない。たとえば低用量ピルの試算では100日ぐらい経たないと、他の農薬などの水準まで減らない。10日ぐらいでほぼ90%は排泄されるが、環境ホルモンから考えると、その残りがシビアである。今まで中高用量ピルで出たデータは低用量に反映されるべき。

A)意見としては聞くが、調べると言っても実験はできない。本来適正に使われるべき。調べると言う問題は、副作用などは市販後に出てくる問題と思う。本来そういうことが起こらないように情報提供を徹底すると言うことが第一。中高用量ピルを避妊用に使うのは目的外使用であるから「自己責任」で使ってもらっているので、それを適正なものと受けとって調べると言う立場は基本的にとりにくい。
 「自己責任」で使っていると言う認識でなければ。逆に言えばそれ(目的外使用)はあってはならないことである。それは医師と服用者の間で問題がある、あるいは服用者が適応外使用を知らずに使っていることが仮にあるとすれば、非常に問題であると思う。

質問)中高用量ピルについてのデータは厚生省にはない、ということでよいのか。

C)市販後副作用のデータはある。中薬審で市販後の安全対策を検討する調査会があり、そことも相談して使用上の注意の改訂など逐次行い、現在に至っている。今のところ中高用量ピルでたとえば血栓症などの問題などは添付文書に反映させているし、そういう指導はしてきている。しかし基本的には中高用量ピルで副作用が出て、今の中高用量ピルを適格につかっていただくための情報提供をどうするべきかと言う問題で使用上の注意を考えている。中用量ピルの使い方の問題と言うことであれば、添付文書に危険性や留意すべき点は反映させてきたということ。これからもこういう情報提供した方がいいという新しい情報があれば評価した上で、今後も文書の改訂などの措置は当然とっていくという考え方である。

質問)中高用量ピルの副作用のデータはあると言われたが、それは見せていただけるか。

C)まだ詳細については出していない

2.中高用量ピル副作用と疑われる死亡例について

C)報告自体は当時としては非常に珍しい疾患(血栓性血小板減少性紫斑病)だったので1例が報告にあがった。(原因が)ピルと断定しているわけではないという主治医の報告もその後あった。中高用量ピル全体についても副作用の報告などがあがってくるとそれをふまえて使用上の注意の改定など行い対応している。

質問)添付文書の字句のどこが変わったか見せていただけるか。

C)時間をいただけばできると思う。今回8486年のことを言われたので調べるのも時間がかかった。使用上の注意が変わってきたということは隠す情報ではないので、それは出せるがすぐにと言われても。

質問)ぜひ調べてほしい。まとめた資料をください。

U.低用量ピルについて

1. 服用中妊娠例の追跡調査

A) 12月2日の「中間とりまとめ」の有効性で失敗例等について述べている。1例については出生して特に異常なしということが公表文献に出ている。

質問) 服用中妊娠1例について出生時異常がなかったという話だが、「環境ホルモン」の観点から言うと10数年後という形で異常が現れる場合もあるし機能的異常の場合もある。ちょうど90年頃治験が終わっているので今どのような状況か把握するか重要と考える。把握しているかどうか、答えてほしい。

A)把握しているかどうかと言われるとそれには答えられない。今何歳になって誰々がどこでどのように暮らしているかという意味においては承知していない。

質問)では製薬会社などで追跡しているかどうかということについては。

A)臨床試験はどこまで追跡するかということになるが、治験の依頼者が計画をたて、その計画に沿って受託した医療機関、医師が実施するものであるので、基本的にそこで契約が成り立つ。その契約の中で試験期間がこうであるということであれば基本的にそこで終わる。ものによっては長期のフォローを指示する場合もある。追跡上の問題で言うと、製薬企業がやりたいと思っても、自分の依頼した薬を誰それが服用してというところまで直接アクセスするのはプライバシー上の問題があり、基本的には医師からやるということになるが、医師も所在がつかめるかどうかの問題もある。当初のプロトコール上でどういう期間の中で観察するかという範囲内で臨床試験は行われる。もっというとプロトコールが妥当であったかどうかという問題もあるが、当時はそれで行われて申請されているものであることを理解していただきたい。

質問)ピル服用中の妊娠であるので、まさに私たちが心配している次世代への影響を具体的に受けているのかということをちゃんと把握したうえで、低用量ピルの認可に関して検討していただきたいと要望を出している。そこのところで努力をしていただきたい。

A)国内の臨床試験というのは一定の期間で終わるので、どうしても限られている。しかし日本以外の国で非常に多く。「中間とりまとめ」も国内のデータはほんの少しだけで、長期のデータというのは出てこないので諸外国の膨大な疫学データとかふまえて取りまとめていることを理解してほしい。

質問)そもそも外国の文献も、これまで「環境ホルモン」という問題は出てなかったのでそういう視点で捉えられているわけではない。そういう視点で考えてほしいということを言っているわけである。

2. 臨床試験の問題点

A)検査人数が少ないということについては、論文の中でそういう結論が出されていれば、そういうことである。除外規定抵触例―実施医療機関、医師の問題であると思う。今は薬事法に基づいて試験が行われており、文書による同意が必要。インフォームドコンセントという点では、当時は文書の同意は義務付けられていなかったのは事実。除外規定にしたがってやるのは当然あるべき姿であるとは思う。

質問) インフォームド・コンセントという意味ではたしかに文書同意とかはなかったと言われたが、現時点で承認するかどうかということなので、過去の臨床試験でいろいろ不備があったということを今の時点で規則というか、それに抵触するのであればそのままそれを使っていいのだろうかという疑問がある。

A)臨床試験はそれを実施した当時の規則に従うということで扱うので、いつの時点でも審査する時の基準に適合していないとだめだということになると、被験者のデータが無駄になるという側面がある。その時の規則には沿っていると思うが、それで見ても信頼性に問題があるということなら然るべき指導がなされている。これに限らず医薬品審査で試験に問題があれば指摘して指導したケースもある。

質問)それでは、非常に小人数の検査とか除外対象基準に抵触した例とか、適正に検査が行われていなかったと私たちは考えているが、それに関しては問題はなかったという認識なのか。

A)それは承認審査の末に、仮に答申がなされるのであれば基本的には適正だったということになる。細かいところを見れば全ての試験においていろいろある。それがどう言う程度でどの程度重視されていたかという問題を、そこから得られる有効性・安全性のデータとの兼ね合いで当然総合的に判断している。いずれにしても有効性を判断するうえではこれは適格でないという例があっても、安全性評価の対象には加えるとか、そういったことは評価上もやっている。有効性から外したから安全性からもはずすということは基本的にあってはならないことで、別に容認するということではないが、実際に被験者としてエントリーしてしまった以上はそれをなかったことにするということも問題。報告書に書いてある通り公表されている文献にそういう事実があるとすれば、それはそれで事実。偽りが書いてあれば別だが。

質問)新薬の臨床試験をする場合、たとえば日本の厚生省と外国の方法・期間・対象者とか違うんですよね。今回の製剤は健康に何の申し分のない女たちが飲むという新しいスタイルの薬を認可することになる。治療薬を新薬として臨床試験させてきたという歴史と全然違う臨床試験、評価判定、毒性と副作用の問題について取り組みがなされていないとおかしいのではないかと思う。健康な女たちが栄養剤とかビタミン剤を飲むという話ではない。

A)第一義的には実施者が責められるべきと思う。指導力が足りないと言われればそれまでだが。治験というのは、誤解がないようにしてもらいたいのだが、製品を開発しようとする製薬会社がまず第一義的に責を負うべきものである。それを受託する医療機関、医師があって、その当事者が共同してまず責任を負うべき。認可後であれば、私どもが承認しているので適切に情報をフィードバックして添付文書に情報を反映させるとか、害があれば出荷を停止させるとかしなければならないが、治験というのはまず当事者の倫理の問題、科学性をちゃんと維持してやれるかどうかの問題。そこに規範としてのいわゆる臨床実施基準があるわけだから、それが徐々に行政指導の形で行われ、さらに法制化されるという経緯をたどってきたわけである。できるだけ私どもも指導しなければならないとは思うが、まず当事者がちゃんとやる意識がそこにないと困るわけで、実施基準の普及啓発に厚生省も講習会をやるなり法制化したので、まさに努力しているところである。周知しなければならない。

質問)日本の臨床試験のあり方についてはかなり国民の間からも疑問の声があがっているところだと思う。今までの薬害を生み出してきた経過などを考えると、キチンとされているのだろうかと言う疑問を誰しも持っていると思う。今後臨床試験についてはさらに簡素化されるというような方向も出されているわけで、その辺で私たちはさらに不安が増している現状があるので、そこのところを充分理解してほしい。今でさえこんないろんな問題をはらんでいるのに、これがさらに簡単に審査されてしまうのではないかということを感じている。

3.「中間とりまとめ」

A) 引用文献等について105編を公表しているが、必ずしも他のものを見ていないわけではない。公表したものは、どこまで概略を書くかという問題もある。だから出典を示している。行政相談室で閲覧もできる。乳癌等のリスクについては「中間とりまとめ」にも書いたが、リスクはあるので、仮に承認するとすれば服用する人に情報を理解してもらい承知のうえで服用されるべきと思う。
 3月の公表資料にもあるが、次回常任部会で情報提供のあり方、医師向け、患者向けのものを整理してもらい、6月さらに審議していただくことになっている。

質問) 「中間とりまとめ」に出典も書いてあるし行政相談室に行けば閲覧もできると言うことだが、実際に行って見ると言うのは、東京にいても日中行けるわけではない。インターネットでもとれるが、インターネットでは今出されている簡単な総合評価と言う形になる。これを見ただけでは、年齢別のリスクなどはわからない。出展まであたらなければわからないわけで、しかし実際に見られるのはせいぜいここまで、総合評価だけである、そこに書いていないということは、これを見た人をミスリードすることになるのではないかと私どもは考えている。年齢別、条件別のリスクというのは非常に重要な情報であると考えるので、きちんと出していただきたい。これは「中間とりまとめ」であるので、最終に至るまでにまだ審議があると私どもは理解しているが、もう少し詳しいものについて出してほしい。

A)要するに添付文書なりにどこまで反映させるかと言うことになる。気になさる方であればやはり引用文献を見ていただくしかない。服用者全員に105文献コピーを全員渡して、できれば翻訳も付いていた方がいいということになるかもしれないが、それは無理である。ポイントについて認識していただくためにであるので、まさに情報提供のあり方と言うところで次回ご審議いただく点である。

質問)その情報提供のあり方だが、添付文書と言うのは承認された後に付くものであるから、承認される前にそれを判断する材料がなければ、判断できないではないか。

A)残念だが、本件について国民投票してその可否を決めようとまでは考えていないので。基本的には中央薬事審議会の方で答申の内容として承認して差し支えないという形でいただけたなら、私どもの方でも承認を考えると言うことであるので、みなさんの意見をいただいているということはちゃんとお伝えしているし、私どもとしてもできるだけのことはさせていただいていると思っている。さらに詳しい情報をお知りになりたいのであれば、引用文献を示しているのでそれをご覧いただくしかない。
 もちろん年齢も重要なファクター、年齢と言うかどれだけ使用しているか、長くなればとか35歳以上でどうかとか、年齢のファクターというのはもちろん重要だとは思っている。だからそれは添付文書等でどこまで反映させるかと言う問題かと思っている。

質問)私どもは添付文書の前にそれをやってほしいと、承認するか否かの時点でそれをやっていただきたいということである。さきほど赤川さんは「乳癌などのリスクはあります」とはっきりおっしゃった。そのことが広く行き渡っていないということが問題だと思う。

4. 免疫力低下

A)そのような文献もあるし、中薬審に指摘をもらったことは伝えて参考にしてもらっている。

5. 提出した医学論文

A)もらったものは添付して文献、新聞記事などすべて資料として見てもらっている。配布してある。
(厚生省に寄せられている意見については)プライバシーの問題もあるので、個人が特定できる情報はマスキングしてある。

6. 環境ホルモン

A)3月3日の公表資料として出したとおりである。さらに人体への影響についていただいている意見は中薬審で検討してもらっている。仮に承認の場合は添付文書にどういう内容を載せるかということになる。情報提供の中にどのように反映させたらよいかを次回常任部会で審議してもらう予定である。

質問) 「内分泌攪乱物質」としての検討のところで、水の汚染以外のところを検討されているのか。

A)どう言う形で反映させるかということであると思う。授乳中にピルを服用していいということは当然書けないと思う。それをどういった表現で、どういった位置に、他の注意事項と比べてどの辺に書くかということを整理させていただきたいということを次回の中薬審で審議いただこうということになっている。

質問)それは、添付文書に必要なことがいろいろ書かれていれば認可していいというように聞こえるのだがそういうことか。

質問)書いてあるのだから、それを飲む人が当然それを承知のうえで飲むんだという考え方ですよね。それを見ないで飲んだ人はその人の「自己責任」だと、何が起きても。そういうことでよいのか、おっしゃっていることは。

A)添付文書というのは承認してからずっと一定ということはない。その時点時点で得られた情報に基づいて逐次修正していかなければならないので、そこは固定したものではないので、当初の承認で問題がなかったからずっと問題がないということではない。

質問)6月に常任部会で服用者への情報提供のあり方を審議するとおっしゃっていたと思うが、次回審議してこれでOKということになれば6月で終了ということになるのか。

A)承認して差し支えないという意見が固まれば。

質問)ということは、安全性とか毒性とかいうことについては終わっているのか。

A)3月の時点で有効性・安全性の議論が終了したということでは必ずしもない。私どももマスコミに対してここの表現が正確でないとか逐一抗議するということはしていないので、誤解のないようにしておいていただきたい。

質問)残っているのはみんなが言っているように「環境ホルモン」の問題とか、乳癌だとか、そういうことをまだ少し審議しなければならないということが課題として残っているのか。

A)審議しなければいけないというか、承認の可否と言うのは全部勘案してするかどうかということなので。承認する際に最終的に表に出て行くのは添付文書なりであるので、そこは今までの有効性・安全性もろもろの評価を踏まえたうえで、仮に承認されて出て行く時に適正に使用されるためにこの表現でいいかどうか、その情報提供の仕方としてこのようなパンフレットでいいかどうか、服用者向けの情報提供の資料と言うものも次回用意するので、普通の方が読んで専門用ばっかりでちっともわからないというのでは困るので、そう言った意味でも適切かどうか、それも含めて次回審議していただくことを予定している。

質問)その前提として有効性・安全性の評価は一定終了したという前提がなければならないわけでしょ。

A)少なくとも承認する日までは何が起こるかわからない。添付文書というのはそういうもので、また承認した日から添付文書と言うのは変わる可能性があるので、添付文書の改訂については逐次中薬審と相談しながら企業に指導している。

質問)じゃあなぜマスコミは一斉に6月承認と書いたのか。これは訂正のきくことではないと思う。みんなピルに対する疑問とかさしはさむ余地がないと思いこんでいるところもある。それは報道の責任だけではないと思う。

質問)さきほども言ったように、添付文書に行く前に、そもそも添付文書に注意なり危険が書かれるのではなくて、そういうリスクがあるものだということが事前に知らされないということ、マスコミなどでは副効用もあるいい薬だというようになっている。それに対してはどう思うか。

A)それは報道される方に直接申し上げてください。

質問)情報を出さないからではないのか、厚生省が。情報が出されない中でいい薬だという宣伝が広がっていくと思う。

A)だから私たちは出しているし、子宮頚癌のリスクがないとか決して言っていない。ちゃんとあると。直近の文献まで含めて出している。将来的に変わらないと言うわけではない。場合によるとリスクはもっとあがるかもしれない。それはわからない。

質問)出されたものを見る限りではそんなにあるようには見えないから、みんながないという風に。

A)そんなことはない。よく見れば相当書いてある。ただそれを言われるのであれば報道機関に言っていただかないと。表現の自由はあると言われれば。私どもも適正に報道してほしいと言うことは常に取材のときに申し上げているが。

質問)環境ホルモン関係の問題だが、ここにあげた@、A、Bのことに関してだけでもまだそうデータがあるわけではないし、他の類似物質からデータを持ってきて検討していただくということも含まれると思うが、事務局側としては審議会の委員に対してどういう情報をどう言う形で資料を提供されているのか。

A)3月3日の公表資料に意見としてまとめていただいた通りである。今私どもで言えるのは。それを充分・不充分と言われるかもしれないが、中薬審としてはそこに示してあることでとりまとめた。

質問)1998年に内分泌攪乱物質の作用について新しい知見が出た。前までは量が多くなれば作用、副作用が多くなるということだが、そうではなくて量が少ないところでも、量が多いところよりもかえって異常が起こる可能性があると言う論文が出ているわけで、ピルと言うのも一種の内分泌攪乱物質であるわけだから、そういう新しい知見に基づいてピルも再検討する必要があるのではないかと思う。そういうデータは薬事審議会に出してさらに検討していただきたいと思う。もし資料をお持ちでなかったらお渡しする。そういうお考えはないか

A)中央薬事審議会の方で、いろいろな観点で総合的に判断して答申の内容というのは決まると思うので、そこのところは。それは最終的には総合的に見て問題をどのように位置付けするかと言うことである。この問題はいずれにしても健康人が服用する医薬品だということで特に9年あまりの年月を経て審議していただいてきているので、どこまでやれば議論を尽くせるのかということもある。結論はまだ出ていないので、一般論として言えば、承認と言うのはひとつのターニングポイントで、そこから行政の方も承認したと言う意味において正式に指導していける状態になる。承認したからすべていいというわけではなく、問題が出てくれば撤回するなり、薬事法上もそれなりの措置を講じなければならない責務がある。承認さえ良ければそれでいいというわけではない。いずれにしてもまだ結論が出ているわけではなく、議論が尽くされて中央薬事審議会として差し支えないと答申が出れば、そうなれば私どもも承認すると言うことになる。仮に承認したとしてもそれですべてが終わったわけではなく、市販後どうするかをまさに舵とりしていかなければならない。審査管理課は審査の方にウェイトを置いているが、厚生省全体でみれば市販後どうするかということの方が、ほとんどそちらの方が大きいウェイトと思う。だからといって審査もこれだけ時間をかけているので、そういう状況であるということは理解していただきた

7. 成分の異なる6種類のピルの一括審議について

A) 一緒に承認しなければならないとか、そういうことは考えていない。個別に諮問してそれぞれの品    目に答申を受けて承認の可否を決める。第3世代ピルについては、1995年WHOの問題提起があり、申請されているピルにつき特に血栓症について充分審議がなされるべきと、時間をさいて審議されている。95年以降、欧州医薬品委員会のposition paper、 WHO review などいろいろ情報として入ってきている。当然中薬審の審議に反映させる必要があると考えている。

質問)海外情報についてだが、マーベロンについて海外の情報というのは把握されているのか?

A)規制状況ですか? どこまで把握しているかということもあるが、当然知っていなければならないし入手はしているが、それはいずれにしても審議に影響するので、マーベロンがというよりも、リスクの評価はいろいろされてきている。

質問)その資料は出していただけないのか。

A)WHOとかの情報とかであればみなさん入手できると思うし。
  私たちは承認審査を本業としているので、なるべくみなさんに情報提供したいとは思うが、そもそもこれは承認審査中であるので、承認審査中の個々の品目の情報というものは基本的には中央薬事審議会に了解いただいたうえで、どういう審議がなされてきたのかというまとめを出す必要があると言う意見が委員からあったので今回出しているわけで、何が何でも申請にかかる資料を出せというと、本来承認の可否を決めていただくために企業から提出を受けそれを中薬審に出しているので、それをみなさんに広く知らしめるという趣旨のものではない。

質問)しかし国同士の、たとえばノルウェーでどういう使用制限がかかっているかということは、国同士の方が情報をとりやすいわけで、私たち市民がノルウェーにアクセスしてどうこうというよりも、まず国がそういう情報を入手してそれを我々に公表していただくというのが筋ではないか。あなたたち勝手にやれるではないかではなくて。

8.外国の訴訟、死亡例など

A) (寄せられている意見の中に)新聞報道もあったし、新聞の写しを添えて意見を述べているものもある。それらは資料として審議会に出している。  

質問)日本での治験というのは私は非常に杜撰だと思うが、それ以外に他の国の情報を勘案して安全性を言っておられるわけだから、当然よその国でどういう風に使われていてどういう危険性があるかと言うことを把握されていて然るべきであるし、それを私たちに提供してくれるべきではないか。

A)よくわからないが、血栓症の問題については文献があるわけで、各国政府も科学的評価に基づいてなされるわけで、その科学的評価がまず基本的に重要であって、それをもとにどういうふうに評価するということがある。

質問)それは科学文献ですね。ただそれが実際に外国でどういうふうに使われているかということは非常に重要な情報である。

A)どういう風に使われているかということは、私どももよその国に行って処方の実態とかいうのか調べるのは難しいと思う。その国にとってもそう容易な話ではないと思う。問題はその国に出回っている添付文書の問題なり行政当局がどういう取り扱いをしているかというところだと思う。そういったものはある程度こちらでも参考にする必要はあるとは思っている。基本になるのは科学的データの方で、それを中央薬事審議会で評価いただいているわけだから、たしかに諸外国の規制というのは参考にする必要はあるが、それだけによって決まるというものではない。ただもとになるのはどこも科学的データである。

9.その他

質問)中央薬事審議会の承認と言う風になった場合、厚生省は少し待つとか、承認を許可しないと言うことはあり得るのか。

A)私どもは基本的に答申に従って承認するなりしないなりを判断する。逆に答申が出てモタモタしているとまた何故かということになるので、答申が出れば速やかに認可しないといけない思う。

質問)ぜひ認可前にいろいろなことを十分検討し尽くしていただきたいというのが我々の真意であるので、くれぐれも急いで認可されませんように重ねてお願いしたいと思います。今日はありがとうございました。