海外8(「子ども達への経口避妊薬投与に反対する両親の会」について) 

 日付が少し古いのですが、イギリスの「子ども達への経口避妊薬投与に反対する両親の会」のジェニー・ベーコンさんからいただいた手紙と「会」の紹介文などをお伝えします。くわしくは、リンクのページからこの「会」にアクセスできますので、どうぞトライしてみてください。

  イギリスでのピルの副作用被害の情報を私たちに送ってくれた「子ども達への経口避妊薬投与に反対する両親の会」発足のきっかけになったのは、代表であるジェニー・ベーコンさんの娘さん、キャロラインさんがピルの副作用で亡くなったことでした。
 その命日が5月1日で、ジェニーさんたちは毎年この日を
「パープル・リボン・デイ」として、小さな紫色のリボンをつけてもらい、キャロラインさんを思い出すと共に、こうしたピルの被害を訴えていく日としています。リボンは賛同してくれるお店などに紹介文と共に置かれています。
 
5月1日、生きていれば22歳になるはずだったキャロラインさんを偲び、当日22個の風船を飛ばしたと、ジェニーさんからの便りが届きました。(2000.5.11)


                           1999年3月3日

「エコロジーと女性」ネットワーク
 吉田由布子様

  3月2日に到着したお手紙ありがとうございました。

  私はピル製造企業に対する訴訟の情報を得るため、担当している弁護士に電話をしました。彼女は136人が、あるものは製造企業を、あるものは医師に対して訴訟を行っていると述べました。補償に関しては、私たちと同じように愛するものを失った人々はお金には関心がないと私は確信しています。彼らはどのようにしてそれが起こったのか知ることを望んでいるのであり、私たちが常に言われ続けているように「100万人に1人の割合でしか起こらない」としてその事実が切り捨てられることを望んでいないのだと、私は確信しています。

 私は自分の愛しい娘の正義のために闘うことをあきらめません。ピルによって傷つけられた女性たちは非常に怒っています。彼女たちは、この状況はもっと真剣に取り扱われ、副作用についてもっと強調されることを望んでいると思います。私たちは、女性たちが事実を知って判断できるほどピルについて充分な情報を与えられているとは思っていません。ピルはあまりにもたやすく処方されています。

  1995年、政府は特定のもの(低用量ピル)が深部静脈血栓症のリスクを高めるとの警告を出しましたが、それらは家族計画クリニックなどから「人騒がせなもの」と非難されました。

  ご存知のことと思いますが、私たちの国の十代の妊娠率はヨーロッパでもっとも高く、私たちや多くの組織が、無料の避妊薬(具)が手に入りやすくなるほど状況は悪くなると信じていても、政府が耳を傾けるのは避妊薬(具)を奨励することに既得権を持っている人々のようです。

  私は今日、ニュージーランドでのピルに関連する死亡例についての情報を入手しました。あなたに送ったものの中のひとつです。

  もしあなたがたの役に立つようなことが何かありましたらどうぞ遠慮なく連絡してください。

                                                          ジェニー・ベーコン


(強調は原文より)

子どもたちへの経口避妊薬投与に反対する両親の会

1996年設立

  夫と私は、私たちの美しい娘キャロラインを失ってから、このぞっとする状況について何かしなければならないと決心しました。

  私たちは、これはピルのせいで、そしてわずか14歳と半年という年齢で、私たちの同意なしに、そして彼女の医療歴もまったく無視されてそれが与えられたという事実のせいだと信じています。

  私たちの目的は、知らないうちに自分たちの子どもに起きる可能性のあることに人々の充分な注意を向けさせたいということです。また、私たちはこの人工の強力なステロイド薬の子どもたちへの不用意な配布は耐えられないと感じているため、この問題に関しての調査/討論を迫るためでもあります。

  子どもたちはこの強力なステロイド薬に関して彼らが自分自身に与えているダメージ、あるいは若年での性行動が活発になるということからくるダメージに気づきません。

  両親は、子どもたちの幸福ということに関して自分たちの親としての権利が傷つけられていることに気づく必要があります。

  子どもたちは子ども時代を生きる権利を持っていますが、低年齢でのセックスが大目に見られ、これが普通と受けとめられる時、社会はこれ(子どもが子ども時代を生きるということ)をより困難にします。

  もしこの問題に何らかの関心をお持ちになりましたら、どうぞ上記の住所で私にご連絡ください。

両親はこの問題に関して完全に無視されています。

私たちは、ピルによって悪影響をこうむった人々の事例を集めています。

もしあなた、あるいはあなたの知っているどなたかが

この薬にまつわる問題をお持ちでしたら、

どうぞ私たちにご連絡ください。


(以下の手紙は、フリーライター山下柚実さんの質問を、私たちを経由してジェニーさんに届けたものの答えです。「サンデー毎日」2000年3月5日号に記事が掲載されました。山下さんのホームページで記事全文を読むことができます。リンクはこの文の最後に。)

-----------------------

1999年12月16日

 ご質問にお答えします。

 どんな女性に対しても、ピルの危険性についての情報はほとんど与えられません。私が知る限り、それはぞっとするような状況ですが、もし彼ら(訳者注:製薬会社や医療関係者)が彼女たちに、起こリ得るすべての問題を話したとしたら、誰もそれを飲まないでしょう。

 何かピルに反対することを言うと、その人々は“デマゴーグ”だとか“取り越し苦労”とか言われるのです。ピルを飲んでいて死亡したケースについては、「これは非常に稀なケースであって、基本的に何も心配することはない」と言われてしまうのです。
 一人の死亡は誰にとっても起こり得る事であるにもかかわらず、ピルに関する死亡の数字
(訳者注:正確なデータのことと思われる)がないということを考えると、“稀な事”などと言われると私は非常に怒りを覚えます。

 女性たちは、ピルが“女性たちに自由を与える”これまでにない最高の薬であると思い込まされてきた、と私は思っています。これはナンセンスです! 私は国内の新聞記事をひとつ同封しましたが、これは非常にすばらしい記事です(訳者注:海外情報2のデイリーメール紙99年4月21日付けの記事を指す)
  キャロラインもクリニックに言った時には「自由を与えてくれる薬」と思っていたのでしょう。

  彼女は非常に慎重な性格だったから、もしもクリニックの誰かが彼女に「安易なセックスについてよく考えなさい」と忠告してくれたなら、と思います。若い人々に、その年齢で安易なセックスはしないほうがいいと時間をかけてアドバイスするよりも、ピルを渡してしまう方がずっと簡単です。キャロラインは、自分にとってピルは安全だと思っていたのでしょう。だってそれが彼女に与えられてきた印象だったのですから。もし彼女が少しでもピルの危険性を知っていたら、決して飲まなかったでしょう。
  ピルによって傷ついたり、服用中に死亡する人がいるなんて、私は全然聞いたことがありませんでした。キャロラインは、ピルは安全だとしか考えられなかったのでしょう。このことについて私は多くの事を知ったからこそ、キャンペーンを始めたのです。キャロラインがこれらの人々を結び付けているのです。

<日本の女性たちへ>
 ピルについて私がわかったことのすべては − 何度も考えに考え、そして医学的に完全な検査を受けることなしには、ピルを飲むことをどんな女性にもアドバイスすることはできないということです。
 あなたが服用可能かどうか、インフォームド・チョイスができるように、自分の医学的検査の結果をきちんと読みとることです。ピルに添付されている説明書を隅から隅まで読むこと。もしあなたがピルを飲もうと考えているなら、服用後に少しでもからだの不調を感じたなら、すぐに医師に相談すること。もし少しでも気になることがあれば、質問して答をもらうことです。そして、ピルでは性感染症の予防はできない、ということをしっかり覚えておいてください。

 これ以外に言うべきことはありません。
 女性たちが医学の専門家からメッセージを与えられる時には、基本的に「ピルは安全である」といったものであり、女性たちもそれを信じがちです。このことによって、日本でも女性たちは「解放された」と感じるようになってしまうでしょう。

 ピルの事をよく知ることが大切です。「知は力なり」です。

                                                   ジェニー・ベーコン

---------------------

 山下柚実さんのWebサイトの「雑誌クリッパー」コーナーでは、「サンデー毎日」の記事の詳細のほか、彼女がこれまで書いたピルに関する記事も掲載されています。

URL: http://www.linkclub.or.jp/~yuzumi/contents/content/index_set.html