海外報道4(ニュージーランド、スウェーデン)

1. ニュージーランド

第3世代避妊薬に関連する死亡

サンドラ・コニー(Sandra Coney)

デソゲストレルまたはゲストーデンを含有する第3世代ピルを服用していた、少なくとも6人のニュージーランドの若い女性たちが1993年1月から1998年6月までの間に肺塞栓症で死亡した。

 この数字は、1996年7月に保健省が第3世代ピル使用者の静脈血栓症のリスクについて処方上の勧告を出した際に予想したものよりずっと大きい。当時保健省は、致死率は1‐2%で、1年半から2年半に1人の死亡が予想されると述べた。

 ニュージーランドは自発的な副作用報告システムをとっているため、実際の死亡数はおそらく報告されたものより高いであろう。保健省はこの数字について何の説明も与えることができず、この報告システムは「自然のバラツキと報告の偏りの影響を受けるためだ」と述べている。

 政府の医薬品副作用委員会(MARC)は1996年初頭に、ニュージーランドの状況ではこれらのピルに起因する静脈血栓症の発生の増加は「有意であると思われる」と保健省に警告した。第3世代ピルは、ニュージーランドの市場でまたたくまに大きなシェアを獲得した。勧告を受けた1996年までにはおよそ15万人の女性たち―経口避妊薬使用者の80%―が第3世代ピルを使っていた。

 勧告を受けた1996年に保健省はMARCのアドバイスに従わず、古いタイプのピルを「優先的に処方するよう」医師たちに勧告しなかった。家族計画協会と王立産婦人科医協会はこのアドバイスに反対し、「慎重に処方するように」という言い回しに変更してしまった。

 保健省は1996年から今までそのアドバイスを繰り返している。オタゴ医科大学の研究者らは全体像を確認しようとして検視官の報告を洗いなおしている。MARCは1999年最初のミーティングで新たに出てきた重大なデータを検討する予定である。(Lancet, Vol.353, 1999 1.30)

 <追加情報>

 ニュージーランドのWomen's Health Actionのホームページでは、死亡した6人のうち4人は1997年1月から1998年6月までの18ヵ月の間に死亡したことが明らかにされている。また、ニュージーランドで使用されているデソゲストレル、ゲストーデンを含む第3世代ピルのブランド名を記して女性たちに注意を促している:Mercilon21と28, Marvelon21と28, Femodene21と28, Minulet21と28。サンドラ・コニーさんはWomen's Health Action の代表。

 また、政府に情報公開を要求した結果さらに3人の女性の死亡が明らかになり、1993年1月から1999年6月までの死亡は9名(19歳〜36歳)となっている。


2.スウェーデン
(以下はスウェーデン在住のアキコさんからの情報によるものです)

(1999.5.17、スウェーデン、アフトンブラーデット紙より抜粋)

●イングリッド・L 23歳
 14歳からピル(デソレット―成分はマーベロンと同じ)を飲み始める。頭痛がしたりひどく腹痛がしたりした10ヶ月後に何ヶ所かに血栓が起こり、医師は脚を切断するしかないと言った。現在車椅子で生活。脚のほかに肺と背中にも血栓が起こった。ピルを飲むと血栓が起こるということは聞いていたが、まさか自分に起こるとは思っていなかった。家族にも親戚にも血栓症はいなかったから大丈夫と思っていた。このようになったので、他の女性にもピルのからだへの危険性やリスクの大きさををわかってもらいたいと思う。
 彼女を代表として97人の女性たちが現在オルガノン社を訴えている。

●匿名 27歳
 1994年にデソレットを服用しはじめた。当時22歳。服用3ヶ月後に両方の肺に血栓ができた。その後、脚にも血栓ができた。

●匿名 29歳 
 1993年の秋、23歳で脳の血管にいくつかの血栓ができた。デソレットを服用するようになって半年後だった。手術中に出血して気絶し心筋梗塞を起こした。血液を薄める薬による手当てをされた。最初は左半身が麻痺状態になった。右半身も麻痺気味になった。現在では少し回復しているが、左半身は今でも障害があり、物忘れがひどくなっている。

●ジェニー 26歳
 デソレットは18ヶ月服用した。1995年の7月、アメリカ旅行からの帰り、脳に血栓を起こした。今でも頭痛と耳鳴りに悩まされている。ピルは何があってももう飲む気はない。

 


(以下は、ピルが河川の汚染を引き起こしていることについての記事の要旨部分抜粋です−スウェーデン)

●1998年10月23日 TT(スウェーデンで最大の通信社)電より
見出し「避妊用ピルによって被害を被る魚」

リード: 「複数の女性が服用する避妊用ピルからの残留物は、浄水場を経ても分解されずそのまま自然界へと排出されている。ヨーテボーリでの調査により、魚への被害が明らかになった」

本文サマリー: 「浄水場から排出される水に棲む若い雄魚に通常では熟した雌魚にのみ現れる物質が生産されていたことがわかった。これはピルに含まれる合成ホルモン・エストロゲンによる影響で、これによって雄魚が不妊化しているのではないかと考えられる、とヨーテボリ大学のラース・フォーリーンは語った。調査した魚の中には、エストロゲンが魚に影響するに要する数値の45倍もの残留があるものの見つかっている。イギリスでも同様の調査結果が発表されているが、スウェーデンでは初めて」

●1998年10月23日 ヨーテボーリ・ポステン
見出し「雄魚に危ない避妊用ピル」

リード :「下水から排出されるホルモン」内容はTTの内容の他に,「魚がメス化している」という表現も使われている。本文の最後には、「医薬品会社は、生態学的視点も検討すべきでは」と、結ばれている。

●1998年11月4日 スコンスカ・ダーグブラーデット
見出し :「ピルの残留物が魚を傷つける」
小さい記事なのでリードはなし。本文はTTと同じ。

●1999年1月23日 スモーランド・ポステン
見出し: 「ピルが魚の繁殖を脅かす?」

リード: 「浄水場を通過するピルの残留物が、湖に棲む魚の繁殖を脅かしている? この問題を検討するヴェクショー・コミューンの技術委員会は、ヨーテボーリ大学の研究員に助言を求めた」

 この記事にはヴェクショーにある浄水場の大きな写真が掲載され、写真の下に「ここから湖に排出される水には、どれだけのピル残留物質が含まれているのだろうか? 環境ホルモンと呼ばれるこのような物質に対して、可能な対処法はあるのだろうか? 技術委員会は研究員に助言を求めている魚の繁殖への影響が危惧されている」と記載。