BBC News 2002.3.4

ピルは長期にわたるダメージを与えた

  第3世代避妊用ピルによる潜在的に致死的な副作用をこうむったという100人以上の女性たちの訴訟が高等法院で始まった。

これらの家族の代理人弁護士は、この女性たちはピルの起こしうる危険性について警告されなかったと述べており、3つの製薬会社を訴えている。

彼らは、第3世代ピルが女性たちに血栓を生じさせ彼女たちの健康に長期にわたるダメージを与え、そのうちの約10%は致命的であったと主張している。

企業側はその主張に対して精力旺盛に抗弁し、80年代に入って導入された第3世代ピルがそれ以前のピルよりわずかにリスクが高いという提言は否認すると述べている。

彼らは、女性たちの問題と自分たちの製品との関連はないと言っている。

この訴訟は、もしうまくゆけば、このタイプでははじめてのものであり、合計でおよそ1000万ポンドと予想される膨大な補償金の支払いとなるであろう。

消費者保護法のもとで行われる法的チャレンジは、今後何ヶ月も続くだろうと予想される。

訴えられているのはシェーリングヘルスケア、オルガノンラボラトリー、ワイス社である。

第3世代ピルはFemodene, Femodette, Marvelon, Mercilon, Minulet, Triadene, Tri-Minuletである。

‘悲惨な障害’

QC(国の勅選弁護人)のBrennan卿はMackay判事に対し、このグループには深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳卒中、脳静脈血栓の症状の者も含んでいると語った。

彼は「何人かの障害はそれほど深刻なものではないが、何人かは生涯にわたって働けない悲劇的障害の犠牲者である」と語った。

訴訟は亡くなった女性たちの代わりに出された主張を含んでおり、それら7つのケースを強調している。

Brennan卿は、消費者保護法は、この訴訟の女性たちのようなすべての消費者に対して、彼が陳述したこの種のリスクは警告されるだろうという正当な期待を抱かせるよう提案されているものであると述べた。

「こうしたリスクをもたらすが、それについての警告がなされていない製品を、この法の規定でいうところの欠陥商品であると我々は提起している」。

オルガノン社は、第2・第3世代ピルの間にリスクの違いはなく、これがこの訴訟の中軸を成していくだろうと強く主張している。

オルガノン社の英国における医学ディレクター、Rob Kaper博士は「ピルは安全である。最新の研究に基づいて、我が社のピルは今日、あるいは今日以前に使用できていた他のいずれのピルよりもリスクが高いということはないと言える。ピルと血栓症との関連は60年代後半から知られてきたことで、すべてのピルの箱には警告が入れられてきたし、それはどのタイプのピルでも同じである。」

保健省は静脈血栓症(VTE)−静脈の血栓−と第3世代ピルに関連するリスクについてのガイドラインを公表した。

‘根拠のない’主張

それによると、静脈血栓症は「非常に希で、女性がピルを飲んでいてもいなくても起きることはある」。

しかしながら、静脈血栓症のリスクはピルを飲んでいない女性に比べると、どの種類のピルでも飲んでいる女性の方がリスクはわずかに高いと示唆している。

しかしこのリスクは「非常に小さく、妊娠中のリスクよりずっと低い」。

そして、女性たちがピルをやめる理由はない、と述べている。

Femodeneを製造しているシェーリング社は、女性たちの主張は「根拠がない」というステートメントを発表した。それによると、彼らの製品は効果的で、ほんのわずかしかリスクを高めてはいない。さらに、ピルは女性たちの子宮内膜ガンや卵巣ガンを防いでいる、と述べている。

シェーリングヘルスケア社の医学ディレクターであるPeter Longthorne博士は、「いくつかのケースでは、原告は悲劇的な体験をしており、我々は彼女たちに多大な同情を禁じ得ない。このことが、関係するあらゆる女性の利益を考慮して結論が出されることが特に重要だと我々が感じる理由である。しかしながら、原告らは彼女たちの問題と我々の製品との間の結びつきを証明してはいないし、あるいは、シェーリング社が法的に彼女たちに補償する責任があるという十分な訴訟事実を提出していない」。

Brennan卿は法廷で、第3世代製品のリスク増加は疫学専門家の間での主要な討論ならびに世界保健機関(WHO)のような規制当局での討論の中で特筆されてきたと述べた。

7人の原告の詳細は法廷で明らかになった。

*BBCのHPは http://www.news.bbc.co.uk
(contraceptive pill や単に pill でも検索できます。)