いろいろな避妊法 |
避妊は、カップル同士がお互いの意思の疎通をよくすることが一番です。ピルは避妊効率が高いということがよく言われますが、ほかの避妊法も、きちんと正しく使用すれば避妊効率を高めることができます。カップルの大切な問題として、避妊のことを話しあえる関係、いやな時は「いや」と言える関係をつくっていきたいですね。
<コンドーム>
日本でもっとも多く使われている避妊法はコンドームです。コンドームは失敗が多いともいわれていますが、使用や保管の仕方に注意することによって失敗を防ぐことはできます。くわしくは、“コンドーム使用上の注意”のページをみてください。
<ペッサリ−>
ペッサリ−もコンドームと同じくバリヤ法と呼ばれ、精子が子宮内に侵入するのを物理的に防ぐ方法です。
輪になった金属のバネに薄いゴムを張った浅いお椀型のもので、女性が使う避妊具です。子宮頚部をふさいで精子の侵入をふせぎます。セックスの前に膣の中に入れ、射精後8時間くらいしたらとりだします。殺精子剤(ゼリーなど)をペッサリ−に塗って使うのが一般的な使い方です。それは、すきまから精子が子宮内に入りこんだ場合もこの殺精子剤によって精子を殺して避妊作用を高めるためです。
ペッサリ−は「受胎調節実地指導員」の資格がある人(おもに助産婦さんや保健婦さんなど)のところに行って、自分にあったサイズのペッサリ−を選んでもらい、そこで使い方についても指導してもらいます。どこで手に入るかわからなければ、その地域の助産婦さんの組合や母子保健センター、あるいは保健所などに問い合わせてみてください。
最近は使う人が減っていますが、根強い人気もあります。女性が自分で使えるということが、大きな利点です。サイズが合っていて、装着のテクニックを覚えてきちんと挿入できていれば、自分もパートナーも違和感はありません。セックスの直前でなく少し前に挿入しておけば、直前の操作のわずらわしさもありません。使用後は水洗いして乾燥させて保管します。
*ただし、私たち「エコロジーと女性」ネットワークとしましては、殺精子剤が界面活性剤と同じ成分を使っているため、界面活性剤としての問題もありますし、その成分が体内で代謝されて「環境ホルモン」のひとつであるノニルフェノールに変化する可能性もあるため、できるだけ殺精子剤を使わないでペッサリ−単独で使われる方がいいと考えています(“環境ホルモンとしての医薬品”のページを参照してください)。その場合、避妊効率を高めるためにも基礎体温法や新リズム法など、からだの自然なサイクルを利用した避妊法と併用するのがよいと思います。また、コンドームだけでは不安という方は、コンドームとの併用も可能です。
《からだの自然なサイクルを利用した避妊法》
(『ピルの危険な話』より一部引用。くわしくは、ぜひ本もお読みください。)
基礎体温を避妊に応用しようというものです。この方法だけだと、排卵前に排卵日はわからないので、低温期はすべて避妊が必要です。高温期に入って4日目からは避妊の必要がない安全日です。
毎朝目覚めてすぐ、起き上がらずに口の中で体温をはかりましょう。体温計は婦人体温計という目盛が細かな体温計をつかってください。月経がはじまると、いままで36.7度ぐらいあった体温が36度ぐらいにさがってきます。体温が下がらない前に少量の出血がはじまることがありますが、ホルモンバランスの乱れによると考えられています。28日ごとに月経がくる人では、月経がはじまって14日ぐらい体温が低い状態が続きます。14日ほどで体温はさらにちょっとさがってその後急上昇し、 36.7度ぐらいになります。(めやすは高温期が36.5度から36.7度のゾーンに入るかそれを少しこえて高くなることです。)体温があがるのはプロゲステロンが分泌されるためです。
その後14日ほど高温期が続いたあと体温がさがり月経がはじまります。
低温期で、さらにちょっと下がった時期が排卵の時期だとかんがえられています。(排卵は、低温期の最終日の前後2日におこるといわれています。注意が必要なのは基礎体温だけでは排卵がいつおこるか前もってわからないことです。)体温は,そのひとの新陳代謝によっていますから,低温期や高温期がもっと低い人や高いひともおられます。また体温はかぜをひいた時、疲労、睡眠不足などで上下します。体温表に体調の変化も記録しましょう。
最近は、体温をグラフ化したり、生理期・卵胞期・排卵前後期・黄体期・生理前期をそれぞれ数字で表示して、自分が今どの時期にあるかがわかるようになっている「コンピュータ基礎体温計」(ニシトモ)も出ています。
<分泌法>月経周期でおりもののようすが変わります。この変化を避妊に応用したのが分泌法です。
おりものの量や色、その性質の変化を観察することで排卵日をしることができます。基礎体温とあわせて子どもがほしいときや避妊に役立ちます。
ふつうおりものは膣の分泌物と子宮頚部からでる頚管粘液のまじったものです。排卵期をみるには、指を膣の出来るだけ奥に入れて子宮膣部(膣の奥に突き出ている子宮の部位)の外子宮口(子宮の入り口)から頚間粘液をとると、より正確にわかります。
おりものというのは子宮頚管からだされる分泌液のことです。月経直後はおりものもすくないのですがしばらくすると白色のクリーム状でべたつく感じのおりものになります。指につけて糸をひくかんじはありません。
卵巣からのエストロゲン量がふえ、排卵が近ずくとおりものの量もふえ、色も透明になり、指につけるとス−ッと糸をひきます。ちょうど卵の白身のような感じです。
おりものの量をふやすエストロゲンは排卵の少し前になだらかなピークを描き分泌されます。実際の排卵はこのあと下垂体から出される黄体化ホルモンLHがどっと出たあとにおこります。
排卵期のおりものを顕微鏡でみるとシダ状の結晶がみえます。このとき唾液でもおなじようにシダ状の結晶がみられます。
おりものや唾液のようすをみるための小さい口紅タイプの顕微鏡も市販されています。(排卵期チェッカー「レディデイ」(タフリー・インターナショナル)など)
排卵後はプロゲステロンがエストロゲンの作用を打ち消すように働くためおりものの量はへり、透明度がへり、粘り気をまします。そして粘液栓となって頚管をとざし精子の侵入を阻止します。精子は粘り気のすくない排卵期には頚管をとうりぬけしやすいのですが、粘り気の多い時期には頚管をとおり抜けにくいのです。
*下垂体からでる排卵させるホルモン(黄体化ホルモンLH)をはかってみましょう
ついでに脳の下垂体からでる排卵させるホルモン(黄体化ホルモンLH)をはかってみましょう。尿でみるかんたんなキットが発売されています。正確には血液ではかるものですが尿で測るのでも十分に実用的です。紙コップに尿をとってキットを浸して検査します。(排卵日検査薬「ドゥーテスト」ロート製薬)
LHは月経周期での最大のイベント排卵に直接関係するホルモンです。基礎体温、おりものの量、色、粘り気の変化など、排卵期に特有な卵巣の感じ、シダ状結晶の形成などとLHの分泌とそれに続く排卵がどのように関係しているか、かなり個人差がありますので、はじめは記録をつけたりして自分自身の状態を知るようにしましょう。
分泌法では、月経後の分泌物のない時期と、粘液が一番よく伸びた日から3日すぎた日を安全日としています。何回かLHと粘液の伸び具合同時に測定して実際の排卵日をたしかめてください。できればシダ状結晶もたしかめましょう。
*排卵期チェッカーや排卵日検査薬は、本来は妊娠可能な時期を測定するためのもので、避妊用として作られたものではありません。基礎体温やおりもののようすなど自分の観察の補助として使うことが望ましいと思います。
<ビリングズ法(排卵法)>
分泌法と同様におりものの様子を観察して、妊娠しやすい時期を判断する方法ですが、おりもの(頚管粘液)のほかに自分の外性器(外陰部)が乾いているか湿っているかの感じを自分でつかむことも大切なめじるしとなります。
ビリングス法では、いくつかのルールがあります。『ピルの危険な話』にも簡単なルールの説明が出ていますが、『ビリングズ・メソッド』という本も出ており(E.ビリングス、A.ウェストモア著、寺尾総一郎訳、出版社:サンパウロ(03-3357-6401))、くわしい説明が出ています。頚管粘液法として個人指導を行なっているところもあるようです。
粘液の状態や外性器についての感覚は個人差がありますので、はじめは自分のリズムをつかむまで、観察記録をつける必要があります。基礎体温と組み合わせればより正確になります。できればきちんと指導を受けることが望ましいです。
分泌法のところでも述べましたが、卵のしろみのように透明でよく伸びる粘液がたくさん分泌されるときがあります。ビリングス法では、排卵日を知るうえでたいせつなのは、おりものの状態よりも、そのときの外陰部のぬれて滑らかな感じが消えるのを確認することです。
その、消えたと感じたときが排卵が終わったときで、そのときをピークといいます。排卵後にプロゲステロンが分泌され、それ以上精子が入りこむのを避けるために頚管の分泌物がなくなるので、ぬれた感じが消えるのです。これで排卵が起こったのをたしかめることができるのです。
月経中、月経後で排卵前、排卵時期、排卵後、それぞれのルールがありますが、簡単に説明して誤解を招くといけませんので、ここではこれ以上は述べませんが、どうぞご了解ください。
*これらのほかに、<触知法>といって、子宮口の位置や柔らかさを指で触って排卵期を知るという方法もあります。