<日本でのピルの副作用例>(2002.5.6)
低用量ピルは「副作用が少ない」ということが売りものにされていますが、なかなか「普及が進まない」と言われています。承認されたのは「避妊薬」としてですが、雑誌や新聞などでは医師の言葉としてピルの「副効用」も宣伝され、普及に一役買おうとしています。
薬事法という法律では「製薬会社は承認された内容以外のことを宣伝してはいけない」という決まりがあります。私たちは以前厚生省(当時)にこのことを「薬事法違反ではないか」と申し入れたことがありますが、雑誌や新聞などでの「副効用の宣伝」は「記事だから」と見逃されているのが現状です。
では、本当に低用量ピルは「副作用が少ない」のでしょうか?
「医薬品情報提供システム」というホームページがあります(http://www.pharmasys.gr.jp)。 ここでは、厚生労働省に報告のあった医薬品の副作用症例の情報提供が行われています。薬剤と症例との因果関係は明確に認められているわけではありませんが、すでに深刻な副作用例も報告されています。基本的には専門家向けのページで、一般向けには表の見方など注意事項が掲載されています。
検索は一般名(ブランド名)でできますが、該当する製剤の分類ごとにまとめられています。たとえば、リビアン、アンジュ、トライディオール、トリキュラーは、すべて「レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール内用薬」としてまとめての報告が出てきます。同様に、オーソM、エリオット、オーソ777、ノリニール、シンフェーズはすべて「ノルエチステロン・エチニルエストラジオール内用薬」です。中用量ピルも同じようにして検索できますし、他の薬ももちろん検索できます。
現在は平成11年度(ピルの承認された年)と12年度の一覧表を見ることができます。13年度はこれから出されるでしょう。中用量ピルでも大脳静脈血栓症とか、脳梗塞、心筋梗塞などが報告されていて心配ですが、低用量ピルでもすでに心筋梗塞、肺塞栓症、脳梗塞など深刻なものも報告されています。
製薬会社は副作用例について報告義務がありますが、医師や薬剤師は義務があるわけではなく、自発的に(ボランティアで)報告されたものが、厚生労働省でまとめられます。ですから、実際に報告されていない例も多くあるのではないかと心配しています。
ピル服用中の方、あるいはこれから飲んでみようかと思っている方も、一度検索されることをお勧めします。
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日本で低用量ピルが処方開始になり、9ヶ月がたちました(2000年6月初め現在)。
低用量ピルの承認以前、月経困難症などの治療用に承認されていた高・中用量ピルが医師の裁量によって、避妊用に転用されてきました。今も中用量ピルを使用している方々もいます。その副作用についても、まとまったものはありません。
薬の副作用情報については、製薬会社には厚生省への報告義務がありますが、医師や薬剤師など医療関係者については報告義務はなく、あくまでも自発的な(ボランティアで)報告が厚生省からお願いされているだけです。現在はインターネットでも副作用情報が見られるようになっていますが、以前のものについて厚生省が報告された症例をまとめているわけでもありません。私たちの質問に対して厚生省は、「副作用の情報があれば、必要に応じて薬につける添付文書の内容を変えてきました」というだけです。
ですから、非常に限られた情報しかないのですが、わかっている範囲でお知らせします。
死亡例:出典は1986年11月14日付け毎日新聞記事。ただし製品名や成分など不明のため、高用量ピルか中用量ピルかはっきりしません。
●1984年に(高中用量)ピルを避妊用として服用(8ヶ月)していた41歳の女性が、腎障害などを伴う血栓性血小板減少性紫斑病にかかり、亡くなっています。ただし、ピルとの因果関係がはっきり認められたわけではありません。
1983年4月から8ヵ月間ピルを飲み続けていたところ、全身にけだるさを覚え、血尿が出るようになったため入院。検査の結果病気が判明しました。治療を開始したものの手遅れで、2ヵ月後に死亡しています。
この例は内科学会でも報告され、この報告を行なったグループの調査では、ピルの服用者で同じ疾病の患者とわかった国内外の女性11人のうち、3人が死亡(いずれも外国人)、11人のうち日本人は3人で治療時期が早くその後回復したとのことです。
11人のピル服用開始から同疾病の症状が出るまでの期間は3ヵ月から2年だったそうです。報告した医師らは、この病気も女性ホルモンの関与があるため、ピルがその引き金になったのではと見るに至ったわけです。しかし主治医からは“ピルと断定しているわけではない”といった報告もあったらしく、この死亡例とピルの因果関係はきちんと認められてはいません。
(HPの「厚生省への要望書」の項の、厚生省への質問と交渉記録のところで、ほんの少しですがこの話をしています。参考にしてください。)
ポルフィリン症:(血色素の構成物質であるヘムの前駆物質のポルフィリンの代謝障害に基づく疾患で、ポルフィリンまたはその前駆物質が大量に産生され、体内に蓄積されたり、排泄されたりする。大半は遺伝性であるが、一部は薬剤や種々の疾患によって二次的に生ずるー厚生省の説明による)
高中用量ピルが原因と思われるポルフィリン症発症が2例、医学雑誌で報告されています。
●1980年の報告:24歳。1976年第1子出産後4ヶ月間アノブラール(中用量ピル)を服用。その後皮膚が異常に傷つきやすくなったことに気づいた。翌年第2子出産。当時は特に皮膚症状はなかった。その後リンデオール(高用量ピル)を服用。ピンク色の尿が1週間ほど出現したが自然に消失。顔のむくみが出て、リンデオールが原因と判断し、4週間で服用を中止。直後日光浴の際両手首から先側が痛み、翌日から両側手背・顔面・頚部に水疱が出現し始める。大学病院皮膚科での検査で、ポルフィリン症と診断された。(出典:最新医学、35巻、12号、1980)
●1994年の報告:23歳。1989年10月頃よりピル(薬剤名不明)を服用開始。3週間もしないころから両手背・顔面等の日光が当りやすい部位に小水疱が出現し、容易に破れてびらんやかさぶたができ、瘢痕・色素沈着が残るようになったため受診。検査の結果、ポルフィリン症と診断。(出典:臨皮48、1994)
肝障害:厚生省がピルの審議について公表した「とりまとめ」によると、中高用量ピル(治療用か避妊用の使用かは不明)を服用した女性で、黄疸または胆汁うっ滞性肝障害が発生したとの報告があったとされています。