秋月薫の競馬徒然草 : 皐月賞回顧―T〔秋月薫〕
2006-4-17
○・・奇想でいつも私を驚かす友人がいます。
彼は特殊な分野のモノ書き(世間では官能小説家と呼ぶ)なのですが、
皐月賞の後、電話をかけてきました。
「あのポスターの『まぶいぜ、お前ら』のフレーズの謎は解けたかな?」
「いや、中居くん、というよりJRAとしては随分ハードボイルド調に
なったなと感じただけで、わからん」
そうか、そうかと彼は嬉しそうです。こういう言い方をするときは、何か
見つけた証拠なのです。私はしおらしく気弱に言いました。
「皐月はお手上げだったよ。ガックリきている。是非教えてちょうだい」
「うん、あのフレーズはちょっと頭を使えば解けるんだ。普通の頭の使い方
だと、『まぶいぜ』から光を発するもの、明るいものを連想するな」
「つまりアドマイヤムーン(月)なんかだね」
「しかし、そういう発想は凡庸だと思わんか。だいいち、つまらんだろうが。
オレの書く小説は奇抜だ。ありふれたシチュエイションでは読者がついて
来ないんだよ。例えばセックスだってただやるんじゃなく、犬とか馬とか
ニワトリとか・・・」
「いや、小説の話はよそう。今は競馬の話だ」
「そうだったな。つまり『まぶいぜ』ではなくか『お前ら』のほうに注目
すべきだった」
「ほお!」
「お前、オの前だよ。つまりオを持つ馬の前走という意味だよ」
私は「おおっ」と腰が抜けるほど驚き、何故か笑ってしまいました。
彼は、少し気分を害したようです。
○・・検証
<皐月賞>
オを持つ馬はただ1頭。
7番 ショウナンタキ【オ】ン 前走2番4着
ここから2番か4番となり、2番ドリームパスポート2着
<淀屋橋S>
11番 トーセンザ【オ】ー 前走11番9着
ここから11番か9番となり、11番トーセンザオー2着
<ラジオ福島賞>
6番 アンテリ【オ】ール 前走2番2着
8番 【オ】ースチンローズ 前走18番17着
ゼッケンの若い6番をサイン馬とする。
2番、または大外2番目の15番。15番サンライズアタック2着
<その他のレースも中山では該当している>
○・・これが友人の説明でした。
「よくわかった。それで4番ではなく2番を選択したのは何故かね」
「それは簡単だよ。レーシングプログラムにセイウンスカイが載って
いただろ。だからセイウンスカイの産駒が決めてになった」
土曜日
福島2レース 2番セイウンジェム(父セイウンスカイ)
日曜日
福島2レース 3番バイカルリッチ(父セイウンスカイ)
福島3レース 4番ニシノスカイハイ(父セイウンスカイ)
「GTには前売りがあるな。だから土曜日に出るサインが最優先なのさ。
土曜の2番ドリームパスポートが軸」
「ふーん、それでドリームパスポートから流して万馬券をゲットした
わけだな」
「・・うんにゃ、それがなぁ、サムソンは何故か買い目に入ってなかった
のだよ。そうめん流し、いや総流しにしておけばよかったと後悔しとる」
友人はいいセンいっていたのですが、欲に負けました。
人気薄の馬を見つけたとたんに、欲がムラムラと沸いて来て、これは
いらない、これは切ると買い目を削っていったわけです。そしてサムソン
までも切ってしまった。
しかし、彼の文学は欲望(性欲)の文学です。
欲望を肯定することで成り立つわけです。性欲も金欲も出所は同じ。
もって瞑すべし、でしょう。
○・・セイウンスカイの馬主さんは西山茂行さんです。
そして皐月賞にも西山さんのニシノアンサー(答え)が出走していました。
この馬はサイン馬だったと思います。
その前走は9番5着
5番メイショウサムソンが優勝でした。
西山さんは、かつて私が予想を売っていた頃、会員になってくださって
いました。サイン読みに理解のある数少ない馬主さんです。
余談ですが、JRAは西山さんのような方の馬を勝たせてあげるべき時が
くると信じています。