colum フォーメーションと神の領域
今は昔のサッカーのフォーメーションのお話し。

今を去ることウン十年前、高校生だった私はサッカー部に所属していた。 ポジションは右ウイングFW。 FWといえばカッコいいのだが、あり ていにいえば単なる球拾い。 グラウンドを駆け回って相手にプレッシャー をかけるだけの役目である。 つまりメンバーが足りなかったから、私に もポジションが存在した、というだけのことであった。

当時のフォーメーションは、現在のものとは全く異なり、前線に多くの人数 を配置した大時代的なものだった。おまけにポジションの名称まで、現在 のものとは異なる。 FW5人、「ハーフバック」3人、「フルバック」 2人、というものだ。 この呼称は現在のラグビーのものと同じであり、 ラグビーは昔の呼び方をそのまま継承しているが、サッカーは戦術の進化に より、「ミッドフィルダー」「ディフェンダー」と呼称が変わってきた、 ということなのだろう。 図示すればこんな感じだ。

○右ウイング(又はアウター)FW

○右インナーFW     △ハーフバック

                      □ フルバック

○センターFW      △ハーフバック          ■GK

                      □フルバック

○左インナーFW     △ハーフバック

○左ウイング(アウター)FW

今風に言えば2−3−5だが、実際には2−5−3というものだ。 フォワード5人といっても、実際のFWは内側の3人だけで、外側の2人の 役目は、現在の右サイド左サイドのものに近い。 シュートを打って点を取 るというより、サイドを駆け回ってこぼれ球を拾い、相手にプレスをかけ、 守備の人数が足りなければ、守備をやるという何でも屋である。 私の場合 には、「人数が足りないからアイツでも入れおけ。10人でやるよりはまし だろ」という程度の要員に過ぎない。 つまりはオミソ(笑) もっと 強いチームなら別だったのだろうが、私がいた所はそんな状態だった。

戦績は・・・ 語りたくない。 というより忘れてしまった。 したがって ここには書かない。 何年前の話しということも書かない。 ああ、青春の 過ぎゆくこと矢のごとし・・・


さて・・・ アジアカップも日本の優勝で幕を閉じた。 正直言って優勝で きるとは、ほとんど考えていなかったが、結果は優勝である。 優勝を予想 しなかったのは、前に書いたように、ベストの選手構成が出来なかったこと と、モチベーションの問題からである。

グループリーグが始まってからは、第一戦のオマーン戦での肉体的コンディ ションの悪さが、その予感を更に強くした。 グループリーグ敗退も大いに ありうるとさえ感じた。 なのに終わってみれば優勝、それも決勝戦は完勝 とも言える3−1だった。

これも前に書いたが、ジーコ采配はサッカー評論家諸氏には至って評判が 悪い。 評論家だけではなく、私自身も疑問に思える所が数多くあった。 しかし「結果」は常に(この大会についてだけ言えば)ジーコの言うとおり だった。 ジーコ采配は、カワグチの神がかりセービングみたいに、当り に当たっていたのだ。

これはどう考えたらいいのだろう? 

1 ジーコは飛び切り優れた監督であり、やはり神さまだった。
2 たまたま運が良かっただけさ。
3 よその監督とチームが、ジーコより更にタコだったんだ。
4 中国に神風がふいた。


考えられるのはこんなところだろうか。 大会期間中中国に台風は来なかっ たから4は×。 3の大ダコ説も、対戦したチームの全てがペケだったと は、到底考えられない。 イランも強かったし、中国もこれまでの中国 とは思えないほど、良く組織化されていた。 よってこれも×。

一度だけなら運で勝つ、ということもありうるが、それも二度続けば奇跡 に近く、三度続けば奇跡そのもの。 それが四回以上となれば、奇跡を越 えて超常現象となり、サッカーではなくXファイルの領域だ。 私は超常 現象など信じないから、これは「必然」ということになる。(これも前に 書いた) というわけで、2も×。 

となると、シャーロック・ホームズ氏の言うように、「論理的にありえない ことを消去していけば、いかにありそうにないことでも、残ったものが真 実」となり、1の「ジーコは飛び切り優れた監督であり、やはり神さまだっ た。」が当りということになる。

論理的に正しくないことをして、現実には勝ってしまうというのは、これ はもう人智を越えている。 ジーコ様は最早神の領域に 入っているのである。

さあ、皆さん、今すぐ鹿島に行ってジーコ神社に参拝しよう。 さすれば あなたの人生は幸せ一杯夢一杯、チワワを抱いてタキシードに見入ること だってできる。 ワールドカップで優勝もできる。 私なんかワールドカッ プ2連勝を果たしている。 「それ監」の世界でだが・・・



★アジアカップの総括とオリンピックの予想
今回のアジアカップを観戦して一番感じたことは、日本チームの体調が 非常に悪かった、ということだ。 恐らくは重慶の蒸し暑さを軽視し、 十分な暑さ対策を講じなかったことによるものだろう。 それが第一戦 のオマーン戦で、全く足が動かないという結果に繋がり、後々まで尾を 引いて苦戦の原因となった。

それに加えてレギュラーの大半が欠場し、控えを起用することによって 「二軍」となってしまった。 やむを得ないこととはいえ、残念である。
更には、現地の観衆の反日的態度に影響されてか、審判のジャッジメント は著しく日本に不利なものだった。
それだけに、これらの悪条件を越えて優勝した代表チームとジーコ監督に は、最大の評価と感謝を贈りたい。 願わくば、もう少しはらはらしない 試合をとは思うが・・・

最後に、中国の観衆(サポーターとは到底言い難い)に一言。 あなた方の チームは世界的レベルに達しつつあるが、あなた方自身は世界的レベルから はほど遠い。 スポーツをスポーツとして楽しむという姿勢が全くなく、ど のように優れたプレーがあっても勝敗以外には興味がないという態度は、 サッカーの楽しみ方の本質とは全く異なるものだ。 国家演奏中の騒動と いい、国民としての品位を疑う。 このままでは4年後の北京オリンピッ ク開催にも、影響が出るのではないかと思う。

更に中国監督アリ・ハーン氏にも一言。 AFC事務局長の言うとおり、 あなたの態度は非礼に過ぎる。 実際には圧倒的に中国に有利な笛が吹か れていたのに、敗戦を審判のせいにしたり、表彰式をボイコットしたりと、 とても大人のものとも思えない言動である。 子供は大人を見習うという。 これから先、中国の選手が監督であるあなたの言動を見習い、あなたのよ うに振る舞ったとしたら、あなたはどう思うのか?
(注 今大会の中国選手はフェアなプレーに徹していたと思う。 それだ けに、余計この監督の言動が気になるのである。)



お話し変わってオリンピックについてだが、最も不思議なのは、オリンピッ クチームに対して、日本のメディアがこぞって「メダル候補」とか「最強チー ム」とかの肩書きをつけることだ。

今回の日本チームの実力は、16チーム中下から何番目というランクでしか ない。 16チーム中なんとか勝てそうな相手はイラク位で、オーストラリア、 チュニジア、コスタリカあたりが、ようやく同格といったところ。 後は全て 相手の方が力が上としか思えない。 こんな状態で何故「メダルが有力」とか 「36年ぶりの悲願達成か」などと言えるのか。

これまでのオリンピック代表チームの中でも、最強チームはやはり釜本を 擁したメキシコオリンピックのチームで、それに次ぐのが前回の中田世代 の代表チームだろう。 今回のチームは谷間の世代という評価をようやく 脱したあたりで、とてもこれまでの最強チームなどと言えるものではない。

私の予想は、1分け2敗勝点1、得点0失点3でグループリーグ敗退、とい うところである。 全敗という結果も大いにあり得る。 それが現在のチーム の実力だと思う。 初戦のパラグアイ戦で良い試合をし、波に乗れば或いは ということもありえないこともない。 しかしそれは神頼みというものだ ろう。 山本さんにはまだ神社は出来ていないようだし・・・

むしろメダルの可能性は女子の方がかなり高いように見える。 なんといっ ても参加国が少ない。 僅か10チームである。 したがって単純計算でも メダルの可能性は男子の16チームより大分高いということになる。

初戦のスウェーデン戦に勝つか引き分ければ、グループリーグ突破の可能性 は非常に高くなる。 なにしろ10チーム中8チームまでがトーナメントに 進出できるのだから、敗退する方が難しい? ここを抜ければ、ひとつ勝つ だけでメダルに手が届き、二つ勝てば金か銀が確定する。 奇跡が一度だけ でも起これば、メダルに手がかかるということになるが、果たして・・・



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