colum ジーコの独り相撲 イラン戦

イラン−日本戦はまことに残念な結果に終わった。

私の予想では、引分け50%、イラン勝利25%、日本勝利25%、と いった所なので、それほど意外な結果ではないにせよ、悔しいことには 変わりない。

ちなみに英国のブックメーカーのオッズでは、日本勝利が最も多く、続いて 引分け、最後にイラン勝利というものだった。

敗戦の原因として色々上げられているが、私が最も感じたのは、 4バックシステムは結局あまり機能していなかった という点だ。

戦前の予想では、イランは試合開始と同時に遮二無二点を取りに来るのでは ないか、というものが大半だったが、案に相違してイランがそれほど前がか りで攻めてこなかった、という所がその原因だろう。

イランの試合パターンとして、攻撃に出た場合、ともすれば全員が攻めに かかり、ゴール前ががら空きというものが多かった。 しかし、今回は これまでと違い、かなり慎重な試合運びだったと思う。

イランが「攻めダルマ」となったのは、後半一点取られて同点になった 直後位ではないか。 要は一点差で勝てばよい、無理に大量点を狙う必要 はない、と割り切っていたのではないだろうか。

又今回のイランは、中村中田ら日本の主要選手にボールが渡ると、必ず複数 の選手が周りを囲んで、自由な動きを取らせなかった。 日本もカリミや マハダビキヤなどに対して同様のプレスをしてはいたが、この点ではイラン の方が徹底していたようだ。

ダエイに対しては、私はそれほど警戒感は持っていなかった。 一昔前は ともかく現在は往年の凄みはない。 瞬間的スピードは全盛期に比べて確 実に落ちている。 流石にポストプレイはうまいが、特に怖いという感じ はなかった。

点を取ったのはハシェミアンで、ダエイでもカリミでもなかったのだ。  ダエイが前半終了前に交替したのには驚いたが、体調は万全ではなかった ようだ。

日本の選手の印象としては、やはり中田は機能していなかった ようだ。  いくら中田が優れた選手であっても、これだけ長い期間試合から遠ざかって いれば、試合勘も衰えるだろう。 瞬間的動きも全盛期と比べると格段 に落ちていた。

俊輔も前半はあまり印象に残らなかった。 やはりあれだけ囲まれては 動きがとれないのはやむを得ない。 後半のフリーキックなどでは流石 というシーンもありはしたが・・・

高原もキレがなかった。 最近のドイツでの試合からみて、もう少し キレる動きをしてくれるとおもったのだが、期待はずれだった。

もう一つ、愚痴になるが、川口がいれば・・・ という感は否めない。

全体としては、ジーコの作戦負け、独り相撲 という印象が残る。  これまで通り3バックでいけば、中田に固執していなければ、攻撃力 がもう少しあれば、とタラレバのオンパレードだが、これは負けた試合 の常。

これまでつきまくっていたジーコ神様にも翳りが見えたようだ。 ジーコ 神話の終焉とならないよう願っている。

とは言っても、イラン戦は唯一負けを計算に入れられる試合だったので、 これでもう望みはないと悲観する必要は全くないし、後に引きずるよう な内容の悪い試合でもない。



A組では大本命の韓国が意外にもアウェーでサウジに負けてしまった。  それも2−0の完敗である。

北朝鮮以外の3国の実力が横一線でほとんど拮抗しており、大混戦が予想 されるB組と違い、A組は韓国が完全に頭一つ抜けており、やや落ちてて サウジ、大分落ちてクウェート、ウズベキスタンと、力の差がはっきりし ている。

従ってまず韓国、続いてサウジであっさり決まり、波瀾は起きそうもない というのが戦前の予想だったが、そう簡単には行きそうもない。

やはりワールドカップ最終予選というのは、なんとも恐ろしいものなので ある。



さて、これで次のバーレーン戦は絶対に勝たなくてはいけなくなった。  前にも書いたが、6試合で勝点10でギリギリ、11ならまずまず、 12なら文句なし、というのが、大方の予想だ。

2−3月の前半戦はホームが2試合あるので、ここで最低でも勝点6は 欲しい。 6−8月の後半戦はアウェーが2試合、最後のホームは対イ ラン戦なので、かなり厳しい星勘定になりそうなので、出来るだけ前半戦 で勝点を稼いでおきたい。

前半戦で勝点6ならば、後半戦では1勝1分1敗でギリギリなんとか、 1勝2分ならまず大丈夫ということになる。 勝点で言えば4−5とい うことになる。

これでもかなり厳しい星勘定であるが、もし前半戦で3とか4(バーレーン 戦で負けるか引分け)だと、後半戦では最低でも6又は7以上の勝点が必要 となる。 これは2勝1分(負けた場合)、又は2勝1敗(引分けの場合)で 行かなければならないということだ。

勝敗だけで見れば不可能ではないが、もしホームのバーレーン戦 で負ければ、精神的ダメージは非常に大きい。 その後の試合にも 影響をおよぼすことは必至であり、イラン戦に続いて連敗すれば、 最終予選突破はまず不可能と見てよいだろう。

30日のバーレーン戦で勝ち、その次のアウェー2試合のどちらかで 1勝すれば、トータルで3勝2分1敗勝点11という結果が見えて くる。 その点でも次のバーレーン戦は絶対勝たなければならない 試合である。



これは多少大げさに言えば、日本サッカーの将来を賭けた一戦 と言える。 もし今回ワールドカップ本大会への出場を逃せば、 折角ここまで盛り上がったサッカー熱は一挙に冷え込み、日本のサッカー は又々マイナースポーツの仲間入りをしかねない。

私は60年代から80年代へかけての、日本サッカーの暗黒時代 を目の当たりにしてきているだけに、もう一度あの頃の情けない 思いを味わいたくはない。

試合は常に出ると負け、代表チームの試合でさえTVの生中継などほとん どなく、新聞のスポーツ欄でも、片隅に虫眼鏡を使わなければ見えない位 小さな字で結果だけがそつけなく書かれている。

人々の話題はプロ野球と大相撲だけで、サッカーの話などすれば「なんで あんなマイナーなスポーツが好きなの?」とキチガイ扱いされる。 いく ら「サッカーは世界最大のスポーツ、国連の加盟国よりFIFAの加盟国 の方が多いんだよ」と力説しても、まるで相手にされない。

そんな悲しい時代に戻りたくはないのだ。

ユーミンの歌ではないが、「あの日にかえりた」くはない・・・



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