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日本代表は最初の関門を突破した。 まずは大賀の至りである。
オマーンの暑さ、オマーンチームの成長、台風で出発が遅れた
ことなどなど、事前の心配を吹き飛ばす快勝であった。
今回の試合を見て一番感じたことは、「精神的に大人のチーム になってきたな」というものだった。 これまでの代表チームは 常に精一杯、肉体的にも精神的にもギリギリの状態で闘い、相手 の状況やその試合の意義などに考慮した試合運びをする余裕は、 ほとんどなかった。 それがアジアカップあたりから随分と変ってきた。 今回のオマーン 戦は、前回のアジアカップでのオマーン戦よりも遙かに安定した試合 内容で、決定的な場面はほんの2度ほどだったし、相手にキープ されパスを回されても、余裕を持って対処できる場合がほとんどだった。 前半はかなり押し込まれる場面もあったが、相手にボールを支配され ても慌てることもなく、中沢が常に良い位置取りで決定的瞬間になる 前にクリアしていた。 前半の半ば以降は相手の足が止まり、次第に日本のペースになった が、そこまでの間はじっと辛抱し、こちらのペースになった時には 確実に決めるという試合運びは、これまでにはないものだった。 これは代表選手たちの精神的熟成ぶりを示すものだと思う。 つまり こういう試合ぶりが出来るようになるには、チームとしての時間もかか るが、選手個人もある程度の経験をつまなければできないことだ。 逆に言えば、選手たちには経験をつむ年月があったということだ。 もっと早く言えば「歳を取った」ということになる。 現在のチーム はドイツワールドカップ迄は問題なくやれるだろう。 問題はその後だ。 2年後の大会では、現在の代表チームの大半の選 手が20代の終わり頃から30代の始めという世代になる。 ドイツ の次はアフリカになる可能性が高いが、その時は勿論その前のアジア カップでさえ、今から4年後。 今の代表選手のほとんどが引退する か、引退しないまでも盛りは過ぎているだろう。 そしてその後を引き継ぐU23やU20、更にはその又後のU17 世代は、現在の代表選手に比べて、どう見ても小粒に見える。 勿論今の代表選手たちにしても、U23やU20でやっていた頃には、 現在ほど評価が高かったわけではない。 中沢にしても、23歳頃に初めて代表に入った頃には、単に背が高く 空中戦に強いというだけのイメージしかなかった。 技術的にも それほど高いものがあるとも見えなかったし、読みのよさなどの クレバーさもなかった。 早く言えば秋田をデカクしただけ(^^; という感じだった。 それが数年後の現在では、宮本に次ぐキャプテンシーを持ち、次にく るだろう危険な瞬間を予知して最良の位置を取るという、いわゆる 「読みのよさ」を遺憾なく発揮できるようになった。 代表選手の 中でも成長ぶりは出色であると思う。 このような例は他にも多くある。 だから一概に現在の若手選手が 駄目だとは言えないのだが・・・ とはいえ、中田中村たちの世代 と比べると、やはり大物がすくない、という感は否めない。 中田のように、高校時代からイタリア語を勉強して将来に備えると いう、確固とした目標を持って今を過ごしている若手選手は何人い るのだろうか。 この飽食の時代に、チャレンジ精神、ハングリー精神を持ち続ける のは非常に困難だろう。 余談だが、これがなくなったから最近の ボクサーは、プロアマを通じて弱くなってしまったのだと思う。 ボクシングはおくとしても、サッカーでもチャレンジ精神、ハング リー精神を持ち続けることは、進歩へつながる最大の要件である。 この点でU23以下の世代の選手たちには、やや寂しいものを 感じる。 設備も周辺の環境も周囲の理解も全てあり、なんでも揃っている。 そんな時代に育った若い世代ではあるが、オリンピックやU20、 U17のアジア大会を見ていると、何かが欠けているという感を 強く感じさせられるのである。 |