オルタナティヴ・ミュージック

石田昌隆著『オルタナティヴ・ミュージック』
(ミュージック・マガジン 2200円)

416ページ ASIN:B002C3WR61
2009/6/19 on sale

パンク、レゲエ、ダブ、ヒップホップ、ハウス、テクノ、そしてワールド・ミュージック──。
国境を超えて同時代(1986~2004年)に存在した音楽家たちのポートレイト120点を中心に、
彼らへの思いと撮影の顛末を綴ったフォト&ミュージシャン論集。
『ミュージック・マガジン』で「音楽の発火点」を連載中のフォトグラファー、石田昌隆が放つ渾身の一冊!

これはマニアックなミュージシャンの写真を集めて羅列した本ではない。
セレブなミュージシャンの写真を集めて羅列した本でもない。聴き継がれ、
語り継がれるべき、リスペクトしているミュージシャンの写真だけで構成し
ているけど、好きなミュージシャンの写真を集めて羅列しただけの本でもな
いつもりだ。ここに登場したミュージシャンは、アンダーグラウンドに張られ
ている地下茎のようなもので複雑に繋がりあっている。その地下の風景は
どのようになっているのか。この本は、ミュージシャンのポートレイトを撮
り続けることによって垣間見ることができた地下の風景の記録なのである。
                        (「あとがき」から)

ルー・リード/イギー・ポップ/ソニック・ユース/ニルヴァーナ/ベック/ローリング・ストーンズ/
ジョン・ライドン/ジョー・ストラマー/エイドリアン・シャーウッド/ビョーク/ ラシッド・タハ/
ジェイムズ・ブラウン/バーニー・ウォーレル&ジョージ・クリントン&ブーツィー・コリンズ /
メアリー・J・ブライジ/ローリン・ヒル/セリア・クルース&ティト・プエンテ/ウィリー・コローン/
パブリック・エネミー/デ・ラ・ソウル /NWA/ザ・ルーツ/デリック・メイ/ジェフ・ミルズ/
リチャード・D・ジェイムス(エイフェックス・ツイン)/ケミカル・ブラザーズ/マッシヴ・アタック/
ジミー・クリフ/リー・スクラッチ・ペリー/イエローマン/オーガスタス・パブロ/リントン・クウェシ・ジョンソン/
エリゼッチ・カルドーゾ/カエターノ・ヴェローゾ/マリーザ・モンチ/オマーラ・ポルトゥオンド/
ユッスー・ンドゥール/サリフ・ケイタ/フェラ・アニクラポ・クティ&エジプト80/
キング・サニー・アデ/エイジアン・ダブ・ファウンデイション /シェブ・ハレド/ハリス・アレクシーウ/
タラフ・ドゥ・ハイドゥークス/ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン/エルフィ・スカエシ/
ツイ・ジェン/フェイ・ウォン/嘉手苅林昌/ギターウルフほか



 石田昌隆著『黒いグルーヴ』(青弓社1600円)
ISBN 4787271156

ジャマイカのレゲエと、イギリスのレゲエ〜グラウンドビート〜ブリストル・サウンズ〜ドラムンベースとの関係
性を軸に、ヒップホップやアフロビートにもかすりつつ、奴隷船の航路を辿るように大西洋を越えた音楽に含まれ
るアフリカ起源の遺伝子は、いかに変容し、根付いたかということを、写真16枚、原稿400枚で表現したものです。



 
 
 
 
 
 
 

黒いグルーヴ 目次

第1章 音楽に組み込まれたアフリカ起源の遺伝子

●1 マッシヴ・アタックのダウナーなグルーヴが内包する記憶の澱み

第2章 ダブの発見とサウンド・システム

●2 キングストンでは路上に向けたスピーカーからがんがんレゲエが流れていた
   
●3 ボブ・マーリーが「ノー・ウーマン・ノー・クライ」で歌ったトレンチタウン

●4 ナイヤビンギというラスタの宴にアフリカ起源のビートが受け継がれていた可能性

●5 イエローマンによって極められたストリート・ミュージックとしてのレゲエの現場

第3章 在英ジャマイカンとしてのレゲエ

●6 移民たちのUKへの帰属意識が低かった時代のロンドン

●7 アスワドが「アフリカン・チルドレン」で表現したこと

●8 フロントラインというロンドンの中のジャマイカ

●9 リントン・クウェシ・ジョンソンは「イングラン・イズ・ア・ビッチ」と朗読した

第4章 ループするリズム

●10 モッシュしてダイヴする白人たちに消費されたフィッシュボーン

●11 「ファック・ザ・ポリス」とラップするN.W.A.のリアリティー

第5章 ビートと人種のリミックス

●12 グラウンド・ビートにノッて登場したキャロン・ウィラーと「UKブラック」

●13 ダンスホール・レゲエのリディムはリメイクされながら生き延びた

第6章 アフロビートの王国

●14 シュラインで怒濤のライヴを演りカラクタで瞑想していたフェラ・クティ

●15 ジェイムズ・ブラウンのファンクにも認められるアフリカの痕跡

第7章 アフロルーツのブレイクビーツ

●16 アンダーグラウンドなパーティーで始まったドラムンベース

●17 ブリストル・サウンズはロニ・サイズに行き着いた

第8章 ブラック・ディアスポラ

●18 ローリン・ヒルに集約される黒人音楽の沸騰点

●19 ニューヨークに移住したトリッキーという放浪者

リスペクト&スペシャル・サンクス

本書に登場する主なCD32枚の紹介
 
 
 

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