Winnyとは何ぞや?Winny事件考察 |
Winnyの作者が逮捕されたことについて、ちょっと考えてみませんか?
■はじめに■ 「警察は悪いことをした人を掴まえるんだから、Winnyの作者は悪い人なんだ!」
では、殺風景なページですし、またあまり面白い話でもありませんので ■Winnyって一体なんなの?■ Winnyでできることを簡単に言ってしまうと、 ★Wnnyは、インターネットに繋がった 状態で使うソフトです。 これは簡単に解って頂けると思います。 ★Winnyを起動(使用)すると、他の 「Winnyを起動しているパソコン」と通信をします。 使用者(起動した人)とは関わりなく、Winnyは どこかの誰かのWinny とデータのやりとりを ★Winnyを使っている人は、「このデータは他の人にあげてもいいよ」というデータを
ややこしいですね。ここは大事なところなので、ちょっと詳しく例を挙 げて書きますね。 ・AさんのWinny使用例 さて。こういった設定をすると、 Aさんのパソコン ◎--○--○--○--○--○--○--◎ Xさんのパソコン ← Aさんが撮った写真データのやりとり →
さて、これだけだとWinnyは別に問題のないソフトじゃないか、と
お思いになるかも ・BさんのWinny使用例
Bさんのパソコン ◎--○--○--○--○--○--○--◎ Yさんのパソコン
ちょっと長くなりましたね。もう一度、Winnyの特徴をまとめて挙
げてみま
しょう。 ★Winnyを起動(使用)すると、他の「Winnyを起動しているパソコン」と通信をします。 ★Winny を使っている人は、「このデータは他の人にあげてもいいよ」というデータを 自分自身のWinnyに教えています。 ★Winnyを使っている人は、自分以外のWinnyが持っている「他の人にあげてもいいよ」と 設定されているデータを、自由に自分のパソコンにコピーすることが出来ます。 Winnyを使っている人は、Winnyを通じて自分の手元に在るあ
らゆるデータをあげることが しかし、商用音楽CDなど、著作者、著作権者が配布を認めていないも
のに
ついては もう一度、解りやすいようにまとめて整理してみます。 とくに、著作者・著作権者が配布を認めていないものを配布する手段と
なりうる、ということが
確かに、上の例で言うとBさんのような行為をしている人は多くいま
す。 では、Winnyを責めることはできるのでしょうか。 「そんなの決まってる。Winnyは違法行為をする為の物の様なもん
だろう?」 あなたは、どう考えましたか? 難しい問題ですよね。 きっとこう考える人もいるでしょう。 現行法で権利が保護されている以上、それらの違法行為に対してはもち
ろん適切な 包丁を使った殺人事件があった場合、殺人を犯した物が逮捕される
のは当然。 日本で銃の所持は非合法ですが、自衛のために合法となっている国
(例:アメリカ)が ピンホールカメラ、というとても小さな、小型のレンズカメラが存
在します。 携帯電話のデジタルカメラによって盗撮が行われた場合、迷惑防止
条例などの Winnyの場合とは少々事情も異なるものもありますが、これらの例
に共通しているのは 「じゃあ、Winnyについてはどうなの?」
ここで重要なのはWinnyはP2Pソフトウェアの一つ(一種)であ
るということです。 ・アメリカの例 さて、P2Pソフトウェアは幾つもありますが、アメリカでは この裁判はどうなったのでしょう。結論を言いますと、 その一方で、P2Pソフトウェアを使用して著作権を侵害した個人
は、 ・オランダの例
以前に挙げた、 という回答例に沿って言えば、 しかし同時に、それを利用して犯罪行為を行った場合は罪となりうる、
ということでも ■Winnyの開発者は具体的に何をしたの? 使い方によっては犯罪に使われる可能性があるものを作り、提供しても罪にはならない、 と諸外国では判例が出ています。P2P技術の開発・提供についての、日本国内で同じような 判例はというのはありませんがほぼ同様の考え方が支配的である、主流であると 思われます。 実際、開発したから逮捕したわけではない、という発表もありますね。 (参考http://www.asahi.com/tech/asahinews/OSK200405100029.html) では、どうしてWinnyの開発者は逮捕されたのでしょうか。 Winny開発者は、具体的に「あること(行為)」をして、その「あること(行為)」が法に触れる、 つまり犯罪行為であると判断されたために逮捕されました。 では、いったいどんな行為をしていたのでしょう。 新聞やテレビの報道では、全部ではありませんが、一部間違った情報も流れています。 例えば、テレビ番組出演者が 「Winny開発者は、自分のwebページ(ホームページ)から映画をコピーできるようにしていた」 と発言し、放送されていたようですが、これは全く事実と異なります。 ですので、ここで一旦情報の整理も兼ねてWinny開発者が行ったことを挙げてみましょう。 Winny開発者が行ったこと・・・ 1.Winnyの開発と提供を行った。 2.Winnyを何度も改良し続けた。 3.Winnyの利用者(不特定多数の誰か)と掲示板にて意見のやり取りをしていた。 4.Winnyを使って著作権を侵害する行為をしないよう、利用者に呼びかけていた。 一つ一つチェックしていきましょう。 1.Winnyの開発と提供を行った 当然の話ではありますが、Winny開発者はWinnyの開発を行いました。また、 開発者自身のページでWinnyを自由にダウンロード(コピー)出来るようにしていました。 2.Winnyを何度も改良し続けた。 プログラムは、作ってみて「はい、出来上がり。完璧!」というものではありません。 実際に動かしてみたら、 ・・・思ったように動いてくれない。 ・・・なんだか表示がおかしい。 ・・・こうした方が便利かも知れない。 ・・・新しい機能を加えてみたい。 色々と改良した方が良いところ、というのが目に付いてきます。 そういった点を改良していたということです。 3.Winnyの利用者(不特定多数の誰か)と掲示板にて意見 のやり取り をしていた。 掲示板にて、Winnyの利用者やWinnyに興味を持った人と意見のやり取りをしていました。 4.Winnyを使って著作権を侵害する行為をしないよう、利 用者に呼びかけていた。 Winnyのプログラム本体と一緒に入っている注意書きや、開発者自身のページで 著作権を侵害するような行為をしないように利用者に告知していました。 これら四点は事実です。まず、ここをおさえておいて下さい。 では、どうしてこれらの行為をして逮捕されたのでしょう。 少し難しい話も出てきますが、ちょっとずつ整理して考えてみましょう。 ■でも、逮捕されたんでしょう? 逮捕されたってことは犯罪を犯したからでしょう? さて、いよいよ本題に近づいてまいりました。 ここからはちょっと面倒なお話、と言いますか、法律についての話も出てきます。 ちょっと長いお話でもありますので、一旦お手洗いに行かれることをお勧めします。 ・・・大丈夫ですか?飲み物も補充してきましたか? それじゃあ、話を続けますね。 繰り返しになってしまいますが、Winny開発者が行ったことをもう一度挙げてみます。 1.Winnyの開発と提供を行った。 2.Winnyを何度も改良し続けた。 3.Winnyの利用者(不特定多数の誰か)と意見のやり取りをしていた。 4.Winnyを使って著作権を侵害する行為をしないよう、利用者に呼びかけていた。 Winnyを開発したから逮捕したわけではない、と発表がありましたが、そうすると 2.Winnyを何度も改良し続けた。 3.Winnyの利用者(不特定多数の誰か)と意見のやり取りをしていた。 4.Winnyを使って著作権を侵害する行為をしないよう、利用者に呼びかけていた。 が逮捕された原因なのでしょうか? これらの行為をすることが犯罪となりうるのでしょうか。 ちょっと遠回りな話になってしまいますが、犯罪ってどういうことなのか知っていますか? 「そんなの決まっている。犯罪=悪いことだろう。」 確かに、そういう考えが一般的です。 でも実は、犯罪とは○○ということだよ、という定義がちゃんと存在しています。 良い機会ですし、犯罪の定義を知っておきましょう。簡単にかみくだいて言うと、 法律で「この行為は犯罪です」と 決められた行為だけが犯罪となるのです。 逆に言うと、え?それって悪いこと何じゃないの? と思う行為であっても、法律で 「その行為は犯罪となりますよ」と定められていなかった場合は犯罪とはなりません。 具体的な例えを出すなら、万引きが犯罪なのは「盗む行為は犯罪ですよ」と 法律で決められているからなのですね。 (こういった考え方を罪刑法定主義と言います) P2Pソフトを使って他人の著作物を送信した場合に利用者が罪に問われるのは、 著作者が持っている「送信可能化権」という権利を侵害したからです。 (送信可能化権という権利が法律で定義され、それを犯すことは罪ですよ、とこれまた 法律で定義されている、ということです) P2Pソフトを開発した人が著作権法違反に問われないのは、開発した人は送信可能化権を 侵害していないから、ということも言えますね。 さて、話を戻しまして。 Winnyの開発者が逮捕されたということは、Winny開発者は犯罪行為をした疑いがある、と 警察が判断したからです。それでは、いったいどういう犯罪行為(法律でしちゃダメとされて いる事)をした疑いかかかっているのでしょう。 今回、Winny開発者は「著作権法違反幇助(ほうじょ)」の疑いで逮捕されました。 「幇助ってなに?」と思われる方も多いと思います。あまり聞き慣れない言葉ですね。 Winny開発者が逮捕された理由のキモは「幇助」という言葉にありそうです。 ちょっと簡単ではない話になるかもしれませんが、この「幇助」という言葉についても 知っておく必要があるみたいです。 では、幇助とは一体どういう意味でしょう。 「助」という漢字が入っていますね。 「違反行為を助けることかな……?」という感じで予想した人も多いのではないでしょうか。 幇助とは大まかに言うと、手助けをすることです。 手助けをする人がいるということは、手助けをされる人もいるはずですね。 逆に言うならば、手助けをされる人に対し「手助けをしたという事実」が存在しないなら 幇助は成り立ちません。 では、手助けをされた人とは・・? 2003年の11月に、Winnyを利用して他人の著作物を配布した、著作権法違反の容疑で 逮捕された人がいます。 その人を「幇助」した、Winny開発者は著作権法違反をする手助けをした、 という疑いで逮捕されたのです。 「なーんだ、やっぱり悪いことしてるんじゃないか」 と思うのはちょっと待って下さい。 実は、この「幇助」というのはとても狭い意味の手助けなのです。 「Winnyを公開すれば、きっと著作権法違反が発生するだろうな」と予見(あらかじめ予想) していながら公開をしても、幇助にはなりえません。 え? 著作権法違反が発生する可能性を知っていながら作ったのに、幇助にならないの? と思った方もおられるでしょう。 幇助の定義(どこからどこまでが幇助になり、どこからどこまでが幇助にならないか) という話をすると、それこそとても長い話になりますし、わたくし自身そういったことについて 間違いのない説明をする自信がありません。 ですので、ここは専門家の言葉を引用させていただくことにします。 園田寿・甲南大大学院教授(刑法、情報法)は 「今後、争点になるのは、開発者の故意の有無だろう」とみる。 開発者がメールなどで利用者と連絡を取っていた 場合、幇助容疑も成立するが、 単に開発しただ けなら違法行為の「あおり」にしかならないと指摘。 「共犯が成立するためには具体的に犯罪が発生するという結 果について予見している ことが必要だ。でないと、パソコンメーカーやインターネット接 続業者、Winnyの マニュアル本を出している出版社までも共犯に問 われることになってしまう」 と話した。 (http://www.asahi.com/national/update/0510/019.html より引用) 具体的に言えば、先に挙げた2003年11月に著作権法違反容疑で逮捕された容疑者と メールなどで連絡を取っていた場合には幇助容疑が成立する、ということです。 Winny開発者が、利用者とメールで連絡をとりあっていた事実は今のところ見あたりません。 連絡を取っていた……という事実なら、 3.Winnyの利用者(不特定多数の誰か)と掲示板にて 意見のやり取りをしていた。 というくらいでしょう。このWinnyの利用者という大まかな枠組みの中には、 Winnyを利用し著作権法違反行為を行っていた者 Winnyを利用し著作権法違反行為を行っていない者 の両方が含まれます。 ですので、開発者は、意見をやり取りしていた相手(掲示板に意見を書き込んだ誰か)が 著作権法違反行為を行っていたかどうかまでは予見できません。 せいぜい「著作権法違反行為をする人もいるだろうな」となら予見出来るだろう、とみるのが 普通です。 「違反行為をする人もいるだろうな」と思ったならば幇助になる、ということになると それは恐ろしいことになります。 例えば、デジタルカメラ付き携帯の設計者や開発者、開発会社や販売会社は、 「盗撮行為をする人もいるだろうな」と思ったならば幇助になる、ということになると 軒並み幇助の罪に問われるでしょう。 上に引用した園田寿 甲南大学大学院教授の言葉を借りるならば、 パソコンメーカーやインターネット接続業者、Winnyのマニュアル本(ごく一般的な本屋や コンビニですら購入出来ます)を出している出版社まで、共犯、つまり幇助行為をしたと なりうるのです。 ■逮捕理由は「著作権法への挑発的態度」って聞いたけど。やっぱり悪い人じゃないの? 報道では、Winny開発者が著作権法への挑発的をとっていた、とあります。 そしてそれが逮捕理由であるとの報道があります。 (参考:http://www.asahi.com/tech/asahinews/OSK200405100029.html) これは、非常に恐ろしい理由です。 何が恐ろしいのかって? それじゃあここで一つ例を挙げてみます。 A.著作権法違反幇助になる行為を 著作権法への挑発的態度なしに 行った B.著作権法違反幇助になる行為を 著作権法への挑発的態度を示して 行った C.著作権法違反幇助にならない行為を 著作権法への挑発的態度なしに 行った D.著作権法違反幇助にならない行為を 著作権法への挑発的態度を示して 行った さて、ここで問題です。 著作権法違反幇助になるのは、A,B,C,D のうちどれでしょう。 (答え).A,B いくら著作権法への挑発的態度があっても、著作権法違反幇助にならない行為をしている 限り著作権法違反幇助にはなるわけがありませんよね。 デジタルカメラ付き携帯の設計者が「盗撮?いいんじゃないのー。どんどんやろうよ」と 言っていただけで盗撮の幇助の容疑で逮捕されたら、これは大変なことになります。 まず、間違いのないように理解して頂きたいのは、Winny開発者が 「違法コピー?いいね。どんどんやろうよ」と掲示板で発言したことは一度もありま せん。 それどころか、Winnyを使って著作権法違反になる行為はしないで下さい、と注意を 促していました。 4.Winnyを使って著作権を侵害する行為をしな いよう、利用者に呼びかけていた。 新聞やテレビの報道では、Winny開発者は警察の取り調べに対して 「著作権法違反をまん延させる必要がある」と供述している とされています。 (参考http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20065855,00.htm) それが本当なのかどうかは今後おこなわれるであろう裁判で明らかにされるでしょうが、 仮にそれが本当だとしても、著作権法違反幇助にならない行為をしている限り 著作権法違反幇助とはなりえないのです。(上の問題で言うならDにあたります) 著作権法違反幇助にあたる行為をおこなえば、著作権法に挑発的な態度をもっていようが もっていまいが、関わらず著作権法違反幇助の罪に問われるのですから。(上記A,B) しかし、逮捕理由は「著作権法に挑発的な態度を示していたから」なのです。 Winnyの開発・提供という著作権法違反幇助にならない行為をしていたに もかかわらず、 著作権法に挑発的態度をもってい たからという理由で著作権法違反幇助容疑を かけられ、逮捕さ れてしまったのです。 「○○という考え方 をもっていたから逮捕」というのであれば、私たちは自由に 喋ったり、文章を書 いたり、表現したりすることは出来なくなってしまいます。 これは大変なことです。 多くの人が「Winnyの開発者が逮捕されたのはおかしいよ!」と声を挙げているのは この理由からなのです。 ■ まとめ テレビや新聞の報道では「Winnyを作った人は悪い人だ!違法コピーの元凶だ!」 という論調が多く見られます。 では、これまでに出てきた情報をもう一度まとめてみましょう。 いわゆる、総まとめですね。 ★Winnyは自由にデータのやり取りをすることができるソフト。 ★自由にやり取りが出来るがゆえに、著作者・著作権者が配布を認めている物、 配布を認めていない物が混在してやり取りされている現実もある。 ★WinnyはP2Pソフトウェアの一つである。 ★海外では、P2Pソフトウェア の開発・提供行為は著作権を侵害する行為ではない、という 判例もある。(P2Pソフトウェアはあくまで道具。道具自体には罪は ない) ★P2Pソフトウェアを開発しただけなら、著作権法違反幇助にならない。 ★Winny開発者は 「著作権法違反幇助にならない行為を 著作権法への挑発的態度を示して 行った」 ところ著作権法違反幇助の容疑で逮捕された。 ★逮捕理由は「著作権法に挑発的な態度を示していたから」 ★「○○という考え方をもっていたから逮捕」と いうのであれば、 私たちは自由に喋っ たり、文章を書いたり、表現したりすることは 出来なくなってしまう。 さて、ここまで読んでもあなたは 「Winny開発者は著作権法違反幇助の容疑者だ!」 「警察は悪いことをした人を掴まえるんだから、Winnyの作者は悪い人なんだ!」 と言えますか? ちょっとおかしいんじゃないの?と思われるのであれば、是非このページの最後にある リンクを辿って「新井俊一さんのwebページ(公式な支援活動をしている新井氏のサイト)」 をご覧になって下さい。 あ、でも↓の補足説明も読んで下さいね。 ■補足説明 ここでは、よくある質問や疑問にたいする回答、という形で補足説明をしています。 Q.Winnyの開発者は自分専用の特製Winnyを使ってい たって聞いたけど? A.そういった報道があることは事実ですし、おそらく報道にあったようなWinnyは 開発者の手元にあったのでしょう。 (参考http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20040511AT3K1101J11052004.html) まず理解して頂きたいのが、特製Winnyと呼ばれる物の正体です。 特製Winnyと報道されているものは「受信機能しか無いWinny」ということです。 では、受信機能しかないWinnyの所持が、どうして摘発逃れとなるのでしょう。 現在の著作権法では、公衆(インターネット上)に他人の著作物を配信した者が 著作権法違反の罪に問われます。では、受信した方は? それが、いわゆる違法コピーだと知らなかった場合は罪に問われません。 報道の論調では、Winny開発者は落とすばかりのWinnyを持っていた、 つまり自分自身は著作権法違反を犯さないようにしていた、ということのようです。 でもちょっと待って下さい。 ソフトウェアの開発には非常に大きな労力がかかります。作ってみたものの、予想通り に動くのかどうかの実験も必要です。そうしたときには、 「受信専用のWinny」 「送信専用のWinny」 「受信・送信の両方をおこなうWinny」 を用意し、実験し、試行錯誤を重ねてソフトウェアを改良していくのが通常です。 つまり、受信専用のWinnyは確かに存在したでしょうが、それが存在したからといって 摘発逃れのための手段だ! と決めつけてしまうのはあまりにも見方の狭い、 非常に危険な意見です。 Q.Winnyは匿名で情報の送信が出来る、悪質なソフトだと 聞いたけど? A.匿名=悪質 というのは短絡的だと思われます。 実はWinnyの元になった(Winny開発者がWinnyを作る際に参考にした)ソフトウェアが あります。それは「freenet」と言われる日本国外製のソフトです。 freenetを利用すれば、匿名で発言をすることができ、また匿名でそれらの発言を閲覧 することができます。言論弾圧、思想弾圧がある国々では、自由を求めてfreenetを 利用している人々もいます。 言論弾圧や思想弾圧が無い国々であっても、freenetは使われています。 とくにアメリカでは、匿名での発言は人々に与えられた権利である、と言う認識が高く 「健全な民主主義を保つためには、匿名での発言を保障する必要がある」とまで 言われているのです。 (匿名で出版された ”コモン・センス” という冊子がアメリカ独立のきっかけの一端を 担ったことは有名な話です) Winny開発者は掲示板の中で度々freenetを参考に挙げています。 そのうちの一つをここに引用します。(適宜改行) >まぁ、開発理由は単なる暇つぶしです(w。 >正確に言えば、Freenetを面白いと思った のと、 >まだ使い物にならんなーどうにかならんかなと 思ったのがその理由ですね。 実際、Winnyは改良を重ねた結果、ファイルを共有するだけでなく、匿名で発言ができる P2Pによる掲示板機能を持っています。 ■リンク ★新井俊一さんのwebページ (公式なWinny開発者への支援活動をしている新井氏のサイト) http://www.moodindigo.org/blog/ 新井さん個人のページであって、支援活動専用サイトではないことにご注意下さい。 ★Winny開発者 47氏を救う為に (47氏とは、Winny開発者の掲示板ないでのハンドルネーム・あだ名のようなものです) http://77483.org/47/ ★Winny開発者47氏逮捕関連情報サイト ★Winnyの技術 |