新旧セレロン比較(2002年秋現在)
インテルという長い物に巻かれたいけど、高い金払ってまでしてペンティアム4を使いたい訳ではないあなた。良く分からないので、店員の勧めるまま安いパソコンを買ってしまったあなた。構造上オーバークロックをし易い事を知っている、チャレンジャーなあなた。私たちの周りには、こんなCPUが溢れています。
「セレロン(Celeron)」 時は遡りまして、ペンティアムUというCPUが世を席巻していた頃です。AMD社がK5やK6シリーズを携えて低価格PCの供給に一役買っていました。で、インテルもこりゃ安物を作るのも止む無しと、ペンティアムUの廉価版を作りました。これが、最初のセレロンです。
300MHzという周波数でのデビューは決して低機能という印象は与えませんでしたが、使ってみた人たちにはボロクソに罵られました。何故って、遅かったから。だって、1次・2次キャッシュが0ですよ、ゼロ。速いはず無いじゃないの。
それは不味いと、アッサリ改良版が出ます。セレロン300Aと呼ばれるものです。ある工場で生産されたやつはオーバークロック耐性が以上に高くて450MHzでも動いたと聞いてます。もちろんキャッシュも積んで真っ当な速さです。これは人気が出て、セレロンという言葉が世に出回ります。
その後も、ペンティアムV・4とペンティアムシリーズが出ると、それに追従するようにその廉価版のセレロンが登場しました。AMD社が仕掛けた価格競争で大敗する事無くこれまでインテルが戦ってこれたのには、セレロンの影響も少なからずあったと思います。 さて、セレロンは各ペンティアムの廉価版と先述いたしました。言わば、ガンダムに対しての量産型ジムです。故に、陸戦型やビームレス等多種多様なガンダムがあれば、それに対応するように特徴の異なるジムが存在する訳でして。しかし、素人目にはセレロンの違いなんぞ分からない訳です。
なので、私の知りうる限りのセレロンをここで比較してみようじゃないかと思います。
セレロン
Celeron
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300MHz
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300AMHz
〜533MHz
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600MHz
〜1.1GHz
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1.0AGHz
〜1.4GHz
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1.7GHz
〜1.8GHz
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2.0GHz
〜未確認
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ペンティアム
Pentium
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ペンティアムU
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ペンティアムV
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ペンティアム4
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コードネーム
(ペンタの・・)
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コヴィントン
(デシューツ)
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メンドシーノ
(カトマイ)
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カッパーマイン
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テュアラティン
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ウィラメット
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ノースウッド
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プロセスルール
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0.25μm
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0.25μm
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0.18μm
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0.13μm
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0.18μm
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0.13μm
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2次キャッシュ
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0
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謎
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128KB
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256KB
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128KB
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128KB
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バスクロック
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謎
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66MHz
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100MHz
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100MHz
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400MHz
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400MHz
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どうです? 同じセレロンとは言え、これ程の種類があるとは思わなかったでしょう?
で、今買えるのはカッパーマイン以降の物だけだと思いますんで、ちまちまと説明しましょう。 PPGAではないFCPGA(テュアラティンはFCPGA2)ソケット370、一般的なペンティアムVが載せられるマザーボードにカッパーマインセレロンとテュアラティンセレロンを載せることができます。能力的には、2次キャッシュが強化されている分だけテュアラティンの方が有利です。(と言うか、テュアラティンペンティアムVとの違いはバスが133か100かというだけなので、統合型チップセットを使うなら最良の選択かと)また、アーキテクチャの微細化によって電圧も1.45V〜1.475Vに抑えられているので、発熱量がさらに低いです。1AGHzで35W以下だった筈なので、ケース内の換気が良ければCPUヒートシンクのみでファンレスも可能です。私は1.2GHzをファンレスにて使っておりまして、静音性には満足しております。代わりに、古いマザーボードでは大抵動かないので、カッパーマインは古めのメーカー製パソコンを改造したりするのに重宝しそうな気がします。愛称は、河童セレとか、鱈セレとかですね。
残りは、俗にP4セレロン(それぞれ藁セレ、北森セレ)です。1.75Vで動くウィラメットセレロンは、60W以上の発熱量を有してます。60Wの電球を常時40℃近くに冷やしてろなんて皆無だよ。そしてCPU比較表にも書いた事ですが、テュアラティン1.4GHzとウィラメット1.7GHzは、前者の方が速いですし価格逆転も起きています。間違っても、ウィラメットには手を出さないでくださいね。その点、ノースウッドは安心して良いと思います。1.65Vまで電圧は下がってますし、ベンチマークでもペンティアム4の1.6AGHzと勝ったり負けたりですから悪いCPUではないです。 結論としては、初代の実力を確かめたいなら300MHz、時の流れを感じたいなら533GHz、初めてのオーバークロックをしてみたいなら600MHz、発熱量や静音性を気にしてるなら1AGHz、枯れた環境の集大成的な能力を求めるなら1.4GHz、パソコンを暖房として使いたいなら1.8GHz、高クロックの世界を安価に体験したいなら2.0GHz。こんなもんでしょうか。
最後に、プロの方から見ると間違った事も書いてありますが、初心者(中級者かも)に分かりやすい説明にするためにあえて間違った表現を使っている部分もありますのでご了承下さい。それでもこれは明らかに違うという内容があった場合、恐らく筆者の思い違いなのでご指摘いただけますようお願いします。
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