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| ■【自賠法判例=法第3条に関する判例】←運行供用者認定基準 運行供用者とされなかったもの |
| ■【自賠法判例=法第3条に関する判例】←他人か否かについての判例 |
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| ■自動車損害賠償保障法 (第1条〜第3条) |
| 【第4条〜第72条】【第73条〜第91条】←ジャンプ |
(昭和30年7月29日・法律第97号) 第1章 総則 第1条(この法律の目的) この法律は、自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする。 第2条(定義) この法律で「自動車」とは、道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車(農耕作業の用に供することを目的として製作した小型特殊自動車を除く。)及び同条第三項に規定する原動機 付自転車をいう。 2 この法律で「運行」とは、人又は物を運送するとしないとにかかわらず、自動車を当該装置の用い方に従い用いることをいう。 3 この法律で「保有者」とは、自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者で、自己のために自動車 を運行の用に供するものをいう。
第2章 自動車損害賠償責任 |
| 【第4条〜第72条】【第73条〜第91条】←ジャンプ |
| 判例=〔第2条〕に関する判例 |
1 自動車がエンジンの故障のため自力で走行できない場合でも、当該自動車が、ハンドルやブレーキの操作により操縦の自由を有し、これらの装置を操作しながらロープで牽引されて走行しているときは、右自動車の走行は、本条二項にいう「運行」にあたる。(最判昭43・10・8民集22―10―2125) 2 本条二項にいう「自動車を当該装置の用い方に従い用いること」には、自動車をエンジンその他の走行装置により位置の移動を伴う走行状態におく場合だけでなく、特殊自動車であるクレーン車を走行停止の状態におき、操縦者において、固有の装置であるクレーンをその目的に従って操作する場合をも含む。(最判昭52・11・24民集 1―6―918) 3 被害者が自動車を運転中、道路上にフォーク部分を突き出した状態で停止中のフォークリフトに衝突して受傷した事故は、本件車両が、フォークリフトによる荷降し作業のための枕木を荷台に装着した木材運搬用の貨物自動車であって、荷降し作業終了後直ちに出発する予定で道路上に駐車中であり、事故発生当時、右フォークリフトが荷降しのため本件車両に向かう途中であったなどの事情があっても、本件車両の「運行によって」生じたものとはいえない。(最判昭63・6・16民集42―5―414) 4 木材運搬専用車であって、その荷台には木材の安定緊縛用の鉄製支柱のほかフォークリフトのフォーク挿入用の枕木等が装置されており、その構造上フォークリフトによる荷降し作業が予定されている貨物自動車の場合において、フォークリフトを同車に横付けしフォークを右枕木によって生じている原木と荷台との隙間に挿入し、原木を荷台の反対側に突き落したことによって人身事故が生じたときは、「自動車を当該装置の用い方に従い用いること」にあたる。(最判昭63・6・16判時1298―113) |
| 判例=〔第3条〕に関する判例 |
| 運行供用者認定基準
【運行供用者とされたもの】 1 事故を生じた運行行為が具体的には第三者の無断運転による場合であっても、自動車の所有者と第三者との間に雇用関係等密接な関係が存し、かつ日常の自動車の運転及び管理状況からして、客観的外形的には右自動車所有者等のためにする運行と認められるときは、右自動車の所有者は「自己のために自動車を運行の用に供する者」というべく、本条による損害賠償責任を免れないと解すべきである。(最判昭39・2・11民集18―2―315) 2
農業協同組合の運転手が、私用に使うことを禁止していた組合内規に違反して組合所有の自動車を無断運転し、帰宅する途中、事故を起こした等の事実関係のもとにおいては、右組合は、本条にいう「自己の為に自動車を運行の用に供する者」にあたると認めるのが相当である。(最判昭39・2・11民集18―2―315)
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| 判例=〔第3条〕に関する判例 |
| 運行供用者認定基準
【運行供用者とされなかったもの】 13 原審認定のようなドライブクラブ方式による自動車賃貸業者から自動車を借り受けた者がこれを運転使用しているときは、右自動車賃貸業者は、本条にいう「自己のために自動車を運行の用に供する者」にあたらない。(最判昭39・12・4民集18―10―2043) 14 運送業者が、注文者たる会社の社名を車体に表示した自動車で、同社の注文による運送業務の遂行中に事故を起こした場合でも、同社が右自動車の運行自体についてなんら支配力を有していなかったときは、同社に運行供用者責任を負わせることはできない。(最判昭45・2・27判時586―57) 15 所有権留保の特約を付して、自動車を代金月賦払いにより売り渡した者は、特段の事情のない限り、販売代金債権の確保のためにだけ所有権を留保するものにすぎず、自動車を買主に引き渡しその使用にゆだねた以上、本条にいう「自己のために自動車を運行の用に供する者」にあたらない。(最判昭46・1・26民集25―1―126) 16 下請人が元請人から購入し代金未完済のため所有名義及び車体のマークが元請人のものとなっている自動車を、下請人の被用者が運転して事故を起こした場合に、下請人の全仕事量の約五割は元請人からのものであったが、両者の専属的関係は認められないこと、元請人からの下請作業を行うにあたっても、元請人からの指揮監督を受けたことがなかったこと、右事故が他の会社からの下請作業に従事中に発生したものであること等の事実が認められるから、元請人は運行供用者としての責任は負わない。(最判昭46・12・7判時657―46) 17 タクシー会社からその所有の自動車を窃取した者が事故を起こした場合において、同社が、右自動車のドアに鍵をかけず、エンジンキーを差し込んだまま、これを自己の駐車場の道路に近い入口付近に長時間駐車させていた事情があっても、窃取した者が、同社と雇傭関係等の人的関係を有せず、タクシー営業をしたうえで乗り捨てようとの意図のもとに右自動車を窃取したものであり、窃取後、約二時間タクシー営業をしたのちに事故を起こした等の事実関係があるときは、右タクシー会社は、本条による運行供用者としての責任を負わないものと解すべきである。(最判昭48・12・20民集27―11―1611) 18 会社の従業員が会社所有の自動車を私用のため無断運転中惹起した事故により同乗者を死亡させた場合において、同乗者が、会社によってその自動車を私用に使うことが禁止されていることを知りながら、無断持出しをいったん思い止まった従業員をそそのかして同人ともども夜桜見物に出かけるために右自動車に同乗したものである等の事実関係のもとにおいては、右事故により同乗者及びその相続人に生じた損害につき、右相続人は、会社に対し本条に基づく運行供用者責任を問うことができない。(最判昭49・12・6民集28―10―1813) |
| 判例=〔第3条〕に関する判例 【他人か否かについての判例】 |
| 【「他人」にあたらないとされた者】
19 本条にいわゆる「他人」のうちには、当該事故自動車の運転者を含まない。(最判昭37・12・14民集16―12―2407) 20 甲が正運転手として自ら自動車を運転すべき職責を有し、助手乙に運転させることを業務命令により禁止されていたにもかかわらず、他所から来て、まだ地理もわからない乙に無理に自動車を運転させ、、自らは助手席に乗車して乙に運転上の指図をしていた等の事情があるときは、甲は、当時右自動車の運転者であったと解すべきであり、本条にいう「他人」にあたらない。(最判昭44・3・28民集23―3―680) 21 会社の取締役が従業員の運転する会社所有の自動車に乗車中従業員の惹起した事故により受傷した場合において、右取締役が業務時間外にトルコ風呂に行くためみずからその自動車を運転して数時間にわたって走行させたのち同乗の従業員に一時運転させて運行を継続中に事故が発生したものであるなどの事実関係があるときは、右取締役は、会社に対し本条にいう「他人」であることを主張して損害賠償を求めることは、許されない。(最判昭50・11・4民集29―10―1501) 22 友人が窃取し運転していた自動車に同乗中右友人の起した事故により死亡した被害者の両親は、右自動車の保有者に対して右被害者が本条にいう「他人」にあたることを主張することができない。(最判昭 57・4・2 判時1042―93) 23 自己所有の自動車の運転を友人に委ねて同乗中友人の惹起した事故により死亡した者が友人との関係において本条の「他人」にあたらないとされた事例。(最判昭57・11・26民集36―11―2318) 【「他人」にあたるとされた者】 24 運転者が、酩酊して助手席に乗り込んだ者に対し、結局はその同乗を拒むことなく、そのまま自動車を操縦した場合には、右の者は、本条の「他人」にあたる。(最判昭42・9・29判時497―41) 25 妻が夫の運転する自動車に同乗中夫の運転上の過失により負傷した場合であっても、右自動車が夫の所有に属し、夫が、もっぱらその運転にあたり、又その維持費をすべて負担しており、他方、妻は、運転免許を有しておらず、事故の際に運転補助の行為をすることもなかったなどの事実関係のもとにおいては、妻は、本条にいう「他人」にあたると解すべきである。(最判昭47・5・30民集26―4―898) |
| 判例=〔第3条〕に関する判例 【「運行によって」の判断及び「免責事由」】 |
| 【「運行によって」の判断】 26 材料置場における荷降ろし作業中の人身事故は、本条にいう自動車の「運行によって」生じたものとはいえない。(最判昭56・11・13判時1026―87) 【免責事由】 27 本条但書所定の免責要件事実のうち、ある要件事実の存否が事故発生と関係がない場合には、免責を受けようとする自動車の運行供用者は、右要件事実が当該事故と関係がない旨を主張・立証すれば足りる。(最判昭45・1・22民集24―1―40) 28 実況見分を済ませた警察の自動車が、帰署するため、自動車専用道路において転回行為をするについては、少なくとも、法令に定められた緊急自動車用のサイレンを鳴らし、かつ、対向車両の進行を急激に妨げないような時機と方法を選ぶべきであって、夜間サイレンを鳴らすことなく、又、交通規制をする等の措置もとらずに転回行為に及んだため、これとの衝突を避けようとした対向車に追突事故を起こさせた場合には、右警察の自動車の運行について過失がなかったものとすることはできず、その保有者は、本条但書による免責を受けることはで きない。(最判昭46・11・19民集25―8―1236) |
| ■自動車損害賠償保障法 (第4条〜第72条) |
| 【第1条〜第3条】【第73条〜第91条】←ジャンプ |
第4条(民法の適用) 自己のために自動車を運行の用に供する者の損害賠償の責任については、前条の規定によるほか、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による。 第3章 自動車損害賠償責任保険 第1節 自動車損害賠償責任保険契約の締結強制 第5条(責任保険の契約の締結強制) 自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない。 第6条(保険者) 責任保険の保険者(以下「保険会社」という。)は、保険業法(昭和十四年法律第四十一号)又は外国保険事業者に関する法律(昭和二十四年法律第百八十四号)に基き責任保険の事業を営むことができる者とする。 第7条(自動車損害賠償責任保険証明書) 保険会社は、保険料の支払があつたときは、保険契約者に対して、当該自動車につき自動車損害賠償責任保険証明書を交付しなければならない。 2 保険契約者は、当該自動車損害賠償責任保険証明書の記載事項について変更があつたときは、自動車損害賠償償責任保険証明書にその変更についての記入を受けなければならない。 3 保険会社は、前項の規定による記入の申出があつたときは、遅滞なく、その記入を行わなければならない。ただし、第二十二条第三項又は第四項の規定による請求をした場合において、その金額の支払がなかつたときは、この限りでない。 4 保険契約者は、自動車損害賠償責任保険証明書が滅失し、損傷し、又はその識別が困難となつたときは、保険会社に対して、その再交付を求めることができる。 5 自動車損害賠償責任保険証明書の記載事項その他自動車損害賠償責任保険証明書に関する細目は、運輸省令で定める。 第8条(自動車損害賠償責任保険証明書の備付) 自動車は、自動車損害賠償責任保険証明書(前条第二項の規定により変更についての記入を受けなければならないものにあつては、その記入を受けた自動車損害賠償責任保険証明書。次条において同じ。)を備え付けなければ、運行の用に供してはならない。 第9条(自動車損害賠償責任保険証明書の提示) 道路運送車両法第四条、第三十四条第一項、第三十六条の二第三項、第六十条第一項、第六十二条第二項(第六十三条第三項、第六十四条第三項及び第六十七条第四項において準用する場合を含む。)、第六十七条第一項、(使用者の変更に係る部分に限る。)、第七十一条第四項又は第九十七条の三に規定する処分を受けようとする者は、当該行政庁(同法第七十四条の三の規定の適用があるときは、軽自動車検査協会。次項において同じ。)に対して、自動車損害賠償責任保険証明書をも提示しなければならない。ただし、同法第九十四条の五第六項の規定により保安基準適合証の提出があつた場合において、同法第六十二条第二項(同法第六十四条第三項において準用する場合を含む。)に規定する処分を受けようとするときは、運輸省令で定める方法により作成した自動車損害賠償責任保険証明書の写しの提出をもつて、自動車損害賠償責任保険証明書の提示に代えることができる。 2 当該行政庁は、自動車損害賠償責任保険証明書の提示又はその写しの提出がないときは、前項の処分をしないものとする。道路運送車両法第五十八条第一項に規定する検査対象外軽自動車以外の自動車について、その提示又は提出があつた自動車損害賠償責任保険証明書又はその写しに記載された保険期間が、当該自動車検査証に記入すべき有効期間又は臨時運行の許可の有効期間若しくは回送運行許可証の有効期間が満了する日までの期間の全部と重複するものでない場合においても、同様とする。 3 道路運送車両法第九十四条の五第一項の規定により保安基準適合証及び保安基準適合標章の交付を請求しようとする者は、同法第九十四条の三第一項の指定自動車整備事業者に対して、自動車損害賠償責任保険証明書を提示しなければならない。 4 指定自動車整備事業者は、前項の規定による提示がないとき、又はその提示があつた自動車損害賠償責任保険証明書に記載された保険期間が、その日から道路運送車両法第九十四条の五第六項の規定により保安基準適合証の提出があつた場合において記入されるべき同法第六十一条第一項に規定する自動車検査証の有効期間が満了する日までの期間の全部と重複するものでないときは、同法第九十四条の五第一項の規定にかかわらず、保安基準適合証及び保安基準適合標章を交付してはならない。 第9条の2(保険標章) 保険会社は、検査対象外軽自動車、原動機付自転車又は締約国登録自動車(道路交通に関する条約の実施に伴う道路運送車両法の特例等に関する法律(昭和三十九年法律第百九号)第二条第二項に規定する締約国登録自動車をいう。以下同じ。)について第七条第一項の規定により自動車損害賠償責任保険証明書を交付したときは、当該保険契約者に対して、保険標章を交付しなければならない。 2 保険標章には、運輸省令で定めるところにより、保険期間の満了する時期を表示するものとする。 3 保険標章の有効期間は、保険期間と同一とする。 4 保険契約者は、保険標章が滅失し、損傷し、又はその識別が困難となつた場合その他運輸省令で定める場合には、保険会社に対して、その再交付を求めることができる。 5 保険標章の様式その他保険標章に関する細目は、運輸省令で定める。 第9条の3 検査対象外軽自動車、原動機付自転車及び締約国登録自動車は、運輸省令で定めるところにより、保険標章を表示しなければ、運行の用に供してはならない。 2 保険標章は、当該検査対象外軽自動車、当該原動機付自転車又は当該締約国登録自動車以外の検査対象外軽自動車、原動機付自転車又は締約国登録自動車に表示してはならない。 3 有効期間を経過した保険標章は、検査対象外軽自動車、原動機付自転車又は締約国登録自動車に表示してはならない。 第10条(適用除外) 第五条及び第七条から前条までの規定は、国その他の政令で定める者が政令で定める業務又は用途のため運行の用に供する自動車及び道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)による自動車道及びその他の一般交通の用に供する場所をいう。以下同じ。)以外の場所のみにおいて運行の用に供する自動車については、適用しない。 判例〔第10条〕 1 本条にいう「道路以外の場所のみにおいて運行の用に供する自動車」であっても、その本来の用途から外れて道路上を走行中に事故が発生して、自動車損害賠償責任保険の被保険者以外の者の本法三条の規定による損害賠償責任が生ずる場合には、本法七一条に規定する政府の自動車損害賠償保障事業の適用があるものと解するのが相当である。(最判平5・3・16判時1462―99) 第10条の2(保険除外標章) 運輸大臣は、運輸省令で定めるところにより、前条の規定の適用を受ける検査対象外軽自動車及び原動機付自転車(政令で定めるもの及び道路以外の場所のみにおいて運行の用に供するものを除く。)について、保有者に対して保険除外標章を交付しなければならない。 2 保険除外標章の有効期間は、運輸省令で定める。 3 第一項に規定する検査対象外軽自動車及び原動機付自転車は、運輸省令で定めるところにより、保険除外標章を表示しなければ、運行の用に供してはならない。 4 第九条の二第四項及び第五項並びに第九条の三第二項及び第三項の規定は、保険除外標章について準用する。 第2節 自動車損害賠償責任保険契約 第11条(責任保険の契約) 責任保険の契約は、第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を保険会社がてん補することを約し、保険契約者が保険会社に保険料を支払うことを約することによつて、その効力を生ずる。 第12条 責任保険の契約は、自動車一両ごとに締結しなければならない。 第13条(保険金額) 責任保険の保険金額は、政令で定める。 2 前項の規定に基づき政令を制定し、又は改正する場合においては、政令で、当該政令の施行の際現に責任保険の契約が締結されている自動車についての責任保険の保険金額を当該制定又は改正による変更後の保険金額とするために必要な措置その他当該制定又は改正に伴う所要の経過措置を定めることができる。 第14条(免責) 保険会社は、第八十二条の二に規定する場合を除き、保険契約者又は被保険者の悪意によつて生じた損害についてのみ、てん補の責を免かれる。 第15条(保険金の請求) 被保険者は、被害者に対する損害賠償額について自己が支払をした限度においてのみ、保険会社に対して保険金の支払を請求することができる。 第16条(保険会社に対する損害賠償額の請求) 第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払をなすべきことを請求することができる。 2 被保険者が被害者に損害の賠償をした場合において、保険会社が被保険者に対してその損害をてん補したときは、保険会社は、そのてん補した金額の限度において、被害者に対する前項の支払の義務を免かれる。 3 第一項の規定により保険会社が被害者に対して損害賠償額の支払をしたときは、保険契約者又は被保険者の悪意によつて損害が生じた場合を除き、保険会社が、責任保険の契約に基き被保険者に対して損害をてん補したものとみなす。 4 保険会社は、保険契約者又は被保険者の悪意によつて損害が生じた場合において、第一項の規定により被害者に対して損害賠償額の支払をしたときは、その支払つた金額について、政府に対して補償を求めることができる。 判例〔第16条〕 1 被害者が三条によって保有者に対し損害賠償請求権を有し、かつ、本条一項によって保険会社に対しても損害賠償額支払請求権を有する場合は、特別の事情のない限り、後者の請求権の放棄は、前者の請求権の行使に消長をきたさない。(最判昭39・5・12民集18―4―583) 2 夫婦の一方の過失に基づく交通事故により負傷した他方の配偶者は、加害者たる配偶者に対し損害賠償請求権を有する限り、本条一項所定の保険会社に対する損害賠償額の支払請求権を有すると解すべきである。(最判昭47・5・30民集26―4―898) 3 交通事故の被害者が本条一項の規定に基づき保険会社に対して提起した損害金支払請求訴訟について支出した弁護士費用は、交通事故と相当因果関係のある損害と認められる。□保険会社が本条一項の規定に基づいて被害者に対して負担する損害賠償債務は、商法五一四条所定の「商行為ニ因リテ生シタル債務」にはあたらない。(最判昭57・1・19民集36―1―1) 4 本条一項に基づく保険会社の被害者に対する損害賠償額支払債務は、期限の定めのない債務として発生し、民法四一二条三項により保険会社が被害者からの履行の請求を受けた時にはじめて遅滞に陥るものと解するのが相当である。(最判昭61・10・9判時1236―65) 5 本法三条による被害者の保有者に対する損害賠償債権及び保有者の被害者に対する損害賠償債務が同一人に帰した(混同)ときは、本法一六条一項に基づく被害者の保険会社に対する損害賠償額の支払請求権は消滅する。(最判平1・4・20民集43―4―234) 第16条の2(休業による損害等に係る保険金等の限度) 保険会社が被保険者に対して支払うべき保険金又は前条第一項の規定により被害者に対して支払うべき損害賠償額のうち被害者が療養のため労働することができないことによる損害その他の政令で定める損害に係る部分は、政令で定める額を限度とする。 第17条(被害者に対する仮渡金) 保有者が、責任保険の契約に係る自動車の運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、政令で定める金額を第十六条第一項の規定による損害賠償額の支払のための仮渡金として支払うべきことを請求することができる。 2 保険会社は、前項の請求があつたときは、遅滞なく、請求に係る金額を支払わなければならない。 3 保険会社は、第一項の仮渡金の金額が支払うべき損害賠償額をこえた場合には、そのこえた金額の返還を請求することができる。 4 保険会社は、保有者の損害賠償の責任が発生しなかつた場合において、第一項の仮渡金を支払つたときは、その支払つた金額について、政府に対して補償を求めることができる。 第18条(差押の禁止) 第十六条第一項及び前条第一項の規定による請求権は、差し押えることができない。 第19条(時効) 第十六条第一項及び第十七条第一項の規定による請求権は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。 第19条の2(追加保険料) 自動車の運行によつて保有者及び運転者以外の者が死亡したときは、当該自動車に係る責任保険の保険契約者は、当該責任保険の契約の保険期間のうちその死亡があつた日以後の期間に応じ政令で定める額の保険料(以下、「追加保険料」という。)を追加して支払う義務を負う。 2 保険会社は、前項の死亡があつたことを知つたときは、遅滞なく、保険契約者に対し、同項の死亡があつた旨の、追加保険料の額及びその支払期限を書面により通知しなければならない。この場合において、支払期限は、通知の書面を発する日から起算して運輸省令で定める期間を経過した後としなければならない。 3 保険契約者は、支払期限までに追加保険料を支払わないときは、支払期限の翌日から追加保険料を支払う日までの日数に応じ延滞利息(その利率は、運輸省令で定める。)を支払わなければならない。 4 保険会社は、第一項の死亡に関し当該責任保険の被保険者に対して保険金を支払うべき場合において、追加保険料及び延滞利息の支払を受けていないときは、追加保険料及び延滞利息に充てるため、これらの額に相当する金額をその保険金から控除することができる。 5 第一項の死亡について保有者に第三条の規定による損害賠償の責任が発生しなかつたときは、当該自動車に係る責任保険の保険契約者の追加保険料の支払義務は、初めから生じなかつたものとみなす。この場合において、保険会社が返還すべきこととなる追加保険料及び延滞利息の支払として受けた給付又は支払うべきこととなる前項の規定により控除した金額には、その給付を受け、又は控除した日からの日数に応じ利息(その利率は、運輸省令で定める。)を附さなければならない。 第20条(告知すべき重要な事実等) 商法(明治三十二年法律第四十八号)第六百四十四条に規定する重要な事実又は事項は、責任保険の契約にあつては、次のとおりとする。 一 道路運送車両法の規定による自動車登録番号若しくは、車両番号、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第四百四十六条第三項(同法第一条第二項において準用する場合を含む。)に規定する標識の番号又は道路交通に関する条約の規定による登録番号(これらが存しない場合にあつては、車台番号) 政令で定める自動車の種別 第20条の2(責任保険の契約の解除等) 責任保険の契約の当事者は、次に掲げる場合に限り、責任保険の契約を解除することができる。 一 当該自動車が第十条に規定する自動車となつた場合 二 商法第六百四十四条の規定による場合 三 当該自動車について他に責任保険の契約又は、この法律で定める自動車損害賠償責任共済の契約が締結されており、かつ、その契約の保険期間又は共済期間の終期が当該責任保険の契約の保険期間の終期と同一であるかその終期より遅いものである場合 四 その他運輸省令で定める場合 2 責任保険の契約の当事者は、その契約を合意により解除し、又はその契約に解除条件を附することができない。 3 第一項(第二号に係る部分を除く。)の規定による解除は、将来に向かつてのみその効力を生ずる。 第21条(告知義務違反による契約解除の効力)商法第六百四十四条の規定により、保険会社が責任保険の契約を解除したときは、その解除は、保険契約者が解除の通知を受けた日から起算して七日の後に、将来に向つてその効力を生ずる。 4 前項の解除の効力が生ずる日前に危険が発生した場合には、商法第六百四十五条第二項の規定にかかわらず、保険会社は、損害をてん補する責に任ずる。この場合において、保険会社が損害をてん補したときは、保険契約者に対し、そのてん補した金額の支払を請求することができる。 第22条(危険の増加又は減少による契約の変更) 保険期間中に危険が増加し、又は減少したときは、責任保険の契約は、新たな危険に対応する責任保険の契約に変更されたものとみなす。 2 保険契約者又は被保険者は、保険期間中に危険が増加したことを知つたときは、遅滞なく、これを保険会社に通知しなければならない。 3 保険期間中に危険が増加した後に危険が発生し、保険会社が損害をてん補した場合において、保険契約者又は被保険者が前項の通知を怠つていたときは、保険会社は、保険契約者に対し、そのてん補した金額の支払を請求することができる。 4 保険会社は、第一項の場合において、危険が増加したときは、保険契約者に対し、政令で定めるところによリ増加する額の保険料の支払を請求することができる。 5 保険契約者は、第一項の場合において、危険が減少したときは、保険会社に対し、政令で定めるところにより減少する額の保険料の返還を請求することができる。 第23条(商法の適用) 責任保険の契約については、この法律に別段の定がある場合を除くほか、商法第三編第十章第一節第一款の規定による。 第3節 自動車損害賠償責任保険事業 第24条(責任保険の契約の締結義務) 保険会社は、政令で定める正当な理由がある場合を除き、責任保険の契約の締結を拒絶してはならない。 第25条(保険料率) 大蔵大臣は、責任保険に関し、次の各号に掲げる処分についての申請があつた場合において、当該申請に係る保険料率が能率的な経営の下における適正な原価を償うものでなく、又は保険料率の算定につき営利の目的の介入があるときは、これらの処分をしてはならない。 一 保険業法第一条第一項の規定による免許又は同法第十条第一項の規定による認可 二 損害保険料率算出団体に関する法律(昭和二十三年法律第百九十三号)第十条第一項の規定による認可 三 外国保険事業者に関する法律第三条第一項の規定による免許、同法第五条の規定による認可又、は同法第十九条において準用する保険業法第十条第一項の規定による認可 第26条 責任保険については、損害保険料率算出団体に関する法律第十条の二、第十条の三、第十条の五第二項及び第十条の八から第十条の十二までの規定は、適用しない。 第27条 大蔵大臣は、責任保険の保険料が能率的な経営の下における適正な原価をこえると認めるときは、保険会社又は損害保険料率算出団体に関する法律第二条第二項の規定による損害保険料率算出団体に対して、責任保険の保険料率の変更を命ずることができる。 第28条(同意) 大蔵大臣は、責任保険の保険約款及び保険料率に関し、次の各号に掲げる処分をしようとするときは、あらかじめ、運輸大臣の同意を得るものとする。 一 第二十五条各号に掲げる処分 二 前条の規定による変更命令 三 保険業法第十条第二項(外国保険事業者に関する法律第十九条において準用する場合を含む。)又は損害保険料率算出団体に関する法律第十条の六の規定による命令 2 大蔵大臣は、保険会社がこの法律若しくはこの法律に基く命令若しくはこれらに基く処分又は責任保険の保険約款若しくは保険料率について保険業法若しくは外国保険事業者に関する法律若しくはこれらに基く命令若しくはこれらに基く処分に違反した場合において、保険業法第十二条第一項又は外国保険事業者に関する法律第二十二条第一項の規定による処分をしようとするときは、あらかじめ、運輸大臣の同意を得るものとする。 第29条(共同行為に関する通知) 大蔵大臣は、保険業法第十二条ノ三の規定による責任保険の事業に関する共同行為に関して、保険業法第十二条ノ六第一項(外国保険事業者に関する法律第十九条において準用する場合を含む。)の規定による届出があつたときは、その旨を運輸大臣に通知するものとする。 第30条(代理店契約) 保険会社は、自動車運送の振興を図ることを目的として組織する団体その他の者であつて、責任保険の事業の円滑な遂行上適当と認められるものと責任保険に関する代理店契約を締結するものとする。 第4節 自動車損害賠償責任保険審議会 第31条(設置) 大蔵省に、自動車損害賠償責任保険審議会(以下「審議会」という。)を置く。 第32条(権限) 審議会は、大蔵大臣の諮問に応じて、責任保険に関する重要事項を調査審議し、及びこれらに関し必要と認める事項を関係大臣に建議する。 第33条(諮問) 大蔵大臣は、第二十八条第一項各号に規定する処分をしようとするときは、審議会にはからなければならない。 第34条(組織) 審議会は、委員十三人をもつて組織する。 第35条(委員) 委員のうち五人は、関係行政機関の職員のうちから、大蔵大臣が任命する。 2 前項の委員以外の委員は、次に掲げる者につき、大蔵大臣が運輸大臣の同意を得て、任命する。 一 学識経験のある者 四人 二 自動車運送に関し深い知識及び経験を有する者 二人 三 保険事業に関し深い知識及び経験を有する者 二人 3 前項の委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。 4 委員は、非常勤とする。 第36条(会長) 審議会に会長を置き、委員の互選によつてこれを定める。 2 会長は、会務を総理する。 第37条(議決方法) 審議会は、委員の過半数の出席がなければ、議事を開き、議決をすることができない。 2 審議会の議事は、出席者の過半数をもつて決する。可否同数のときは、会長の決するところによる。 第38条 削除〔昭五八法七八〕 第39条(省令への委任) この法律に規定するもののほか、審議会に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。 第5節
政府の自動車損害賠償責任再保険事業 |
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| 判例=〔第72条〕に関する判例 |
| 判例〔第72条〕
1 甲・乙両自動車の運行により生じた交通事故につき、被害者が甲自動車の保有者との関係では自動車損害賠償償責任保険から損害の填補を受けることができない場合であっても、乙自動車の保有者の加入している右保険から損害の填補を受けることができるときは、被害者は、政府の行う自動車損害賠償保障事業に対し甲自動車に関する保障金を請求することができない。(最判昭54・12・4民集33―7―723) 2 内縁の配偶者は、本条一項にいう「被害者」にあたる。本条一項により死亡者の相続人に損害を填補すべき場合においてすでに死亡者の内縁の配偶者が同条項により扶養利益の喪失に相当する額の填補を受けているときは、右填補額は、相続人に填補すべき死亡者の逸失利益の額からこれを控除すべきである。(最判平5・4・6民集47―6―4505) |
| ■自動車損害賠償保障法 (第73条〜第91条) |
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第73条(他の法令による給付との調整等) 被害者が、健康保険法(大正十一年法律第七十号)、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)その他政令で定める法令に基いて前条第一項の規定による損害のてん補に相当する給付を受けるべき場合には、政府は、その給付に相当する金額の限度において、同項の規定による損害のてん補をしない。 2 前条第一項後段の場合において、被害者が第三条の規定による損害賠償の責に任ずる者から損害の賠償を受けたときは、政府は、その金額の限度において、前条第一項後段の規定による損害のてん補をしない。 第74条(差押の禁止) 第七十二条第一項の規定による請求権は、差し押えることができない。 第75条(時効) 第十六条第四項若しくは第十七条第四項(これらの規定を第五十四条の五第一項において準用する場合を含む。)又は第七十二条第一項の規定による請求権は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。 第76条(代位等) 政府は、第七十二条第一項の規定による損害のてん補をしたときは、その支払金額の限度において、被害者が損賠償の責任を有する者に対して有する権利を取得する。 2 政府は、保険契約者若しくは被保険者又は共済契約者若しくは被共済者の悪意によつて損害が生じた場合において、保険会社又は組合が第十六条第一項(第五十四条の五第一項において準用する場合を含む。)の規定により被害者に対して損害賠償額の支払をしたときは、その支払金額の限度において、被害者が保険契約者若しくは被保険者又は共済契約者若しくは被共済者に対して有する権利を取得する。 3 政府は、保有者の損害賠償の責任が発生しなかつた場合において、保険会社又は組合が第十七条第一項(第五十四条の五第一項において準用する場合を含む。)の規定により被害者に対して仮渡金の支払をしたときは、被害者に対してその返還を請求することができる。 第77条(業務の委託) 政府は、政令で定めるところにより、第七十二条第一項の規定による業務の一部を保険会社又は組合に委託することができる。 2 保険会社は、保険業法第五条(外国保険事業者に関する法律第十九条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、前項の規定により委託された業務を行うことができる。 3 組合は、農業協同組合法第十条の規定にかかわらず、第一項の規定により委託された業務を行なうことができる。 4 運輸大臣は、第一項の規定による委託をしたときは、委託を受けた保険会社又は組合の名称その他運輸省令で定める事項を告示しなければならない。 第78条(自動車損害賠償保障事業賦課金) 保険会社、組合及び第十条に規定する自動車のうち政令で定めるものを運行の用に供する者は、運輸省令で定めるところにより、政令で定める金額を、自動車損害賠償保障事業賦課金として政府に納付しなければならない。 第79条(過怠金) 政府は、第七十二条第一項後段の規定による損害のてん補をしたときは、損害賠償の責に任ずる者に対して、政令で定める金額を過怠金として徴収することができる。 第80条(徴収金の滞納処分) 第七十八条の自動車損害賠償保障事業賦課金又は前条の過怠金を納付しない者があるときは、運輸大臣は、期限を定めて督促をする。 2 運輸大臣は、前項の規定による督促をするときは、納付義務者に対して督促状を発する。この場合において、督促状により定めるべき期限は、これを発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。 3 第一項の規定による督促は、民法第百五十三条の規定にかかわらず、時効中断の効力を有する。 4 運輸大臣は、第一項の規定による督促を受けた者が、同項の期限までに自動車損害賠償保障事業賦課金又は過怠金を納付しないときは、国税滞納処分の例によつて、これを処分する。 第81条(先取特権の順位) 第七十八条の自動車損害賠償保障事業賦課金及び第七十九条の過怠金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐ。 第82条(自動車損害賠償保障事業に関する費用の繰入) 政府は、第十条に規定する自動車(第七十八条の政令で定めるもの及び道路以外の場所のみにおいて運行の用に供するものを除く。)について、第七十八条の自動車損害賠償保障事業賦課金に相当する金額を、毎会計年度、予算で定めるところにより、国の他の会計から自動車損害賠償責任再保険特別会計に繰り入れるものとする。 2 政府は、この法律に規定する自動車損害賠償保障事業の業務の執行に要する経費の一部を、毎会計年度、予算で定めるところにより、一般会計から自動車損害賠償責任再保険特別会計に繰り入れるものとする。 第6章 雑則 第82条の2(重複契約の場合の免責) 一両の自動車について二以上の責任保険の契約又は責任共済の契約が締結されている場合においては、保険会社又は組合は、これらの契約のうち締結した時が最も早い契約以外の契約については、その締結した時が最も早い契約の保険期間又は共済期間と重複する保険期間又は共済期間において発生した自動車の運行による事故に係る損害のてん補、第十六条第一項(第五十四条の五第一項において準用する場合を含む。)の規定による損害賠償額の支払及び第十七条第一項(第五十四条の五第一項において準用する場合を含む。)の規定による仮渡金の支払(次項において「損害のてん補等」という。)の責めを免れる。 2 前項の場合において、同項の締結した時が最も早い契約が二以上あるときは、保険会社又は組合は、これらの契約のうち一の契約については、当該契約に関し損害のてん補等をすべき金額をこれらの契約の数で除して得た金額をこえる金額について、損害のてん補等の責めを免れる。 3 保険会社又は組合は、第一項の締結した時が最も早い契約以外の契約に関して第十六条第一項(第五十四条の五第一項において準用する場合を含む。)の規定による損害賠償額の支払又は第十七条第一項(第五十四条の五第一項において準用する場合を含む。)の規定による仮渡金の支払(以下この項及び次項において「損害賠償額等の支払」という。)の請求があつた場合において、損害賠償額等の支払として給付をしたときは、保険会社若しくは組合又は被害者が当該請求に係る契約が第一項の締結した時が最も早い契約以外の契約であることを知っていた場合を除き、その給付をした額の限度において、被害者が損害賠償の責任を有する者に対して有する権利を取得するとともに、被害者に対してした給付の返還を請求する権利を失う。 4 前項の規定は、保険会社又は組合が第一項の締結した時が最も早い契約に関し第二項の規定により損害賠償額等の支払について責めを免れるべき金額の支払をした場合について準用する。この場合において、前項中「契約が第一項の締結した時が最も早い契約以外の契約であること」とあるのは「契約の他に第一項の締結した時が最も早い契約があること」と、「その給付をした額」とあるのは「第二項の規定により損害賠償額等の支払について責めを免れるべき金額」と読み替えるものとする。 第83条(業務の管掌) 政府の自動車損害賠償責任再保険事業、自動車損害賠償責任共済保険事業及び自動車損害賠償保障事業の業務は、運輸大臣が管掌する。 第84条(権限の委任) 第十条の二、前章及び第八十五条の規定により運輸大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、地方運輸局長に行わせることができる。 第84条の2(禁止行為等) 何人も、行使の目的をもつて保険標章、保険除外標章若しくは共済標章を偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造に係るこれらの物件を使用してはならない。 2 何人も、行使の目的をもつて保険標章、保険除外標章若しくは共済標章に紛らわしい外観を有する物件を製造し、又はこれらの物件を使用してはならない。 3 何人も、この法律の規定による場合その他正当な理由がある場合を除き、保険標章又は共済標章を他人に交付してはならない。 4 保険標章又は共済標章の適正な交付の確保に関し保険会社又は組合の遵守すべき事項は、運輸省令で定める。 第85条(証明書の提示) 運輸大臣は、第一条の目的を達成するため必要があると認めるときは、その職員に、道路その他自動車の所在する場所において、自動車を運転する者に対し、自動車損害賠償責任保険証明書又は自動車損害賠償責任共済証明書の提示を求めさせることができる。 2 前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。 第85条の2(政令への委任) この法律に規定するもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。 第86条(運輸大臣の任務) 運輸大臣は、この法律に規定する職権の行使にあたつては、被害者の保護に欠けることがないように努めなければならない。 第7章 罰則 第86条の2 第八十四条の二第一項の規定に違反した者は、三年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 第86条の3 第八十四条の二第二項又は第三項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。 第87条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。 一 第五条の規定に違反した者 二 偽りその他不正の手段により、自動車損害賠償責任保険証明書若しくは、自動車損害賠償責任共済証明書又は保険標章、保険除外標章若しくは共済標章の交付又は再交付を受けた者 第88条 第八条又は第九条の三第一項若しくは第二項(第十条の二第四項及び第五十四条の八第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者は、三万円以下の罰金に処する。 第89条 次の各号の一に該当する者は、一万円以下の罰金に処する。 一 第九条の三第三項(第五十四条の八第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者 二 第八十四条の二第四項の規定に基づく運輸省令の規定に違反した者 三 第八十五条第一項の規定による提示を拒み、又は妨げた者 第90条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、第八十七条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 第91条 保険会社が第二十四条の規定に違反したときは、保険会社の取締役(外国保険事業者に関する法律に規定する外国保険事業者にあつては、その日本における代表者。次項において同じ。)は、三十万円以下の過料に処する。 2 保険会社又は損害保険料率算出団体が第二十七条の命令に違反したときは、保険会社の取締役又は損害保険料率算出団体の理事は、三十万円以下の過料に処する。 3 組合が第五十四条の五第一項において準用する第二十四条の規定に違反したときは、組合の理事は、三十万円以下の過料に処する。 附 則 (施行期日) 1 この法律の施行期日は、公布の日から起算して八箇月をこえない範囲内において政令で定める日とする。 (一般会計からの繰入れの特例) 2 第五十条(第五十六条第一項において準用する場合を含む。)及び第八十二条第二項の規定は、当分の間、適用しない。 3 前項の場合においては、自動車損害賠償責任再保険特別会計法(昭和三十年法律第百三十四号)第四条第一項中「保障勘定への繰入金」とあるのは「保障勘定への繰入金、法の規定による自動車損害賠償責任再保険事業及び自動車損害賠償責任共済保険事業の業務の取扱いに関する諸費に充てるための業務勘定への繰入金」と、同法第六条中「法第五十条(法第五十六条第一項において準用する場合を含む。)及び法第八十二条第二項の規定による一般会計からの繰入金、保障勘定からの繰入金及び附属雑収入」とあるのは「保険勘定及び保障勘定からの繰入金並びに附属雑収入」とする。 4 から11まで 〔省略〕 附 則〔抄〕(平成六年七月四日・法律第八六号) (施行期日) 第1条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 〔後略〕 |
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