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判例集(最近の交通事故判例&ニュース)
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金融庁 自動車損害賠償責任保険審議会(答申・報告・議事録・資料等
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交通事故裁判例集(自賠法判例・不法行為法判例・その他)
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ニュース及び最近の損害賠償に関する判例の掲載順は下から、新しい順は上からです!
 以下は最近の交通事件(刑事・民亊)に関するニュースです。
「交通事故では健康保険は使えない」という病院の嘘に対抗するための知識について詳述しました。
供述調書を国が開示/不起訴事故で捜査違法性問われ(大阪地裁)
平成14年6月1日施行の改正道路交通法の内容
自賠法一部改正情報=自賠責保険後遺障害保険金支払金額の改定平成14年4月1日施行
改正自動車損害賠償保障法(最終改正:平成一四年五月二九日法律第四五号)
自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払の適正化のための措置に関する命令
自動車損害賠償保障法施行令 第二条別表第一及び別表第二←→改正後の別表第二はこちらかです。
平成13年12月25日「危険運転致傷罪(刑法第208条の2)が施行される。
<自賠責保険改革>被害者救済充実へ改正案可決 参院本会議(毎日新聞)
<交通事故>日本損害保険協会が「交通事故多発日」をホームページで紹介
<自賠責保険>被害者に配慮した運用を 交通事故被害者団体(毎日新聞)
<トラック>90キロ以上出せない速度抑制装置装着を義務付けへ
弁護士が交通事故被害者の賠償金を横領着服(松山)
警部補、供述調書改ざん(広島県警)
「加害者の量刑軽すぎる」被害者遺族らが法務省に署名簿
「目前で息子事故死」PTSDに 母が損害賠償請求提訴PTSDに関する判例
 
 以下は最近の損害賠償請求に関する判例です。
交通事故と医療事故とが順次競合した共同不法行為において,各不法行為者が負うべき損害額を被害者の被った損害額の一部に限定することは許されないとした判決
<逸失利益>男女格差は差別 交通事故死の賠償訴訟で 東京地裁
不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろう遺族厚生年金は同人の右不法行為による損害としての逸失利益に当たらないとする最高裁判例←(新判例ではありません)
不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろういわゆる軍人恩給としての扶助料は、同人の右不法行為による損害としての逸失利益に当たらないとする判例←(同上)
「自賠責保険金、遅延損害金請求を容認」←(新判例ではありません)
 
 以下は自賠法・不法行為法の判例です。
自賠法判例=法第2条に関する判例
自賠法判例=法第3条に関する判例運行供用者認定基準 運行供用者とされたもの
自賠法判例=法第3条に関する判例運行供用者認定基準 運行供用者とされなかったもの
自賠法判例=法第3条に関する判例他人か否かについての判例
自賠法判例=法第3条に関する判例「運行によって」の判断及び「免責事由」
自賠法判例=法第72条に関する判例
不法行為法(民法709条〜724条関係の判例
 
 以下は自賠法・不法行為法の条文です。
自動車損害賠償保障法 第1条〜第3条
自動車損害賠償保障法 第4条〜第72条
自動車損害賠償保障法 第73条〜第91条
自動車損害賠償保障法施行令
後遺障害の併合(繰り上げ等級についての規定)
後遺障害等級併合繰上早見表
 
業務関連法令集リンク集・関連サイトリンク集
 
交通事故処理業務・交通事故保険請求・損害算定等相談はこちらです。

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供述調書を国が開示/不起訴事故で捜査違法性問われ(大阪地裁)
毎日新聞 平成1498日より転載
 交通事故で長男を亡くした大阪府美原町議、池田貢さん(53)夫婦が「民事訴訟で検察官調書などが開示されず、事故の真相を知る権利を奪われた」と、国などに慰謝料などを求めた裁判で、国が大阪地裁に関係者の供述調書を証拠として提出したことが分かった。「被害者の知る権利」拡大につながる動きとして注目される。
関連サイト→http://www.higaishasien.com/
 

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弁護士が交通事故被害者の賠償金を横領着服/松山
毎日新聞 平成13年3月6日より転載
200136日(火) 2310分 示談金着服の元弁護士を逮捕 松山地検は6日、愛媛県今治市、元弁護士、土山幸三郎容疑者(66)を業務上横領容疑で逮捕した。土山容疑者は97年12月、交通事故で死亡した男性(当時64歳)の遺族から示談交渉と債務処理を依頼され、98年8月、加害者側と示談が成立。賠償金1724万円のうち約1543万円を依頼者に知らせず着服した疑い。

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警部補、供述調書改ざん/広島県警
中国新聞 平成12年11月30日より 転載
 広島県警海田署交通課係長の警部補(47)が、二月に起きた交通事故の処理をめぐり、事故当事者の供述調書を勝手に改ざんしていたことが分かり、県警は二十九日、警部補を虚偽有印公文書作成、同行使の疑いで書類送検するとともに、減給百分の十、一カ月、同署署長ら上司三人を本部長注意などにする同日付の処分を発表した。    

 調べでは、事故は二月十六日午前、海田町南堀川町の国道2号交差点で発生。広島市西区内の男性運転手(32)の大型トラックが、右折してきた安芸区内の男性運転手(34)のトラックと衝突。トラックの運転手が腰などに二十五日間のけがをした。    

 警部補は七月十三日、「交差点に入る前は黄信号だった」という西区内の運転手が署名・押印した供述調書の内容では、実況見分と矛盾し、右折専用信号に従って進行したトラックと衝突しないと考え、「赤信号を認識したまま交差点に進入した」と、都合のいいように五カ所を訂正。自分の訂正印を押すなどして改ざんした。実況見分調書も、供述調書と合致するように「赤信号を見て進行」と虚偽の記述をした疑い。    

 十月中旬、業務上過失傷害の疑いで書類送検された大型トラックの運転手を事情聴取した広島区検が「調書に虚偽の内容がある」と県警側に指摘、発覚した。    

 警部補は「未決の事故処理がたまり、処理を急いだ」と話している、という。    警部補を除く処分は次の通り。    

 本部長注意 海田署長、警務部警務課管理官(前海田署次長)▽ 本部長訓戒 同署交通課長    

 ■虚偽作成 誠に遺憾    皆水賢県警首席監察官の話    供述調書などの虚偽作成は、誠に遺憾。担当者の指導・教養の徹底と捜査の負担軽減などの対策を進め、同種事案をなくしたい。    

 ■上司のチェック 機能せず    海田署交通課係長の警部補による供述調書などの偽造で、今年に表面化した広島県警の不祥事は、計八件になった。交通事故の供述調書の偽造は、福山西署に続いて二件目。事故の急増で、処理に追われる一線の警察官の事情はあるが、上司のチェックが十分機能していなかったといえる。    

 福山西署のケースは、巡査部長が入院中の当事者を調べず、家族の話に沿って調書を作成。

 今回は実況見分に合うよう、都合のいい内容に改ざん。動機は「未決事件を、ためたくなかった」と共通する。    

 「調書の偽造は、捜査の根幹を覆す恐れがあるだけに、あってはならない」。

 県警交通部の幹部は、厳しく戒めるが、一警察官の問題だけでは済まされない。    

 供述調書などの書類は通常、検察側に送るまで係長、課長、次長、署長と四段階のチェックを受ける。今回、書類送検された警部補は係長。その後に三回のチェックの機会があった。    

 福山西署の時は、当事者間の民事訴訟で、今回は広島区検での調べで表面化したが、裁判や刑事処分に影響する恐れもあった。    

 広島県内の昨年の人身事故は一万九千四百七十五件で、前年より七百九十五件増えた。事故捜査係一人当たりの処理件数は百九件で、常時十数件を抱えているのも珍しくない、という。    

 急増する事故処理は、あくまで遠因。指導・管理の徹底に加え、組織上の問題点を早急に点検する必要がある。

 
不法行為法(民法709条〜724条関係の判例
自動車損害賠償保障法&判例】【自賠法施行令

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「加害者の量刑軽すぎる」被害者遺族らが法務省に署名簿
ASAHI COM 平成121125日より転載

 飲酒運転など悪質な交通犯罪で子どもを失った親たちが24日、「加害者の量刑が軽すぎる」と訴えて、「懲役5年以下」となっている業務上過失致死罪の法定刑引き上げなどを求める16万人余の署名を法務省に提出した。10人余の遺族らと大臣室で面会した保岡興治法相は「政治家として見直しに可能な限り前向きに対応したい」と話したという。

 提出したのは、無免許で飲酒運転の乗用車による事故で長男を失った鈴木共子さん(51)や、東名高速道路で泥酔したトラックに追突されて3歳と1歳の姉妹を亡くした井上保孝さん(50)、郁美さん(32)夫妻ら。6月ごろから知人や友人を通じて集めた署名を平和をイメージした緑色の布に包み、東京・霞が関の官庁街を行進して法務省に向かった。

 「立法や司法に携わる人には、おかしいと感じている人がこんなに多いという現実を受け止めてほしい」。そう語る鈴木さんは面会で、同罪の法定刑が「懲役5年以下」であることへの不満を法相に訴えた。  

 井上郁美さんは「改正には時間がかかるかも知れないが、変わるまで何度でも来る」と法相に迫った。姉妹の命日にあたる28日には、署名運動の経過なども盛り込んだ手記「永遠のメモリー――天国のかなちゃん ちかちゃん 今日も大きな声で唄(うた)ってますか」(河出書房新社)を出版する。  

 弁護士でもある保岡法相は、署名が入った9つの袋を遺族からひとつずつ受け取った。遺族の話を聞きながら「(刑法改正より)道路交通法改正のほうが現実的ではないか。法律は時代のニーズに合わせて変わっていかないといけない」と話したという。(00:25)

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判例 平成一二年一一月一四日 第三小法廷判決 平成一一年(受)第二五七号 損害賠償請求事件

要旨:
 不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろう遺族厚生年金は、同人の右不法行為による損害としての逸失利益に当たらない

内容:

件名

 損害賠償請求事件(最高裁判所平成一一年(受)第二五七号平成一二年一一月一四日第三小法廷判決、棄却)

原審 広島高等裁判所(平成一〇年(ネ)第八三号)

主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人らの負担とする。

理    由

 上告代理人足立修一の上告受理申立て理由第一点について

 本件は、交通事故により死亡した被害者の相続人である上告人らが、被害者は厚生年金保険法による遺族厚生年金及び市議会議員共済会の共済給付金としての遺族年金を受給していたから、被害者が生存していればその平均余命期間に受給することができた右各年金の現在額が被害者の逸失利益に当たるとして、被上告人らに対しその賠償等を求める事件である。

 遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者又は被保険者であった者が死亡した場合に、その遺族のうち一定の者に支給される(厚生年金保険法五八条以下)ものであるところ、その受給権者が被保険者又は被保険者であった者の死亡当時その者によって生計を維持した者に限られており、妻以外の受給権者については一定の年齢や障害の状態にあることなどが必要とされていること、受給権者の婚姻、養子縁組といった一般的に生活状況の変更を生ずることが予想される事由の発生により受給権が消滅するとされていることなどからすると、これは、専ら受給権者自身の生計の維持を目的とした給付という性格を有するものと解される。

 また、右年金は、受給権者自身が保険料を拠出しておらず、給付と保険料とのけん連性が間接的であるところからして、社会保障的性格の強い給付ということができる。加えて、右年金は、受給権者の婚姻、養子縁組など本人の意思により決定し得る事由により受給権が消滅するとされていて、その存続が必ずしも確実なものということもできない。

 これらの点にかんがみると、遺族厚生年金は、受給権者自身の生存中その生活を安定させる必要を考慮して支給するものであるから、他人の不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろう右年金は、右不法行為による損害としての逸失利益には当たらないと解するのが相当である。

 また、市議会議員共済会の共済給付金としての遺族年金は、市議会議員又は市議会議員であった者が死亡した場合に、その遺族のうち一定の者に支給される(地方公務員等共済組合法一六三条以下、市議会議員共済会定款二五条以下)ものであるが、受給権者の範囲、失権事由等の定めにおいて、遺族厚生年金と類似しており、受給権者自身は掛金及び特別掛金を拠出していないことからすると、遺族厚生年金とその目的、性格を同じくするものと解される。したがって、遺族厚生年金について述べた理は、共済給付金たる遺族年金においても異なるところはない。

 以上と同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。したがって、原判決に所論の違法はなく、原審の右判断は、所論引用の判例に抵触するものではない。論旨は採用することができない。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 千種秀夫 裁判官 元原利文 裁判官 金谷利廣 裁判官 奥田昌道)

 
不法行為法(民法709条〜724条関係の判例
自動車損害賠償保障法&判例】【自賠法施行令

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判例 平成一二年一一月一四日 第三小法廷判決 平成一一年(受)第一三九〇号 損害賠償請求事件

要旨:
 不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろういわゆる軍人恩給としての扶助料は、同人の右不法行為による損害としての逸失利益に当たらない

内容:
件名

 損害賠償請求事件(最高裁判所平成一一年(受)第一三九〇号平成一二年一一月一四日第三小法廷判決、一部破棄自判、一部棄却)

原審高松高等裁判所(平成一一年(ネ)第五〇号)

主    文
 一 原判決主文第一項を次のとおり変更する。
 第一審判決を次のとおり変更する。
 1 上告人は、被上告人らに対し、各一八九〇万六二四五円及びこれに対する平成九年五月一二日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
 2 被上告人らのその余の請求をいずれも棄却する。
 二 訴訟の総費用は、これを三分し、その二を上告人の、その余を被上告人らの負担とする。

理    由

 上告代理人中田祐児、同島尾大次の上告受理申立て理由について

 一 本件は、交通事故により死亡した被害者の相続人である被上告人らが、被害者は恩給法の一部を改正する法律(昭和二八年法律第一五五号)附則一〇条に基づくいわゆる軍人恩給としての扶助料(以下「扶助料」という。)及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法(以下「支給法」という。)に基づく特別給付金(以下「特別給付金」という。)を受給していたから、被害者が生存していればその平均余命期間に受給することができた右扶助料等が被害者の逸失利益に当たるとして、自動車損害賠償保障法三条に基づき、上告人に対して、右逸失利益及びその他の損害につき賠償を求める事件である。
 

二 原審の適法に確定した事実関係の概要は、次のとおりである。
 1 上告人は、平成九年五月一二日、自動二輪車を運転中、バランスを崩して転倒し、同車を滑走させて堀ユリ子(以下「亡ユリ子」という。)にこれを衝突させた。亡ユリ子は、跳ね飛ばされて道路脇の用水路に転落し、同日、右肺損傷、右血気胸により死亡した。

2 亡ユリ子は大正九年九月一〇日生まれであり(本件事故時七六歳)、同人の夫貫一は第二次大戦に出征して戦死した。被上告人らは、亡ユリ子の子で同人の相続人である。

3 亡ユリ子は、本件事故当時、貫一の遺族として扶助料(公務扶助料)年額一九〇万八八〇〇円の支給を受けていた。

4 また、亡ユリ子は、特別給付金として、平成五年一一月一日発行に係る額面一八〇万円の国債(平成一五年一〇月三一日までに、額面金額を均等償還二〇回払の方法で、九万円ずつ毎年四月三〇日及び一〇月三一日に償還されるもの)の交付を受けた。

5 本件事故によって、亡ユリ子に生じた損害は、扶助料と特別給付金に係るものを除き、(一)家事労働分の逸失利益として九五〇万七五一八円、(二)得べかりし通算老齢年金として二七〇万四九七三円、(三)慰謝料として二〇〇〇万円、(四)葬儀関係費用として一二〇万円の合計三三四一万二四九一円である。

6 被上告人らは、弁護士費用相当額として各二二〇万円の損害を被った。
 三 原審は、右事実関係の下において、次のとおり判断して、亡ユリ子が平均余命期間中に受給することのできた扶助料及び特別給付金は同人の逸失利益に当たるとして、その現在額として扶助料については一一四三万三三五八円、特別給付金については三〇万七三〇〇円を同人の損害額とした。
 1 亡ユリ子は、本件事故当時七六歳であり、本件事故により、平均余命期間中に受給することができた扶助料を失った。

2 亡ユリ子は、死亡しなければ、特別給付金として平成一六年一一月一日に交付されるはずの国債(額面一八〇万円)の交付を受けることができた。右国債の交付を受けた場合には、平均余命の満了時である平成二一年まで、一年間に一八万円ずつ合計九〇万円の償還を受けることができたはずであり、本件事故によりこれを受けることができなくなった。

四 しかしながら、原審の右判断は是認することができない。その理由は次のとおりである。
 1 恩給法の一部を改正する法律(昭和二八年法律第一五五号)附則一〇条に基づく扶助料は、旧軍人又は旧準軍人が死亡した場合に、その遺族のうち一定の者に支給されるものであるところ、成人の子については重度障害の状態にあって生活資料を得る途がないことが必要とされていること、受給権者の婚姻、養子縁組といった一般的に生活状況の変更を生ずることが予想される事由の発生により受給権が消滅するとされていることなどからすると、専ら受給権者自身の生計の維持を目的とした給付という性格を有するものと解される。また、扶助料は、全額国庫負担であり、社会保障的性格の強い給付ということができる。加えて、扶助料は、受給権者の婚姻、養子縁組など本人の意思により決定し得る事由により受給権が消滅するとされていて、その存続が必ずしも確実なものということもできない。これらの点にかんがみると、扶助料は、受給権者自身の生存中その生活を安定させる必要を考慮して支給するものであるから、他人の不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろう扶助料は、右不法行為による損害としての逸失利益には当たらないと解するのが相当である。これと異なり、扶助料を逸失利益と認めた原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法がある。

2 特別給付金は、公務上の傷病又は勤務関連傷病により死亡した軍人軍属等の妻であって、公務扶助料等の遺族給付を受ける権利を有する者に対し、昭和三八年に二〇万円、昭和四八年に六〇万円、昭和五八年に一二〇万円、平成五年に一八〇万円の特別給付金が、それぞれ一〇年以内に償還すべき国債を交付する方法によって支給されたものである(支給法二条以下)。しかし、それ以降の特別給付金の支給について支給法は何らの規定も置いていないのであって、戦没者等の妻に対する援護措置の改善を図るために改めて新たに特別給付金を支給する旨の法改正が行われない限り、平成五年に特別給付金の支給を受けた者であっても、当然に新たな特別給付金の支給を受ける権利を有するものではない。これと異なり、亡ユリ子が平成一六年一一月に特別給付金の支給を受ける権利を有することを前提に逸失利益を肯定した原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法がある。

3 以上説示したところによれば、本件事故により生じた亡ユリ子の損害は、原審が二5で認定した合計三三四一万二四九一円であり、被上告人らは、右同額の損害賠償請求権を法定相続分二分の一の割合に従って取得したものである(各一六七〇万六二四五円。円未満切捨て。)。被上告人らの請求は、これに原審が二6で認定した弁護士費用各二二〇万円を加算した各一八九〇万六二四五円及びこれに対する不法行為の日である平成九年五月一二日から各支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余は失当として棄却すべきものである。したがって、前記原審の判断の各違法は原判決に影響を及ぼすことが明らかである。論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり、原判決は破棄を免れず、第一審判決は、右説示に従い変更されるべきであるから、原判決主文第一項を本判決主文第一項のとおり変更することとする。

 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 奥田昌道 裁判官 千種秀夫 裁判官 元原利文 裁判官 金谷利廣)

 
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「目前で息子事故死」PTSDに 母が損害賠償請求提訴
【交通事故関連情報=巻き起こる議論、揺れる学説=今後、精神科医等の積極的なる診断により更なる損害賠償範囲の拡大になり得るか?】その他のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に関する判例
 阪神大震災を契機とする発症事例紹介の影響を受けてから交通事故による損害賠償とその因果関係論においても盛んに議論されるようになったのが『心的外傷後ストレス障害(PTSD)』だ。

                                         根角香織

 「目前で息子事故死」PTSDに 母が損害賠償請求提訴=ASAHI COM 平成12年11月2日 転載

 「目の前で起きた交通事故で一人息子を亡くし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症して、1人で日常生活を送れないなどの後遺症が出た」として、大阪府堺市に住む松本良美さん(36)が事故を起こした南海バスを運行する南海電鉄と運転手を相手に約5500万円の賠償を求める訴訟を2日、大阪地裁に起こした。

 PTSDが原因と主張する同種の訴えは増える傾向にある。これまでの訴訟では、医師の診断があっても、判決では死の恐怖やそれに近い目撃があるかなどの点で厳密な認定をして結果が分かれており、医学者と法律家の協力による指標づくりの必要性が指摘されている。

 訴状などによると、1998年1月、堺市内の府道交差点で、自転車に乗った長男祐人(ゆうと)ちゃん(当時6つ)が青信号で横断中、右折しようとしたバスにひかれて死亡した。別の自転車で先に横断した松本さんは事故を目撃。原告側は「事故が原因で昨年5月と今年8月にPTSDだと診断された」として、南海電鉄側に賠償責任があると主張している。

 松本さんは事故直後から、気がつくと事故現場に行っていたり、事故の記憶が突然よみがえるフラッシュバックを起こしてパニックに陥ったりする状態が続くようになったという。後遺症で軽い労働しかできなくなり、現在の状況については「事故後に夫と離婚したうえ、1人で外出することが難しくなったため、近くに住む妹夫婦が身の回りの世話をしている」としている。

 祐人ちゃんの死亡による損害については示談が成立しており、今回は松本さんのPTSDを理由に提訴した。業務上過失致死罪に問われたバスの運転手に対しては、禁固1年6カ月執行猶予5年の有罪判決が確定している。

 交通事故の被害者や遺族がPTSDを理由に損害賠償を求めた訴訟では、98年6月の横浜地裁判決や昨年2月の大阪地裁判決が原告の主張を認めた。しかし、その後、宮崎地裁や大阪地裁でPTSDを理由とする請求を退ける判決が続いている。

 2日に東京大で開催の日本職業・災害医学学会で「裁判におけるPTSD」を発表した杉田雅彦弁護士(静岡県弁護士会)は「PTSDの原因として『死の恐怖感かそれに近い目撃経験』が必要とする見解がある一方で、安易にPTSDと診断する例もあるなど、精神科医の間でも混乱がある。

PTSDを認める場合も労働能力喪失期間についてのばらつきが大きすぎる」と指摘する。

 最近では民事訴訟だけでなく、刑事裁判でもPTSDを与えたことで傷害罪に問われる例が出てきており、杉田弁護士は「診断基準があいまいだと不当な結論となることもあり、指標の整備が急がれる」と話している。

その他のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に関する判例
不法行為法(民法709条〜724条関係の判例
自動車損害賠償保障法&判例】【自賠法施行令

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「自賠責保険金、遅延損害金請求を容認」

 最高裁第3小法廷(金谷利広裁判長)は昨年10月26日、自動車同士の衝突により死亡した被害者(男性・62歳)の配偶者・子らからの加害者に対する損害賠償請求訴訟において、2審判決の遅延損害金につき、1審判決を含め変更した。  

 自賠責保険で支払われた保険金相当額に対する事故発生日から保険金支払日までの遅延損害金請求の可否を争点に、最高裁は原審の「実務の慣行と公平の見地に照らすと、自賠責保険の担当者において、故意に支払を遅延させたなどの特別な事情がない限り、被害者において、右保険金によって填補された損害に対する事故日から右支払日までの遅延損害金を請求することはできないと解するのが相当」とする判断を斥け、「遅延損害金はすでに発生しているのであるから、右遅延損害金の請求が制限される理由はない」として請求を容認する判断を示した。

 原審は、大阪高裁平成10年(ネ)第599号・平成10年7月14日判決、1審は神戸地裁姫路支部平成9年(ワ)431号・平成10年1月29日判決。

   ---------- 上告審 ----------

平成10年(受)第341号
平成11年10月26日最高裁判所第3小法廷判決

右当事者間の大阪高等裁判所平成一○年(ネ)第五九九号損害賠償請求事件について、同裁判所が平成一○年七月四日に言い渡した判決に対し、上告人から上告があった。よって、当裁判所は次のとおり判決する。


         【主 文】

一 原判決を次のとおり変更する。
  第一審判決を次のとおり変更する。

1.被上告人Yらは、各自、上告人Xに対し、一一六九万六三五五円及びうち一一二七万二六五九円に対する平成八年五月二五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

2.被上告人Yらは、各自、上告人X1、同X2及び同X3に対し、各三八六万五四五一円及びうち三七二万四二一九円に対する平成八年五月二五日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

3.上告人Xらのその余の請求をいずれも棄却する。

二 訴訟の総費用はこれを一○分し、その一を上告人Xらの、その余を被上告人Yらの負担とする。


          【理 由】

 上告代理人の上告受理申立て理由について

一 本件は、自動車同士の衝突事故により死亡したAの妻である上告人X1、並びに子である同X2、同X3及X4が、加害車両の運行供用者である被上告 人Y1に対しては自動車損害賠償保障法三条に基づいて、加害車両の運転者である同Y2に対しては民法七○九条に基づいて、各自の法定相続分に従って次の損害金の支払を求めるものである。

1.損害合計四七七八万○六六○円(うち弁護士費用一九○万円)から自動車損害賠償保障法に基づき支払われた保険金二三二五万五五○○円を控除した残額二四五二万五一六○円及ぴこれに対する本件事故発生日である平成八年五月二五日から支払済みまでの民法所定の年五分の割合による遅延損害金。

2.右保険金に相当する損害額に対する本件事故発生日である平成八年五月二五日から右保険金の支払日である平成九年二月一四日までの民法所定の年五分の割合による遅延損害金八四万七三九二円(円未満切り捨て)。

二 原審は、被上告人Yらの損害賠償義務を認め、一の1の請求については、損害合計四五七○万○八一六円(うち弁護士費用一九○万円)から右保険金二三二五万五五○○円を控除した残額二二四四万五三一六円と、これに対する本件事故の発生日である平成八年五月二五日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を命ずる限度で認容すべきものとしたが(ただし、上告人X1の損害金元本は、弁護士費用一○○万円を含む合計一一二七万二六五九円、その余の上告人Xらの損害金元本は、いずれも弁護士費用三○万円を合む三七二万四二一九円である)、2の請求については、自動車損害賠償保障法に基づく保険金の支払いによって損害がてん補された場合には、その支払日までの分に対する遅延損害金を考慮しないとする取扱いが実務一般の慣行として是認されており、右実務の慣行と公平の見地に照らすと、自賠責保険の担当者において、故意に支払いを遅延させたなどの特別な事情がない限り、被害者において、右保険金によっててん補された損害に対する事散日から右支払日までの遅延損害金を請求することはできないと解するのが相当であると判示して、これを棄却すべきものとした。

三 しかしながら、一の2の請求に関する原審の右判断は、是認することができない。その理由は、次のとおりである。

 不法行為に基づく損害賠償債務は、損害の発生と同時に、何らの催告を要することなく、遅滞に陥るものであって(最高裁昭和三四年(オ)第一一七号同三七年九月四日第三小法廷判決・民集、六巻九号一八三四頁)後に自動車損害賠償保障法に基づく保険金の支払によって元本債務に相当する損害がてん補されたとしても、右てん補に係る損害金の支払債務に対する損害発生日である事故の日から右支払日までの遅延損害金は既に発生しているのであるから、右遅延損害金の請求か制限される埋由はない。

  したがって、本件においては、自動車損害賠償保障法に基づき支払われた保険金に相当する損害額に対する本件事散の発生日から右保険金の支払日までの遅延損害金請求は認容されるべきであって、これを棄却すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。この点をいう論旨は理由があり、原判決は右部分につき破棄を免れず、一の2の請求は、これを認容すべきである。

  そうすると、上告人Xらの請求は、原審が認容したところに加えて、右保険金に租当する損害額に対する本件事故の発生日である平成八年五月二五日から右支払日である平成九年二月一四日までの民法所定の年五分の割合による遅延損害金八四万七三九二円(円未満切り捨て)の支払を求める限度で認容し、その余は棄却すべきであるから、上告人X1については原審認容額に四二万三六九六円を、その余の上告人Xらについては原審認容額に一四万一二三二円をそれぞれ加算して、原判決を主文第一項のとおり変更するのが相当である。
  よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

  (最高裁判所第三小法廷 裁判長裁判宮 金谷利廣 裁判官 千種秀夫 裁判官 元原利文 裁判宮 奥田昌道)

 
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【 更新日=2005/01/14 金曜日
 
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