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| 最終掲載日時:2004年02月09日 |
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| <解説は筆者が主催する交通事故業務ネット講座【 00069】&【000070】からの抜粋です。> |
| 第三者行為による損害賠償と社会保険給付の種類と給付の範囲・内容 |
| <ネット講座【 00069】2003年6月18日分より抜粋> |
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| ネット講座【
00069】 8.第三者行為による損害賠償と社会保険給付 (1)交通事故等、第三者行為により負傷した場合でも社会保険の給付対象とされることの理由について 交通事故により負傷した場合、それが第三者の行為による場合でも社会保険の給付事由とされるが(注1)、その理由は、第三者に賠償能力がない場合は、被保険者は十分な治療が受けられないなど不測の事態を招くことになり、このような事態を避けるため、第三者行為により被保険者が負傷した場合でも、社会保険の給付事由が発生したものとして取り扱い、被害者を救済しようというのが社会保障的機能を有する社会保険の目的とされているからである。 (注1)自動車事故について「健康保険及び国民健康保険の自動車損害賠償責任保険等に対する求償事務の取扱いについて」と題する旧厚生省の通達(昭和43.10.12保険発第106号)があり、通達の内容は「最近、自動車による保険事故については、保険給付(健康保険にによる医療給付等)が行われないとの誤解が被保険者等の一部にあるようであるが、いうまでもなく、自動車による保険事故も一般の保険事故と何ら変わりがなく、保険給付の対象となるものであるので、この点について誤解のないように住民、医療機関等に周知を図るとともに、保険者が被保険者に対して十分理解させるよう指導されたい。(注2)」と第三者行為の一つである交通事故についても一般の保険事故と同様保険給付の対象となることが明示されている。 (注2)国民健康保険事務提要(ぎょうせい発行 967頁) 【参考資料】 (損害保険料率算出機構14年度版『自動車保険の概況』平成15年4月発行より) 【平成13年度の社会保険の利用状況】 平成13年度の社会保険の利用状況は10.4%にとどまり、自動車事故の治療は、健康保険などの社会保険を利用できるにもかかわらず、その利用率は年々減少する傾向が見られる。 【平成13年度の自賠責保険金の請求件数】 自賠責保険の支払保険金の請求事案数は136万件(前年度比3.4%増加)、損害調査の所要日数は、自賠責調査事務所の受け付けから30日以内に調査を完了した事案が傷害事故では全体の98%(125万件)、死亡事故では同67%(7500件)となっている。 【平成13年度の自賠責保険への医療費請求件数及び増加比率】 医療費中の自賠責保険に対して請求された総診療費・総請求件数の推移を平成9年度を100とする指数は平成13年度は105.0、114.8となり、総診療費・総請求件数ともに増加している。 【平成13年度の自動車事故における受傷部位別比率】 自動車事故により受傷した身体を部位別に見ると、平成13年度は頚部31.8%と最も高い割合を示し、下肢が16.1%、上肢が15.2%、腰背部が14.5%と続いている。 【平成13年度における平均診療機関】 請求1件当たりの平均診療期間(初診から終診)は51.3日、診療実日数(診療期間中に実際に診療を受けた日数)は16.9日、入院率(総請求件数に対する入院件数の割合)は10.2%といずれも減少傾向が続いている。診療期間別の構成比は、30日以内が44.4%と最も多く、60日以内では60.4%となっている。 (2)各種給付制度のある社会保険の種類 各種給付制度が設けられている社会保険による給付の種類としては、次のとおりです。 @ 労災保険 労働災害補償保険法による各種給付 国家公務員等災害補償法による各種給付 地方公務員等災害補償法による各種給付 A 医療保険 健康保険による各種給付 国民健康保険による各種給付 船員保険による各種給付 日雇労働者健康保険による各種給付 国家公務員共済組合法による各種給付 地方公務員等共済組合による各種給付 B 雇用保険 雇用保険法による各種給付 C 年金保険 厚生年金保険法による各種給付 国民年金法による各種給付 船員保険法による各種給付 国家公務員共済組合法による各種給付 地方公務員通勤災害共済組合法による各種給付 D 介護保険 介護保険法による各種給付 (3)第三者行為における調整(控除・求償)制度 社会保険の被保険者が第三者行為によって負傷又は死亡した場合、保険者が行う保険給付については被保険者が第三者から既に賠償を受けている場合においては、第三者の損害賠償と保険給付請求が競合する時には、その重複する価額(二重に利得する額)につき控除して保険給付を行い、もしくは、保険給付後において、保険者が、被保険者が第三者に対して有する損害賠償請求権を行使すること、すなわち、保険者が第三者に対して求償すること、を調整といいますが、これらは各社会保険諸法により制度として定められています。 調整について社会保険諸法で定めているところの根拠条文は下記のとおりです。 【健康保険】 健康保険法第五十七条 保険者は、給付事由が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を行ったときは、その給付の価額(当該保険給付が療養の給付であるときは、当該療養の給付に要する費用の額から当該療養の給付に関し被保険者が負担しなければならない一部負担金に相当する額を控除した額。次条第一項において同じ。)の限度において、保険給付を受ける権利を有する者(当該給付事由が被保険者の被扶養者について生じた場合には、当該被扶養者を含む。次項において同じ。)が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。 2 前項の場合において、保険給付を受ける権利を有する者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、保険者は、その価額の限度において、保険給付を行う責めを免れる。 【日雇労働者健康保険】 (準用=日雇特例被保険者に対する給付規定の準用) 健康保険法第百四十九条 次の表の上欄に掲げる規定は、それぞれ同表の下欄に掲げる日雇特例被保険者に係る事項について準用する。 第五十六条から第六十二条まで 保険給付 以下省略 【国民健康保険】 国民健康保険法第六十四条 保険者は、給付事由が第三者の行為によつて生じた場合において、保険給付を行つたときは、その給付の価額(当該保険給付が療養の給付であるときは、当該療養の給付に要する費用の額から当該療養の給付に関し被保険者が負担しなければならない一部負担金に相当する額を控除した額とする。次条第一項において同じ。)の限度において、被保険者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。 2 前項の場合において、保険給付を受けるべき者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、保険者は、その価額の限度において、保険給付を行う責を免かれる。 【船員保険】 船員保険法第二十五条 政府ハ事故ガ第三者ノ行為ニ因リテ生ジタル場合ニ於テ保険給付ヲ為シタルトキハ其ノ給付ノ価額ノ限度ニ於テ保険給付ヲ受クル権利ヲ有スル者(当該事故ガ被保険者ノ被扶養者ニ付生ジタル場合ニ於テハ当該被扶養者ヲ含ム次項ニ於テ之ニ同ジ)ガ第三者ニ対シテ有スル損害賠償請求ノ権利ヲ取得ス 2 前項ノ場合ニ於テ保険給付ヲ受クル権利ヲ有スル者ガ第三者ヨリ同一ノ事由ニ付損害賠償ヲ受ケタルトキハ政府ハ其ノ価額ノ限度ニ於テ保険給付ヲ行フ責ヲ免ル 【国家公務員共済組合】 国家公務員共済組合法第四十八条 組合は、給付事由(第七十条又は第七十一条の規定による給付に係るものを除く。)が第三者の行為によつて生じた場合には、当該給付事由に対して行つた給付の価額の限度で、受給権者(当該給付事由が組合員の被扶養者について生じた場合には、当該被扶養者を含む。)が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。 2 前項の場合において、受給権者(同項の給付事由が組合員の被扶養者について生じた場合には、当該被扶養者を含む。)が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、組合は、その価額の限度で、給付をしないことができる 【地方公務員等共済組合】 地方公務員等共済組合法第五十条 組合は、給付事由(第七十二条又は第七十三条の規定による給付に係るものを除く。)が第三者の行為によつて生じた場合には、当該給付事由に対して行つた給付の価額の限度で、受給権者(当該給付事由が当該組合員の被扶養者について生じた場合には、当該被扶養者を含む。)が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。 2 前項の場合において、受給権者(同項の給付事由が組合員の被扶養者について生じた場合には、当該被扶養者を含む。)が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、組合は、その価額の限度で、給付をしないことができる。 【労働者災害補償保険】 労働者災害補償保険法第十二条の四 政府は、保険給付の原因である事故が第三者の行為によつて生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、保険給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。 2 前項の場合において、保険給付を受けるべき者が当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる。 【厚生年金保険】 厚生年金保険法第四十条 政府は、事故が第三者の行為によつて生じた場合において、保険給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。 2 前項の場合において、受給権者が、当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で、保険給付をしないことができる 【国民年金】 国民年金法第二十二条 政府は、障害若しくは死亡又はこれらの直接の原因となつた事故が第三者の行為によつて生じた場合において、給付をしたときは、その給付の価額の限度で、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。 2 前項の場合において、受給権者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府は、その価額の限度で、給付を行う責を免かれる。 【介護保険】 介護保険法第二十一条 市町村は、給付事由が第三者の行為によって生じた場合において、保険給付を行ったときは、その給付の価額の限度において、被保険者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。 2 前項に規定する場合において、保険給付を受けるべき者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、市町村は、その価額の限度において、保険給付を行う責めを免れる。 3 市町村は、第一項の規定により取得した請求権に係る損害賠償金の徴収又は収納の事務を国民健康保険法第四十五条第五項 に規定する国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)であって厚生労働省令で定めるものに委託することができる。 (4)労災保険の各種給付の種類及び給付の内容 労災保険法による各種給付としては次のものがあります。 @ 療養補償給付 1 療養補償給付 2 療養費用の支給 A 休業補償給付 B 障害補償給付 1 障害補償年金(第1級〜第7級) 2 障害補償年金前払一時金(第1級〜第7級) 3 障害補償年金差額一時金(第1級〜第7級) 4 障害補償一時金(第8級〜第14級) C 傷病補償年金(労災保険法施行規則別表第2の第1級〜第3級) D 遺族補償給付 1 遺族補償年金 2 遺族補償年金前払一時金 3 遺族補償一時金(遺族補償年金受給資格者がない場合) E 葬祭料 【給付の内容】 @ 療養補償給付 1 療養補償給付 業務災害又は通勤災害で疾病に罹患し又は負傷した場合、労災病院又は労災指定医で診療が受けられます。療養給付は、労災病院又は労災指定病院で直接療養そのものを給付する「療養の給付(直接給付)」です。 2 療養費用の支給 労災病院や労災指定病院等以外の病院・療養所で診療を受けた場合は、一時費用を立て替えておいて後で払い戻しを受けることができます。この場合は診療費等を現金「療養費用の支給(現金給付)」で支払われます。 A 休業補償給付 業務災害又は通勤災害で疾病に罹患し又は負傷し、療養のため休業したことにより賃金の支払いが受けられない場合は、休業4日目から給付基準日額(注)の60パーセントの割合の額が休業補償として支給されます。 (注)給付基準日額の算定法(給与・賃金の支払形態ごとの計算式)については別講座で解説します。 B 障害補償給付 業務災害又は通勤災害による傷病が治癒(注)した後に、身体に障害が残った場合は、障害の程度に応じて障害補償年金、あるいは障害補償一時金が支給されます。第1級から第7級までに該当する障害を残した場合は年金が、第8級から第14級までに該当する障害を残した場合には一時金が支給されます。 (注)労災保険では、一般では「症状固定」というのを「治癒」といいます。 1 障害補償年金 障害補償年金は、障害等級第1級から第7級の障害について、その程度におうじて、次のとおり、各等級ごとの給付基礎日額に対応する給付日数分が年金として支給されます。 第1級 給付基礎日額の313日分を年金として支給 第2級 給付基礎日額の277日分を年金として支給 第3級 給付基礎日額の245日分を年金として支給 第4級 給付基礎日額の213日分を年金として支給 第5級 給付基礎日額の184日分を年金として支給 第6級 給付基礎日額の156日分を年金として支給 第7級 給付基礎日額の131日分を年金として支給 2 障害補償年金前払一時金(第1級〜第7級) 前記Cの障害が残った場合に、障害補償年金の受給権者に対し、障害等級に応じて次に掲げる額のうち受給権者の選択する額が障害補償年金の前払いとして支給されます。 ただし、この一時金が支給された場合には、前記Cの障害補償年金は当該年金の毎月の額(1年経ってからの分は年5%の単利で割り引いた額)の合計額が前払一時金の額に達するまでの間支給停止となります。前払一時金の請求は、同一の事由に関し、一回しか認められていません。なお、前払一時金の請求は、「障害補償年金前払一時金請求書」に支給を受けようとする前払の額を示して、障害補償年金の請求と同時に行うのが原則ですが、障害補償年金の支給決定の通知があった日から1年以内であれば障害補償年金の請求後においても行うことが可能です。 障害補償年金の前払一時金として選択できる給付基礎日額に対応する日数分は次のとおりです。 第1級 200日分・400日分・600日分・800日分・1,000日分・1,200日分 第2級 200日分・400日分・600日分・800日分・1,000日分・1,190日分 第3級 200日分・400日分・600日分・800日分・1,000日分・1,050日分 第4級 200日分・400日分・600日分・800日分・920日分 第5級 200日分・400日分・600日分・790日分 第6級 200日分・400日分・600日分・670日分 第7級 200日分・400日分・560日分 3 障害補償年金差額一時金 障害補償年金の受給権者が死亡した場合において、既に支給された障害補償年金及び障害補償年金前払一時金の額の合計額が障害等級におうじて定められている一定額に満たない場合は、その差額の障害補償年金差額一時金が、その遺族に対し支給されます。 障害補償年金差額一時金の支給要件及び支給額の基礎となる一定額は、障害補償年金に係る障害等級に応じ次の日数分とされています。 第1級 1,340日分 第2級 1,190日分 第3級 1,050日分 第4級 920日分 第5級 790日分 第6級 670日分 第7級 560日分 障害補償年金差額一時金の受給権を有する遺族としては、次の遺族とされますが、これらの遺族の受給権取得順位は次の●A又は●Bに掲げる順序とされています。 ●A 労働者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた配偶者(内縁の配偶者を含む) ●B 上記●Aに該当しない配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹 4 障害補償一時金 障害補償一時金は、第8級から第14級の障害が残った場合に支給されます。なお、各等級ごとの給付基礎日額に対応する給付日数は次のとおりです。 です。 第8級 503日分 第9級 391日分 第10級 302日分 第11級 223日分 第12級 156日分 第13級 101日分 第14級 56日分 C 傷病補償年金 傷病補償年金は、業務災害又は通勤災害で疾病に罹患し又は負傷し、療養をはじめてから1年6ヶ月経っても治癒しない場合であって、その傷病による障害の程度が労災保険法施行規則別表第2(下記参照)の傷病等級表(第1級から第3級)に該当する場合に、その状態が継続している間、その障害の程度に応じ、それぞれ下記のとおり給付日額に対応し定められている日数分を休業補償給付に代えて、それぞれの等級に応じ傷病補償年金が支給されるというものです。 なお、傷病補償年金は、障害の程度に応じて、給付基礎日額の313日分(第1級)から131日分(第7級)までの額が毎年2月、5月、8月、11月の4回に分割して支給されます。 第1級 313日分 第2級 277日分 第3級 245日分 【別表第二 傷病等級表 (第十八条関係)】 傷病等級 給付の内容 障害の状態 第一級 当該障害の状態が継続している期間一年につき給付基礎日額の313日分 一 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、常に介護を要するもの 二 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に介護を要するもの 三 両眼が失明しているもの 四 そしやく及び言語の機能を廃しているもの 五 両上肢をひじ関節以上で失つたもの 六 両上肢の用を全廃しているもの 七 両下肢をひざ関節以上で失つたもの 八 両下肢の用を全廃しているもの 九 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの 第二級 同277日分 一 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、随時介護を要するもの 二 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、随時介護を要するもの 三 両眼の視力が〇・〇二以下になつているもの 四 両上肢を腕関節以上で失つたもの 五 両下肢を足関節以上で失つたもの 六 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの 第三級 同245日分 一 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの 二 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの 三 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつているもの 四 そしやく又は言語の機能を廃しているもの 五 両手の手指の全部を失つたもの 六 第一号及び第二号に定めるもののほか常に労務に服することができな いものその他前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの D 遺族補償給付 業務災害又は通勤災害で死亡した場合は、死亡労働者の遺族に遺族補償年金あるいは遺族補償一時金が支給されます。この遺族補償給付には、遺族補償年金と遺族補償一時金の二つがあり、労働者の死亡当時の生計維持関係、続柄、年齢等によって、いずれの受給資格があるかが定められます。 1 遺族補償年金 遺族補償年金の受給権を有する遺族の範囲は、死亡労働者の死亡当時同一生計(被扶養者)にあった配偶者(内縁を含む)子、父母、祖父母、兄弟姉妹です。 年金はこれらすべての受給資格に対して支給されるのではなく、受給権者となる順位が定められています。その順位は次のとおりです。 【注=共通要件は同一生計(被扶養者であった者)】 @ 妻、又は60歳以上もしくは障害のある夫 A 18歳未満(*18歳になった誕生日の最初の3月31日まで)又は障害の子 B 60歳以上又は障害のある父母 C 18歳未満(*18歳になった誕生日の最初の3月31日まで)又は障害のある孫 D 60歳以上又は障害のある祖父母 E 18歳未満(*18歳になった誕生日の最初の3月31日まで)又は60歳以上もしくは障害のある兄弟姉妹 F 55歳以上又は60歳未満の夫 G 55歳以上60歳未満の父母 H 55歳以上60歳未満の祖父母 I 55歳以上60歳未満の兄弟姉妹 遺族補償年金の額は上記@〜Iの遺族補償年金受給権者及びその者と同一生計にある上記@〜Iの者の人数に応じ次のとおり定められている額です。なお、受給権者が2人以上ある時は、この額を等分した額が支払われます。 *18歳未満の子について、8歳になった誕生日の最初の3月31日までというのは、国民年金、厚生年金等に関しても共通です。 す。 遺族の数 支給額 @ 1人 給付基礎日額の153日分 A 2人 給付基礎日額の153日分 B 3人 給付基礎日額の153日分 C 4人 給付基礎日額の153日分 D 5人以上 給付基礎日額の153日分 @の場合はその遺族が55歳以上の妻又は一定の障害の状態にある妻の場合は給付基礎日額の175日分が支払われます。ただし、上記F〜Iの者は60歳になるまで、加算対象から除かれます。また、受給権者が次のいずれかに該当するに至った時は、その者の受給権は消滅し、他に同順位者がいない時は次順位者が新たに受給権を取得します。 @ 死亡した時 A 離婚した時(内縁の解消を含む) B 直系血族又は直系姻族以外の者の養子となった時 C 養子縁組の解消により、死亡労働者との親族関係が終了した時 D 子、孫、兄弟姉妹が18歳に達した時(労働者の死亡当時から引き続き障害の状態にある者を除く) E 障害のために受給権者又は受給資格者となっていた者が障害の状態がなくなった時 この遺族補償年金については、他の年金の場合と同様毎年2月、5月、8月、11月の4回に分けて支給されます。 2 遺族補償年金前払一時金 遺族補償年金前払一時金の額は、給付基礎日額の200日分、400日分、600日分、800日分、1,000日分の額のうち遺族補償年金の受給権者が選択する額とされています。 この前払一時金の請求は、遺族補償年金の請求と同時に請求するのが原則ですが、遺族補償年金の支給決定の通知のあった日から1年以内であれば、遺族補償年金の請求後においても行うことができます。なお、前払一時金の請求は一回しか認められていませんが、次順位の受給権者(転給権者)が新たな受給権者も失権した先順位者が前払一時金の支給を請求していない場合は請求することができます。 前払一時金が支給されると遺族補償年金は支給停止となり、その停止期間は、遺族補償年金の毎月分の額(一年経過後の分は年5分の単利で割り引いた額)の合計額が前払一時金の額に達するまでの間とされています。先順位者がこの停止期間中に失権し、次順位者が受給権者となった場合もこの停止期間中は支給停止となります。 3 遺族補償一時金(遺族補償年金受給資格者がない場合) 遺族補償一時金は、労働者が死亡した時、遺族補償年金受給権を有する遺族がいない場合に、給付基礎日額の1,000日分が支給されますが、遺族補償年金受給権者が失権した場合においても次順位以下の遺族補償年金受給権者がいない場合にも支給されます。ただし、年金の総額1,000日分から、失権するまでに支払われた額を差し引いた残額が支給されることになります。 遺族補償一時金の受給資格者となる遺族の範囲は次のとおりです。 @ 配偶者 A 労働者の死亡時に死亡労働者と同一生計にあった父母、孫、祖父母 B その他(被扶養者でなかった)の子、父母 C 兄弟姉妹 (注)上記A及びBに掲げる者の間の順位ついては、子、父母、祖父母の順で上の順位の者から優先して受給資格者となります。 E 葬祭料 葬祭料は、遺族に支給されますが、遺族がいない時に遺族以外の者が葬儀を行った場合には、その者に支給されることがあります。 支給される葬祭料の額は、265,000円に給付基礎日額の30日分を加算した額(その額が給付基礎日額の60日分に満たない場合には給付基礎日額の60日分)です。 |
| ネット講座【
00070】 (5)労災保険と他の社会保険との調整 |
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