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| <掲載 -0003> |
| 自民党司法制度特別調査会報告 |
| 司法制度特別調査会報告 ―21世紀の司法の確かな指針― 平成10年 6月16日 |
(経 緯) 1 司法制度特別調査会(以下、「調査会」という。)は、平成9年6月12日の発足以来、同年11月11日まで、合同会議を含め6回の総会を経て、同日、「司法制度改革の基本的な方針−透明なルールと自己責任の社会に向けて−」(以下、「基本的な方針」という)を発表した。この基本的な方針において、われわれは、21世紀のわが国社会における司法の役割の重要性を指摘し、国づくりとしての司法制度改革の必要性を訴えるとともに、改革のための具体的検討事項を明らかにし、21世紀に向けた司法改革のグランドデザインと言うべきものを提示した。 この基本的な方針に盛られた検討事項について、調査会は、総会の下に2つの分科会を設け、第1分科会は、司法の人的なインフラ整備を中心的なテーマとし、加藤卓二(主査)、河村建夫、杉浦正健、浜田靖一、山本有二、塩崎恭久、長尾立子の各議員を構成メンバーとして、平成10年2月18日から5月29日までの間、11回にわたり、第2分科会は、司法の制度的なインフラ整備及び司法と立法の在り方を中心的なテーマとし、太田誠一(主査)、小此木八郎、佐藤剛男、棚橋泰文、渡辺喜美、林芳正、金田勝年の各議員を構成メンバーとして、平成10年2月5日から5月29日までの間、9回にわたり、それぞれ検討を重ねた。
衆議院法制局 1 分科会の議論をはじめ、各界から披瀝された意見は、「司法は、安全な国民生活の確保と公正で円滑な経済活動という国家の基礎を支え、活力ある社会を維持するための基盤をなすものであり、今後よりー層進展していく社会の複雑・多様化、高度化、情報化、国際化に的確に対応し、公正で適切な解決を与えることによって、わが国が国際社会での信頼を得ながら着実に発展を遂げていくための国家的な基本的インフラである。」との共通認識の下、三権の一翼を担う司法改革の重要性が明確に示された。 2 世界は、今、自由・民主主義そして市場原理という統一的な理念で包まれていく流れの中にある。このように国際化が急速に進展している中にあって、わが国が国際社会と共存し、調和ある発展を図るためには、「透明なルールと自己責任の理念」というグローバルスタンダードに立脚し得る能力と体制を持たなければならない。これを怠れば、さまざまな分野で、ジャパン・パッシングと言われる現象が起こることにつながりかねない。 これまでわが国においては、国民の美徳とする「和」のコンセプトが、発展と繁栄の構築に有効に機能してきたが、今後は、この精神の美点を活かしつつ、これとよく調和させながら、透明なルールと自己責任の理念という時代の要請を実現していくことにより、訴訟社会の弊に陥ることなく、世界にも誇り得る信頼される司法を築くことができるものと確信する。 3 また、今後、規制緩和等の諸改革を推進し、自己責任の原則に貫かれた事後監視・救済型の社会への転換を図るためには、その基盤をなす司法の機能の充実強化が必要である。 すなわち、このような社会にあっては、法律専門家が、市民生活や企業の経済活動に日常的に生起する諸問題について法的助言を与えるなどして、事前又は事後に様々な場面で関与し、紛争の発生を未然に防止するとともに、社会の諸活動が法的ルールに従って行われるよう指導し、それを実現していくことが極めて重要である。 この意味において、今後、法律専門家には、高度かつ複雑な法律問題を扱う専門家集団としての活動と、他面において、国民の身近な法律問題を取り扱うホームロイヤーとしての活動が求められることとなる。 さらに、国民生活の安全の確保という国家の基礎を支えるためには、司法の場において、組織犯罪、銃器犯罪、薬物犯罪その他社会の治安を脅かす犯罪や公正で円滑な経済活動を阻害する経済事犯などの各種犯罪に対して、的確な対応が不可欠であり、また、最終的には、各種の法的紛争について、時代のテンポに即した、より迅速な紛争の解決と人権の擁護、権利の実現が図られることが担保されている必要がある。 4 このような司法改革は、21世紀の国づくりの重要な基礎となるものであり、また、これを支える国民の意識改革を伴うものでなければならず、この意味で、今日のわが国にとって正に喫緊かつ重要な課題である。この観点から、司法制度を利用する最終ユーザーである国民が真に必要とするその視点に立った、在るべき司法の全体像を構築することが必要不可欠である。 1 国民に身近な司法 国際化と規制緩和が急速に進むわが国においては、社会の法的ニーズが飛躍的に増大することが予想され、これに応えていくためには、まず第一に十分な数の法曹が必要とされることは言うまでもない。これを市井の法曹について見れば、市民生活に日常的に発生する問題を解決する身近な、言い換えればホームロイヤーとしての法曹の需要が増大する。また、企業活動に伴う紛争を予防し、法令に適合した企業戦略の樹立のために、企業の法務部等における法曹資格者の活躍が期待されるほか、行政府や地方自治体にも適正な法令等の解釈・運用、法案等の立案のため、また国会議員のスタッフへの登用等のために、法曹資格者の需要が増大することになる。 また、安全かつ秩序あるルール社会を維持するためには、様々な違法行為に的確に対処し、不法な勢力の存在を許さないことが重要である。その意味で、検察官の役割は重要であり、そのための適切な態勢を整えることが必要である。加えて、行政の中で法律専門家の知識を生かし、法案等の立案担当者等として活躍する法曹の役割も重視しなければならない。 そして、社会生活のテンポが速まる中で、適正かつ迅速な裁判を求める声は一段と強まっており、民事執行に関する体制の強化など、裁判所の機能を充実することは不可欠の要請である。また、社会の複雑化を反映し、専門分野における法的紛争処理のための司法機能の充実も急務である。こうした要望にこたえていくためには、裁判官を始めとする裁判所の人的態勢の拡充を図ることが必要である。 以上のとおり、社会のあらゆる分野において、法曹の質と量の強化が求められている。久しく指摘されているとおり、わが国の法曹人口の現状は、三者のいずれについて見ても、先進諸外国に比して圧倒的に不足していると言わざるを得ない。そして、これからの時代が求める法曹をいかにして養成するかという観点から、大学教育における法学教育の在り方やアメリカ合衆国における法曹養成制度であるロースクール方式の導入、さらには法曹資格の付与の在り方についても検討されなければならない。 2 国民に利用しやすい司法 司法は国民に利用しやすいものでなくてはならないことは言うまでもない。このため、まず第一に、先進諸外国に比して著しく立ち後れている民事法律扶助制度を充実・強化することは、極めて重要かつ喫緊な政策課題である。この問題については、法務省の法律扶助制度研究会が本年3月にとりまとめた最終報告において、現行の法律扶助制度に関し、法律が制定されていないため国及び弁護士会の責務が明確でないなど、制度上や財政上の問題点が指摘されているところである。 この研究会の検討結果をできる限り尊重して、法制化及び思い切った予算措置に向けて最大限の努力をする必要がある。被疑者弁護を含む刑事弁護制度の在り方についても、適正な弁護活動による国民の権利の擁護や刑事司法手続全体の在り方との関連等、広い視点から適切な検討がなされるべきである。そして、前記の法曹人口の増加、司法の諸課題の物的基礎となるべき司法関係施設の整備拡充を促進しなければならない。 一方、国民の法的サービス享受の利便を図るという視点から、弁護士の大都市偏在化の解消を図る必要があることはもとより、弁護士事務所等の複数・法人化を検討し、弁護士過疎の解消や業務提供の安定化・永続化を進める必要があるほか、ワンストップサービスの要請に基づいて、いわゆる総合的法律経済関係事務所の開設についても検討を進めるべきである。さらには、弁護士と、司法書士、弁理士、税理士、■行政書士などの隣接法律専門職種との間の協力関係やその在り方等について検討される必要がある。 また、紛争解決の実効性を確保するために、民事執行制度の充実、倒産処理手続の制度的な整備等の検討を急ぐ必要もある。わが党の部会でも決議されたように、知的財産権関係訴訟など専門技術化、国際化等が著しい紛争事件については、専門家の活用、集約的処理態勢の拡充等の方策が、国際的な水準に立った観点から検討されなければならない。 さらに、法制度の根幹をなしている基本法について、政策審議・法案立案準備を行う法制審議会の在り方についても、社会の動向・時代の要請等に適切かつ迅速に対処する必要性を踏まえて速やかに対応する必要がある。 3 国民に分かりやすい司法 「透明なルールと自己責任の理念」に立脚した法治社会では、これまで以上に、司法の意義やその役割が広く国民に周知・理解され、国民の生活に結び付いた形で機能していく必要がある。その意味で、司法の意義・役割やその重要性、遵法精神等について、広く国民に浸透させる必要性は、今後極めて大きくなっていくと言わなければならない。特に、次代を担う子供たちに対し、その意義を徹底させるよう教育することが最も肝要である。 このような視点から、初等中等教育における教育の在り方を真剣に議論していく必要がある。また、他方で、司法への国民参加の在り方(陪審・参審等)についても、わが国の司法の基本に関わる問題であるという視点から、広く国民の意見を踏まえて議論される必要があろう。 21世紀の高度情報化社会においては、空間を超えてわが国の社会と国際社会が一つのものとなり、世界と調和し世界から信頼されることが必要である。この意味において、わが国の司法が国際化に対応する必要があることは言うまでもないが、それと同時に、わが国の国際社会における地位に照らして、より積極的に世界に貢献することが求められている。 近年、国際的な民事紛争を仲裁によって迅速かつ適切に解決しようとするニーズが高まっているが、わが国を仲裁地とする国際仲裁は極めて少ない実情にある。制度的に大きく立ち後れた感のある国際仲裁を活性化させるため、国際仲裁センターの充実も検討すべき課題である。 また、わが国が国際経済活動の円滑化を積極的に推進するため、諸外国から寄せられている要望に応えて、アジア諸国等への法制度整備の一層の支援は、わが国の国際貢献の在り方として極めて重要なものと言える。 さらに、グローバル化した犯罪の解決や国際民商事紛争等の解決には、諸外国と密接な協力をすることが大切であり、今後あるべき国際司法共助の在り方をさらに検討する必要がある。 1 国民及びその代表である国会との関係 21世紀の新しい司法を確立するためには、司法の独立を尊重しつつ、国民主権に基づいた国民を代表する立法府(国会)が、重要な役割を果たすべきである。 この意味において、司法制度に関する法曹三者による協議の在り方については、従来のように法曹三者を中心とする論議に止まることなく、国民の意見を十分に反映すべく、われわれが国会において論議を尽くし責任を果たす必要がある。 また、これまで以上に大きな社会的使命と職責を担う法曹は、従前にも増して国民全体の信頼を得る存在となることが求められる。そのためには、法曹が国民のこの負託にいかに応えるべきか、自らの在り方について十分な自覚と責任を持つとともに、またそれをいかに促していくかについて国民的な目線で論議する必要がある。 さらに、財政法上、他の行政庁とは異なる措置がなされていることにかんがみ、裁判所の予算と司法に密接に関連する法務省の予算の在り方についても、その重要性を踏まえた質的・量的な拡充について検討する必要がある。 2 行政と司法の関係 司法の補完的な役割を担い、かつ、多様な紛争解決手段の一つとなるものとして、裁判外境界紛争解決制度の創設等、行政機関による第三者的な紛争解決機能を検討し、準司法機関、準司法手続の拡充を積極的に進めるべきである。 以上のように、司法制度特別調査会の幅広い議論を通じ、われわれは、時代の大転換期にあたって、改めて司法の抜本的改革の重要性を強く認識し、政府に対し、次の通り提言するものとする。 (1)「司法制度審議会」(仮称)の設置 21世紀のあるべき司法の全体像を構築していくため、政府において、最終ユーザーである国民各層の意見を幅広く汲み上げて議論する場を設置し、明治以来、また戦後創り上げてきたわが国の司法について、抜本的な検討を行うことが必要である。 (2)司法分野の予算措置に対する格別な配慮 現在の裁判所の予算は、約3100億円(平成10年度)であり、また全体の予算に占める割合は0.4%と極めて小さい現状にある。この報告で指摘した21世紀の司法の重要な意義と役割を適切に推進していくために、この小さな規模に止まっている司法関係の予算について、格別な配慮が必要である。 |
| <関連記事>自民党政務調査会 |
| 司法制度改革の基本的な方針 −透明なルールと自己責任の社会へ向けて− 平成9年11月11日 司法制度特別調査会 |
| I.司法制度改革の必要性 いま、世界は大きく変貌し、自由と民主主義、市場原理という理念で地球が一つに包まれていくと言う大きな流れにあり、日本は歴史的な大変革期に直面している。このため、われわれは、行政改革をはじめとする六大改革を推し進め、経済を市場原理に委ねて、国民個々人の能力や創意工夫に未来を託すことによる新たな国づくりを進めている。これは規制が緩和されることによって、行政における従来の事前チェック型から事後チェック型への移行という、わが国の社会構造の抜本的な変革をもたらすことを意味し、経済をはじめ社会の様々な分野において、自由競争が一層促進されることになる。 また、21世紀の高度情報化社会においては、空間を超えてわが国社会と国際社会とがひとつのものとなり、わが国が、透明度の高い客観的な基準に従って行動する法治の行き届いた社会として、世界と調和し世界から信頼されることが不可欠である。すなわち、公正で円滑な経済活動と、如何なる不法な勢力の存在も許さない安全な国民生活の確保という国家の基礎を支える司法を整備し、今後より一層進展していく社会の複雑多様化、高度化、情報化、国際化に、わが国が的確に対応することが肝要であ そこで、われわれは、いたずらにわが国に訴訟社会を招来することのないよう、今日の日本の発展と繁栄の構築に有効に機能してきた国民の美徳とする「和」のコンセプトを念頭に置きながらも、「透明なルール」と「自己責任」という新たなコンセプトを重視して、この司法改革にあたらなければならない。 (1)司法の人的なインフラ整備 規制緩和後の21世紀のわが国において、社会の法的ニーズは飛躍的に増大することが予想される。このため、企業の経済活動にとって、紛争の予防、法令に適合した企業戦略の樹立の必要性は今後ますます高まり、社会・経済の高度複雑化にともなって専門分野における争訟も加速度的に増加していくことから、企業の法務部における法曹資格者の活躍が強く求められる。 また、行政府や地方自治体においても、法的思考力を備え、法令等に熟練したエキスパートとしての法曹が十分に配置され、適正に法令等を運用するとともに、複雑多様な利害関係の調整基準として実効性をもった法令を速やかに立案改廃していく必要がある。他方、市民生活の日常に生起する小規模な紛争・事件等についても、迅速かつ的確に法的解決がなされなければならない。そのためには、日本全国いずれの地にあっても、国民の身近に法曹がいるよう、国民の司法へのアクセスを容易にすること このように、21世紀のわが国の社会においては、一方で社会の様々な分野で発生する高度かつ複雑な法律問題を取り扱う専門化集団としての法曹と、他方において、国民の身近な法律問題を取り扱う、ホームドクター的な役割を担う法曹とがともに十分に存在することが必要不可欠なのである。 そして、このような国民のニーズに的確に応えるためには、組織化の点において欧米諸国に大幅に立ち後れているとの指摘もあるわが国の弁護士業務のあり方等についても、種々の見直しを進めていかなければならない。また、これまで裁判技術の習得が教育の中心であった法曹養成のあり方についても、検討していかなければならないであろう。 議員の政策立案における法的要素の必要性、国会における法案の審議がますます重要になること等にかんがみ、弁護士を政策秘書に登用することを容易にするための方策等について検討する。 その他 法曹育成と大学教育との連携のあり方、大学における法学教育の改革等について検討する。 ロースクール方式の導入など、法曹人口の大幅増加に対応する法曹育成のあり方について検討する。 司法試験あるいは司法修習を経ていない者に対する法曹資格の付与について検討する。 裁判官は、弁護士となる資格を有する者で裁判官としての職務以外の法律に関する職務に従事した者のうちから任命することを原則とする制度について検討する。 法曹に対する継続教育のあり方について、司法修習終了後に全員が一定期間弁護士としての研修を行うという制度をも含めて検討する。 裁判官・検察官・弁護士の相互の円滑な人事交流のあり方について検討する。 その他 司法書士等の隣接資格者の法律事務への参入など、弁護士の法律事務独占について検討する。 あらゆる国民のニーズに応えるため、国民が抱える法的問題について専門家へのアクセスを容易にする観点から、弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、■司法書士等がそろった総合的な法律・経済関係事務所の開設等について検討する。弁護士事務所・司法書士事務所の複数化も含め、その法人化について検討する。 その他 21世紀の日本の社会においては、民事・刑事を問わず、企業活動の国際化、大規模化、競争の激化等にともない、複雑で大規模な争訟が数多く惹起されることになる。この事態に対して、権利の具体的実現まで含めた適切な法的解決を迅速にもたらすことができないとなれば、わが国はボーダレスの世界経済の中にあって、その自立的な解決能力の欠如の故をもって、取り残されていくにちがいない。 また、国民個々人の権利の擁護・実現を的確に果たす上でも、仲裁制度、準司法機関の充実等を図り、裁判制度を含む広い意味での紛争解決制度の実効性を飛躍的に高めていく必要がある。このような観点から、裁判及びその執行手続の整備をはじめとする迅速な裁判を実現しなければならない。 また、法曹とそのスタッフ職員の数を大幅に増加させるとともに、様々な角度から司法の諸制度を整備充実させていかなければならない。さらに、国民の司法に対するアクセスを制度的に容易にし、国民に身近な司法の実現を担保することは、裁判の迅速化と並んで真に「国民のための司法」を実現するために極めて重要である。 さらに、21世紀の新しい司法の確立、また国民のための司法を実現するという観点から、三権のひとつとして司法の独立を尊重しながらも、司法と国民を代表する立法府とが、それぞれの立場から協力して様々な問題に対処していく必要がある。このような意味において、これまでの法曹三者と立法府との相互の関わり合いのあり方等については、見直しを行う必要がある。 民事法律扶助制度予算の大幅拡充と同制度の早期抜本的整備―諸外国に比べて著しく立ち遅れている民事法律扶助関連予算を大幅に拡充するとともに、早期に法律による制度の抜本的な整備を図り、国民の司法へのアクセスを確保することの必要性とその方策について検討する。 司法関係施設の拡充・整備促進―司法の質・量の拡充のために、司法関係施設の拡充・整備及び老朽化した既存施設について、より一層の整備促進を図ることの必要性とその方策について検討する。 準司法機関・準司法手続の充実等―裁判外における紛争の解決を促進するため、公正取引委員会、証券取引等監視委員会等の準司法機関を充実させるとともに、新たなニーズに対応するため、この種機関の必要性とその方策について検討する。 仲裁センターの充実―国際間紛争等の円満かつ迅速な解決のための裁判外紛争処理機構としての仲裁センターの整備・充実、また、新たなニーズに対応するため、この種機関の必要性とその方策について検討する。アジア諸国に対する法整備支援の強化―国際経済活動の円滑化に資するため、市場経済への移行過程にあるアジア諸国における法的基盤整備に対するわが国の国際貢献のあり方について検討する。 民事基本法の現代語化等―民法(第1編総則、第2編物権、第3編債権)、さらには、商法等の膨大な条文から成る民事基本法について、その口語化による分かり易い司法の提供と時代の流れに沿った法改正の実現について検討する。 裁判の迅速化―あまりに長期に及ぶ裁判を迅速化して国民に身近で利用し易い裁判にする必要があるため、その諸方策について検討する。 刑事弁護制度の充実―より適正で迅速な刑事司法手続を実現するための被疑者段階を含む国選弁護制度のあり方について検討する。 民事執行制度の充実―裁判の迅速化を図るのみならず国民の権利を迅速かつ適切に実現させるとの観点から、その執行手続の諸方策について検討する。 最高裁判所裁判官の国民審査のあり方―最高裁裁判官の情報開示のあり方とその審査方式等の見直しについて検討する。 その他 裁判所・法務省予算のあり方―行政から独立した立場にある裁判所の予算と他の行政庁とは異なる性格を有する司法に密接に関連する行政領域を担う法務省の予算のあり方について検討する。国会の附帯決議の見直し―国民の代表である国会における法案審議のあり方という観点から、法曹三者の意見調整を求める附帯決議の見直しを検討する。 法制審議会のあり方―法制審議会の公開性・迅速化の確保、議員立法と政府提案立法との役割等について検討する。 法曹三者協議のあり方―法曹三者による協議のあり方、法曹三者と立法府との意見調整のあり方について検討する。 弁護士自治の見直し―弁護士の懲戒について外部機関による審査方式を導入することなど、弁護士自治のあり方についての見直しを検討する。 行政に対する司法審査のあり方―行政のあり方について広く司法審査の機会を付与する等の必要性について行政事件訴訟法の見直しを含めて検討する。 その他 当調査会は今後、下記の通りテーマ別に2つの分科会を設け、それぞれの分科会において具体的な方策について議論を深めていく。各分科会においては、扱う問題の重要性や専門性を十分に考慮し、関係各界の専門家との連携を図りながら慎重に討議を行っていく。
(主査 加藤卓二) 第二分科会 司法の制度的なインフラ整備及び司法と立法のあり方 (主査 太田誠一) |
| 『日弁連の司法改革推進センター内の対策のワーキンググループ(日弁連ワーキンググループ委員 塚原 英治氏)』の報告 |
| 司法制度改革に関する情報を収集中に下記URLホームページ掲載の記事に注目しました。●下記HP本文中の『弁護士会の対応』の項目に『日弁連の司法改革推進センター内の対策のワーキンググループ(日弁連ワーキンググループ委員 塚原 英治氏)』中の分科会においては『司法書士会、弁理士会、税理士会、■行政書士会などが積極的に意見を提出し、要請していたという下りがあります。このことについて詳細なるデータをお持ちの方はいませんでしょうか。 |
| 上記URL『自民党司法制度特別調査会・「21世紀の司法の確かな指針」を発表内閣総理大臣に提出』と題する(日弁連ワーキンググループ委員 塚原 英治氏)報告です。全文を掲載紹介したいところですが、転載は著作権上の問題がありますので詳細は上記URLを開いてご覧下さい。 |
| <関連記事>1998年6月12日神戸弁護士会の記事 |
| http://www.hyogo-iic.ne.jp/~bengoshi/ketsugi/jimintouan.htm |
| 上記URLは神戸弁護士会のHPです。このHPでは弁護士ならではの規制緩和反対意見が述べられています。特に目立つのが下記の項目です。 |
| 3.弁護士の法律事務独占は国民に良質な法的サービスを提供するために必要なものとして制度化されているものである。弁護士は国家試験と司法修習制度によって専門知識と専門的技法の習得を求められ、またその業務の遂行にあたっては高度な職業倫理の遵守を要求されている。これに対して誰でもが自由に他人の法律事務を扱うことができるようになれば、弁護士でない者の行う法律事務によって多くの国民が権利を侵害され、あるいは様々な被害を被ることになる。借地借家、交通事故、消費者被 害、相続等の法律問題が絶えることなく発生している状況に鑑みれば、こうした事態を招くことは不可避である。現在においても弁護士の法律事務独占の意義は少しも減少しておらず、我々はこれを見直すことには反対である。 |
| <関連記事>元新進党の前衆議院議員野田よしひこ氏の意見 |
| <かわら版1999年02月15日号> |
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長く高い裁判をなくし、 司法機能を強化する! 取引や契約におけるいざこざ、隣人とのトラブル、相続やプライベートな紛争、行政に対する不満、こうした問題の解決に裁判所の世話になったことがあるでしょうか。「お金がかかる」「時間がかかる」「はずかしい」「めんどうくさい」といった理由で、裁判を敬遠してはいないでしょうか。その結果、本来は司法が解決すべき紛争のほとんどが「泣き寝入り」「政治決着」「暴力」「行政指導」などで解決されているような気がします。 米国のようなヒステリックな訴訟社会も問題ですが、わが国のように裁判所の存在が多くの人にとって非常に縁遠いというのも問題です。いま司法制度改革の気運が生まれつつありますが、私も、司法が健全に機能し、紛争が公正・迅速に解決される社会をつくるべきだと思います。 裁判を経験した人ならおわかりでしょうが、裁判は終了するまで、大変長い時間がかかります。例の「教祖の法廷」なども遅々として進んでいません。時間がかかりすぎる裁判は、それだけで正義からほど遠いといえるでしょう。高い費用を払って、遅くて不親切なサービスを受けている現状を早急に改善すべきです。 具体的にはまず、法曹人口の拡充が必要です。日本の裁判官、検察官、弁護士の数は世界的にみると極端に少なく、これが裁判を「長くて、高い」ものにする原因となっています。一人あたりの法曹人口をみると、日本は米国の約20分の1、英国の約9分の1、フランスの約4分の1となっています。日本の民事・行政訴訟の件数はこの10年間で1.5倍に伸びているにもかかわらず、一方の法曹人口はそれに対応できず、都市部の判事は常に200から300の訴訟をかかえているのが現状です。司法試験の合格者枠を拡大し、せめてフランス並みの水準まで法曹人口を増やすべきでしょう。 もちろん人数を増やすことが質を下げる結果になってはいけません。司法サービスの質の向上をはかるため、弁護士業務における広報宣伝の自由化を進めるとともに、弁護士の報酬基準規定も見直して、競争原理を導入していくことも重要です。さらに、■司法書士に弁護士業務の一部肩代わりを認めることや、ボーダーレス化に対応すべく外国人弁護士に対する門戸開放なども進めるべきです。また、裁判所の数や法廷の数を増やして、物理的に裁判が行えないという現状も改善しなくてはなりません。 |
| <その他関連記事> |
| 『21世紀政策研究所』では『民事司法の活性化に向けて』と題する記事の中では、建築士まで紛争処理システムに組み入れるよう提言されています。 |
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