1月6日から約2週間、私はローマで短期語学留学を果たした。その際に多くの貴重な体験を経験することができ、本当に思い出深い。ここでは、時間の経過に関係なく、私の体験したことを記録していく。一般的なガイドブックに書かれているようなこと(例えばコロッセオだとか、スペイン階段だとか)に関する情報は、他の方のホームページを見てください。


ローマのPIZZA

 本場イタリアのピッツァは、やはりおいしい。日本のイタリア料理店で出されるものよりいいし、その上値段は日本の半額程度だ。日本では少しハイソな雰囲気のある店が多いのに比べ、ここローマでは庶民的な店で食べられる。と言うよりは、イタリアの高級料理店では、まずピッツァはメニューに乗っていない。まあ、日本でいえばお好み焼きみたいなものであろうか。日本料理店で、お好み焼きがあるわけないしね。スペイン広場付近で見つけた私のお気に入りのピッツェリアは、デル・レオンチーノ通りにある「AL LEONCINO」という店。庶民的な雰囲気がとってもよい。ちなみに水曜日は定休。この店以外にもおいしいPIZZAを食べさせてくれる所はあると思うけれど、一つ注意しなければならないのは、日本語のメニューをおいてあるところはたいてい値段がやや高めに設定されている。このような店はパスしましょう。


コンドッティ通り

東京でいうところの銀座、大阪でいうところの心斎橋であるこの通りの界隈には、とにかく日本人(その内女性が9割り)が多い。特に、グッチ、プラダ、ルイ・ヴィトン、フェラガモ、フェンディの前には常に行列が見られる。それもそのはず、この期間はまさにバーゲン(イタリア語ではSALDI)であり、ただでさえ日本で買うよりも3割安く、タックスフリーを受ければそこから1割、それでSALDIならば更に3割安くなるのだから、ここぞとばかりにブランド品を買いあさるのは良く分かる。たとえば、日本でまともに買ったら5万6千円くらいする靴が、1万7千円くらいで買えることになる。だが、上に挙げたブランドのみがこうも人気をかぶりすぎるのはどうかと思う。他にも良い品はいくらでも探せる、それがイタリアだと思う。さて、イタリアで上手な買い物をしたければ、店員とイタリア語でコミュニケーションをとるのが良い。別に、高度な会話能力はいらない。ジョルジョ・アルマーニで買い物をしたとき、イタリア語で「これは高いね」なんてことを言ったら、「SALDI前だけど3割安くするよ」と店員がまけてくれたとか、ヴェルサーチでも店員とイタリア語(たまに仕方なく英語も使うとしても)で20分くらいしゃべった後に、SALDI対象外の春夏新作を指さして「あれも3割安くなる?」と言ったところ、店員同士が相談した結果「まあ、いいよ」ということになったとか、そんな話も実際に聞いたことがある。やはりイタリア人にとっては、イタリア語で喋ろうとする外国人の方が、英語のそれよりも印象がいいに決まっている。イタリア語を勉強していてよかったと、つくづく実感した。

スペイン階段から見たコンドッティ通り

コンドッティ通りのカフェグレコ

スペイン広場のベルニーニの噴水


BAR

 イタリアのBARは、日本で意味するところのそれとはかなり異なる。喫茶店でもあり、居酒屋でもあり、タバコ屋でもある。飲み物は、缶ジュースからコーヒー、酒まで幅広く提供されるが、ここで最も注目しなければならないのは、何と言ってもエスプレッソであろう。一口で飲めるほど量は少ないが、その分かなり濃い。値段は1杯100円ほど。最近では日本の喫茶店でもイタリアブームに乗って次々にメニューに加わっているが、まだまだ薄くて、本場の味には及ばない。ただ、スターバックスだけは本場の味を忠実に再現していると思われるが、価格がイタリアの3倍ほどするのが難点だ。アルコール類の方に目を転じると、やはりワインが主役である。私が個人的に好きなのは、発泡性ワインと桃の果汁をベースにした「BELLINI」だ。もともとヴェネツィアの「HARRY'S BAR」という店が発明したカクテルであるが、今では全世界に広まっている。                                 ローマにも多くのBARが存在するが、その中でも特に良いと思ったBARがある。特に名前はついてないが、スペイン広場からバブイーノ通りを少し歩いたところで小さな道へ右折、更に左折するとマルグッタ通りというのがあり、そこにこの店がある。テーブル席が4つ、カウンター席は2つしかないこじんまりとした店だが、とても落ち着いていて、一人しかいない店員の知的な女主人と調和して良い雰囲気を作っている。ローマの喧騒から離れて一息尽きたいときに、お勧めできる店だ。(一般のBARと異なり、軽食類の切り売りや雑貨の販売はしていない。)


男色

 イタリア男の女好きは世界的に有名であるが、男好きも結構いる。出発前に日伊協会の事務員から、「イタリアにはホモが多いから、十分気をつけてください。いきなりキスされた人もいますから。」と忠告されたが、もともと私自身がホモに好かれる外見らしく、現地で親しくなった日本人にも、「ホモの好きそうな顔だから、注意したほうがいいわよ。」なんてことを言われた。皆さんの心配は現実となった。ある日の午後、バスに乗っていると、25歳くらいの男が何か話し掛けてくる。「ちょっと、お茶でもしない?」等という内容で、断ると、「じゃあ、映画でも見に行こうか?」と誘ってくる。それも断るとさすがにあきらめたのか、私よりも先に降りていった。ああ良かった。

イタリアのファッションデザイナー、及びそのブティックの店員のほとんどがホモであるという話を聞いたことがあるが(あの山本燿司氏いわく、『ホモでないデザイナーは、僕とロメオ・ジリくらい。』)、美を愛でる国イタリアでは、美しいものに男女の区別はないようだ。


地下鉄

 入るときは自動改札なのだが、出るときは改札なし。従って、最も安い切符でごまかすこともできる。また、入るときも駅員がなぜか不在で、ノーチケットで入れることもある。バスも同様にキセルがしやすいが、たまに警察が抜き打ち検査をしていることがある。引っ掛かると、その場のおよそ乗客全員分を払わされる。私も検査を受け、その時すでに定期の期限は切れていたが、あまり注意深く見ていなかったため、パスできた。


物価

私が行ったときは、1ドルが110円台の頃だったと思う。たいていの物価は日本よりずっと安く、日本で売っているのと同じワインが半額以下で買えた。レストランの食事の費用も、中華なら3割ほど安く、イタリアンなら3割から5割は安かった。ただし、なぜかマクドナルドだけは、日本より1割から2割高かった。ブランド物は上記の通り。地下鉄は2割程度かな。


カルチョ

イタリアはサッカー大国だ。選手も一流なら、ファンも一流。彼らは、チケットがなくても大丈夫。柵を乗り越えればいいだけの話。実際、私が見ただけでも、高さ6〜7メートル(しかも外側に向かって反り返っている)の柵を見事乗り越えた勇者がいた。ジローラモ・パンツェッタ氏曰く、スタジアムの壁に穴を開ける、友達から借りた救急車を使って救急隊員になりすます、審判を送迎する係になりすましてVIPとして潜入、などなど、あらゆる手段を尽くして、彼らはスタジアムへ足を運ぶのだ。


HANA-BI

世界三大映画祭の一つ、ヴェネツィアを抱えるイタリアでは、日本よりひと足早く北野武監督「HANA-BI」を公開した。ローマのトラステヴェレでも上映しているとの知らせを新聞で知った私は、単身その映画館へ乗りこんだ。辺りを見回すと、観客は私を含め8名。こんなもんか(注:イタリアでは、夕方から映画を観る人はあまりいないようだ。もっと暗くなってから観るものらしい)。しかも、隣の男二人組が私のことをじろじろ見ている。単に日本人が珍しいだけなのだろうか、それとも……(注:男が映画館に一人だけ、または男だけのグループでいる場合、彼らは同性愛者である確率が高い)。さて、映画の方はイタリア語の吹き替えなので、内容がちょっと理解しにくい。まあ、北野監督の映画はもともと台詞が少ないほうなので、助かった。確かに良い映画だ。新聞の採点を見ても、当時上映されていた映画の中では(注:「タイタニック」や「セブンイヤーズ・イン・チベット」も含む)唯一の四つ星であった。


ラーメン

イタリアにいて思うことの一つ、それは、「ラーメンが食べたい」。もちろん、ローマにも中華料理屋はたくさんある。だが、そこで並べられる麺類は、全て焼きそばのようなものである。どうやらスパゲッティのように、スープなしでのみイタリア人は麺を食べるらしい。でも、日本人にはちょっと物足りない。ローマのような大都市なら、日本風のラーメン屋を出せば、結構もうかるのではないか?(後日、日本のラーメン屋でバイトしている友人に聞くと、日本にしかない食材をイタリアに輸入すればかなり値段が高くなる、とのこと。)


今回のローマ滞在の目的は一応、語学留学であり、そのためにもホームステイの滞在形式をとった。この家には自分以外にも、同じ語学学校(DILITローマ校)に通う20ちょいの韓国人男性と16才のブラジル人女性、さらに料理の勉強のためにかなり前から住み込んでいる20前後のルーマニア人女性がいた。イタリアの多くの家庭で見られることだが、この家には父親がいない。別居しているのだろう。イタリア人は陽気だと一般に言われるが、この家の住人達、および彼らの友人達も例外ではなかった。特に下ネタがお好きな様子で、乾杯の際には決まって、「ところでCINCINって、日本語でどういう意味?」と尋ねてくる。私が「そのようなことに関しては御答え致しかねます」と言うと、「なんだよ、恥ずかしがらなくていいじゃん」と彼らは言う。みんな分かっているのだ。そんな会話で盛り上がったりする。



ヲその他ローマの風景写真

世界一大きなパチンコ玉(ギネスブック認定)

交通事故の現場(運転の荒いイタリア人の末路)

Ferrariのクラシックカー

東京でも有名な、サバティーニの本店

サンタンジェロ城