星雲・星団観望のための環境整備

月や惑星を望遠鏡で追っているうちは、下の写真のようなシンプルそのものの構成で充分でした。

春になり、惑星は夕方には地平線の下に沈んでしまうようになり、そろそろ星雲や星団を狙ってみようかと思うのが自然な流れでしょう。
しかし、これがなかなか大変なことに・・・・

まず必要なのはファインダーです。
低倍率で星と星との位置関係から星雲・星団の位置の目星を付けなければいけません。
また、ある程度の集光力がないと目的の天体の存在自体がわからないので、ファインダーの口径も大きいものを選びました。

BORG製の50mm、7倍ファインダーです。値段は1万円以上します。
しかし、これを単眼鏡のように手に持って夜空を覗くと、星がたくさん見えてきます。
いい感じです。

ところで、上の写真でだいぶ鏡筒の外観が変わっていることにお気づきでしょうか?
ファインダーを装着することによって、新たに鏡筒バンドを使って経緯台に接続する必要が生じ、全体の重心が思いっきり後ろに偏ってしまいました。
そこで、BORGからアクセサリーとして発売されている「フロントヘリコイドアダプター」というものを使い、ヘリコイドを対物レンズ側に移動したのです。
今までは接眼部にデジカメを装着した時にヘリコイドの回転が重くなってしまい、使いにくかったのですが、これも解決です。

さあ、これでガンガン夜空を見るぞ、と意気込んで外に持ち出したところ、あまりにも観望の姿勢が苦しいことに気がつきました。
天頂付近も含んだ全天の天体を狙うには、接眼部を90度曲げる「天頂ミラー」が必要ということを痛感しました。
で、ミラーを買ったわけですが、光路長が伸びたせいで全然ピントが出ない・・・・・
フロントヘリコイドアダプターは、途中に鏡筒延長部品を介して接続されるようになっているのですが、それが仇になり、泣く泣くヘリコイドを元の位置に戻しました。

問題はまだまだ続きます。
目的の天体を星図と夜空を見比べながら探していくわけですが、この7倍ファインダーの視界は7度ぐらい。
「A星とB星の中間にC星団があります」とか「D星とE星を結んだ延長線上にF星雲があります」などとガイドブックに書いてあっても、ファインダーの中に基準となる星々が同一視界に入ってくれないことが多いのです。
かといって、光害のある東京で肉眼でそれらの星を認識しようと思ってもなかなか厳しいのが現実です。
おまけに、ファインダーの視界は倒立像、アイピースの視界は左右裏像と、初心者の私にとっては直感的な操作ができないのです。
自動導入装置の需要が高くなるのもうなづけます。

とりあえず、思い付きで試してみたのが下の写真です。

ある天文関連のホームページで紹介されていた、「ワイドビノ」なるロシア製の広角オペラグラスを以前購入したのですが、これを望遠鏡にくくりつけて、ファインダー代わりに使おうというものです。
なにしろ、このオペラグラスの視界は28度もあり、ちょっとした星座ならまるごと視界内に収まってしまうのです。
口径も40mmあり、双眼ということもあって、けっこう暗い星でも光害の中から浮き出してきます。

このファインダー、十字線に相当する仕組みがないのですが、実際にテストした限りでは、ワイドビノ越しに「この辺が視界の中心かな?」というところに手ごろな星を捉え、50mmファインダーの視界にそれが入ってくることを確認できました。
あとは50mmファインダーを覗いて微調整を行い、最後にアイピースで目的天体を捉えるという流れになりますね。

今回使用したパーツは下記の通り

  • ハクバ製「Wボール雲台」・・・・ボール式ジョイントが両端に付いており、真中のネジを締めると両端が固定される。3000円ぐらい。
  • 「ストレートブラケット」・・・・ゴムが貼ってあるので、ワイドビノを直接縛り付けても大丈夫。
  • ネジ式のホースクランプ・・・・ホースの配管とかに使うやつ。
  • 上の2つは大型カメラ店に、ホースクランプはホームセンターとかにあるでしょう。
    BORGの鏡筒バンドには三脚オスネジが出ているので、ファインダーの調整作業を除けば、あっという間に組み上がってしまいます。
    なお、ワイドビノは、「笠井トレーディング」や、最近ではBORGも取扱を行っているようです。

    経緯台としての利用に限定されてはしまいますが、この環境で色々な天体に挑戦しようと思っています。

    それにしても、この作業を通じて思ったことは、「望遠鏡はもっともっと初心者に優しくなってほしい」ということですね。
    コンピュータ制御による自動導入というのもその流れにあるのでしょうけど、今回のファインダーのような導入支援アクセサリーをメーカーが供給してくれるだけでも、初心者にとっての壁は低くなるのではないかと思います。
    多かれ少なかれ、マニアは放っておいても自力で道を切り開いていきます。
    本当にメーカーに配慮をして欲しいのは初心者のことですね。
    BORGさん、期待しています。(BORG製品のメーカーホームページはこちら

    さらにもうひとつ教訓を。
    望遠鏡は、パーツを少しずつ買い足していくと、それはそれで楽しい世界なのですが、トータルコストでみると割高になってしまいます。
    長い目でのコストを抑えるには、セット販売のものをドーンと買ったほうがいいですね・・・・


    戻る