ミザールμフィルターの効果

街明かりが強めの場所で、光害カットフィルターはどの程度効果が出るのか、惑星状星雲のM57での比較サンプルが得られました。
光害地・小口径という同様な環境で観望されている方のご参考になればと思います。

日時:2000年7月1日〜2日未明
場所:足立区(北千住)→肉眼では3等星弱ぐらいまででしょうか。
機材:BORG76ED+赤道儀で追尾、LV20でデジカメ(QV8000)によるコリメート撮影
フィルター:ミザール製のμフィルター。
画像処理:Corel Photo-Paint 7 Plus
 

(1)フィルターなし、元画像

32秒露出で撮影した元画像。これでもバックに街明かりが緑色に浮かんできます。
(緑色にかぶるのはこのデジカメの特性)
眼視でもM57の存在はちょっとはっきりしません。


(2)フィルターなし画像複数枚を画像処理

32秒露光画像を11枚撮影し、合成&街明かり成分除去。
これだけ手間をかけて、やっと小さいながらM57がそれっぽく浮かんできました。
(青く写るのは、デジカメの赤外線カットフィルターのせいらしいです)

周囲の恒星を星図で調べると、11.8等星ぐらいまでは写っています。


(3)μフィルター装着

眼視でフィルター付けて50倍ぐらいまで倍率を上げると、コントラストが向上しリングが見えてきます。
まあそれでも眼力をフルに駆使して、かすかに見えるぐらいですけどね。
全体の光量もだいぶ落ちてしまい、色も緑っぽくなって美しさ的にはちょっと・・

ただし、惑星状星雲や散光星雲のコントラストを上げるという本来の目的はちゃんと達成されているようです。
下の画像は64秒露出した画像6枚を単純に積み上げ合成したものです。
追尾の不具合で像が流れちゃいましたが、元画像のバックは真っ黒に近くなり、積み上げ合成するたびにM57の輝度は確実に上がっていきます。
暗い恒星はもはや写らず、等級でいくと9.8等ぐらいまでしか写っていません。
だから、球状星団とかには逆効果になるかもしれません。

 
 

<総括>
惑星状星雲や散光星雲を光害の中から浮き上がらせるという点では確実に効果があると言えます。
ただ、私の望遠鏡が小口径のせいもあってか暗い恒星は見えなくなり、自然な色味も失われるので、「美しい星空の中に浮かんでいる星雲」という構図は味わいにくいような気がします。
価格は手ごろなので、場合に応じて使い分ければいいのではないでしょうか?