Voigtlander Vitomatic 2

クラカメTOP
 
「ピカピカの優等生」

フォクトレンダー・ビトマチック2、とにかく美しいカメラです。 
今までの2台はアメリカ製でしたが、これは1950年代のドイツ製。 
直線と円を基調としたすっきりとしたフォルムで、いかにも「カメラ」という感じですが、異なる質感のメッキに織り成された冷たく精緻な雰囲気がたまりません。 
ボディ自体コンパクトなことも手伝って、鏡胴の存在感が圧倒的です。 
Web上の画像ではこの美しさを完全に伝える自信がありません。 
機会があったら、ぜひ中古カメラ店で実物を見てください。 

レンズはこれまた名レンズと言われている、カラースコパー50mmF2.8。 
 


 
実は私がクラカメに興味を持って、最初に欲しくなったのがこのカメラだったのです。 
まずこの美しいスタイルが気に入ったのと、やっぱり露出計内蔵じゃないと困るよなあ、というのが理由でした。 
ところが、お店で実物を手にして、まずその重さにびっくり。 
(いや、クラカメは総じて重いのが普通で、当時はまだ免疫がなかった) 
さらに、タマ自体はけっこうあるのですが、「露出計不良」の個体がとても多い! 
そういうのはたいてい委託品なので、おそらく使っていて壊れてしまって、そのまま手放した人が多いのでしょう。 
たしかに、露出計の動かないビトマチックなんて、ビトマチックである意義がないというものです。
そんな現実を目の当たりにして、急に購入意欲が萎えてしまい、しばらくクラカメへの興味もなくなってしまいました。
やがて露出計なしのシグネットとボルシーでクラカメの洗礼を浴び、操作にも慣れてきた現在、お値頃価格の美品ビトマチックの出物を発見するなり、つい手が出てしまいました。

あと、もうひとつこのカメラを買う理由になったのが、リバーサルフィルムでの撮影です。
ネガフィルムで夕空を綺麗に撮ろうと思っても、プリントの時に自動的に補正されてしまって、どうにも不満が出てきたところで、ある日シグネットにリバーサルフィルムを仕込んで撮ってみました。
結果は、たしかに夕空はおおっ!これは綺麗!と写ったものの、他のカットは全般的にアンダーで沈み気味。
うーん、言われる通りに露出はデリケートです。
ということで、ポジフィルム成功率向上マシン、あるいは他のカメラと一緒に持ち歩いて(本当にやるかどうかは?)500gの露出計代わりにもなるな、と考えました。
ちなみに、2000年12月現在、私はすでにクラカメを4台持っているのですが、露出計内蔵のカメラはこれだけです。

Webで見つけた福岡の中古カメラ店から通販で購入。
コンディションも良く、皮ケース付きで送料税込み24,000円とお買い得感は高いです。

なお、ビトマチックには大きく1/2/3の区分に加え、a,bなどの添え字が付いたバリエーションがあります。
私が買ったのはただの「2」なのですが、これが「2a」になると、露出計の指針表示がファインダー内で確認できるようになっていたり、シャッター速度上限も1/300sから1/500sへと上がっていたり、と進化を遂げています。
もちろん私も「2a」が欲しかったのですが、相場価格は「2」より1万円以上も高いので諦めました。
(なにしろ、使っているうちに露出計が壊れたら・・・という不安が強く、高いものには手を出したくありません)

「1」に対する「2」のアドバンテージは、二重像合致式の連動距離計が付いていることです。
さらに「3」あたりになると、シャッター速度と絞り値もファインダー内から確認できるようで、機構的にはさらに進化しているのですが、デザイン面ではやたらとギラギラメッキが増えてしまって、金属的な質感に乏しくなっているようで、個人的には好みではありません。
 
 
 
ボディはコンパクトなだけに、よりいっそう鏡胴のボリューム感が強調されています。 
先端からピントリング、絞りリング、シャッター速度(絞りと連動)リングの順です。 
右下に見えている細長い窓が露出計です。 
光度に応じて針が振れるので、それに合わせて絞りリングと連動する○印を合わせます。 
これで露出は合ったことになります。 

さらに被写界深度や被写体の性格を考慮してシャッター/絞り連動リングを調節したら、最後にピントを合わせてシャッターを切ります。 
もちろん、より厳密な画作りのためには場合に応じて露出を補正する必要がありますが、最初の目安を与えてくれるという点ではありがたいものです。 
この露出計の指示通りに撮っていれば、まず大失敗することはないと思います。

鏡胴下のノッチは、ASA感度調節時の絞り/シャッター速度目盛の回転解除用。 
フィルムカウンターは底面にあります。
ファインダーは等倍でとても見やすいです。 
両目を開けたままで違和感なく撮ることができるのは実に快適。 
ピント合わせは二重像合致式。個体の経年劣化のせいもあるのか、ブライトフレームの見やすさの点ではシグネットに軍配が上がります。 

ファインダー横にあるのが巻き上げレバー。 
グリッと巻き上げて離すとパシャーンと戻り、軽い快感を覚えます。 
そうそう、快感といえばシャッターレリースの感触もいいですね。 
最初の感触は硬い感じですが、ググ・・と力を込めるとスパっと切れ、次の瞬間にパシャという乾いた音と手応えが返ってきます。 
とにかくシグネットやボルシーが軽く思えるくらいの重さなので、手ぶれもしにくいです。 
 

<ギャラリー>

画像クリックで大きい画像が表示されます。ブラウザの「戻る」で戻ってください。
いずれもフィルムはフジのスペリア100。街中のDPEに出したプリントをスキャン。

原色がひときわスパーンと抜けるような印象 

シャープさにも十分満足 

こういうカットならともかく、バイクや車の全体を撮ろうとすると、 
焦点距離50mmではちょっと不便を感じることもあります 

露出決めで悩むような場合でも、ビトマチックならなんとかなります。 
経験値アップのためにもそのときの露出をメモっておくといいですね。 
これは1/60s、F4 

背景のビルも写すために1/60s、F16と絞り込みました。 
露出計連動といっても、考えて撮る要素は残っています。 

ホンダのショールームにて 
1/30s、F4と5.6の中間 
Jpegのブロックノイズが出てしまいました。 

青山霊園にて 
ハチを家族のように可愛がってくれた教授と 
今は一緒に眠りについています 

上の星は金星。レベル補正をかけました。 
このくらいの暗さになるとさすがに内蔵露出計は役に立ちません。