「見つめてナイト」に関する個人的見解


結論:評価D

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なんと申しましょうか‥‥ちょっとイケませんです、これ。
この私が、「好きになれるキャラが一人もいない」ってのは、別の意味で傑作かもしれません。

イケない理由はハッキリしてまして‥‥設定とゲームシステムのアンバランスです。
まず、基本設定がイケません。
主人公は「傭兵」です。舞台となるドルファンは外国人の傭兵でも軍功を挙げれば偉くなれる国なので、この国で出世することが目標‥‥の、はずです。
でわ、ナゼこの男は毎週毎週知り合いの女の子を遊びに誘わにゃならんのでしょ??
それもたいして好きでもない女の子を。教会で神託受けて女の子の情報調べてまで。
そんなヒマあったら真面目に心身鍛えてる場合ではないのでわ?
これがまた「三度の飯より女好き」とかいう設定なら理解もできようものの‥‥
まあしかし、それでは18禁路線にはなれど、純愛路線にはならんわな。
PCは日常の中で女の子たちと偶然に遭遇しますが、そこでPCが女の子を好きになる(あるいは特別に意識する)
というイベントが用意されてないために、PCが女の子を追っかける理由がどこにもないのですの。
‥‥これで引きにするにはムリがあるってば。
で。このあとも日常を続け、日々の遭遇の中でお互い魅かれあい‥‥といけば理解できる。
このあと、PCがアプローチを掛け続け、女の子にコビを売り続けないとイベントが起きないってのはちょっと(汗)
しかも、女の子の魅力を示すイベントの多くは終盤になって、女の子の恋愛度が上がってきてからで‥‥結局、PCが女の子に惚れるヒマがないという。

それから、この種のゲームでいちばん違和感を感じるのが選択肢の記述です。
女の子が食べ物を差し入れてくれました。
選択肢:ありがとう
     誰が食うか
まぁ、なんてわかりやすい選択肢でしょう。
‥‥って、断るにしろもう少し言いようがあるだろうに。「甘いものはちょっと‥‥」とか。
これで、PC、ひいては物語への感情移入が失せます。
ここで引いてしまうと、用意されている感動のイベントが色褪せてしまうのです。

全体的に、設定自体は悪くないのにそれの見せかたがまったくちぐはぐです。
具体例を上げ、修正案を出してみましょう。

クレアという女性がいます。PCの指導教官の奥さんでしたが、物語最初の戦争で教官が死んでしまうために、未亡人となってしまいます。
この設定を生かすためには「教官夫妻がどれほど愛し合っていたか」と、
「PCにとって教官がどれほど尊敬できる相手だったか」、「教官がPCをどれほど信頼していたか」を示すイベントが不可欠です‥‥
‥‥ありません。
どう考えても教官はチョイ役です。だから、彼が死のうがクレアさんが嘆き悲しもうが、まったくプレイヤーに伝わってこないです。
もちろん、この物語は彼女を過去の呪縛から解き放つことが大命題となるはずですが‥‥意気込みも何も‥‥ねぇ。

裏ヒロインとして人気の高いアン
最初の出会いは全キャラクター中、さすがに随一のインパクトを誇ります。
問題があるとすれば、インパクトから急に現実になってしまうことでしょうか。
不思議な少女として登場しておきながら、ゲームシステム的側面から、
他の女の子と同じく現実に存在してデートに誘って口説き落とす対象としてしか扱われなくなってしまいます。
結局、彼女に対してもPCが惚れるヒマもイベントもないために、それさえあればすごく感動的になるラストイベントが、
上滑りして拍子抜けしたものになってしまっていました。
思うに、最初の出会いイベントはもっとずっと早く(1年目半ばくらい)でもよかったと思います。
で、1〜2年目は、正体不明の不可思議な少女のイメージのままPCの前に出没し、PCに印象を受け付けていきます。
そうして、3年目にPCサイドから話し掛ける機会があって‥‥それからやっとデートに誘える。
と、こういけば彼女への感情移入度がずっと上がったでしょう。
それならば、ラストイベントは泣けます。
まぁ‥‥クリスマスあたりでラストの予想がついちゃったってのも問題かもしれないけどさ。

メインヒロインのソフィア
キャラとしてはキライになれるタイプです。
現状に引きずられて正しく一生懸命になっていないから‥‥って、これは主観の問題だから置いといて。
イベントはまだしも、日常のお誘い&デートの対応が他の女の子と大差ないのでは、彼女の特殊な境遇がまったく生かされていません。
オーディションイベントがあまりに唐突な印象を与えるのはその為です。
ラストイベントに至るまで、オーディションイベントの意味がわかりませんでしたから。
ソフィアに惚れさせたいのなら、もっと早くから彼女の心情を露呈するようなイベントを用意するべきでしょう。
‥‥あ、これはまだ私が見ていないだけかもしれませんが。しかし、あるとしたら、それを見ないでもEDを迎えられるのでは片手落ちですね。
また、デート時の反応についても心を許したいのにそれができないジレンマをだすべきでしょう。
イベント時にはあれだけ家庭の事情やジョアンの存在にこだわりを見せる彼女が、通常時はふつーの女の子じゃあ説得力なしです。
ジョアンの設定についても説明不足です。
イベントの際にときおり出現する脇役‥‥では、この男に大した感情を持つことができません。障害として認識することすらできないでしょう。
そして、やっぱりここでもアン!
海岸の歌声イベントが意味を持つのは、アンとソフィアの板挟みが成立した場合にのみです。
この時点で、ソフィア攻略のためにアンを切り捨ててしまっていると、まあ感動の薄いこと‥‥もったいない。いい話だったはずなのに

総じてイベントの発生が遅く(高い恋愛度が必要)、しかもランダム性があるために、
女の子の魅力的な設定が見えないままにゲームを進めて行かなくてはなりません。
その結果、ゲームシステムの方が設定から離れて単なる点数稼ぎに陥ってしまいます。
だから、可愛いはずの女の子たちに魅力が感じられないという結果に終わってしまっているのだと思います。

いろいろ言っては来ましたが、いちおうまだ続けてプレイしてます。
ほとんどCG回収作業と化してはいますけど。
まぁ、せめて一通りのEDくらいは押さえてみませんとね。

ところであなた、イキナリ町中で話し掛けてきて、
「あなたのこと知ってます。オトモダチになってください」
などと、おかしな事をのたまう娘って怖くないですか? ボクはとてもこわいです。
まぁ、相手が美人だったなら「そこのホテルに部屋とって、パンツ脱いで待ってろ」くらいのコトは言うかもしれませんが。




なお、この件についてのご意見はやわらかじめんの方にどうぞ。好き勝手に言って下さい。