シニアの田園集住

資料1  田舎暮らしの心得から集住を考える

「定年後は都会を離れてのんびりと田舎で暮らしたい」と考える中高年が増えています。しかし若い人たちが田舎にとけ込もうと入っていくのとは違い、ある種の覚悟が必要なようです。そのことからシニアにとっての田舎暮らしには集住という形態が相応しいのではないかと考えています。

田舎暮らしアドバイザーをされている佐藤彰啓さんという方がNHKの番組で田舎で暮らしの失敗しない心得を話されていました。参考になると思いますので、その要点を整理しました。

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(管理人 COM)

1)田舎暮らしの成功の鍵は「場所選び」

「物件ではなく地域を選べ」・・・一番大切なのは、どんな暮らしをしたいのかを考えて地域を選ぶことです。暮らし方によって選ぶ地域は全く違ってきます。良い物件があるからという理由で場所を決めるのではなく、まず自分が希望する暮らし方を考え、地域を絞り込んでから、物件を探すこと。


「今住んでいる家から3時間圏内が目安」・・・両親や子供や友達が住んでいる都会から「つかず離れず」のほどよい距離感で、万が一何かがあったときでもすぐに駆けつけることが出来る距離。


「集落からは離れすぎずに」・・・定年後に移住する場合、終の棲家になる可能性が高い。もし事故や災害などが発生したときなどの事を考えると人里離れた山の中は難。出来れば地域のコミュニティーの中で暮らすことが安心です。特に総合病院が車で30分程度の範囲内にあると安心。


2)移住費用の目安

土地や建物を手に入れるための「住宅資金」・・・地方では、空き家があっても知らない人には貸してくれないことが多い。中古住宅は500万円ぐらいからの物件があるが、リフォーム代を含めると2000万円くらいの費用は覚悟したほうがよい。新築の場合は都会と同じに3000万円くらいかかることもある。

まず必要になる「田舎暮らしの必需品」・・・軽トラックは農機具や肥料、収穫した野菜などの運搬には欠かせない。また、畑仕事には手持ちで移動できるタイプの耕耘機、雑草の手入れなどには草刈り機、木の伐採などにはチェーンソーも必要になることが多い。雪の多い地域では除雪機も重要。これらの費用に100万円程度は用意しておく。

「生活準備資金」・・・最低限の生活費を夫婦で月16万円と考えると、年間およそ200万円。これに年金受給までの年数をかけた金額は準備しておく。
 

3)生活費は都会と比べて安いか?

移住後7割近くの人が、都会での暮らしより生活費が減った・・・八ヶ岳周辺の移住者300人へのアンケート調査の結果である。しかし、費用のなかみが都会とは違うようです。

減ったという生活費のなかみ・・・「食費」は、野菜や果物からミソなどの調味料まで自給自足しているという人が多く、「衣服費」も普段着と礼服が一着あれば十分なので減ったと答えた人が多かったようです。夜のつきあいが会社を辞めて少なくなったことや、都会のように高い贈答品を送る必要がなくなり「交際費」が少なくなった理由でもあります。

費用が増えた項目は「光熱費」・・・冬の暖房代がかさむ。

その他「自動車にかかる費用」が増えたり、日用品などでは地方の方が値段が高い事があるようです。

 

4)ご近所付き合いの考え方

 新しい場所での近所づきあいは地域にとけこむためには大切。


「行事への参加が第一歩」・・・たくさんある行事も出来る限り参加した方が良い。都会の暮らしからすると負担が重いのは事実。しかし、ご近所づきあいを通し、地域のしきたりを学んだり、野菜の作り方を教えてもらったりすることができます。それとともに地元の人々との信頼関係を深めることが出来ます。


「都会の価値観を押しつけない」・・・都市では行政の仕事でも、農村では相互扶助の精神で住民が自ら対応しなくてはいけないことがある。都会的な権利意識を振りかざすとトラブルのもとになります。


「地域へのためになることを」・・・少し生活に慣れてきたら、何か地域に貢献出来ることはないか考えてみるとよい。自分の趣味や特技を通して、地域にとけこむきっかけができるかも知れない。自分を受け入れてくれた地域へ貢献しようという気持ちが大切。


 田舎暮らしには濃密な人間関係はつきものだが、自分から心を開いていけば、生活の助けになることも教えてもらえる。そうやって育てていく豊かな人間関係こそ、田舎暮らしの醍醐味です。