第1回〜第20回


第20回 メジャーリーグのストライキ (2002/8/23)

メジャーリーグがストライキに突入するかも?ってニュースになってるけど、具体的にどんなことで
もめているの?(匿名希望)


昨シーズン終了後に失効したメジャーリーグの労使協定を新たに締結するため、
現在、機構側と選手会側との間で交渉が続いていますが、交渉は平行線をたどっており、
選手会が16日の代表者会議で8月30日にストライキの日時を設定したことにより、
切迫感が強まっています。

今回の最大の争点は「課徴金制度」です。
今回の「課徴金制度」とは、チームの年俸総額が1億200万ドルを超えた場合、超過分の50%に
対して課徴金をかけるというものです。
もう少し詳しく説明すると、現在、一部の裕福な球団に良い選手が集まってしまい、どんどん強くなり、
お金のない球団との格差が出てしまっています。これを是正するために、例えば、A球団は豊富な
資金力を元に高額な良い選手を沢山取り、年俸総額が1億5000万ドルだったとします。
すると、基準額を超えていますので、1億5000万ドル−1億200万ドル×50%=2400万ドルを
課徴金としてMLBに納めなければなりません。
そしてそのお金は、財政状態の厳しい球団に配分されます。
これにより、収入格差の是正や戦力の均衡を図ろうというのが狙いです。

しかし、これはあくまでも建て前で、本音はオーナー側の『高騰する選手年俸の抑制』だと
言われています。それに選手会側が反対しているというのが、現在の状態です。

もし、ストライキが決行されると94年以来となりますが、この時は多くのファンが「野球離れ」を
起こしました。今回は更なる「野球離れ」を起こすことは必至と言われており、
一部ではブッシュ大統領が調整に動くのではないかという噂まで流れており、今後の成り行きが
注目されます。また、この影響で今秋予定されていた日米野球は中止となりました。
残念な限りです。
※スト回避により予定通り、今秋開催されることとなりました。



第19回 オルルード選手は何故いつもヘルメットをかぶっているの?  (2002/8/16)

マリナーズのオルルード選手は、守備の時もヘルメットをかぶっているけど、あれは罰ゲームなの?
うちのキャプテンは昔、罰ゲームで守備の時に両耳のヘルメットをかぶらされてたけど、それと一緒?
(匿名希望さんより)
 

イチロー、佐々木、長谷川と3人の日本人選手が在籍するシアトルマリナーズは、
日本でも連日TVで試合結果等が放送されており、目にする機会が多いチームのひとつです。
ファーストのジョン・オルルード選手は確かに守備につくときもヘルメットをかぶってます。
(選手名鑑の写真でもかぶっている。)
私も以前から不思議に思っていましたが、こんな理由だそうです。

オルルード選手がワシントン州立大学在学中に野球部での練習後に、突然、くも膜下出血で
倒れてしまったことがあったのだそうです。脳の下部からの動脈流摘出手術は成功しましたが、
それ以後も頭部を保護するため、グラウンドでは打席時だけでなく守備時にもヘルメットを
着用しているということです。

ということで、うちのキャプテンとは違いました。



第18回 一番速い球を投げたのは誰?  (2002/8/9)

先日、オリックスの山口投手が日本タイ記録となる158km/hを出しました。
しかし、このスピードの記録というのは公式記録ではありません。
当たり前と言えば当たり前の話なのですが、スピードガンなど電波を用いたスピード測定では、
設置場所や対象物との角度・距離、初速か終速かによって測定値に誤差が生じます。
ですから、あくまでも目安でしかないのが実情です。

日本では158km/hが最高とされていますが、メジャーリーグでは、1974年に米国の大学教授らによって
科学的な方法で初めて計測されたノーランライアンの時速100.9マイル(162.3km/h)が、
投球スピードの世界最高記録とされ、現在もギネスブックに掲載されています。(たぶん)

しかし、97年のワールドシリーズでジャイアンツのネンが出した102マイル(約164km/h)が
最速という記事を見たことがありますし、タイガースのアンダーソンの103マイル(166km/h)が
現役では最も速いなど、いろいろです。

チョット話は逸れますが、よくファンの間で「誰が一番速かったか?」というのが話題になります。
日本では、沢村栄治だとか、金田正一とか、尾崎行雄、全盛時の村田兆治や江川卓、
メジャーだと、サチェル・ペイジ、ウォルター・ジョンソン、ボブ・フェラー、サンディ・コーファックス・・・etc
しかし、スピードガンがなかった時代になると、人々が口にするのはすべて主観的なスピードの
記憶でしかなく、それを実証できるデータはありません。
何年か前、日本テレビだったと思うのですが、伝説の投手、沢村栄治の球はどのくらい速かったのか?
というのを検証するために、現役時代の沢村投手を知る、故・青田昇さんがピッチングマシンの
球を見て判断するという企画があり、マシンのスピードを徐々に上げていき、沢村投手の速さだと
思ったところでストップする、というものでした。
155km/hを超えても「沢さんは、もっと速かったなぁ〜」と言い、「これくらいだな」と言ったときは、
165km/hでした!
記憶は美化され、誇張されるものなのですが嘘とも言い切れないですよね。
(しかし、テレビを見ながら「オイオイ本当かよ」とツッコミを入れてしまった。)

スピードガンの功罪というのは色々あると思うのですが、伝説の剛球投手たちは実証できないから
こそ、人々の記憶の中で「史上最速」であり続けることができるのだと思います。
しかし、スピードガン出現以降の投手はそうはいかなく、数字で評価されてしまいます。
だから、「○○は良いピッチャーだったけど、△△の方が速い。」となりますよね。
ということで、前に述べたような議論「誰が一番速いか?」は、スピードガン世代の投手については
もはや不可能となってしまいました。
誰が何と言おうと、日本の最高記録は158キロの伊良部と山口なのですから・・・。

現在の日本では『160km/h』がひとつの壁だと思いますが、近い将来、誰かが超えるとは思います。
それは、果たして誰でしょう?
「誰が一番速かったか?」という夢の議論が出来なくても、「誰が160km/hを超えるか?」という
現実の楽しみが、僕たちスピードガン世代にはあります。

今回はチョット雑記帳風になってしまいました。



第17回 パンチョ伊東さん  (2002/7/19)

みなさん、ご存じだと思いますが7月4日「パンチョ伊東」こと伊東一雄さんがお亡くなりになりました。
『メジャーリーグ通』ということが真っ先に思い浮かびますが、僕らの年代には『ドラフトの名司会者』
というイメージも強いですよね。あの独特の高い声は、とても印象的でした。
個人的には、選手名の漢字の説明が大好きでした。
一番有名なのは、その選手の名前ををハッキリと覚えていないのですが『性』を説明するのに
「性はセックスの性」と言い、場内を爆笑の渦に巻き込んだというヤツですよね。

さて、以前に雑記帳の方で「なぜ『パンチョというのか?』という質問が来ている」という話をしたことが
ありましたが、今回の訃報で多くのマスコミがそのことに触れていたのでわかりました。

パンチョと名付けたのは元阪急のスペンサーだそうです。
パンチョさんが見知らぬ外国人に英語で気軽に話し掛ける姿を見て、
あれは「パンチョ」だと思ったらしいです。
「パンチョ」というのは、ラテン系の国でいわれる男性の愛称のことだそうで、
そういったラテン系イメージとパンチョさんの姿が重なったのだということです。

パンチョさんの安らかなご永眠をお祈りいたします。



第16回 YOMIURI ジャイアンツ  (2002/6/14)

先月28日に読売グループの組織改変に伴い、これまで株式会社よみうり傘下の
「東京読売巨人軍」だったものが、7月1日から「株式会社 読売巨人軍」として独立することが
発表されました。

そして、名称から「東京」の文字が消えることから、ビジター用ユニホームの胸文字も、
「TOKYO」から「YOMIURI」へ変更するということです。

しかしこれが、チョットした物議をかもしているようです。
まず、朝日新聞が、「不況の今、ただでさえ各スポーツで企業の枠を越えた取り組みを模索している
ところだ。経営的に安定している巨人だからこそ、地域性を踏まえた新たな道筋を率先して見せて
ほしいところなのに、これでは逆行している。」と批判しました。(読売vs朝日 の構図?)
次に東京ドームライトスタンドの応援団が「オレ達は読売ファンじゃない! 巨人ファン!」
「流れゆく時代に逆らうな」などと抗議の横断幕を掲げました。
(読売系の日テレは、中継の際この横断幕は映さなかったようです。)

う〜ん、難しいとこですねぇ。



FIFAワールドカップ記念特別番外編  (2002/6/10)

1次リーグの順位の決め方は、1.勝ち点 2.得失点差 3.総得点 とあるけど、
総得点も一緒のときの順位の決め方は、どうなるの?(東大宮在住、ジャンケンピンクさんより)


ご存じだとは思いますが、1次リーグは各組上位2チームが決勝トーナメントに進出できます。
勝ち点で順位を決め、勝利は3、引き分けは1、敗戦は0。延長はなし。勝ち点が同じなら
(1)得失点差(2)総得点 となりますが、それでも同じ場合は以下のように続くそうです。
(3)当該チーム間の試合の勝ち点、(4)同得失点差、(5)同総得点の優先度で順位を決め、
それでも同じ場合は、なんと抽選だそうです。
でも、(3)が一緒ということは、(4)と(5)も同じになりますよねぇ。
ということは、(3)で同じなら抽選ってこと?
いずれにしろ、残念ながらジャンケン5の皆さんの出番はないようです。


第15回 「ブルペンの語源」  (2002/5/31)

なんで投球練習場のことを「ブルペン」って言うの?(匿名希望)

bull(牡牛)の 囲い場 (pen) というのは聞いたことがあったのですが、調べてみたところ、
大きく分けると、闘牛にちなんでという説と、企業の広告にちなんでという説の2つになるようです。

まず、「闘牛にちなんで説」ですが、
これも、「投球練習の場所がグラウンドから柵などで隔離されていて、ちょうど 牛の囲い場に似ているから」という「場所似てる説」と、出番を待ち、緊張感を高めていくリリーフ投手たちのその状況が、闘牛場で出番を待つ牛たちと似ているという「人似てる説」に分かれるようです。

「企業の広告にちなんで説」は、
20世紀初頭にブルダーハム食肉会社が巨大な牛の形の巨大広告塔を野外席後方に設置し、打者がボールを当てると賞金を提供する企画をし、この下に投手のウォームアップ練習場があった事で名付けられたらしい。というのと、
Bull Durhamタバコ社というのがあり、そこが巨大な広告をほぼすべてのメジャーリーグのボールパークに設置していて、それらは、ほとんどリリーフ投手がウォームアップするところのすぐ近くに設置されていて、その看板にちんでというものです。(やはり、その広告を越えるヒットを打った打者に報酬を与えるという企画も出たとか)

あと、いつから使われるようになったかという話ですが、
1915年の Baseball Magazine の記事中に「ブルペン」という言葉があったそうです。

ということで、結論としては、理由はハッキリしないということで、(このコーナーこればっかですが)
私としては、

発端は投球練習場が闘牛場に似てるとか、そこで投げるピッチャーが、出番を待つ闘牛に似ている
          ↓
そこに着目した"ブル"にちなんだ企業が看板などの広告を出した。
          ↓
その看板に賞金などをかけ話題を作った。
          ↓
それにより、投球練習場=ブル というイメージが定着した。
          ↓
で、「ブルペン」と呼ばれるようになった。

こんな感じでどうでしょう?
※少々強引ですが、あくまでも私見です。



第14回 「サウスポー」  (2002/5/16)

左腕投手をどうして「サウスポー」って言うの?(匿名希望)

英語で表記すると"southpaw" で、paw は犬などの足のことですが、俗に人の手という意味も
あるそうです。つまり、サウスポーとは「南の手」という意味だそうです。
なぜ「南の手」なのかは次の説が有力とされているのだとか・・・

野球場は「本塁から投手板を経て二塁に向かう線は、東北東に向かっていることを理想とする」
というのがあるらしく(出所&意味不明)球場がこの通り作られていると、投手を中心にして大体、
中堅方向が東、本塁方向が西、三塁方向が北、そして一塁方向が南ということになります。
左腕投手は腕が南の方角から出てくるので"southpaw"となるわけです。

個人的に、この話は今回全く初めて知ったことなので大変感心してしまいました。
※じゃあ右投手は"northsouthpaw"?



第13回 「始球式」  (2002/4/5)

始球式についてですが、これはいつから始まったものなのでしょうか?
またどうして打者は「空振り」しなければならないのでしょうか? (さいたま市在住マッカチンさん)


初めての始球式は、27代大統領タフト氏が1910年ワシントンでの開幕試合で観客席よりボールを
投げたのが最初と言われています。この時、燕尾服を着て登場したそうです。
英語ではセレモニアルファーストピッチと表現します。
近年の大統領は主催球団のジャケットを着て投手プレート前方より捕手に向かって投げるのが
通例となっています。(この時、バッターは立たないことが多い。)

日本で最初の始球式は1908年(明治41年)11月、アメリカのプロ球団「リーチオールアメリカン」対
早稲田大学の試合で行われ、大隈重信が投げたのだそうです。
日本プロ野球の始球式で、バッターがわざと空振りするのは、大隈重信が始球式をしたとき、
あらぬ方向(ホーム−ファースト間?)へと球を投げてしまい、これはまずいと思った当時のバッターが
わざと空振りしたことが始まりなんだそうです。
それ以降、相手に敬意を表して(?)空振りをするというのが通例になっているだけのようです。



第12回 「ショートの由来」  (2002/3/29)

ショートストップは、いつから始まったの?その由来は?なぜショートと呼ぶの?
(匿名希望PKの旦那さん)


英語では『short stop』ですよね。実は、この由来もハッキリしません。
調べてみると、次の2つが有力のようです。

・投手の後ろに位置していた内野手という説
1830年頃の野球は10人から12人程度で行われていました。
そのときの守備は、ピッチャーが1人、キャッチャーが1人か2人、内野手が5人、外野手が3人か
4人で、内野手の内訳は、それぞれのベース付近の3人と、ピッチャーの後ろの両サイドに2人でした。
この2人はダイヤモンドの内側に守っており、飛んでくる打球を外野まで行かせないように
短く止める役割という意味で、ショートストップとかショートフィルダーと呼ばれていたのですが、
その後(1845年らしい)守備の人数が9人に減り、ベース付近に守っていた3人の守備位置も、
ややベースから離れ、ショートも現在の二塁と三塁の間に位置するようになったが呼び名だけ
そのまま残ったという説。

・浅い外野に位置していた選手という説
当時のボールは軽すぎてあまり遠くまで投げられなかったため、外野と内野の中継役が必要となり、
それが「ショートフィルダー」というポジションでした。
ショートフィルダーは内野というより、浅い外野と考えられていたということです。
これが1860年代にその役割にふさわしい名前である「ショートストップ」に変わった。という説。

ちなみに日本語では「遊撃手」と言いますが、これは軍隊の遊撃隊から来ているようで、
1〜3塁手のように特定の塁を守るのではないため、そう呼ばれるのでは?という話です。



第11回 「スタジアムの広さ」  (2002/3/22)

スタジアムの広さには規約があるのでしょうか?名古屋は広いとか、東京ドームは狭いとか言うけどさ、
適当に決めて良いのでしょうか。だとしたら、キヨの為にも東京ドームは狭くしてほしい・・・
(匿名希望 博多の暴れん坊)

この質問の答えとしては、第5回の「外野の距離」と少しダブるところがあるのですが、
塁間やピッチャープレートからホームベースまでの距離などは定められていますが、外野の広さ、
フェンスの高さなどは、明確に定められてはいません。
ということで、スタジアムの広さには規約はありません。

「キヨの為にも東京ドームは狭くしてほしい・・・」とのことですが、
センター122m・両翼100mの東京ドームは、その数字から受ける印象とは異なって意外とホームランの
出やすい野球場と言われています。
その理由として、まず、屋根を支えるためにドーム内部の気圧が高いので、ボールが飛ぶと
言われています。そして普通、野球場のフェア地域は扇型をしているのに対し、東京ドームのフィールド
部分は正方形に近い形をしていることが挙げられます。
つまり両翼からセンターに向かうラインが殆ど直線で、左中間・右中間が浅いのです。
およそ110mで、狭い広島市民球場と同程度だそうです。(フェンスの高さは違いますが・・・)


第10回 「“振り逃げ”って振らなきゃダメなの?」  (2002/3/19)

振り逃げって言うくらいだから、やっぱり空振り三振じゃないとダメなのですか?見逃し三振で
キャッチャーが後逸した場合ではダメなのですか?(匿名希望さん)

結論から言えば、振らなくても「振り逃げ」です。
三振の際にスイングが必要かどうかということですが、次のようなルールがあります。

【公認野球規則6.09】(一部抜粋)
次の場合、打者は走者となる。
(b) (1)走者が一塁にいないとき、
  (2)走者が一塁にいても二死の時、捕手が第三ストライクと宣告された投球を捕えなかった場合。

以上の通りですから、「『第三ストライク』が宣告され、捕手が正規の捕球を行わなかった場合」に
打者が走者になる権利が生じるのであり、ルールブックには「空振りをして三振になった場合」とは
どこにも書いてありません。
振って逃げるから「振り逃げ」、というわかりやすいネーミングですが、 ルール上バットを振る必要は
ありません。
また、見逃し三振の場合には捕手が落球または後逸しなければ、振り逃げは発生しませんから
ある程度のレベル以上の試合であれば普通、見逃し三振の振り逃げは滅多にないと思われます。
従って、経験上「見たことがない」ので、振り逃げではないと誤解されている人がいるかもしれませんね。




第9回 「エースの由来」
  (2002/3/8)

3/8付で送信した◆『へるしぃず Web Site』NEWS◆に「18=エースナンバー?」という質問に
ついてのやりとりをご紹介しましたが、つながり良く(?)ではなぜ、そのチームの絶対的な 投手を
『エース』と呼ぶのか?第1回の次回予告で、お知らせしながらお蔵入り状態だったこのネタを
今回タイミング良く更新してみます。

野球に限らず、バレーボールではエースアタッカー、サッカーではエースストライカー。
色々なスポーツで“エース”という言葉が使われていますよね。
ではこの“エース”とはいったい、何時、何所で、どの様にして生まれたのか?というは、
こんな理由だそうです。
メジャーリーグ最初の球団、シンシナティ・レッドストッキングス(現在のシンシナティ.レッズ)に
その由来があるそうです。球団が誕生した1860年代、当時は年間試合数が65試合でした。
その時代に64勝も挙げたとてつもない投手がレッズにはいたのだそうです。
その投手の名前は“エーサ・ブレナード”。
現在ではリリーフでも、64試合に登板するだけでも大変なのに、当時とはいえ、彼は64勝も
挙げました。もちろん彼はレッドストッキングスにとってなくてはならない存在、日本で言う大黒柱でした。
その偉業を称え(?)彼の名前“エーサ”がなまり、チームにとって絶対的な投手を
“エース(ピッチャー)”と呼ぶようになったということです。



第8回 「ナゴヤドームが飛ぶボールになる!?」
  (2002/3/1)

最近聞いた話なんだけど、ナゴヤドームでの使用予定球が今年から以前よりよく飛ぶボールを使う
と聞いたんだけど本当?(匿名希望 PKの旦那さん)

中日の公式戦使用球(主催試合のみ)が山田監督の意向により、今季から従来のS社製から
反発力の高さでは定評のあるM社製に変更されることが決まっています。

プロ野球の公式戦使用球には、厳格な基準があり、それを通過した物にはコミッショナーの公認印が
押されます。
しかし、メーカーによって“特徴”があるのも事実。反発力が最も高い、つまり良く飛ぶといわれて
いるのがM社製で、パリーグは全球団(併用含む)、セリーグは巨人が使っており、
使用している球団と使用していない球団では最大で100本塁打以上の差があるそうです。

中日の選手も歓迎のようで、「飛距離が10m以上違うんじゃないかな。」(山崎)
「感触が違います」(福留)と、打者陣は賛成。
逆にその分、打たれたときにリスクもあるのではと思うのですが意外に投手陣も
「手に馴染む」(山本昌)「シンカーが切れやすい」(正津)など、賛成の声が多いそうです。



第7回 「投手−捕手間の長さの由来 続編」
  (2002/2/22)

第4回の18.44mの由来ですが、後日さらに詳しく書いてあるものを見つけました。
現在は、60フィート6インチですが、最初はもっと短かったそうです。
45フィートから始まって、50フィートになり、1893年に今の60フィート6インチになったということです。
なぜ、だんだん長くなったかということなんですが、50から60.6に伸びたときにはこんな話が
あったそうです。
当時ニューヨーク・ジャイアンツにアモス・ラジーという、速球投手がいました。
(打者側から「あまりにも速くて、これじゃ打てるわけないよ」と苦情がでるほどだったとか)
ある時そのピッチャーが相手打者の頭にぶつけてしまい、4日間も意識不明の重体になるという
事件が起きました。そこでルール委員会は1893年に10フィート距離を伸ばして60フィートに
することを決めます。
そして委員会がこの数字の修正を出したところ、それを担当した製図屋が60フィート0インチの
0インチを6インチと見間違えたということです。
普通に考えれば、間違いに気付いた時点で修正をすると思うのですが、
ルール委員会は「まあ、それでいいんじゃないの?」で片づけちゃったらしいんです。
野球の歴史ってホントにこんな話が多いです。



第6回 「バッテリーの由来」
  (2002/2/15)

投手と捕手を何故『バッテリー』と言うのですか? (匿名希望 PKの旦那さん)

ピッチャーとキャッチャーのコンビを表すお馴染みの言葉ですが、1880年代までは、ピッチャーだけの
ことを言っていたそうです。
battery はもともと軍隊用語で、大砲などの「砲台」の意味。"Fire!(打て!)" と大砲が発射される場所、
つまりピッチャーズ・マウンドを表現したのが最初というワケらしいのです。
キャッチャーとのコンビを意味するようになったのは、battery には「一組」とか「一式」という意味が
あったからです。
また、一説には軍隊用語にある「砲兵中隊」が語源だというのもあるそうです。

ちなみに「バッテリー」と聞いてまず電池のことが思い浮かびますが、
社団法人電池工業会ではポジションの番号「1」「2」にちなんで、昭和60年より毎年12月12日を
「バッテリーの日」として制定し、平成3年(1991年)からは「プロ野球最優秀バッテリー賞」
なんていう表彰をしています。



第5回 「外野フェンスの距離」  (2002/2/8)

外野フェンスまでの長さ(最近のドーム球場では、両翼100m等とありますが)には、
何か基準があるのでしょうか?  (匿名希望 PKの旦那さん)

公認野球規則1・04には、次のように記されています。(一部抜粋)

「本塁よりフェアグラウンドにあるフェンス、スタンドまたはプレイの妨げになる施設までの距離は
 250フィート(76.199メートル)以上を必要とするが、両翼は320フィート(97.534メートル)以上、
 中堅は400フィート(121.918メートル)以上あることが優先して望まれる。」

ただし、この規則には付記があって、要約すると1958年6月1日以降に、プロチームが新たに野球場を
建造する場合、両翼325フィート(99.058メートル)中堅400フィート(121.918メートル)を必要とする。
また、改造する場合も、この距離以下にはできない。となっています。
このルールは長年守られてませんでしたが、1988年の東京ドームの建造以降は国際試合の開催を
考慮してこのルールに基づいて建造されるようになりました。
もちろん、外野に関する限り、定められているのは最低必要な距離で、ハッキリと「何フィート」とは
決められてはいなく、三角形のフィールドを作ろうと、両翼1kmある野球場を作ろうと、
ルール違反ではないそうです。



第4回 「投手−捕手間の長さの由来」
  (2002/2/1)

なぜ、プレートからホームベースまでの長さは18.44mなんですか?
(匿名希望 PKの旦那さん)


なぜ18.44mという中途半端な長さかというと
元々、フィートで決めているものを、日本ではメートルに換算しているからです。

プレートからホームベースまでの長さは60フィート6インチと定められています。
フィート表記でも「6インチ」って中途半端じゃないかと思いますが、
これは元々、60フィート0インチにしようと決めたそうなんです。
しかし、グラウンドの寸法を記した書類に書かれていた0インチの『0』の上の部分が
チョットはみ出ていたそうで、それを見た人が『6』と勘違いしてしまい、そのまま60フィート6インチと
決まってしまったという話を聞いたことがあります。
(この手の逸話はいろいろあり、真偽は定かではないのですが・・・)



第3回 「ポスティングシステム」
  (2002/1/25)

また、リクエストを頂きました。

「ポスティングについて」
イチローや石井などで「ポスティング」って最近良く聞くけど、いつの間にこんな制度が出来ていたの?

まず、ポスティングシステムとは何か?というのをざっと説明すると
・米大リーグ球団が、獲得を希望する日本選手の所属球団への移籍金を入札し、最高金額を提示
 した球団が独占交渉権を得る制度。
・選手の米大リーグ入りを所属球団が了承することが前提。
・さらに他球団へ権利を譲渡できず、契約が成立しない場合、その選手は翌年まで所属球団に留まる。

ですよね。
これは、伊良部秀輝投手の問題でのトラブル(ヤンキースへ行きたいとごねた)に懲りた米大リーグ機構が1997年に提案し、98年12月に「日米間選手契約協定」の改定で盛り込まれました。
日本側の立場とすれば、
・選手はFA権を待たずにメジャーに行ける。(チームは選べないが)
・日本の球団としては、どうせFAでアメリカにいっちゃうなら、ポスティングの方が高額の移籍金を
 得ることができる。
などがあります。
言い出しっぺのアメリカですが、最近は思った以上にお金がかかってしまうので
「この制度見直さない?」って言っているとかいないとか・・・



第2回 「ドラフトについて」  (2002/1/8)

早速、リクエストを頂きましたので予定を変更して今回はドラフトについてです。

「ドラフトのこと」
逆指名するには何か規定があるの?
毎年しているのだが、何処も取材に来ないのは何故。
与野のMVPでは役不足なのか?
テレバイダーなら来てくれるのかなぁ・・・
(匿名希望Mさん)

2001年のドラフト会議から新たに自由獲得枠が導入され、ドラフト制度と併用されました。
質問にもある、93年から始まった逆指名制度はこの自由獲得にかわったかたちになります。
ですから、Mさんが一方的に逆指名していても球団との契約内定となっていないため、
何処も取材にこないわけです。

この自由枠について説明すると、
まず高校生以外の選手を1球団最大2人まで自由競争で獲得できます。

自由枠で選手を獲得する球団は公式戦終了翌日以降、選手契約の締結内定通知書などの書面を
コミッショナー事務局に提出します。そして随時、その選手は契約締結内定選手として公示されます。
ドラフト会議1週間前の午後3時が内定通知書の締め切りで、この時間まで提出がなかった選手は
すべてドラフト対象になります。

そしてドラフト会議ですが、自由枠を使い切る球団と使わない球団とでハンディがつけられました。
自由枠を使った場合、ドラフト枠の指名権が制限されます。自由獲得枠を使わなかった場合、
ドラフト1巡目で入札、指名。重複した場合は抽選で、外れた場合は入札、抽選を繰り返す。
さらに3巡目に最下位球団からのウエーバー方式で指名できます。
自由枠を1つ使った場合は、ドラフト2巡目にウエーバー方式で指名。3巡目は指名不可。
自由枠2つを使い切った場合は1〜3巡目まで指名できません。
4巡目以降は全球団が指名可能で、4巡目が逆ウエーバー(1位球団から)、
5巡目がウエーバーとなります。

高校生は自由枠では獲得できないため、どうしても高校生をドラフト1巡目で獲得したい球団は
自由枠の使用を避けることになります。
つまり、高校生のトップと大学・社会人のトップを2人1度に獲得することは
難しくなったということですね。



第1回 「野球ってなぜ9回?」  (2001/12/26)

これは、僕が小さな時からの素朴な疑問だったのです。
今回、調べてみたら、こんなことがわかりました。

野球は、今から160年以上前に考案されたスポーツなのですが、
当時は今のルールとはだいぶ違い、先に21点を取った方が勝ちで、
四球もありませんでした。
このため1日かけてもゲームが終らないことがあり、
長すぎて弊害があるので点数先取制からイニング制に移行しました。
この当時に米国では12進法が流行っていた影響で、適当な長さ(3の倍数の中から)
と思われる9回が選択され定着したようです。
『三振』や『スリーアウトチェンジ』も3の倍数ですよね。
四球は後年に追加されたルールなので、この影響(3の倍数)を受けてないそうです。


 
Copyright (C) 1999-2004 Healthys,