みいさんのレポート
「皇后エリザベート・伝説の美女、その光と影」
2001年12月9日放送・2002年1月17日再放送(NHKハイビジョン)


NHKハイビジョン放送で、私達が愛してやまない作品のひとつ「エリザベート」に 関連する「皇后エリザベート・伝説の美女、その光と影」がオンエアされました。 ハイビジョン契約者はまだ少ない為、殆どの方が観れてません。この放送を観ることが 出来た、みいさんから以下のレポートを頂きましたので、このレポートを読んで、 黄泉の国での日々(笑)を思い出してみてはいかが?



一路真輝がウィーン、ブダペストなど、エリザベート縁の地を歩きながら、ドイ ツ、エッセンでの公演映像を交えて、「夫や子供を愛しながら、愛する術を知らな かった、皇后エリザベート」の心にある光と影を探るというものでした。

「エリザベート」が初演当時、観客(特に女性)からの支持を得ながらも、批評家 からは良い反応が得られなかったのは、結局「エリザベートの悲劇的な生涯は、死神 に愛されてしまったから」という大胆な解釈=トートの存在(描き方)にあったという。

トート役(Uwe Kroger)との対談の中で「ミュージカルの中でトートが現れるのは、 エリザベートが望んでいるからで、彼女の心の動きをトートとして描いている」ということ。 また、この舞台のテーマは「人生の悩み」=自分が望む人生と社会から期待される人 生とのギャップの中でどう生きていくか…ということでもあるそうです。

初演の劇場(アンデアウィーン劇場)は現在Jekyll&Hydeを上演中でした(J&Hの セットはB'wayとは違い、遠近法の箱のような感じ)


☆ミュージカルの登場人物とストーリー紹介の後、エリザベートの生涯を3つの時代に分けて解説。


第1章「自由の申し子」
バイエルン地方で無邪気に育ったシシィは姉ヘレネの見合いの席でフランツとの運 命の再会をし、結婚へ【舞台シーン:婚礼の舞踏会〜最後のダンス】
ラクセンブルグ城での新婚生活。 贅沢は富と権力の象徴だが、エリザベートはそれを望まなかった。 また、ゾフィーは彼女を皇族にふさわしい人間にすることしか眼中になく、フランツ も宮廷のしきたり、例えば夫婦ではあっても何枚もの扉で隔たれていて(舞台のよう にドア1枚ではない)、侍女が取り次ぎなしには会うことも出来なかったこと、等に ストレスを感じていった。


第2章「美は力なり」
 美しさが権力を持つということを知ったエリザベートは、ダイエットと美容に心血 を注ぐ(肉絞り器で生肉のエキスを飲み、吊り輪などの体操、ミルク風呂、ことにミ ルクへのこだわりは強く、毎朝自室から馬で牛舎に行きしぼりたてのミルクを飲む← フランツは牛舎にエリザベートの為のサロンを建てた)。 【ミルク】(でも実際には民衆の為のミルクがなくなるほどではなかったという)
175cm、50kg、W50cmという体型だか、それは拒食症の症状もあった。 それでもケーキは好きだったみたい。(デメルのザッハトルテなどウィーンのケーキ屋紹介) 自我に目覚めたエリザベートは、夫のエスコートなしに社交界に出るようになり、つ いにフランツも彼女に屈した。
【Ich goher nur mir】1幕ラストでフランツにIch goher nur mirのメロディを歌う のは、エリザベートに屈服したことを表している。トートはここで「何もいらないか ら私を支配しないで」と歌っている)


第3章「トートとの愛」
1867年ハンガリーは自治を確立する。この時代はエリザベートにとって一番華やか な時代であり、束縛から解放された時だった。【キッチュ】
(戴冠式の行われたマー チャーシュ教会やプダペスト近郊のゲデレ城からのレポートで、一路真輝は部屋の紫 色の調度類や自然に感動している)
しかし自らの療養の旅やルドルフとフランツの対立、マイヤーリンク事件【僕があな たの鏡だから〜挽歌】などスキャンダルの渦に巻かれ、ついに1898年9/10暗殺される


【暗殺】一路真輝は9/10カプツィ-ナ教会霊廟で献花し、日本での舞台の報告をする。 他に、エッセンでの公演を観劇してエリザベート役のピア・ドゥーヴェスと開演前の 心境についての対談やウーヴェ・クレーガーと前記の話、ミヒャエル・クンツェから は「なぜトートという存在を生み出したのか」という話を聞いた。

トートは“死”=滅びの予感として、価値観の崩れていく世紀末におけるハプスプル ク家の滅びも感じさせる。しかしそこに恐怖だけを感じさせるのではない「新しい時 代」を感じさせる存在として描いたという。 現在はシェーンブルン宮殿内に住んでいる作曲者シルベスタ・リーバイ(奥さんはエ リザベートの収集家)との対談、ウィーンでは宮廷料理やザッハトルテを食べたり、 城や王冠などの紹介と、紀行ものとしても見ごたえある番組でした。

舞台を見たり、資料を読んだりしても「なぜ彼女はこうなったのだろう?」とか 「何を感じていたのだろう?」というちょっとした疑問が、実際の場所に立ってみる ことで実感として解ることもあって、そういう感覚を持っている人の舞台はきっとよ り素晴らしくなるのだろうな…と感じ、10月で公演が終わってしまったのが残念な気 がしました。また再演してくれたらいいのに・・・。