2泊4日BW観劇記
− Jekyll & Hyde(2000.8.17)・ Contact(2000.8.18) −


☆Plymouth Theaterへの長ぁ〜い 道程!?☆
− エポ、Manhattanをひたすら走る −

予定より遅れてNYCに到着した為、そしてその夜から観劇をスタートするのに チケットを購入しないといけない為、いつもだったらバスでトロトロとマンハッタンに 向かうのですが、今日ばかりはタクシーに飛び乗りました。なにせ2泊4日で 木・金のソワレしか観劇できない状態。ラ・ガーディアからだから一番近い 空港からなのでよかったわぁ。今回は58thのアパートメントホテルに宿泊。 (プラザホテルの裏あたりです)ホテルに着くなり、劇場街へ走るようにして 行きました。

まずやっぱり「ジキルとハイド」狙いの私としては、45thのPlymouth Theater へ直行です。そこでみたものは、長蛇の列。。。「げげげ、、、今日は無理か。 あと30分くらいしかないし・・・明日の朝、チケットを買いにこよう」。。。物凄い長い列だったんです。 時間を考えて、そしてこの人達がチケットを持っているのかそれともボックス オフィスに並んでいるのかどうかよくわからなかったので、とりあえず次に 42thへ走りました。「あーら、、、そっか。今JCSSだったっけ。そーだ、 そーだ、Ragtimeの次にやってたんだ。JCSSが始まってたのを知り ながら・・・ちょっと残念。観たかったのに」と41thへ。いえ、別に JCSSだって勿論いいのですがプライオリティからすると他にもっと観たい ものがあったのです。さて41thといえば「RENT」ですね。でも劇場を 目の前にして、ふと「7月末に来日公演を観たばかりだ。。。」と頭をよぎり、、、 そのまま「よぉーーし。Palace Theaterへ行くぞ!」と47thまで小走りに 行きました。現在「AIDA」を上演中の劇場です。チケットを購入する為、 列に並びました。そして並んでいるうちに19:55になりました。つまりどこの 劇場でも20時から上演されますから、もう私としては気分は崖っぷちです。 その時チケット購入の順番が。とっ、ところが「キャンセル待ちに並んで」 といわれてしまったのだ。

げげげげげー、あと5分だよ、どーすんだよ。思わず劇場を飛び出すと、向かいの 46thへ走り込みました。こんなに慌てて走っている人なんて周囲にいなかった (^^;)けど、私は必死です。横目でMinskoff Theaterのアニ銃をみながら通りすぎ、 飛び込んだ劇場は、Lunt-Fontanne Theater。「美女と野獣」を上演しています。 客席からはもうすぐ開演という時の、期待に満ちた声が聞えてきます。もう既に ボックスオフィスには誰も並んでいません。が!しかぁし!!財布を出した瞬間、 心が叫びました。「違ぁーーーうっ!」・・・・・そして走りました。45th のPlymouth Theaterへ。劇場は静まり返っています。なんせもう20時ですから。 「まだ今日のチケット1枚、ありますか?」と聞くと、なんとオーケストラ8列 目。つまり1階席の8列目です。センターブロックではありませんでしたが、 右のブロックでセンターとの通路を挟んですぐの位置。なかなかの好位置です。 始まっちゃうぅ〜と焦りながらもニコニコと客席へ。着席したらすぐ幕があがりました。


☆Jekyll and Hyde☆
Plymouth Theater
(236 W.45th St., between Broadway and 8th.Ave)

重々しい音、そして切ない雰囲気のするメロディーが流れる中、ジキル博士の 親友John Utterson役を演じるGeorge Merrittの台詞からスタート。この俳優 さんは、1988年3月の「Big River日本公演」の際、来日してキャストの 一人だったそうです。(日米合同キャストで、全て日本語で上演された作品 です。私は観劇してましたので、その話を後でされた時はビックリしました) あらすじに関しては、2月にBWで観劇した
ちびくろさんのレポートを参考にしてください。ここでは私=エポの感じ取った 場面・台詞などに関して短く(ホントかぁ?)レポートします。

まず幕があがってJohnが「He WAS my friend.」とジキル博士に関して語ります。と 言うことは、全てが終った後に、降り返っている、ということですね。そして 舞台の上はチョット異様な雰囲気がします。研究室なのでしょう。実験されて いるらしい裸の患者や、それを囲んでいる医者達が上手にも下手にも、そして 舞台中央にもいます。その舞台中央にいるのが、主人公「Dr.Henry Jekyll」 です。金髪のポニーテールで白衣を着ています。演じているのは、Sebastian Bach。元SKID ROWのVocalistです。(とはいえ、この段階でエポはこの人が 誰というのは知りませんでした。)

印象に残るのがここでのジキルの台詞。1曲目の「Lost In The Darkness」を 歌い終わったジキルが「Good Night, Father」という誰にでもわかる台詞がエポには ドドドーンときてしまったのです。ちょっと衝撃が走ったのです。というのは、 1曲目を歌う前のジキルの台詞で「He is beyond・・・He treat like an animal. He is a Man」というのがありました。この台詞から「あぁ、Hopelessの 人体を使って実験してるんだな」と思っていたので、その人体実験の相手が、 ジキル博士の父親だった、と思ったら、衝撃が走ってしまったのでした。 (と言っても、聞き取れているわけでないので、人体実験と思い込んでいたので、 もしかすると病院で患者としての父親をみていたのかもしれません。が、その後の 流れで「実験を認めて欲しい・・・I beg you, governor, You MUST Say YES!!」と知事に詰め寄ったり、 ネズミに実験しているものを認めるのか?みたいな質問に、「ボランティアの 人体を使って実験している」と言う場面があるので劇場にいる間はずっと人体 実験として父親の体を使ったと思っていました。場面としては”St.Jude Hospital” だから、やっぱ実験じゃなかったかも。。。)

この「Good Night, Father」と言うと、ジキル博士は父親の(多分)額にKissを します。これをキッカケに2曲目「Facade」が始まり、場面が1幕3場の 「London Square」へ移ります。1曲目もセバスチャンが甘く、切なく歌うので トロトローッととろけてしまいそうで非常に印象的なのですが、この2曲目は レ・ミゼラブルに通ずるところがあるような気がして、非常に印象深いです。 迫力といいEnsembleのみなさんの歌唱力といい申し分無いのです!ちょっと暗い カンジで迫力がある、ってところが印象的。その終わりのほうで盛り上がった時に 出てくる歌詞で「at the end of the day〜♪・・・」って出てくるのですが、 これがなんともレ・ミゼラブルをイメージしました。やっぱり、労働階級とか下層階級は 「一日の終わり」を意識してしまうのだろうかねぇ。。。いと悲し。この曲は 作品のところどころで散りばめられているので、なおさら記憶に残る曲ですよ。

どんな作品でも、幕が上がった直後から観客をひきつけたり、ノックアウト状態にできるという のは「良い作品の条件」と思います。そういった意味でこの作品は、非常に魅力 的な作品です。音楽も素敵です。日本で公演されたら大ヒット間違い無いのでは と感じることができる作品です。うん、日本人ウケすると思うよ。

1幕9場で仲間達にジキル博士は「The Red Rat」という場末の酒場へ連れていかれます。 ここでLucyに出会います。(このLucyを演じているのは若干20歳のColeen Sexton です。スタイルは勿論抜群ですし、やっぱり若さでしょうか。ピチピチしてますよ。 顔とかもハリがあって。)ここでLucyが歌う「Good 'N' Evil」でジキル は、悩んでいた気持ちに踏ん切りがつくのですが、その歌を歌ったルーシーが 男に顔をビンタされるのをみて、ジキル博士は彼女に紳士的に接します。この 時の会話なんですが。。。
Henry Jekyll「I wonder, Is there anything I can do help ?」
Lucy「Yes...Tell me,・・・still face is there」
Henry「Seems to be. ・・・ lovely face...should have after.」
英語の台詞としては途切れ途切れにしか聞き取ってないけど。。。 こういう台詞を遣うのって、気がきいていると思いません?ようはルーシーのストレート でない質問に対して、切り替えした台詞がなんか紳士的で。つまり「(殴られた) 後のほうが前よりもっと奇麗だよ」っていうのが。たとえ顔が腫れていようと、 アザができていようと、そんな台詞を言われれば、自分を気遣ってくれている という気持ちになれる。特にルーシーのような境遇の人間にはジキルの言葉が 暖かく感じたことでしょう。

1幕11場。家へ帰るとジキルは診察室で決意をします。ここで歌われるのが 「This is the Moment」です。音楽自体素敵です。しかし歌っているジキル 役の歌唱力・声量がおもいっきり問われる曲。でも客席にいる私達観客にとっては、 聴いていて気持ち良い曲です。歌い手もかなり気持ち良いはず。この歌を歌って いる最中に舞台セットが実験室に変わったっけな。歌い終わると、とうとう 自分に注射をします。そして・・・「Salty...Bitter taste...」と、口の中で 異常が発生すると、ジキル博士は、床をのた打ち回って苦しがります。そして とうとう、Edward Hydeの登場。

ハイドが登場した後で第1幕で印象に残った場面と台詞は・・・ルーシーが自分の持っている ありったけの良い(とはいえ勿論とてもチープな)衣装を身にまとい、ジキル博士の 診療室に来る場面が第1幕16場にありますが、ここで診察を受けた後にルーシーが 一言「・・・ハイド・・・」って言うのがその一言に色々と意味が含まれている なぁと印象に残っています。あ、その前に、ここでルーシーが診療室に入って くる前に下男がそのルーシーの訪問をジキル博士に伝えるのですが、その時確か、 Looks like Ladyだったか、「淑女の”ように”(振る舞っている)」って台詞の 後に現れたルーシーが、いかにも安っぽい衣装を着けて出てくるのが面白いです。。。 で、本題ですが、ルーシーは自分に唯一紳士的に振る舞ってくれたジキル博士に 会いにきますが、実は背中が傷だらけで治療に来たのです。あまりの凄さにジキル は驚いてしまいます。治療をしながら「こんなことされて警察にいったのか?」 みたいな事を言うと、ルーシーが「そんなこと出来るわけ無い。私のような人間の 言葉を信じるはずない。相手が彼のような地位があって、金持ちな人だから」 風な台詞があり、その後に先程書いた「・・・ハイド・・・」って言うの ですが。。。この時のジキル博士がどうしたかというと、ビクッとしてルーシーの ほうを見るのです。

「ジキル博士はまだもう一人の自分のエドワード・ハイドの存在に気付いて いなかったってこと?」 私もルーシーが「彼のような地位の人・・・ハイド ・・・」を聞くまでは、ハイドがやったなんて考えて観劇してなかった。勿論、 その前の場面でハイドになった後、ルーシーのところに出向いていって、ルーシー と関係を持ったというのは、曲の最後のポーズでわかるのですが。。。でも ジキル博士自体、平然とルーシーと話をしていたから尚更です。でも「ハイド」 という言葉を聞いてビクッとしたジキル博士を観て、そこで自分の分身がして しまった事に気付いたのか、もしくは自分の分身が出現したことその事に気付いた のか、色々考えていたのですがわかっていませんでした。今こうやってレポートを 書いていて冷静な気持ちで考えてみると、ジキルの実験が「善と悪を分離する」 事だから、私の見解は「まだ全く気付いていないが、ルーシーの言葉と自分が今 研究していることを考え合わせて、ジキル博士の頭の中で事の真相が繋がったの ではないだろうか」というものです。

次の場は第1幕最後の17場で、ハイドが実際に人を刺す場面があります。下手の 方でその犠牲者になる男性の口から剣を刺すようにみえるので、客席からも驚愕の 声が上がる程、迫力のあるものでした。そして幕がおりる直前に(確かこの場面 だったと思う)舞台中央で火が燃えて終るのです。

そして第2幕。印象深いのは3個所ありました。勿論、他も部分も覚えてはいるのですが、 レポとして書き残したいのはその3個所。まず最初。第2幕1場、幕が上がって すぐのアンサンブルの曲です。とても耳に、頭に残ります。曲名が「Murder, Murder」というのですが、曲中でも、もーぅ耳タコになるくらい「Murder」とか 「Bloody Murder」って歌ってるんですよ。これだけ何回も言ってくれると、母 国語でなくとも聞こえてくるぞ、ってな程です。そして耳タコということは、 記憶に残るってことです。この作品はソロ曲だけでなくこういったアンサンブルの 歌う曲が非常に印象深いのが特徴だと思います。

そしてやはり第2幕ではこの作品の醍醐味とでもいいましょうか。「ジキル博士と その悪の分身ハイドの対決」があります。最初は「Lost in the Darkness」 を歌い出すのですが、ハイドが現れて「Confrontation」、つまり対決の 場面へと移ります。第2幕7場「Dr.Jekyll's Laboratory:ジキル博士の研究室」 が「善と悪との決闘の場」となります。ここでは半分はポニーテールのジキル博士、 そして半分が髪をボサボサにさげているハイドで登場します。そしてジキルとハイドを 歌い分けます。勿論、ジキルの時はジキルの顔を客席にみせ、ハイドの時はハイドの 顔を客席にみせます。

第2幕ではコントロール出来ない程、ハイドが現れるようになっている設定 です。ですからこの曲においてはハイドがかなり強気(笑)です。順不同で 覚えてるのだけですが以下みたいなやり取りがあります。(あ、CD聴けば いいのか。まいっか。このまま続けます)
Hyde「I live inside you forever !」
Jekyll「NO!!」・・・・・とか
Jekyll「If I die, YOU DIE, too !!」
・・・・・
Hyde「Can you see ?? You are ME !!」・・・・・とか
Hyde「I am You ! You ARE Hyde !!」
Jekyll「No!! Never!!」
Hyde「Yes!! Forever!!」
ってな具合に2小節位ずつの激しいやり取りがあるのです。CDとかだと2人の 歌詞を被せて余韻を残しながら、対決相手の歌詞がはじまるということも出来ますが、 舞台ではそれが出来ません。でもこの2人の切り返しが非常に素晴らしいです。

最後の場面、第2幕9場はジキル博士とエマの結婚式の場面です。幸せそうな 2人ですが、ジキルが苦しみだしハイドが現れてしまいます。そしてエマを人質 にとってしまいます。ここで記憶に残っている場面と台詞。それはエマが人質に なった時の台詞とそれに続く場面、そして勿論、最後の最後でジキルがハイドから 開放された時です。
Emma「You never hold me like this.」
だったと思います。この言葉をキッカケに、ジキルが戻ってきます。これをどう 理解するのかいまだ考え中。「エマの愛がジキルを呼び戻した」のか「愛は悪、 つまりハイドを怯ませる武器になった」のか「ハイドにも一寸の善が存在した」 のか、それとも「エマが言ったこの言葉で、ジキルが罪悪感を感じた」のか。。。 他にも色々考えたんだけど、やっぱりこれって、演技をする人がどう解釈して どう演技するかによるのかな。原作を読めばわかるのかな?

最後の最後、ジキルに戻った時、ウターソンに前に約束したように自分を殺して くれと頼みます。しかし剣を抜いたものの、ひるんでしまうウターソン。すると、 ジキル博士は
SET ME FREE !!
と叫んでその剣を自分の胸に 押し当てます。その場に倒れるジキル。息も絶え絶えにエマに何か囁きます。 そしてエマに看取られながら、息をひきとります。

1997年4月28日に開演して今も人気の作品です。長く続く作品というのは やはり「魅力のある作品」の証なのでしょう。私もしっかり魅了されて、すっかり この作品のファンです。勿論、人それぞれ好みというのは違いますが、でもかなり 多くの方は、この作品は好きな作品として評価するのではないでしょうか。今回 主役をしたセバスチャンも私としては歌唱面・エンターテイメント面・そして ルックス面とも大満足でしたが、作品として非常に興味を持ったので、他のキャスト でも是非観てみたい作品です。チャンスがあったらみなさんも是非観劇して下さいね。


☆As for Sebastian Bach☆
On the Stage, at the Curtain Call, Off the Stage

セバスチャンは元スキッド・ロウというハードロックのグループのボーカリストです。 でも私がその事を知ったのは、ホテルに戻って「Playbill」のキャスト紹介文を 読んだ時です。かと言って、私自体もその当時はもうロック系とかアメリカ系の音楽 から離れてしまっていて、スキッド・ロウというグループ名だけは知ってるという、 程度の認識です。劇場に入る時は「セバスチャ・バッハ?なんだか凄い名前だな。。。 でも劇場前にあるハイドの写真とか、とても雰囲気があっていいな」とか「こうやって ”Sebastina Bach in Jekyll & Hyde”ってクレジットがつく有名な人なんだな」 くらいの考えだったんです。

第1幕の1曲目で「Lost in the Darkness」を歌い始めて感じたのが、「ちょっと 舞台俳優の歌唱とは違う・・・」というもの。伸ばすところのヴィブラートを 聴いた時にそう感じました。ソフトに歌うところはとても甘い歌声で、その点では この1曲目のイメージにあっていて非常に心にくるものがありました。でもその 時から既に「歌手とかだなぁ、この人。なんかロックとか歌いそうな。。。」って 思っていました。それに手先の動きとか表現があまり上手とはいえなかったので、 俳優ではなくて多分歌手なんだろうな、きっと歌手の有名人を主役にしたんだろうな、 と思ったのです。

そしてこの作品の代表曲の ひとつである「This is the Moment」を歌った時ですが、力強い歌い方とかが やっぱり「ロックやってそうだなぁ、この人。。。」ってカンジ。しかも観客がですね、 この曲を歌い終わった後なんですが、ヒューヒューワーワー凄い騒ぎだったんですよ。 勿論、この曲は拍手喝采を浴びる曲です。よほどのことがなければ、誰が主役であろうと ここで拍手がおきるはずの場所です。(逆に拍手がおこらなかったらヤバイ場所です) それにしても凄かった!!客のノリがハンパじゃなかったです。セバスチャン自身も 歌を歌いきった時、上手方向を向いているんですが、満足そうな横顔をしたんです。 そしたら更に客が騒いじゃったんですよね。セバスチャンは舞台後方を向き、 ショーストップこそはしませんでしたが、しばらく拍手がやむのを待っていました(笑)

そしてハイドが登場した時の歌などはもう「この人、ロックミュージシャンじゃ ないのぉ?」って感じ。歌い方といい動きといいポーズといい足の広げ方といい、 全てがひっじょぉぉぉぉにロック!これが舞台の上にいるセバスチャンへの私の 印象です。でも歌唱力があり、声量も物凄くあり、加えてルックスもイケてる為、 とても満足のいく主役でありました。エポにとっては新ダーリンの出現です(^^)

そしてカーテンコール。ミュージカルファンになったキッカケがBWで「コーラスライン」 を観たことではあるのですが、BW観劇自体はそんなに数をこなしていません。 そんな少ないBW経験の中で、そして周囲の方の経験をあわせても、一度も無い経験を しました。その経験が更に「この人、ロッカーだわ。。。」と思わせるものが。。。 最前列の客の帽子をとりあげ、自分でかぶって他のキャストと一緒に舞台後方に 下がって、そしてそこから帽子を投げたり。日本の舞台でもアイドル出身の人が ミュージカルやお芝居の舞台の千秋楽とかでやったりするのは観たことありますが、 やっぱり俳優さんでそういうのは観たことがありません。それから再度カーテン コールで出てきた時、今度は客から薔薇を渡されたのですが、花をカプッといった かと思ったら、食いちぎって、尚且つその花びらをプゥーーッと宙に吐き出した のですよ。これ、ロッカーといわずとして何と言いましょう!客は大喜びです。 勿論、私もねっ(^^) その時の様子が知りたい方は
Bach praises his cast mates then eats his rosesで確認できますよ。 写真の下の「Click Here for Video」をクリックするとウィンドウが出て来て、 私の場合は、Windows Media Playerをクリックしてカーテンコールの様子を 観ました。他、「Real Player」とか「Quick Time」でも確認可能です。楽しい からのぞいてみてくださいませ。

さてそして楽屋口でのこと。私は今まで出待ちしたことなかったけど、楽屋口に 多くの人が待っているのでついついそれに紛れていました。楽屋口にはポスト カードにもなっている、ハイドとルーシーの絵が描かれています。そこをドーンと 足で蹴って、その足が見えたかと思ったらセバスチャンが出てきました。勿論 待っていた一同、大喜び。そして拍手がおこりました。ここでもパフォーマンスを するとはエンターテイナーですね。そして待っていたみんなと話をしたり、一緒に 写真を撮ったり、サインをしてあげたりと、待っていた全員にファンサービス したのです。これには脱帽ものでした!!


☆ハラハラドキドキのキャンセル待ち☆
−やっぱギャンブルだわ、話題作の当日券−

話題作なので、午前中にチケットを購入する為ボックスオフィスに行った時には 既にチケットは完売しており、午後6:30(だっけな?)にキャンセル待ちを するように言われました。58thにあるホテルをその時間に出て(チョット のんびりしちゃった^^;)歩いてリンカーンセンターへ行った時は、既に私の 前には3名いました。しまったぁ、って思ったけど並び始めて20分位で最初の 2名が呼ばれたので大丈夫かな、と思いました。しかしその後が長かった。待てども 待てども係員が来ない!前の人も明日クリーブランドに帰るから今日しかチャンスが 無いし、私なんて明日日本に戻るんだからぁ。リンカーンセンターは65thだから 劇場街とはチョット離れています。待っているうちにとうとう20時近くになって しまいました。

その時係員が「3名」呼びにきました。なんとか私も劇場へ入ることに!席は D列でしたが、劇場に入ってみると前から2列目。私の前に並んでいた人は、その 隣の席でした。並んでいる時もお互いに励ましあって(笑)いたので、そこでも 2人で盛り上がりました。いやぁ、本当にギャンブルでした。だってこれで駄目 だったら劇場街へ急いでも、どのミュージカルにもたとえ入れたとしても最初の 場面には間に合わないですから。だから話題作を観劇したいと思ったら、やはり 前もって予約できているのがいいですね。今回の私の場合は、月曜に急遽休みの 日程が確定して、そして火曜に航空券を予約、木曜に出発&ジキル〜観劇という ものでしたので、チケットの予約どころじゃなかったんですけど。みなさんは、 余裕を持って、観劇旅行してくださいね。


☆Contact☆
Vivian Beaumont Theater
(150 W.65th St. @ Lincoln Center)

第1幕1場。出演者は女性1名と男性2名だけ。なんとなく中世の貴族(?)を 思わせる衣装です。男性1名は下男という雰囲気の衣装です。舞台の上で目立つ ものというとブランコ。そのブランコに女性は乗っており、下男が押しています。 貴族の格好をしている方の男性は下から覗いたり(苦笑)してるんです。流れて いる音楽はクラシックだった。正直この段階では「・・・」状態で、「こんな ことならファントムにしとくんだったぁ(泣)」って真剣に思っていました。 そして女性がブランコを降りると、貴族の格好の方の男性とピクニック状態。 そして男性が渡すランチの中から次々と宝石が!出てくるのです。その間も 下男はブランコを押しつづけます。ブランコの前を行ったり来たりしているの ですが、ギリギリのところで貴族スタイルの男性にぶつからないんですよね。 タイミングが計算しつくされている。表情からしてもこの下男の格好の男性が この女性を好きだということがわかります。そして途中、貴族の格好をした男性が、 舞台からいなくなります。

すると、またブランコに乗っていた女性が急にドキドキとした顔つきになるの です。そして下男がブランコに乗り込んできます。「おおっ、ありがちな、下男と 貴族の娘の恋か?」というカンジで、ブランコの上では恋愛をイメージさせる 行動+男性のアクロバティックな動きがあります。これは男性は非常に技術を ようするものです。動いているブランコの上で逆立ちしたりするのですから。 その場面がしばらく続き、そこに先程の男性が戻ってきます。すると・・・ その男性が持ってきた衣装をその下男が着るのです。で、立場が逆転。つまり 下男の格好をしていた男性が実は主人で、、、貴族の悪〜いオアソビだったの かしらね(苦笑)正直、第1幕1場はね、ブランコでの技術には感心するのですが、 面白いかといえば、、、つまらなかったです。マジで「ファントムゥ〜」と思って いましたもの。

ところが第1幕2場でガラッと客席の雰囲気もかわります。私も爆笑しながら、 舞台に向かって拍手したり、ヒーヒーとヒキツリ笑いまででてしまいました。 1場もそうですが2場も台詞はありません。つまり万国共通の「身体や表情」で 表現しているのです。ですから気持ちを表す時かなり大袈裟だったりして、それが 爆笑を誘うのです。音楽もクラシックで聞き覚えのある音楽を使用しています。

レポはまだまだ続きます。 しばしお待ちを m(_)m