もみぢさんの観劇レポート


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蒲田行進曲 観劇レポート < 2000.1.22. 14:00 >

【作・演出】 つかこうへい
【CAST】 倉岡銀四郎  <錦織一清> ・ 村岡安次&nbpsp;<草なぎ剛>  ・小夏 <小西真奈美>
中村屋 <春田純一>・ 若山<清家利一>  ・ 監督 <鈴木祐二> ・ 刑事 <武田義晴>

山本哲也・とめ貴志・岩崎雄一・友部康志・黒川恭佑・川畑博稔・ 吉浦陽二・石垣広文・
岡元次郎・横山一敏・尾崎雅幸・黒須宗高 岡田良治・武智健二・大前光範


1998年5月に、SET(三宅裕二座長)の『昨日たちの旋律』以来の観劇。 そして、少年隊の個人舞台初観劇でもあり、手にはなぜかハンドタオルを握り しめ、手に汗にぎる、緊張の約3時間でした。舞台を観る時の体調や心境で、 同じ舞台でも違った解釈や感想を持ってしまいますが、喜怒哀楽がぎっしりと つまった舞台ですね。今回の観劇で一番強く私の心に残ったのは、小夏の表情 と人の心の表と裏。自分に素直になり、自分の気持ちを相手に伝えられるか? とことん愛せるか?どんなことがあっても、信じる事ができるか?そして、死 に対する恐怖、生きざま。銀四郎、小夏、ヤスを通して、自分を度々振り返り 、見つめ直しながらの観劇でした。

・幕開けの若山(近藤勇)と監督との言葉のやりとりは面白いですね。(植草だの、 猪だの。。。/ビールビンとボーリングのピン等)

・階段落ちがどのようなものであるか、スイカで実験した後、美味しそうに食べ られていたり、スイカの甘い匂いが一段と階段落ちの恐怖を物語っていました!?

・『歯磨きとガンマン』では、ガンマンの踊りも素敵でしたが、歯で受け止めるとは 思わず、また口から弾丸(タマ)が吐き出されるとは。。。

・銀四郎がヤスの家に行き、猫だの犬だのらっきょうだの、テンポの早さと期待で わくわくさせられ、部屋の様子も見えてきました。

・『理由なき反抗』私もやりたい!!

・銀四郎と小夏が別れ話をする時の、銀四郎の台詞(銀四郎)「嫌いで別れるん じゃないんだ。。。」は心に響きます。

・小夏のお腹の中で赤ちゃんが動いた時のヤスの声かけは心に残ります。

・銀四郎が再びヤスの家に訪れた時の3人は絶妙です。(本/衣装/ピアノ)

・銀四郎が小夏を連れ戻しに来た時、ヤスと小夏の中でしっかりとした気持ちが見えました。

・ヤスの銀四郎を思う気持ちは、小夏を思う気持ちとはまた違った意味で男って いいな、、、と思ってしまいます。逆に小夏が少しずつヤスを想っていく女の 気持ちもわかります。

・『翼の折れたエンジェル』〜ラグビー部員達登場。佐藤氏が登場間もなくボックスを 失敗されたのですが、周りの部員に助けられ、踊り切る姿はチームメイトの暖かさを 感じました。また、佐藤氏のお尻に、本来胸につけるリボンがあり気になっていた所、 やはり、24日には腰の辺りに変わっていたそうで。。。

・銀四郎が小夏に戻って来ないかと告白する場面では、揺れ動く小夏の気持ちが 手に取るようにわかりました。そして、やはり決心は固かった。

・『君だけに』では、銀四郎の心の叫びが痛い程わかりました。

・ヤスが小夏に暴力をふるいながら、死を目前にして延々と胸の内を語る場面では、 友人は、「可哀想で観ていられない。。。」と言っていましたが、私はヤスの いら立ちや銀四郎に対する心の叫びが伝わってきましたし、その次の場面へと 結びついていると思います。確かに、身重の身体を殴る蹴るは痛そうでした。 ただ、この部分の後半(ヤスがティッシュで汗をぬぐった後あたりから) ヤスはただ、台詞だけをこなす感じに見えてしまったのが残念でした。

・小夏の「お腹の子供が逆子で帝王切開&へその緒が首に巻き付いて。。。」 は私も経験したのでその当時を思い出していました。(長男=逆子でもしかしたら 帝王切開と言われながらも自然分娩でするっぽんと。次男=するっぽんと出てきた 時に、首に二回半とそれでもあまって胸から背中にたすきがけのようにぐるぐると へその緒が巻き付いていた。通常の倍の長さ(100センチ)あったそうです。)

・小夏の『ぶちっ』という切れる音には爆笑してしまいました。その後、小夏がヤスの ズボンの中まで手を入れかきまわしていましたが、ヤスが草なぎ君に変わって顔が 赤くなっていたのを見逃しませんでした。ビールビンがエノキだった時もヤスは 草なぎ君になっていましたね。

・ヤスが「お腹の子が俺の子だったらいいなっていつも思ってた。ずっと苦しんでた」 ヤスの気持ちの浮き沈み、心の裏と表が入り交じり、ヤスの小夏と銀四郎を思う 気持ちにどんどん引き込まれました。「人が生きる事の意味を」「人が愛する事の 意味を」これからもずっと考えていくでしょう。

・ヤスの映画にかける思いは、銀四郎以上だったのではないかな。。。なんて 思ってしまいました。

・岩崎さん、猫助さん(本来の姿!?はすごく似合っていらっしゃいました)が 戻られ、皆さんの緊張を感じながらの階段落ち。死と向き合うのは本当に辛いですね。。。 後悔しないよう、されないよう、精一杯生きて生きたいです。

一番残念に思ったのは、D列(下手)だったため、細かい表情は観れるものの、 近すぎて全体像を観る事ができなかったのが悔しい。ああ、もう一度観たい。。。 そして、、、銀四郎さんの握手が欲しい。辛い時に頑張ろう!と思えるように。。。

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