ローマの休日
−帝国劇場('2000.3.12)−


98年10月に、私はこの作品の初演を青山劇場で観ています。実をいうと、その 日はエポ的には非常にご立腹状態で劇場をあとにしていました。というのも、やはり 映画史上に残る名作のミュージカル化ということでの期待が大きすぎたところが あったのだと思います。正直言ってこういうことは珍しいのです。通常私は、 割と素直に感動したり、楽しんだりして、夢見心地で劇場をあとにするのです。 そして周囲で辛口な印象を述べる人達を、「ひょ、評論家だなぁ。。。」と 驚いていることが多いのです。

そんな私がなぜご立腹状態で劇場をあとにしたのか。。。それはあるシーンでも 舞台セットにありました。それはアン王女とジョーがバイクに乗ってローマの街を巡る 場面。ベスパで舞台上をはしるのですが、ローマの有名な史跡や観光地が、ミニチュア で、しかも私には安い色合いで(ごめん)確かおぼんの上をまわっており、そこを はしりまわっていたのですね。そういう表現も気に食わなかったし、セットが あまりにもチャチに思えて、「うう(T_T)このチケット代は一体なに??」と 思ってしまったら、集中力がとぎれてしまったのでした。

そして劇場の外に出た時、ふと自分の頭の中に音楽が流れていないことに気付き ました。思い出そうとしても「ら〜らる〜」という3音(^^;)と、「これが 人生〜♪これが人生〜♪・・・」の部分だけ。エポ観劇史上初めての快挙(?) で、自分自身も混乱してしまったので、更にご立腹状態に陥ったのでした。

このチケットを購入したのは昨年カルメンを観に青山劇場へ行った日が、丁度 ローマの休日のチケット発売日で、劇場で希望日を書いて出すと、第1幕が終わった あとの休憩の時には予約ができているということで「センター寄り」とか 「6〜10列目くらい」とかうるさい希望も加えて(←贅沢にできている) 予約をしたのです。(そーいえば、その時、営業の人に「東宝さんのミュージカルは チケット代が高いですっ!」と言ったら、営業さんは困ったように「舞台セット とか、凄くかかるんですよ」と言いました)

さて今回の感想?まず前回のご立腹のシーンですが、改良されており、これなら 納得できるという演出になっていましたよ。ベスパで最初街を走るところは、 実際の大きさの世界で、まず舞台上をはしって舞台袖にはけます。そしてそのあとは 宙づりではなく、クレーンで空を飛び、アン王女とジョーを乗せたベスパは、 上下左右に動き、ついには、客席3列目あたりまでかぶるくらいに出てきます。 そしてローマ市街はミニチュアの倍率は多少あがってるのかどうか、そのへんは 定かではありませんが、スモークを炊き、照明のあて方も素敵で、そしてベスパを ひきたたせるため、、、というのか、クレーンを隠すためか(笑)、全体的に暗い 中に空飛ぶベスパが浮き上がっていました。これなら納得です。あと歌ですが、 初演よりは残っています。。。いました。時がちょっと経ってしまったら、デュエット の曲が、思い出そうとしても、ホセとミカエラ(カルメン)のデュエットになって しまって(^^;)、、、他の感想を簡単に箇条書きにすると、

☆真央ちゃんは、やっぱり王女様がお似合い。カルメンより数段良いし、歌の 音域もこちらの方が
   あっているし、声がよく出ている。 (ちなみに私は真央ちゃんのコメディ物が好き)
☆やっぱり祐様だわ(^^)「これが人生〜♪」って一声聴いただけで、素晴らしい。
   素敵な声&歌唱力ですね〜(ウットリ)
☆アーヴィングの役どころが面白い。ジョーとのやりとりが最高!
☆太川陽介マリオが好演してる〜。初演の井上順マリオは「井上順さん」という 一種のブランド的な
   キャラクターで、存在自体が面白く、 井上順さんが舞台の上に登場するだけで、楽しさを与えて
   くれましたが、太川マリオはコメディタッチの演技で、十分楽しませてくれました。
☆北川潤さんのカンツォーネ風に歌い上げた「イタリア式結婚式」はド迫力でした。
☆やっぱり出会いの場面での、高貴な王女と一般市民のジョーとの会話てのが 面白い。作品その
   ものに助けられている感はあるが、 でもそれを自分のものとして発信してない限り、観客としては
   台詞を楽しく受け止められないから、それを考えるとこのコンビはとても良い。
☆動きは、、、ノーコメント(笑)

とまぁ、今回はこんなカンジの感想を持っています。前回は「もういいや」と 思って劇場をあとにしたのですが、今回は「もう一回観てみようかな、って思 えましたよ。ところで私はどちらかというとミュージカルを観たっていう感触 ではないのです。歌っているし、音楽もふんだんに流れているのですが、台詞 とか、演技とかのほうが楽しくて、「音楽がふんだんに取り入れた御芝居を 観た」という感覚です。やっぱりあの名作映画が根底にあるからなのでしょうか。 多分私だけかもしれませんが、楽しい御芝居を観たわ〜ってカンジなんですよ。 みなさんはどうでしたか?

M− 1オーバーチュアー
M− 2謁見の歌
M− 3王女の出
M− 4謁見の歌・パート2〜退屈な夜
M− 5舞踏会のワルツ〜謁見の歌・パート3
M− 6自由
M− 7それが人生
M− 8素敵な夢
M− 9悪い夢
M−10それが人生・リプライズ
M−11カット!
M−12ローマの休日
   
☆☆☆ Interval ☆☆☆
M−13アントラクト
M−14ローマ最新観光案内
M−15時間よ止まれ
M−16時間よ止まれ・パート2
M−17イタリア式結婚式
M−18もしも
M−19船上のダンス
M−20乱闘
M−21
M−22誓い
M−23ローマの休日・リプライズ