番外編・聖飢魔II
The Ultimate Black Mass 「THE DOOMS DAY」1999.12.31



カウントダウンを信者と一緒にするのかと思いきや、実に計算された構成で2000年に なった瞬間から、閣下いか全構成員が消える、というもの。

今回のミサは「The Ultimate Black Mass」の3日目、つまり最終日で、しかも これが聖飢魔IIとしての最後の活動となるものでした。1999年の最後の日、 大晦日の17:00開演、途中休憩が1回入るという2部構成のミサでした。 今回の舞台セットは、地下宮殿、はたまた地下カリブの海賊、、、私は2階の 下手(しもて)サイドから観ていたので、上手のほうしかわかりませんが、幕 とかではなく、壁になっており、ところどころ横穴があり、ライトがセットして あったり、、、PAは客席の中央より少し後ろにありましたので、照明かな、、、その照明スタッフ (?)の機材が顔を出していたりしました。舞台中央より気持ち上手寄りでしょうか、 上から自由の女神が逆さまに吊られており、上半身が上から見えていました。 下手サイドには高い位置にキーボードが置いてあり、その高さの通路が下手から 上手まで繋がっています。キーボードの横あたりとその対象の位置の上手の位置に 地下宮殿を支える柱があります。これはボコボコしており柱にしてはグロテスクな 雰囲気のものでした。センターにはデベソが客席のセンター近くまで伸びて いました。

一部の最初、今回は5名一斉に出てきました。中央に5つの棺桶が浮き上がり、 高台の通路の位置にとまり、ドアが一斉に開きます。そこから全員が出て来て、 ライデン殿下はそのまま前に進むとドラムの位置に座ると、ドラムセットは下に 降りていきます。他4名は、左右にある階段から降り、定位置につきます。ゼノン 和尚は右の柱の根元あたり、エース長官は上手のマイクの前、ルーク参謀は 下手のマイクの前、そして勿論、デーモン閣下はセンターに位置をとりました。

「創世紀」が始まると同時に、構成員・信者ともども、素晴らしい一体感を感じさせる 最後のミサがスタートしました。3曲続けての演奏の後のMCも絶好調。「ワシは 今とっても悩んでいる」という閣下。「歌いながらも”アレをやろうか””これを やろうか”と頭をよぎっている。でもそれをやってしまうと歌詞を間違えてしまうし、 まともに歌うべきか、やりたいようにやるべきか。。。」・・・と悩みを言うが、結局 「一応告知したからな。だから自分がやりたいよーにやる!」

更に閣下は話続けます。この最後の3日間は、初日は「技術の日」、2日目は 「チームワークの日」、そして大晦日の最後のステージは「気力・体力の日」 とのこと。「最後のツアー千秋楽(その時のレポもあります)は12月4日だったが、 それから20数日経つと体力が落ちている。初日終わったらアチコチ痛かった。 2日目になると、痛くならないから”2日目にして慣れたな”と思っていたら、 翌日(大晦日)にきた」と、また笑いをとる閣下。そんな閣下の最終日の朝からの 行動だが、朝からカイロプラクティックに行ったそうです、地下鉄に乗って。 周囲に髪の毛が立っている人達がいたけど、自分達のミサに来る人ではないのは 一目瞭然だったそう。いかにもGLAYのファンです、という人達。なぜなら 髪の毛の立ち方が閣下とは逆方向だったからだそうです。

2回目のMCではデベソの先端に構成員全員の席やマイク、機材をセットしている 間、構成員の方々の世をしのぶ仮の家族の方々の話になりました。前回のミサの レポにあるように、ライデン殿下は実家の鍵を忘れて しまい、長時間締め出しにあったわけですが、その話をミサでしたせいか、会場に 来ていた仮のお母様に「あんた、今日はかぎは持ってきてるわね??」と言われて いたそうです(爆)「世をしのぶ時の仮の母親でも母は強し」なんですね(笑) 会ったことのないのは和尚のご両親だそうです。ただし和尚のリリースしたCDに お父様が写っているそうです。

でもやっぱり一番豪快なのは閣下のお母様でしょうか。会場でいつも写真を撮り まくっており、以前スタッフに会場の外に連れていかれたことがあるようです。 しかし前日30日のミサでもやはり写真をバシバシ撮っていて、スタッフから 閣下に「あのぉ、、、お母様がまた写真を、、、」との報告。「誰も止められない のか?」との閣下のお言葉にスタッフも困り果てたそうです。結局、取材陣と 同じようにパスを渡したそうです。どこかで写真を撮りまくっていたのでしょう。 でも撮るのは自分の息子だけでなく、会場にいる信者を撮っているそうです。

2部構成ということで、MCも何回かはいりました。前日は「Satan ALL Stars」が出演したこともあり、お祭り気分もあったけれど、最終日は ガラッと雰囲気が違って、厳かな気分になっているとルーク参謀は言います。 サタン・オールスターズとは、学生時代から聖飢魔IIに関わった全ての 構成員のことです。ですから前日が「紅白歌合戦」に喩えるなら、大晦日のこの ミサは「ゆく年くる年」みたいなもので、23:45にいきなり画面が切り替わり 「ゴーン!」と鐘の音が響いているような雰囲気をルーク参謀は感じていたそうです。 閣下はこの17年間、サークルの活動の延長のようなもので、自分達はずっと その気持ちのまま来ていたが、久しぶりに現在の構成員以外の人達が合流したり すると、自分達はクラブのノリのままなんだな、と感じたそうです。

この日のハプニングの話は2つほど覚えていますので、それを書きます。閣下は この1年間のステージで「歌詞を間違わなかったことが無いことが無かった」 そうです。この3日間は順調にきていたのに、一部のアコースティックの曲で 自分の口と信者の口の動きの違いに気付いたみたいで(笑)結局、今回もパーフェクト にはいかなかったみたい。でも前日のステージとは一曲もダブっていないわけだから この3日間でかなりの曲をこなしたということを考えたら、その一回くらい なんでもないですよ。

あともうひとつのハプニング話は、最初の棺桶から出てくる場面でのこと。5つの 棺桶が並んでいて、それのドアを各自がバン!と開けて出てくるのですが、間が あまり空いていないので、ライデン殿下はルーク参謀の開けたドアにぶつかった そうです。誰かが困っている気配は閣下も感じていたそうです。そしたらその時 判明したのですが、ゼノン和尚も指を挟まれたそうです。ちなみにこのオープニング で何をするか、会議で色々話し合った時、「ひとりずつドアを開ける。最初に ドアを開けて姿が見えたら、次がドアを開けると最初の構成員がドアでみえなく なる。それを次々やる」という案があったそうですが、「それじゃぁあまりに ドリフだからやめよう」ということになったそうです。

また2部構成ということもあり、休憩中も楽しめるような企画が用意されていました。 ステージ上の大きなスクリーンに、1983年の「早慶バンド合戦」の映像に 始まり、そして早稲田祭などでのアマチュア時代の活躍の映像、そして卒業した 直後の笑っていいともテレフォンショッキングへの出演の画像。これは私もよく 覚えています。卒業証書を見せると中退のタモリは「欲しかったー」と言っていた のをよく覚えています。デビューしてからの映像では、懐かしい「夢であえたら」 で「ヘルベルト・フォン・デモヤン」をやっていた映像が流れ、この番組をみて いたので、これまた懐かしかったです。そしてNHKの紅白歌合戦の出場場面、 そして毎年行われていたミサの様子、そしてあの懐かしの「フジカラー写るんです」 での各種CM!(そういえば信者の中にその時の景品だったオリジナル・デーモン パジャマを着ている人がいました)そして最後は12月初旬に終わった最後の ツアーの映像で締めくくりました。これはきっと信者にとってはたまらない 企画だったことと思います。

最後のMCでは、全員がひとりひとり挨拶をしました。客席からすすり泣く声が していました。

閣下「2000年からは我々がみんなを支えてあげることはできなくなる。 信者のみんなは自分
       で自分を支えていかなければならない。でも最後の瞬間までみんなを支え続ける から、
       みんなも精一杯甘えてくれ!」
参謀「聖飢魔IIの活動は、勇気を持てば沢山の仲間がついてきてくれるという 確信を教えてく
       れた。 みんなどうもありがとう!」
殿下「14年間共有した時間で自分の力というものを教えてもらった。来年こそ 己を信じ、前へ
        向かって足を踏み出していく。みんなに送る言葉は、GO AHEAD! 前進あるのみ!」

和尚「この瞬間この場にいられたのは、構成員・スタッフ・ここにいる信者や 残念ながらここに
       は来れなかった信者のみなさんのおかげです。 大感動をくれてありがとう。来年以降は、
       みんなに恩返しをし、誇りを持って生きていきたいと思う」
長官「今日という日はお別れの日じゃない。聖飢魔IIが永遠にみんなの心に生き 続ける出発の
       日だ。送り続けたメッセージを・・・・・自分の感性を力にし、次の一歩を 踏み出す。その
       勇気のある者はこれからも一緒に歩いて行こう」
閣下「聖飢魔IIには新しい年は来ない。新年は皆にはある。聖飢魔IIは明日からは みんなの
      ライバルとなる。聖飢魔IIを みんなで超えなければならない。全員がそれを達成できた
      その時、真の黄金の世界がみえてくるはずだ!」


「EL DRADO」が全員揃っての活動の最後の曲となりました。正面サイドの 壁には時刻が映し出されました。歌い終えた時、時刻は「23:56:10、、、」 あたりでした。歓声の中、ステージ上をまわる構成員達。そして、時刻が23:59:00 をまわったあたりから、構成員達はステージの中央に集まり、先程までドラム セットがあった位置にできている階段を5名で上がりはじめました。そして 階段を上り終えて、全員が正面を向いた時、ついにその時が来ました。

映し出されている時刻がついに「0:00:00」になった時、ドライアイスの 煙がたち、5名をのみこみました。そして、その後5名は決してあらわれません でした。客席で信者はずっと拍手を送っていました。みんな動こうとしません。 そこにBGMとして彼等の音楽が流れ出しました。みんなが大合唱を始めました。 何曲か続きました。構成員は現れませんでした。BGMが終わってしまっても 信者はウェーブをしたりして、その場を離れようとしませんでした。

聖飢魔IIのみなさん、それを支えつづけた信者のみなさんやスタッフ のみなさん。お疲れさまでした。2000年代に入り、みなさんが更なる活躍が できますよう、お祈り申し上げます。頑張ってね!


M− 1創世紀
M− 2地獄の皇太子
M− 3Great Devotion
M    C閣下の悩み(笑)など
M− 4Love Flight
M− 520世紀狂詩曲
M− 6エガオノママデ
M− 7空の雫
M− 8真昼の月
M    C構成員の世を忍ぶ家族の話など
M− 9先年香妃花
M−10ロマンス
M−11Just Let Me Go
M    Cルーク参謀によるMC
M−12Stainless Night
M−13白い奇蹟
M−14Save Your Soul
M    C歌詞間違えについて
M−15悪魔組曲
M−16蝋人形の館
M−17Winner!
   
☆☆☆ Intermisson ☆☆☆
M−18The Outer Mission
M−19Masquerade
M−20精神の黒幕
M    C和尚の秘密など
M−21有害ロック
M−22闘う日本人
M−23サクラちってサクラ咲いて
M−24嵐の予感
M−25害獣達の墓場
M−26Holy Blood
M    Cオープニングの話
M−27Big Time Changes
M−28Brand New Song
M−291999 Secret Object
M−30The End Of The Century
M−31Bad Again
M    C各構成員としての最後の挨拶
M−32EL.Dorado