−Musical カルメン −
★STORY3★
【第5場】リーリャス・パスティアの店・店内
♪ジプシーの夜に
パスティアの店では、カルメン、メルセデス、フラスキータをはじめとするジプシー女達の
踊りと歌に興ずる兵隊達が騒いでいた。はやく閉店したいパスティアは「そうでなくとも
密輸の溜まり場と間違えられているのだから、兵隊達を調子づかせるな」と女達を
しかる。それに「実際そうじゃないのか?」と言うのは、あのズニガ中尉だった。
カルメンに夢中で、あいかわらずしつこく付きまとっている。つれなくするカルメンに
ズニガは「お前を逮捕しようとしたのをまだ怒っているのか?あれは馬鹿な伍長を
営倉送りにしてかたがついているし、その伍長も今日営倉から出た。」その話を
聞いてカルメンの顔がかわる。
♪ビバ・エスカミリオ
そこにエスカミリオが、彼を賞賛する群集と共に店にやってきた。
♪用意はいいか(闘牛士の歌)
ブラボー 今宵俺の
勝利祝う歌をうたおう
・・・・・
トレアドル 用意はいいか
戦いの その後は
熱い夜に血潮が また沸き立つ
・・・・・
歌詞は、東宝ミュージカル「カルメン」パンフレットより一部引用
偶然を装うエスカミリオだが、実際はカルメンがいることをわかってこの店に
来たのだ。あれ以来エスカミリオは、勝利のまじないにカルメンの名前を使って
おり、負け知らずで人気がどんどん上がっている。そんなエスカミリオに全然
なびかないカルメン。まだ誰かに追われているのか尋ねるとカルメンは「そう、
恋の予感に、ね」という。ホセとの再会を予感しているのだろう。エスカミリオは
「欲しいものなら何でもやる!宝石でも何でも思いのままだ」と金を差し出すが、
受け取るどころか金を撒き散らしてしまう。「あんたなんか2度と会いたくない!」
というカルメンにエスカミリオは言い残した。
「会うさ。お前は俺にうりふたつ。
傲慢で気まぐれで身勝手。世間を信じちゃいない。そんな人間に恋なんか出来ないさ。
最後に、似たもの同士のこの俺の元に帰ってくるのさ」
あのエスカミリオをふるなんて信じられない、というメルセデスとフラスキータ。
でもカルメンは至って平然としている。店には客もいなくなり、パスティアが
次の密輸の話を始めた。やはりこの店は密輸団のアジトだったのだ。そこにダンカイロと
レメンダートが戻った。物凄いカモを見つけたと息巻く。
♪うまい話
ジブラルタルで男連中が密輸の仕事をし、セビリアの検問にさしかかる時に、女達に
衛兵の気をひいてもらって、密輸品を街に持ち込むというのだ。出発は翌日早朝。
メルセデスもフラスキータも一もにも無く話に乗ったが、カルメンは乗り気でない。
ホセを置いていけない、というのだ。エスカミリオをふった時の言葉が本気だった
ことに驚く仲間達。ホセは来ないと皆に笑われていたその時、、、
♪アルカラ竜騎兵
聴いて!あの人だわ!あの人の声だわっ!!