−Musical カルメン −

★STORY★


== 第一幕 ==

【第1場】セビリア・煙草工場の前の広場


♪広場
1820年代スペイン・セビリア。煙草工場の前を人々が行き交う。
広場にあふれる日差し浴びながら働く町民・物売り・兵士達。広場は活気に満ちている。 その時、カランカランと鐘が鳴り響く。

♪煙草のけむり
それは煙草工場の昼休みを告げる鐘の音。休みを待ちわびていた女工達が一斉に 工場から出てくる。やわらかな風にゆれる煙草の煙は、恋と同じく、ひとときの たわむれ、と女工達は歌う。

そこにアルカラ連隊のスニガ中尉が現われ、「ホセ!ドン・ホセ伍長はいるか?」 とホセを呼ぶ。スニガ中尉は連隊に赴任してきたばかりで、そこにいる女達が 何者なのかを知りたかったのだ。「煙草工場の女工達です。昼休みになると毎日決まって・・・」 というホセの言葉をさえぎり、スニガ中尉は「工場の外に出て、男の気をひきにくるのか」と いう。ホセは「気晴らしでしょう。煙草工場での仕事はきついといいますから」 そう答えるホセにスニガ中尉は「誰かおまえも目当ての女がいるのか」と聞く。 生真面目なホセは「とんでもありません。私は町の女は嫌いです。みているだけで 不愉快だ」と答える。それでもしつこく問いただす中尉。その中尉を振り払ってその場を 離れようとするホセにスニガは銃の鎖が切れたので直せと命令する。女工達の 歌は続く中、銃の鎖を直していると、男達が「カルメンはどうした?」と騒ぎ出す。 「カルメン!カルメン!!」叫ぶ男達。すると煙草工場の2階あたりから そのカルメンが登場した。

♪自由な小鳥(ハバネラ)
恋は自由に空を翔ける小鳥よ
・・・・・
ジプシーの恋は    いつも気まぐれなのよ
あたしの心は    誰も縛れやしない
・・・・・
歌詞は、東宝ミュージカル「カルメン」パンフレットより一部引用

好きになるのも嫌いになるのも自分の自由だ!と、 男性を翻弄させながら歌うカルメン。スニガ中尉もカルメンに一目惚れした様子だ。 しかしカルメンはスニガ中尉をかわし、ホセのもとに行き話し掛ける。冗談の 通じないホセに「つまらない男!」と言いながらもカルメンは一輪の花をホセに 差し出す。困惑しながらも受け取ろうとすると、カルメンはその花をホセに投げて ぶつけ、笑いながらその場を去り、”ジプシーの心は気まぐれ”と歌い続けた。

やがて昼休みの終わりを告げる鐘が鳴り、人々も去り、あたりは静かになった。 ホセが道端に落ちた花を拾ってみると、それはアカシアの花。とても匂いのキツイ花だった。あの女 そのものの匂いだ、と思った。しかしホセは何故か、その花を制服の内ポケットに しまい込んだ。

「ホセ!!」
そこにミカエラがやって来た。喜びながらも、「女の足では2日はかかっただろう。 また母が無理を言ったのか?」と気遣うホセ。ミカエラは孤児でホセの母に育て られた、いわばホセとは幼なじみ、いや妹みたいな関係だ。ミカエラはホセの母には 恩を感じているし、買い物のついでにホセに母からの手紙を渡すためにやってきた のだった。ミカエラはその手紙を渡し、母から「愛する息子へ」預かったというキスを ホセの額にして、その場を去っていった。

母からの手紙を読みはじめた。内容は、早く村へ戻りミカエラと結婚してはやく 孫の顔を見たいというものだった。するとその時、煙草工場の中から女工達の 悲鳴が聞こえてきた。「ケンカよ!刃物をもってケンカをしてる。早くとめないと どちらかが!!」 ホセは工場の中へ急いだ。

【第2場】セビリヤ・煙草工場の中

♪やっちまいな

工場の中ではカルメンとマヌエリータが刃物をかざして取っ組み合いのケンカの 最中だった。カルメンがマヌエリータの亭主を馬鹿にした発言に怒って、マヌエリータが 手を出したものだった。ケンカはエスカレートし、ジプシーとスペイン人とに 別れての対立になっていった。そこにやって来たスニガ中尉は、事の次第を問いただした。 そして下心丸見えのスニガ中尉はカルメンに見逃すから自分の思い通りになるように におわす。しかしカルメンは「トゥララララ〜」と歌って、中尉の相手などしない。 怒ったスニガ中尉は、ホセにカルメンを縛り上げるよう命ずる。てこずるホセに スニガは縄を取り上げ、カルメンの手首を後ろで思い切り縛り上げ、その場を離れた。

「逃がして!」
カルメンがホセの耳元で囁いた。