−Sunset Blvd.−

★STORY9★


No one ever leaves a star 「ジョー、ありがとう」 そう言うノーマを振り切り、ジョーは自分の寝室に入っていった。ノーマがジョーの 部屋へ入っていった時、ジョーは荷造りをしていた。ジョーは故郷に帰るつもりだった。 ノーマがジョーにあてがった衣類や宝石は、バッグの中には入れなかった。ノーマはジョーに 全部あげたものだとは言うが、田舎の新聞社には派手すぎる代物だったからだ。 ジョーの決意は固かった。出ていかないで、と荷造りを邪魔するノーマの手を 振り払った。ノーマは自分の寝室から銃を持ってきた。世界中が自分を心配して くれると信じきっている。

ジョーはノーマの目を覚まさせようとして、いや、それとも言い争いをした勢いでだろうか、 真実を話してしまう。スタジオから連絡があったのはノーマの車を借りたかっただけだ ということ、毎日来るファンレターはマックスが書いているということ、世間は20年前にノーマのことを見捨て、 忘れ去っているということ。。。ジョーはマックスに同意を求めた。 「Mad'ame is the greatest star of them all !」マックスはそう答えると、 ジョーの荷物を運びはじめた。この時既にノーマは正気を失いはじめていた。

ノーマ「You heard him ? I'm the STAR !! 」(聞いたでしょ?私はスターなのよ)
ジョー「Norma, you are a woman of 50.   Now, grow up !!  There's nothing tragic about being 50.
         try not to be 25.」(大人になれよ。君はもう50歳なんだ。25歳のふりをすることはない)
ノーマ「Greatest STAR of the ALL・・・」(私はスターなのよ・・・ 宙をみつめて視点が定まっていないノーマ
ジョー「Good bye, Norma」
ノーマ「No one Ever leaves a STAR ! 」(スターを捨てる人なんていないわ!)

pool 振り返ることなく階段を駆け降り、玄関から出て行くジョー。そして、ジョーの 名前を呼びながら、必死で追いかけるノーマ。

Bang !・・・Bang !!・・・Bang !!!
銃声が3発。そしてヨロヨロとしながらプールに倒れこむジョー。。。 マックスが驚いてノーマの元に来た時は、ノーマはただ呆然と、そして遠くを みながらつぶやいていた。
Stars are ageless」(スターは年をとらないものよ)

そう、冒頭でのプールの死体は、ジョーだったのだ。警官達は死体の状況を撮影した後、 死体をプールから引き上げた。そして記録のため念入りに調べ、運んでいった。段々と 周囲が騒がしくなり、とうとうニュースクルーも駆けつけた。ノーマはどうなるのだろう。 たとえ罪は免れても、新聞の見出しが彼女を葬り去るだろう。
FORGOTTEN STAR a Slayer」(忘れ去られたスターが殺人)
Aging Actress, Yesterday's Drama Queen」(年老いた女優、昔の女王)

ノーマの部屋では、記者がタイム誌に電話でノーマの様子を話していた。これが このまま記事になるのだろう。ノーマ本人は警官に囲まれて事情聴取をうけていた。 「何か彼と問題があったのか?」「彼は誰だ?」「なぜ銃を持っていた?」「以前 から殺そうと思っていたのか?」「彼が何か盗もうとして、それをみたのか?」 などと、次々と尋問していく。しかしノーマは鏡の前で鏡の中の自分に見とれて いるだけである。そこに他の警官が階下にニュースクルーのカメラが来ていることを 報告しにやってきた。「そんなものは放っておけ。カメラ撮影の時間はない」と上官が 答えた時、ノーマの表情が変わった。

刑事    「Now, Ms.Desmond.  Is there anything you wanna tell us ? 」 (何か言いたいことは?)
ノーマ   「Camera set !? Where is it, Max ? 」(カメラ・・・?マックス、どこなの?)
マックス「The camera has arrived.」(カメラが到着しました)
ノーマ   「They have ?  Tell Mr.Demille I'll be on the stage at once.」(デミル監督にすぐ行くって言って)

刑事達には何が何だかわからなかった。マックスが「私にお任せください」とでも 言うような視線を刑事達に送った。刑事達はマックスに任せて、ノーマに好きに させることにした。

マックス「Everything wiil be ready, Mad'ame」(奥様、準備が整いました)
ノーマ   「Thank you, Max.  You, pardon me, gentlemen, but I must get ready for my scene.」
           (マックス、ありがとう。皆さん、失礼します。撮影の準備がありますので)

Lights!Cameras!Action! マックスは階下に降りると、映画撮影クルーの準備を確認した。そこにノーマが 現れた。雑誌記者達がノーマにフラッシュを浴びせながら駆け寄った。「静かに!」 と叫ぶマックス。するとマックスはカメラマンに階上にいるノーマを撮影するように キューを出した。

マックス「Lights ! 」(照明!)照明がノーマにあてられる
マックス「Are you ready, Norma ? 」(ノーマ、準備はいいかい?)
ノーマ   「What is the scene ?  Where am I ? 」 (どの場面だったかしら?ここはどこ?)
マックス「This is the stairs of the palace.」(ここは宮殿の階段だよ)

ノーマ   「Oh, yes, yes.  Down below, they're waiting for the princess. I'm ready.」
           (思い出したわ。階段の下で皆が王女を待っているのね。準備はいいわよ)
マックス「Alright ? Cameras !  ACTION !! 」(よし、カメラ!アクション!!)

遂にカメラが回り出した。人生は奇妙に慈悲深く、人々はノーマに情けをかけた。 皆、邪魔をすることなく、ノーマが階段をゆっくりとポーズをとって降りてくるのを 見届けた。取り憑いた夢でノーマを包んでくれたのだ。階段を降り終えたところで 胸がつまったノーマは、その場にいないデミル監督に話しはじめた。

I can't go on with the scene; I'm too happy.  Mr.Demille, will you mind if I say a few words ? Thank you.  I just wanna tell you all how happy it is to be back in the studio making a picture again.  You don't know how much I missed all of you.  And I promise you I'll never desert you again.   Because, after SALOME, we'll make another picture, and another picture !   You see, this is my life.  It always will be.  There's nothing else.   Just us and the cameras and all you wonderful people out there in the dark.  

(もうダメ。幸せすぎてこれ以上続けられない。デミル監督、一言いいかしら? 再びスタジオに戻って映画を撮影できてとても幸せです。どんなに寂しかったことか。。。 今後は皆さんを裏切ることなく、映画を2度と捨てません。「サロメ」の後も どんどん映画に出演していきます。映画こそ私の人生。それ以外に何もありません。 私達とカメラと、暗闇でスクリーンを見つめる素晴らしい人々。。。)

All right, Mr.Demille.  I'm ready for my closeup.
(デミル監督、心の準備はできました。私のアップの撮影を。。。)


♪ This Time I'm Staying I'm Staying for Good I'll be Back Where I Was born to Be With One Look I'll Be Me ♪

THE END