Trekking Reports 〜山歩きの記録

2004.7.3(土)〜4(日) 梅雨の晴れ間の強運大縦走【空木岳 中央アルプス】

最後の最後にガスが消え姿を現した空木岳

この前の週に予定されていた木曽駒ヶ岳行きをキャンセルされていたもぐもぐさんのBLOG
「夏山に行きましょ!」と書き込んだら、なかなかの好感触の返答が帰ってきた。フィーッシュ!って、をい。
で、どこへ行こうかとメールでやり取りの中で空木岳か塩見岳が候補となり、
2日間だと往復になっちゃう塩見より縦走できる空木の方がイイねという意見で一致し、
みずさん、呉春さんを加えて総勢4人で千畳敷から空木岳へ縦走することになった。
また低徘携帯伝言板に「空木に行くよ!」と書き込んだら、
豊川の佐野さんから「池山避難小屋まで迎えに行くよ」との返答があり、
うまく行けば、標高差2000mの激下りとなる池山尾根が1600mに短縮されると、これまたラッキー。

で、前日の金曜日。
会社を早めに抜け出して、新宿発駒ヶ根行きの高速バスに飛び乗り、駒ヶ根駅前のBHで前泊。
駒ヶ根駅発しらび平行きの始発のバスに乗り込むと、もぐもぐさんから電話が入った。
なんでも菅の台駐車場から臨時バスが出たとのことで、私に先行してしらび平へ向かっているとのことだった。
(私以外の3人は関西からの参加で、みずさんの車に乗り合わせて前夜出発。菅の台駐車場で仮眠を取っていた。)


今回は残念ながらガスの千畳敷カール

しらび平に到着すると、すでに大勢の人が列を作っていた。
で、とりあえずチケットを買うためにキップ売り場に向かうと、列の先頭に並んでいた3人と無事合流。
おかげで始発のロープウェイに乗って千畳敷へと向かうことができた。(ちょっとズルかな?(^^ゞ)
千畳敷では登山届けを記入してから出発。まずは極楽平へ向けてカールの急斜面を登っていく。
宝剣岳はガスがかかり展望はイマイチだが、登山道脇には高山植物が咲き乱れ、チングルマやミヤマキンポウゲ、
アオノツガザクラにイワツメクサにシナノキンバイがお花畑を構成していた。
メンバーはさっそく撮影モードで同じゴンドラに乗ってきた人にどんどん抜かされていく。
そしてコースタイムよりかなり時間がかかってようやく極楽平に到着。
ここにきてハハコヨモギが初登場。そして...あった!この山域の固有種、コマウスユキソウだ!
やっと見つけたたったひと株のコマウスユキソウをみんなで撮影。
しかしこの後、雑草状態に咲き乱れるコマウスユキソウに見向きもしなくなるのでした。(笑)
このあとミヤマウスユキソウにチョウノスケソウを加え、稜線は真っ盛りのお花畑となる。
このときは、まだ「空木までは最初にロープウェイを利用しているんだから楽勝」と思っていたものだから、
全員、お花モードで全くペースが上がらない。
やがて島田娘から続く下り坂が終わり鞍部に到着。さぁここを登り返したら檜尾岳だ!と全員信じ込んで岩陵を登り切ると、
あれ?山名標識がない。あ、山頂は先か。あれ、またない。あ、あれだあれだ。
と、小ピークに一喜一憂しつつ歩いていくと、何故か山名標識が無いままピークはだんだん低く...
で、ここで初めて地図を確認すると...あれ?濁沢大峰??檜尾岳はまだまだやん!
てことは...うわぁ時間かかりすぎ。小屋には4時半までに着くように言われてたのにぃ!
ということで、ここからは写真自粛令が発令され、とりあえず人並みのスピードで歩こうということになった。


縦走路は花盛り

天気は悪くはないが三ノ沢岳や木曽駒などやや高い山はガスに隠されておりイマイチな状態が続いていたが、
やがて三ノ沢岳を隠していたガスが徐々に晴れて山頂が現れた。
予報では明日の方が悪いので下り坂傾向だと思っていたが、反対に良くなってきているのだろうか。
ただし空木岳があるはずの所はガスが濃く真っ白でその手前の熊沢岳までしか見えない。
明日が悪くなるのなら、空木岳はずっと見えないかも知れないなぁと半ば諦めつつ、ならばと花に集中。って遅れるって〜。

濁沢大峰からは高度をどんどん下げ、標高2600mを切ったところでようやく鞍部に到着。
スタートの千畳敷より低い本日の最低地点だ。
そしてここからは200mの標高差を一気に登ってようやく中間点の檜尾岳に到着。
ここから千畳敷方面を振り返ると、もの凄いアップダウンの連続によく歩いてきたなぁとちょっと充実感。
で空木方面を眺めると、こっちはそれほどのアップダウンもなく快適そうな稜線が熊沢岳へと続いていた。
やっぱり縦走はこうじゃなくっちゃ!と疲れも忘れて雲上のプロムナードを歩いていくが、この縦走路はそれほど甘くなく、
熊沢岳への登りで、再度ヒーヒー言う羽目になるのだが。(^^ゞ

熊沢岳は大小の花崗岩のオブジェが建ち並び、鳳凰山の薬師岳を思わせる山頂で、
白い砂にミヤマキンバイの黄色がとても映えていた。
ここでは大きなザックを背負った単独行の若い男性と出会った。
話を聞くと日本海から太平洋を目指して歩いているとのことで一同ビックリ。
彼と別れてからどんなコースを歩いてきたんだろうねと噂話がはずんだ。


熊沢岳山頂の岩陰に咲くミヤマキンバイ

熊沢岳からは小さなアップダウンを繰り返していくと本日最後のピーク、東川岳に到着。
ここから急坂を本日の宿、木曽殿山荘へと下っている時、近くで歓声が上がった。
何事かと顔を上げると、正面の空木岳にかかっていたガスが徐々に晴れてきて、あとわずかで山頂が見える状態だったのだ。
こりゃ晴れるぞ!との誰かの言葉に、同じように下っているハイカー全員の足が止まった。
そして10名以上が息を凝らして見守る中、ゆっくり、だが確実にガスは薄くなっていき、やがて完全にガスは晴れた。
空木岳を見ることは半ば諦めていただけに、この演出には一同大感激。
でも壁のように正面に聳える空木岳を明朝登ることを考えると、ちょっと気が重く...
泊まりを山頂の駒峰ヒュッテにしなくてよかったぁ。(笑)

そしてもう一つ。
前でみずさんが手招きしていたので何事かと近寄ると、すぐそばで人を恐れるふうもなくイワヒバリが囀っていた。
で、チャーンスとカメラを構えると...あ〜、逃げるぅ。
今回は望遠レンズを持ってこなかったので、やや遠ざかったイワヒバリを捉えるのはかなり困難。
と、もぐもぐさんが追いついてきた。もぐもぐさんのカメラは望遠が利いたはずなので、イワヒバリを指さして
「撮って!早く!」と促す。で、もぐさん慌ててザックからカメラを取り出して撮影!あ、電池が切れた。(・_。)ズリッ

木曽殿山荘に到着すると、先に到着してすでに手続きを済ませてくれていたみずさんが食堂でお茶を飲みつつくつろいでいた。
私もさっさとザックを下ろしてお茶で乾杯。小屋からのサービスの梅の砂糖漬けをつまむと..ん〜、旨い!
ひと息ついた後、ザックを片づけてから明日のために水くみに出発。
水場は木曽方面へと続くコースを7分ほど歩いたところにある木曽義仲の力水。
若干遠いが道中の斜面はヨツバシオガマにグンナイフウロにミヤマカラマツなどのお花畑が続き飽きることがない。
で、到着した水場でまずは一献。お〜っ!おいし〜い!


木曽殿山荘と東川岳

小屋に戻って、缶ビールを購入し小屋の外のベンチで酒盛りしていると、すぐに夕食の時間になった。
指定されたテーブルに着くと、缶ビールが置いてある。
聞くとこの日が今年の小屋開き初日とのことで、一人1本缶ビールが振る舞われたのだ。
え〜っ、そうと知ってれば缶ビール買わずに我慢したのにぃ。(体調に若干の不安があるので1本だけにするつもりだった)
で、しょうがないので缶ビール2本空けて酔っぱらいモードに。明日は大丈夫か?(笑)

一人一枚の掛け布団(敷き布団は3人2枚)は梅雨明け前のおかげか?それとも小屋開きで混雑していたのか?
ただ5、60名程度の客でこの状態だと定員120名ならどうなるのか。う〜ん、シーズンピークは避けた方がいいかも。
で、若干イビキに悩まされ夜中に何度か目が覚めつつも、なんとか眠ることができ、
5時すぎからの朝食を手早く済ませて6時前に小屋を出ると、朝日が非常に眩しく空は青く澄みわたっていた。ヤッターッ!

2日目のスタートは空木岳への急坂から始まる。
後に控える標高差2000mの下りを考えて、ここでスタミナを消費しないように必要以上にゆっくりと登っていく。
いや、ゆっくり登ろうとは思うのだが、山頂からの大パノラマが楽しみで、ついついペースが上がる。
やがて空木岳の3つあるピークのうちの最初のピークに到着。期待通り、いや、それ以上の大パノラマが広がっていた。
これならばと、わざわざ重い思いをしながらも担いできた三脚を取り出して、しばらくの間撮影に没頭。
と、あ〜、みんな先に行っちゃった〜。


第2ピーク付近から第1ピークを望む

ここからはハシゴやクサリ場が連続する岩場となる。難所では多少渋滞気味となっていたが、
先行したメンバーに追いつこうと急いで登っていると、前を行く人がどんどん譲ってくれる。
なので、岩場を猛ペースで登っていくと...見事に途中でバテちゃいました。(^^ゞ
それでも2つめのピークで休憩中のみずさん達に追いつき、あとはそれほどの難所もなく空木岳山頂に到着した。

空木岳山頂からは木曽駒ヶ岳と昨日歩いてきた縦走路、そして御嶽山に乗鞍岳に恵那山、南駒ヶ岳、
南アルプスぜーんぶと塩見岳の肩からは富士山がヒョッコリと顔を出す、まさに360度の大展望!!
また、これから下山する池山尾根もハイマツの緑とザレの白、そして花崗岩のオブジェが並びアルペンムード満点。
一同、口々に「こりゃいい山だなぁ」と感嘆の言葉がほとんど無意識に出ていた。
展望を楽しんだり軽くエネルギー補給したり集合写真を撮ったりして30分ほど山頂で時間を過ごし、
名残惜しくはあったが下山にかかることになった。

まずは駒峰ヒュッテに向かってザレた急斜面を下る。
階段で整備されてはいるが滑りやすく、先頭を行くみずさんがズルッ!...おっ、踏ん張った。
やがて駒峰ヒュッテに到着。営業しているものとばかり思っていたが、管理人は常駐しておらず、今は有料の避難小屋状態。
夏のシーズン(再来週か?)には管理人が常駐するらしいが、詳しいことは不明。ご利用の際は確認してください。
で、小屋の中を覗くと、狭いが綺麗でバッジまでセルフで販売中。寝具は見あたらなかったが奥にあるのかも。これも不明。
小屋前を出発すると尾根上のコースとカール内のコースとの分岐がある。
木曽殿山荘の小屋番はカール内のコースは整備不十分と、尾根コースを勧めていたので、素直に尾根コースを選択した。


空木山頂から南アルプスの展望

しっかし暑いっ!元々雨予報だったのがこんなピーカンになってくれたんだから贅沢を言っちゃバチが当たると思いつつも、
この日は風もそよ風程度で、肌を焼くジリジリという音が聞こえてきそうだ。
日陰など皆無の森林限界上の尾根道を歩いていく。
かなり低いところで雲海が広がり、あそこまで下れば涼しそうだと思いつつも、
傾斜はイヤミなほどなだらかで、標高は全然下がっていかない。
それと不思議なことに昨日の縦走路ではあれほどあった花がこの尾根では非常に少なく、
イワツメクサがちょこっと見られる程度。でもゲップが出るほどの大展望があるので、
昨日歩いた縦走路や目の前に広がる南アルプスの大パノラマを楽しみつつ歩いていく。
するとようやく樹林帯に突入。おかげで日陰に逃げ込むことができたが、僅かにあった風はピタリと止んでしまったので、
良かったのやら悪かったのやら。でも谷の源頭では谷から吹き上げる風が心地よく。こういった場所を見つけては小休止。
ペースを抑えて歩いているおかげか、疲労感は少ないが、単調なダラダラ下りは精神的に辛い。
しかし、何度となく登ってくるハイカーとすれ違った。下りでもキツイ池山尾根をよく登る気になるものだと感心しつつ、
下りで弱音を吐いている場合じゃ無いなぁと気を取り直して黙々と下っていく。
道端に花はほとんどなく、ヤグルマソウやコバイケイソウ、カニコウモリなどの地味な花が時折見つかる程度だ。
と思っていたら、先頭でみずさんがキソチドリを見つけた。これも地味だがラン科なのでありがたくシャッターをパシャリ。


さぁ下山だ(駒峰ヒュッテ付近)

そうこうする内、これまで下り一辺倒だったコースがハシゴによるアップダウンが連続するようになった。
地図にある、小地獄、大地獄というところなのだろう。確かにハシゴによる整備がなければなかなかの難所と思われる。
そして若干疲れてきている私にとっても、何度もの登り返しはちょっと嫌な感じではある。(^^ゞ
ここを過ぎると再度下るようになるが、やはり傾斜は相変わらずなだらかで、このあたりでようやく標高2,000mを切った。
これで佐野さんにうまく会えなかったら、標高900mまでまだ1,000m以上下らなきゃならないわけで、さすがに甘くない。
そしてさらにしばらく進むと大勢のハイカーが休憩中の分岐に到着。
直進は遊歩道、左折は登山道となっており、迷わず登山道を選択。
でも、この登山道は植林の中の面白みのないルートで、急な斜面をジグザグに下っていくと、やがてトラバース道となる。
そして....っと、前でみずさんが歓声を上げた。あ〜っ!佐野さんだぁ!!
話をうかがうと、3時間も池山避難小屋で待ちぼうけ。下山者に我々のことを聞いたりしながらひたすら待ち続けたのち、
ついにしびれを切らして、登ってきたということだ。
それにしても、もし遊歩道を選んでたら絵に描いたようなすれ違いになるところだった。ひやぁ〜っ、あぶね〜っ!

佐野さんをメンバーに加えて、とりあえず池山避難小屋へ向かう。小屋はルートから外れたところに建っており、
佐野さんが迎えに来ていなかったら気づかずに通過しちゃってたかも。そう言う意味でも運が良かった。
小屋前には水量豊富な水場があり、とりあえず冷たい水に舌鼓を打った後、佐野さんからの差し入れを頂きつつ軽めの食事。
なかなか静かな場所で、綺麗な小屋とも相まって快適そうな所。ここでのんびりと一夜をすごすのも楽しそうだ。
小屋からは幅が広くなだらかな遊歩道を進む。センジュガンピやママコナを写真に収めながら、
なかなか標高を下げてくれないなだらかなつづら折れ道を歩いていくと、不意に多くの車が駐車した広場に飛び出した。
ということで、長い長い今回の行程の最後は意外なほどあっけない幕切れだった。
とは言っても、ここから下界の街並みは遙かに遠く、ここまで迎えに来てくれた佐野さんには大感謝。
なおここまではタクシーも迎えに来てくれるとのことで、タクシー待ちをしているハイカーも多かった。(2500円也)

心配していた天候は良い方に大きく外れ、稜線のお花畑はまさに盛り。
小屋も比較的空いていた上、ビールのサービスまで付き、全ての条件が揃った最高の2日間。
う〜ん、こんなこともあるんですね〜。でも夏山シーズンはまだまだこれから。さて今度はどこに行こうかな。

この日出会った花たち
クリックでこの日出会った花たちの写真がご覧になれます。

【コースタイム】
ロープウェイ千畳敷駅 8:10…極楽平 9:00…檜尾岳 12:15…熊沢岳 14:00…
木曽殿山荘 16:00-(泊)-5:50…空木岳 7:25-7:45…池山避難小屋 11:30-11:50…林道終点 12:40

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