Trekking Reports 〜山歩きの記録

2003.7.20(日)〜21(月) 林道崩壊で穴場と化した北岳へ【北岳 南アルプス】

やはり今回も山頂はガスの中でした。(;_;)

もっとも山が混むと言われる海の日の3連休。大混雑の小屋泊まりは避けたい私としては、
どこか穴場はないものかと検討を重ねていたが、ふと林道崩壊で広河原へのアクセスが非常に悪くなり、
登りにくくなった北岳がねらい目じゃないかと思いつき、まだ梅雨明けない天気を気にしながらも中央道を西進。
早川方面から県道南アルプス線を使って広河原に入った。

広河原到着は20時半。車内でひと眠りし翌朝目が覚めると、
てっきり雨だろうと思っていた天気はなぜか時折青空も見えるほどのこの時期にしては良い天気。
当初は広河原から北沢峠行きのバスに乗って野呂川出合で途中下車。
林道を延々歩いて両俣小屋側から北岳を目指すつもりだったが、
天気の良いうちに一番のお目当てである草すべりのお花畑を歩きたいと思い、急遽予定変更。
広河原から北岳御池小屋、草すべり回りで北岳山頂を目指すことにした。

しばらくは樹林帯の中の道が続き展望はほとんど得られないが、時折木々の間から鳳凰三山が覗く。
ただ鳳凰山とは反対に目指す北岳はガスの中で全く姿を現さない。
ま、今回は展望は2の次なので、ともかく花を探して足元を注意しながら歩く。
白根御池小屋までのコースはかなりの急坂続き。道も荒れ気味で崩壊寸前の木製のハシゴが結構怖い。
まだまだ先は長いにも関わらず、すでにバテの兆候まで出始め、こりゃ今日は御池小屋泊まりか?
なんて考えまで頭に浮かぶ始末。それでも急坂がようやく終わり、
軽いアップダウンの水平移動で御池小屋にたどり着き、
美味い水と行動食のドーナツを頬張ったらかなり体力が回復した。シャリバテだったのかな?
で、小屋番とおぼしき女性としばらく立ち話。
「今年の南アルプスは空いているだろうと見越して来たんですけど、いかがですか?」と尋ねると、
「林道崩壊と梅雨明け延期のダブルパンチですわ」との答え。う〜ん、それはご愁傷様です。


でっかい水たまりのような白根御池

さて御池小屋からの草すべりは今回の最大の目的。幸いにも雲間から日が射すほど天気は良く、
このまま山頂まで行ってくれないものかと思いながら、再度、急坂登りをスタートした。
小さな雪渓を踏みしめながらのスタートと雪の融けたところにはサンカヨウが可憐な花を付けている。
で、もうのっけからお花モード全開。タカネグンナイフウロやミヤマハナシノブにカメラを向ける。
数は多いが美人が少ないのは前日の雨の影響だろうか。
で、良い被写体に巡り会うたびに歩を停めるものだから、いっこうにペースは上がらない。
まぁそれが目的で来たんだし、時間は十分にあるので、有数の高山植物群生地を堪能した。

しばらくは草ばかりで日当たりの良い斜面をジグザグに登っていくが、そのうち樹林帯に突入する。
ずっと日当たりの良い草付きの斜面かと思っていたので意外な感じだが、
ヨツバシオガマやコバノコゴメグサ、そして十数株のミヤマクロユリの群落が満を持して登場。
いつのまにかガスの中に突入していたが、そんなことは気にならないほど花に夢中になりながら登っていく。
そして樹林帯を抜けるとひらけた視界には斜面一面に咲き誇るシナノキンバイの大群落が現れた。
広場になっているここでは多くのハイカーが休憩しており、私も夫婦と思われる二人組の隣に腰を下ろした。
で、二俣からのコースとの合流はまだ先ですか?と話しかけると、ここがそうですよとの答え。
あれ?もう着いちゃったんだ。やっぱり花を見ながら歩くと時間が経つのが短いなぁと実感。
で、この先は小太郎尾根に上がるまでゆっくりできるところはないだろうとのことだったので、
ちょっと早いがランチタイムとし、前日の夜にコンビニで買っておいたざるそばをザックから取り出した。


草すべりの斜面はシナノキンバイで黄色く染まる

ときどきガスが薄れてはるか下に今朝出発した広河原を望めることもあったが基本的には展望無し。
でも元々雨の中を登る覚悟だったのだから降られないだけでも御の字というもの。
食後、カメラをかかえて気の済むまで周囲をうろついた後、
二俣から登ってきたハイカーが加わってさらに賑やかになった登山道を登りはじめた。

この分岐から小太郎尾根までのシナノキンバイのお花畑は圧巻で、
2年前に来た時もこうだったかなぁと頭を捻ったが、当時花にそれほど興味がなかった私には記憶は曖昧。
ま、あのときはめちゃくちゃバテて周囲の様子を気にする余裕なんてなかったしなぁ。
登っていくと、これまで白い花と言えばサンリンソウばかりだったのがハクサンイチゲに切り替わり、
他にもこれまで見られなかったコイワカガミやハクサンチドリなども加わり一層豪華になっていく。
あいかわらずの急登続きなのだが、ほとんど気になることなく、あっさりと小太郎尾根分岐に到着した。

大勢のハイカーが休憩している様子を見ながら、前回はここで完全にへたり込んじゃったなぁと
懐かしく思い出しながらも不思議と疲労を感じなかったので休憩は取らずに先へ進..もうとしたら、
またまた植生が変わってこれまで見られなかった、アオノツガザクラ、タカネヤハズハハコ、イワツメクサ、
タカネツメクサ、ミヤマダイコンソウにミヤマキンバイなど稜線の花々が現れ、またもや撮影モードに突入。
あまりに熱心に花に向かっているものだから、通り過ぎるハイカーに花の名前を尋ねられ、
得意げに質問に答えながらもシャッターを切りまくった。(結局この日の撮影枚数は181枚でした)


稜線まであとひと踏ん張り

ひととおり写真を撮り終え肩ノ小屋に向けて歩き始めるも、ハハコヨモギにオヤマノエンドウにイワベンケイなど
次から次へと新たな花が現れるものだからなかなか先へと進めない。
それでも結局11時半に肩ノ小屋に到着してしまった。
さっそく受付をすませたが、小屋の中に籠もるにはあまりに早すぎる時間なので、
ザックを置いてとりあえず小屋の周囲を散策。忙しそうにしている小屋番さんを捕まえて、
「キタダケソウがまだ残っているって聞いたんだけど?」と尋ねると親切にもその場所まで案内してくれた。

あまり期待していなかったキタダケソウを見ることができ大満足。体力も復活してきたので
「明日は晴れるはずだけど、もしかしたらということもあるからとりあえず山頂に立っとこうかな」
と考える余裕が生まれ、ならばとザックを小屋にお願いしてカメラと水だけ持って山頂を目指して出発した。

あいかわらずのガスの中だが、ここでまたもや植生が変化したようで、ミヤマタネツケバナ、イワウメ、
タカネシオガマなどが現れ、その上、これまで見たことがなかったチョウノスケソウに出会えて大感激。
相変わらずのお花モードでのんびりと登っていくと、やがて誰もいない北岳山頂に到着。
おーっ!独り占めだーっ!と思った瞬間、反対の八本歯方面から中高年夫婦が到着。う〜ん、残念。
ま、明日があるとは思いながらも、前回も山頂はガスで何も見えなかったんだよなぁと思いつつ、
なんとか一瞬でも晴れないものかとしばらく粘ってみることにした。
しばらくは閑散としていた山頂も団体が次から次へと到着し始め、どんどん賑やかになっていく。
そして1時間半が過ぎてもまったくの乳白色の世界は変わらず、明日があるさ!と諦めて小屋に戻ることにした。


この一瞬だけガスが切れて山頂が現れた

小屋に戻る途中でこの日初めての小雨に降られ、ザックを小屋に置いているので雨具を持っていないものだから、
大あわてで小屋へと駆け戻ると、たぶんこの日の利用者と思われるハイカーでかなり賑やかになっていた。
とりあえず指定された寝床へ向かうと...う〜ん、こりゃ狭いなぁ。
それもご近所さんはあいにく大柄な男性ばかりだったので柱までのスペースに4人が入らず、
1人が毛布が積んであったスペースにもぐり込むことでなんとかまともに寝られることができた。
ま、山が最も混むと言われる海の日の連休、南アルプスで最も混雑する北岳肩ノ小屋がこの程度ですんだのだから、
林道崩壊で空いているだろうという狙いは間違ってはいなかったのだろうが、
私としてはもっと空いていることを期待していたんだけどなぁ。(^^;

翌朝、私の目を覚ましたのは屋根を叩く雨の音だった。
え゛っ、月曜日は天気が回復するんじゃなかったのぉ?_と思っても現実に降っているものはどうしようもない。
計画では両俣小屋へと下って野呂川出合からバスに乗って広河原へと戻るつもりだったのだが、
雨とガスの中で歩いたことのないコースへと入るのは無謀。それにどうせ展望のない山頂には未練はないので、
大人しく来た小太郎尾根を引き返し、せめてもの抵抗に登りで通らなかった二俣経由で下山することにした。
こうなると慌てても仕方がない。広河原から奈良田へ車が出られるのは13:30からなので、
7時に小屋を出発しても早すぎるぐらいだ。意識的に朝食を遅らせ、朝食後ものんびりと支度していたが、
別の部屋では小屋番が片づけをはじめており、閑散とした小屋の中で粘っているのも気が引けたので、
ま、ゆっくり下ればいいやとカッパを着込んで出発した。


ひと晩お世話になった肩の小屋を後にする

外に出るとやはりガスと風と本降りの雨。ガスは危険なほど視界が利かないほどではなく、
風も身動きができないなんてことはまったくない。ただ雨はしっかりと降っていてカメラは出す気にならない。
それほど危険を感じる状態ではないものの、標高3000mの稜線で荒天の中、たったひとりで歩くのは、
なかなかに寂しいというかジワ〜ッと恐ろしさを感じ、ほんとうに昨日ここを歩いたっけ?
なんて嫌な考えが脳裏に浮かんだりした。

晴れていればなんてことのない岩場を恐る恐る下っていると、登りでは気づかなかったチシマギキョウを見つけた。
なんとか自分の身体を雨除けにしながらカメラを取り出して撮影したが、カメラはびしょ濡れ。
こりゃ駄目だと、この後の写真撮影はほとんど断念した。

小太郎尾根分岐から尾根を外れるとさすがに風は弱まったが、雨は強くなっているように感じる。
大樺沢が増水しているんじゃないかという心配はあったが、その場合は白根御池へと回ればいいやと思い、
草すべりとの分岐を直進、昨日歩かなかったルートへと入った。
このあたりから私と同じように下山中のグループに出会うようになった。
が、いちいち避けてくれるものだからどんどんペースアップ。
雨の中の歩きにほとほと嫌気が差していたので、いやがおうにもペースはどんどん上がっていった。
で二俣のすぐ手前に着くと、小さな雪渓が行く手を阻んだ。
今回は八本歯のコルを通る予定ではなかったのでアイゼンを持ってきておらず、
雨に濡れて滑りやすくなった雪渓下りは難儀したが、ダブルストックを駆使してなんとかクリア。
二俣からは雪渓に下りずに左岸の巻き道を通ることで問題なく難所をクリアした。


二俣の雪渓

相変わらずの雨で二俣から先の樹林帯の道は川と化しているが、前回歩いた時も川状態だったので、
多少そのときより水量が多いとは思えたが、この雨が原因というわけでもなさそうだ。
それでも雨の中、ゴーッと音を立てて流れる沢はなんとも恐ろしげで、時折現れる木橋を渡るのは結構怖い。
それにしてもこんな雨だというのに、下からは次々とハイカーが登ってくる。
だが「明日は晴れると良いですね」なんて声をかけると、一様に苦笑いが返ってくるのは仕方がないところだろう。

そうこうするうち、あっさりと広河原に到着。時間を見るとまだ9時半。
東屋でカッパを脱いでいると、天気が悪いからと登頂を断念した人に「もう下りてきたんですか?」と尋ねられ、
3時間で下りて来たと言うと呆れ顔をされた。(と言ってもコースタイムは3時間20分だから決して速くはない)
ま、早く下りてきちゃったのはいいのだが、車が出られるのは4時間後の13時30分。
とりあえず車の中で昼寝したりしているうちに雨は上がり晴れ間が出てきたので、
カメラ片手に広河原園地をうろついたり、ぶらりとビジターセンターの方に行ってみたりして時間をつぶした。

結局天気に翻弄された形となったが、とりあえず初日はほとんど雨に降られず、
展望がなかったのは仕方がないとしても、たくさんの花が大歓迎してくれたので、とりあえずは大満足。
でも今度は山頂からの大展望を見てみたいものだなぁ。

この日出会った花たち
クリックでこの日出会った花たちの写真がご覧になれます。

【コースタイム】
広河原 5:10…白根御池小屋 7:45-8:05…小太郎尾根分岐 10:50…肩ノ小屋 11:35-11:55…
北岳山頂 12:35-13:55…肩ノ小屋 14:20-(泊)-6:30…小太郎尾根分岐 6:55…二俣 7:50…広河原 9:30

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