Trekking Reports 〜山歩きの記録

2003.4.13(日) 花を求めて人気の里山へ向かう【仙人ヶ岳 安蘇】

岩切コースのニリンソウの大群生

花が多い山を探していると、安蘇山塊の仙人ヶ岳に行き当たった。
安蘇は低くてマイナーな山が多いので、これまで眼中になかったのだが、
これを機会に向かってみることにした。

東北道を佐野ICで下りて桐生方面へ向かい、猪子トンネルの先のスペースに駐車。
支度を済ませて、まずは舗装された林道を歩いていく。
2.5万図に記述のある猪子峠へと登る点線ルートの取り付きを探すが見つからず、
その先に谷沿いに登っていく深高山への登山口があったので、ここから山に入った。

うす暗くジメジメした植林の中の谷沿い道。
その上急坂ということもあって、どうにも好きになれないコースだが、
タチツボスミレやトウゴクサバノオが咲いているのが救いだ。
最後に階段を登っていくと、日当たりの良い斜面に飛び出した。
ここは三叉路となっており、一方はすぐ脇を通る林道へと続く。
この林道は登山道で離れた林道で、そのまま林道を歩いてきてもここまで来られるようだ。
ここでは道標に従って深高山方面へと進んでいく。
それにしてもこの辺の道標には仙人ヶ岳の文字が一度も出てこないのが不気味だ。


猪子トンネル脇の駐車場に車を置いてスタート

ちょっと進むとさらに分岐に到着。ここで何も考えずに(花探しばかり考えていたので(^^ゞ)、
深高山を示す道標に従ってしまったのが大失敗。
特にそれを示す記述は無かったが、実はここが当面の目的地の猪子峠であり、
ここからは深高山方面の尾根とは反対の尾根に取り付かなきゃいけなかったのだ。

で、途中でシュンランを見つけたとはしゃぎながら歩いていくと、
再度林道のすぐ脇を通るようになり深高山らしきピークが近づいてきたので、
これはおかしいとシルバコンパスで方位を確認し間違っていることは判ったが、
この時点では先ほどの分岐が猪子峠とは気づいていなかったので、
北へ下っていく尾根に踏み跡を発見して、これが猪子峠への道だろうと適当に判断。
で、その尾根を下っていくと徐々に傾斜は急になり踏み跡も薄くなっていく。
この時点で間違ったことは確信したが、コンパスで確認するとこのまま下れば、
猪子峠から岩切へ下る登山道にぶつかることは確実だったので、
あえて引き返さずにそのまま下ることにした。

どんどん傾斜が急になる中をストックを頼りになんとか下りきると、
小さな沢越しに立派な登山道を発見。
沢から登山道にはい上がるとちょうどその登山道を歩いてきたご夫婦に出会い、
怪訝そうに見つめるお二人に「道を間違えちゃいました」と笑って誤魔化した。


猪子峠方面を振り返る(右端のピークが深高山)

猪子峠に引き返してあらためて見ると、深高山とは反対側に確かに道はあった。
といっても深高山へと向かう道に比べるといかにも心許ない踏み跡程度だ。
仙人ヶ岳を示す道標も無いので地形が判らないと間違える可能性は大きいかも。
そういえば私が間違ったときに私の後を中年夫婦が歩いていたが、
あの人達は本当に深高山へと向かうつもりだったのだろうか。

猪子峠を出発しかなり古びた祠の横を抜けて急坂を登っていく。
ちょっと息が上がってきた頃、植林帯を抜け出してなだらかな雑木林の尾根上にたどり着く。
でもなだらかなのは一瞬で、こんどは雑木林(左手の斜面は植林)の中の急坂登りとなる。
道端には時々ヒナスミレが咲いている程度で花は少ない。
ただ、花を探して下ばかり見て歩いていたおかげで、
植林の中に再度シュンランを見つけることができた。

ハッとするほど鮮やかな赤色のヤマツツジが現れたところで急登は一旦終了。
なだらかな稜線散歩には薄紅色のアカヤシオが文字通り花を添えてくれる。
多少小さなアップダウンが多くてしんどいものの、
雑木越しの展望も素晴らしく、なかなか楽しいコースだ。
やがて右手に松田ダムを見るようになると大きな岩が多くなってくる。
これは、このコース名物の犬返しが近づいた証拠に違いないと、岩を登ったり巻いたり、
露岩からの展望を楽しんだりしながら進んでいくが、なかなか犬返しが現れない。
いつのまにか過ぎちゃったんじゃないかと、訝しんでいるところでようやく犬返しに到着。
実は犬返しが何者か、この時までは全く知らなかったのだが、
到着したそこには垂直にそそり立つ20m弱の岩壁が立ちはだかっていた。


難所!犬返し

巻き道もあるようだが、これは挑戦しなきゃ嘘だろうということで、
ストックをザックに収納し、滑り止めのついた手袋を装着。
気合いを入れてクサリをつかみ三点支持を意識しながら登っていく。
途中、足場が無く完全にクサリに頼らなきゃいけないところが一箇所あるが、
クサリ場に慣れているような人ならそれほど問題にはならないだろう。
で、思ったよりあっけなく犬返しのクサリ場をクリアした。

犬返しを過ぎると岩場は終盤となるが、仙人ヶ岳らしきピークはまだはるかに遠い。
お手軽だと舐めていた反動でものすごく長く感じてしまい、仙人ヶ岳を呆然と見つめた。
それにこの日はこれでもか!というくらい暑く(今年一番の陽気とか)、
まだ春先で涼しい気候に慣れた体には強烈に堪える。
ペースを落としたり水分補給を多めにしたりしてなんとか凌ごうとしたが、
結局、最近には珍しく、バテバテで歩く羽目になった。

松田ダムからの直登コースとの分岐付近の斜面は丸坊主状態となっており、
見晴らしが良いのはありがたいが、なんとも異様な光景となっている。
遠目には山火事かと思ったが、どうやら植林が切り出された跡のようだ。
この分岐を過ぎ、しばらく進むと岩切コースとの分岐の鞍部に到着。
ここから大きめのピークを急登し、ようやく山頂かと期待すると大外れ。
手前のニセピーク(東峰)にしっかり騙されてしまった。
そしてクサボケが生えるなだらかな稜線を歩いていき、
最後にちょっと登るとようやく仙人ヶ岳に到着した。


仙人ヶ岳山頂

さすがに人気の山とあって、広い山頂の所々でビニールシートを広げたグループが談笑中。
展望は雑木越しではあるもののなかなか素晴らしく、
まだ雪を被った赤城山に皇海山に日光男体山が一望できた。
コンビニおにぎりと豚汁で軽く昼食を済ませて、
この日最大の目的である岩切コースのお花畑へ向けて出発した。

まずは来た道を引き返す。この時間になっても団体や家族連れがどんどん登ってくる。
すれ違いざまにニリンソウという言葉が頻繁に耳に入ってくるので、否が応でも期待が膨らむ。
そして分岐を過ぎて岩切コースに入ると、とたんにスミレが出迎えてくれた。
猪子峠コースに多かったヒナスミレとは変わって、ここはタチツボスミレが多いようだ。
と、葉に特徴のあるエイザンスミレを発見!さっそく撮影モードに入った。
このあとも、タチツボスミレやケマルバスミレなどは多いものの、
目的のニリンソウはなかなか現れない。
まだかなぁと周囲をキョロキョロ見回しながら下っていくと、足下にようやくニリンソウ発見。
数輪程度の小さな群生にカメラを向け、満足気に立ち上がり下り始めると、
先ほどの群生はなんだったんだというほど、周囲はニリンソウだらけとなった。
もちろんスミレも咲いているものの、ニリンソウの勢いに押されて肩身が狭そうだ。
そしてそろそろニリンソウに飽きてきた頃、トウゴクサバノオやヤマルリソウが加わり、
沢沿いにはユリワサビ、岩場にはツルネコノメ、そして一株だけだがミヤマキケマンも現れた。
まさに百花繚乱。これまで何故来なかったのか後悔するほどの素晴らしさだ。


ニリンソウのお花畑が延々と続く

丸太橋や飛び石で何度か沢を渡ってゆき、生満不動尊の社を過ぎても、
まだニリンソウの大群生は途切れることがない。
事前に期待していた花の内、アズマイチゲとヒトリシズカが見つかっていなかったので、
あいかわらず足下をキョロキョロしながら歩いていると、ようやくヒトリシズカ発見!
といっても綺麗に咲いているのは一輪だけで、あとは誰かに蹴飛ばされたのか傷んでいた。

ここでアクシデント。持ってきていた水がこのあたりでついに底をついたのだ。
やはり暑さのせいでかなり消費してしまったようだ。
とは言っても、岩切まではあと少し。岩切には自販機ぐらいあるだろうと思い、
気を取り直して喉の渇きに耐えつつ歩いていくと、ようやく岩切に到着。
で、自販機は...げっ!ない...
ということで、このあと地獄のアスファルト歩きがスタートしたのでした。

岩切コースはずーっとお花畑の連続で、春の花目当てならここが関東一かも。
安蘇山塊は千葉からは比較的遠い割に標高が低く魅力を感じていなかったのだが、
こんなにいい山が隠されていたとは...(人気の山だから隠れていたわけじゃないけど)
ということで、これからはこの辺りも行動範囲に加えようと固く心に誓ったのでした。

この日出会った花たち
クリックでこの日出会った花たちの写真がご覧になれます。

【コースタイム】
猪子トンネル 8:35…猪子峠 8:55…(道外し)…猪子峠 9:15…犬返し 10:45…岩切コース分岐 11:45…
仙人ヶ岳 12:10-12:30…生不動 13:35…岩切 14:15…猪子トンネル 14:35


コースマップ(クリックで拡大:130k)

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