Trekking Reports 〜山歩きの記録

2003.3.15(土)〜16(日) 冬の檜洞丸でブナの霧氷と愉快な小屋を楽しむ【檜洞丸 丹沢】

ガスの檜洞丸山頂での集合写真

このところお花の追っかけを続けていたが、まだ3月になったばかりでは、
お花探しは低山に限られてしまうので、思いっきり歩きたいという衝動に駆られ、
檜洞丸の青ヶ岳山荘に行くという坂元さんのお誘いに二つ返事で便乗、
ルートが決まっていないとのことだったので、
まだ歩いたことのない神ノ川ヒュッテからの周回コースを提案すると、
この季節に北面を登ることに多少不安はあったが、坂元さんが青ヶ岳山荘の小屋番から
情報収集した結果大丈夫だろうということだったので、チャレンジすることになった。

JR橋本駅で坂元さんとつむぎさんを拾って神ノ川ヒュッテへと車を走らせていると、
フロントウィンドウを小雨が叩き始めた。予報では大した雨にはならないと言っていたが、
神ノ川ヒュッテあたりでは雨は雪に変わり、初っぱなからカッパを着込んでのスタートとなった。
車止めゲートの脇を抜けて舗装林道を歩くこと10分足らずで、
熊笹ノ峰を示す道標の設置された登山口に到着した。
ルートはのっけから20cm近い積雪だが、踏み跡があるのでラッセルは不要。
ただし比較的気温が高いせいか、雪はシャーベット状となっており滑りやすいが、
このような雪の状態ではアイゼンの効果は期待できないので、注意しながら尾根に取り付いた。


矢駄尾根コース入口

コースは踏み跡やテープなどで比較的明瞭だが、直登となったりつづら折りになったりしながらの
植林の中の急登が延々と続き、降り続く雪もあって精神的にもかなり辛い。
黙々と登り続けること45分。ようやく犬越トンネルへと続く林道に到着した。
この時点でかなりばてていたが、道標を見るとまだ1kmしか歩いていないらしい。
で、熊笹ノ峰までは残り2km。地図を見ると今までとは変わらず急登続きのようなので、
かなりガックリ。しばらく休憩して鋭気を養い、再度急坂へと立ち向かった。

相も変わらず植林の中の急登を続けていると、坂元さんが植林を抜けたらベンチがあるので、
そこでお昼にしましょうと提案。ようやく植林を抜けてさぁお昼だと思うも、
ベンチはなかなか現れない。坂元さんは10数年前の記憶だからとなんだかトーンダウン。
結局待ちきれずに木陰に陣取ってのランチタイムとなった。
小雪ぱらつく中、せめて温かいものを食べようと、コンロを取り出して昼食準備。
カレーうどんをすすりながら、このとろみは暖まるなぁと新たな発見。
鴨南蛮も試してみたいけど、アルミ鍋の鴨南蛮なんてないかなぁ。
で、昼食後、ものの数分歩いたところでベンチ発見。う〜ん、こんなものだよなぁ。

ベンチをすぎると傾斜は心持ち緩くなり、ブナ林の心地よさもあって、かなり楽になる。
そして稜線まであと少しというところで、周囲のすべての木々が霧氷の花を咲かせていた。
思わず歓声を上げ、大慌てでカメラを取り出しながらこの絶景を堪能した。
稜線からはずっと霧氷の林の中を歩く。晴れていれば霧氷が輝いてもっと素晴らしいのだろうが、
雲が薄いからか意外なほど明るく、ガスと霧氷と積雪による幻想的な景観もなかなかだ。


稜線は一面霧氷の世界

稜線を檜洞丸へ向けてちょっと登ると熊笹ノ峰。
ただ山名表示も何もないなだらかな山頂なので、ここがそうなのかなぁといった印象で通過。
その後短いもののクサリの設置された高度感のある岩場を緊張しながらクリアすると、
檜洞丸へ向けての最後の急登となる。ここは風が強いせいか、踏み跡は消えてしまっており、
先頭を進んでいた私がステップを刻むはめになり、もうばてる寸前。
ただ、ここを登り切れば山頂だと言い聞かせて急坂と格闘。
やがて斜度がなだらかになると、見覚えのあるだだっ広いブナ林の檜洞丸山頂に到着した。

いつもは賑わっているはずの山頂もこの時は誰ひとりいない。それもそのはずで、今は15時過ぎ。
日帰りならこれから西丹沢自然教室へ下っても途中で日が暮れてしまうだろうから、
すでに下山した後だろうと思っていたが、あとで青ヶ岳山荘の小屋番の話では、
この日は誰も上がってこなかったということだった。ま、この季節で天気が悪いとそんなものか。
ともかく標識前で集合写真を撮ってから、青ヶ岳山荘へ向かった。

青ヶ岳山荘に着くと、ひとりの小屋番が出迎えてくれた。
聞くとこの日の泊まりは我々3名のみとのことで、貸し切りだ〜っ!っと大喜び。
濡れたカッパなどを干したりしてから、掘りごたつに潜り込んでさっそく宴会開始となり、
私が担ぎ上げた杏露酒と坂元さんのラム酒(なんと75度)で乾杯した。
夕食は青ヶ岳山荘名物のまたぎ鍋。小屋番も加わり鍋をつつきながら丹沢ネタで盛り上がっていると、
小屋番が台所に引っ込んだかと思うと、1升ビンを4本かついで戻ってきた。
すべて丹沢のお酒で「丹沢山」「丹沢湖」「西丹沢」「津久井」の4銘柄。
特に津久井はなかなか手に入らないとの話だったが、それほどお酒に強くない私は早々にダウン。
結局、消灯時間を過ぎても宴会は続き、10時過ぎに我々が退散(撤退?)した後も、
鼻歌交じりで杯を傾けていたようだ。酒好きにはたまらない小屋かも。(^^;


青ヶ岳山荘

朝、坂元さんの朝日が出たとの言葉で目が覚め、カメラ片手に窓にかけよると、
今まさに塔ノ岳の肩あたりから朝日が昇ろうとしているところだった。
前日と変わって天気は良さそうだが、昨日あれほどすごかった霧氷はすっかり消えてしまっていた。
陽光に輝く霧氷を期待していただけにちょっと残念。
でも前日にさんざん霧氷を堪能したので、良しとしよう。
下に降りて掘りごたつで小屋番の煎れてくれたコーヒーに舌鼓を打ち、
納豆と油揚げの煮物とみそ汁の朝ご飯を食べ、のんびりと支度を済ませて小屋を出発したのは9時。
ブナ林が美しいなだらかな雪面をアイゼンを利かせながら下り始めた。

正面に蛭ヶ岳の雄姿を見ながら下っていくと突然傾斜は急になり、
荒れ気味の急斜面を注意しながらどんどん下っていくと金山谷ノ頭を正面に見るようになり、
最後にちょっと登り返すと、広河原方面へルートを示す古びた道標のある分岐に到着した。
ここで稜線から外れて源造尾根と呼ばれるコースを広河原へと下るのだが、
エアリアマップでは赤点線で記述される難路であるため、地図を広げてルートを確認。
迷いやすいと思われる1244p周辺の地形とルートを頭に入れて、
シルバコンパスと一緒にすぐに取り出せるようにポケットにねじ込んだ。


源造尾根コースは難所多し(写真提供:坂元さん)

源造尾根コースに入るといきなりヤセ尾根の急坂下り。
20cmほどの積雪はアイゼンの利きにくいシャーベット状でかなり滑りやすい。
ダブルストックや周囲の雑木を総動員して慎重に下ると、
今度は平均台のように痩せた尾根のすぐ下を足を揃えて立てないほどに狭い足場を頼りに通過する。
ロープが渡してあるものロープのつけられた木々は甚だ頼りなく、体重をかける気にはなれない。
また足場は雪だが、その下にしっかりした地面があるという保証があるわけでもないので、
あまり想像力を働かせると、足がすくんで動けなくなってしまいそうだ。
その後も滑り出したら途中で止まりそうもない急斜面や高度感たっぷりのヤセ尾根をクリアすると、
ようやく難所は終わり、やがて1244p手前の尾根の分岐に到着する。
この分岐を左手に進んで1244pを目指すのが正解だが、意識していないと右手に迷い込みそうだ。
なぜかここには目印のテープがなかったので、さっそく坂元さんがテープを巻いていた。

1244pからの下りは正しい尾根の右手の尾根へとちょっとだけ下って、
途中から谷を渡って源造尾根に乗る。下から見ると、まっすぐに源造尾根に下れそうに見え、
なぜこういうルートになっているかは不明だが、途中で比較的急な斜面や岩場があるのかもしれない。
そして源造尾根に乗ってしまうとあとは迷いようのない一直線の尾根道となる。
しばらくはアセビの多い雑木林の中を右手に蛭ヶ岳から姫次へと続く尾根を眺めながら下っていくが、
そのうちヒノキの植林に突入。
すっかり楽しみがなくなり、相変わらずシャーベット状の雪面をスリップしないように黙々と下ると、
標高830m付近で尾根から外れて彦右エ門谷へと急な斜面を下り、堰堤のすぐ上に降り立った。
ここでアイゼンを外し、沢水で洗ってから片づけて林道を神ノ川ヒュッテへと向けて歩いた。


神ノ川沿いの林道を歩く

無雪期なら十分日帰り可能なコースですが、積雪期の今回はコースタイムと比較して、
登りで2倍、下りで1.5倍もかかっており、満足感の高い充実した山行を楽しむことができました。
源造尾根はテープは多くて迷う心配はありませんが、
危険箇所が多いので積雪期はあまりお薦めできません。
あと、青ヶ岳山荘は紅玉をかついで上がると焼きリンゴを作ってもらえるそうな。
(要連絡および自分の分だけ持って上がったりしないこと。(笑))


【コースタイム】
神ノ川ヒュッテ前駐車場 10:10…矢駄尾根入口 10:20…林道との交差点 11:05-11:15…
ベンチ手前(昼食) 11:45-12:25…稜線(神ノ川分岐) 14:05…檜洞丸 15:05-15:10…
青ヶ岳山荘 15:20-(泊)-8:55…金山谷乗越手前(広河原分岐) 9:45-9:55…
1244p 10:40…広河原 12:00-12:15…神ノ川ヒュッテ前 13:05


コースマップ(クリックで拡大:99k)

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