Trekking Reports 〜山歩きの記録

2003.1.11(土)〜12(日) 鹿刺と絶好の富士と思いがけない出会い【菰釣山 丹沢】

菰釣山頂からの展望(クリックで拡大:121k)


7時14分発のバスに間に合わせるため、新幹線を利用して小田原経由で新松田に到着すると、
すでに坂元さんとつむぎさんはバス停の行列に加わっていた。
ただ行列とは言っても、この季節だとシーズン中のものすごい人出に比べると
閑散と言っていいほど行列は短く10人程度だ。

この日のスタート地点となる大滝橋バス停に着いたのは8時15分。
事前調査では7時50分到着のはずだったのにと坂元さん。
いきなり予定より30分のロスとなってしまった。
大滝橋からはしばらく非舗装の車道を歩いていく。
途中で数台の車が脇を抜けて登っていき、途中の広くなったところには4、5台の車が停まっていた。
こんな季節なのに物好きな人もいるものだと自分たちを棚に上げて話していたが、
結局、畦ヶ丸避難小屋まで誰とも会うことはなかったところを見ると、ハンターの車だったのだろう。


その名のとおり、沢沿いにポツンとたたずむ一軒屋避難小屋

雪はほとんど無く、道端や林下にわずかに残っている程度。
年末のあの雪はどこへ行っちゃったんだろうと話ながら歩いていくと、
やがて大滝沢の名の由来である大滝に到着。
幅が広くのっぺりした様子は、まるで堰堤のような滝だ。
滝をすぎると道は細くなり、崩壊した高巻き道にかけられた木橋を何度か渡ると、
やがて一軒屋避難小屋に到着。
目の前に綺麗な沢が流れる素晴らしい立地条件の小屋で、
一昨年には低徘関東支部忘年会の会場にと検討されたところでもある。
日誌を見たりしてしばらく休憩した後、今度はステタロー沢沿いに登っていく。
日陰の沢は積雪はさほどではないものの凍結がすさまじく、
まるで滑り台のようになっているところもあり、あの沢屋の坂元さんが見事にスッテンコロリン。
こりゃ恐ろしいと、凍結箇所を避けて脇の斜面に取り付いたりしながらなんとか進む。
そして沢の水が無くなる寸前で水を補給し、そのあまりの重さに悲鳴を上げながら
沢から離れて尾根へと登っていくと、やがて大滝峠上に到着した。
この峠からは畦ヶ丸へと向かう道の他に南へ進むと屏風岩山へ続くルートがあり、
道標には手書きで経路良好一部ヤブとの記述があった。
ただし4年前の書き込みのようなので、現時点でも同様かどうかは不明。


キンキンに凍結した沢沿いの道を恐る恐る進む

峠からは尾根道の急登となる。避難小屋泊まりの重い荷物に加え、
水を補給したばかりということでなかなかペースが上がらないが、
振り返ると冬枯れの木々の向こうには左半分に雲をまとった富士山が大迫力で迫り、
疲れを忘れさせてくれる。
やがて正面に二つのピークが見えてきた。
西側が低く東側が高いので、西側のピークが避難小屋ピークで東側が山頂だろうか。
なら今回は山頂には寄らないので、西側のピークを登り切れば昼飯だ!と、
張り切って登り切ると見事なニセピーク。
避難小屋ピークは東側で、山頂はその後ろで見えなかったようだ。
滑りやすい急斜面を注意しながら下って、凍結した階段道を上りきると、
ようやく畦ヶ丸避難小屋に到着した。
年末に来てから1ヶ月経っていないにもかかわらず、
まるで北八と見まごうほどだった年末時の様子は見る影もなかった。

避難小屋に入って昼食タイムとする。日誌には最近利用された様子はなし。
年末の我々の書き込みを見返したり、宿泊じゃないけど書き込んだりして
1時間ほど時間を過ごし、モロクボ沢の頭に向けて出発した。


すっかり雪が減った畦ヶ丸避難小屋ピーク

畦ヶ丸からモロクボ沢の頭への稜線は北斜面にあたるためか、かなりの残雪があり、
ストックを差すと4、50cmは潜ってしまい役に立たないので、
慌ててスノーバスケットを取り付ける。
また雪はクラスト状態になっていて、ときおり足がズボッと埋まってしまう。
まだ1月の半ばだというのにまるで残雪期のようだ。
途中にあるクサリ場はやはりというか見事に凍結していて、
ちょっと苦戦しながらもなんとかクリアすると、やがてモロクボ沢ノ頭に到着。
小休止の後、山中湖へと続く丹沢最西端の縦走コースに入った。

この縦走コースは東海自然歩道になっているので、
アップダウンの少ないラクチンコースを想像していたのだが、
細かいピークが断続的に現れる、アップダウンだらけの難コース。
それも雪が凍結したりシャーベット状になっていたりして滑りやすく、
スリップに神経を使うことの疲労と無駄に時間がかかることを懸念して、
ここではじめてアイゼンを装着することにした。
ただ慣れない4本爪アイゼンの装着に全員悪戦苦闘。
ようやく付けたものの、どうにも歩きづらいなぁと思っていたら、
翌朝前後を反対に付けていたことが判明。(^^ゞ
荷物を減らしたくて、いつもの6本爪を持ってこなかったんだけど、
こんなことなら無理してでも6本爪を持ってくるんだったなぁ。


菰釣への稜線はアップダウン多し

アイゼンをつけてもシャーベット状の雪にはあまり効果がなく、
私は前後を反対に付けていたせいもあって結局ペースはそれほど上がらず、
特に下りで苦戦しながらも、大界木山を越えて城ヶ尾峠に到着。
峠までは1人分の踏み跡しか無かったが、ここから菰釣山方面へは踏み跡も増え、
ころなしか雪も締まって歩きやすくなった。しかしアップダウンの多さは相変わらず。
とくに中ノ丸の下りはかなり急で無雪期はともかく雪があるときはかなり大変だ。
ブナ沢ノ頭を越えるとあとは下るだけと思っていると、鞍部に小屋はなく肩すかし。
結局ちょっと登り返したところで、ようやくこの日の目的地である菰釣避難小屋に到着した。

こんな季節に避難小屋を利用する物好き(笑)なんて他にはいないだろうと思っていたのだが、
小屋に近づくと人の気配があり、そっとドアを開けるとすでに2人の先客。
もう1人が外にいるとのことで我々を含めて6人。
板の間にシェラフをひくとちょうどいっぱいになった。
で、もう来ないよね、なんて話していると日没直後に男性2人組が到着。
結局この2人はベンチとテーブルに寝ることでなんとか土間を使わずにすんだ。


菰釣避難小屋前で記念写真

さてこの日の夕食は今回の山行の最大の目的である鹿刺パーティー。
800gの鹿肉のかたまりとまな板をザックから取り出した坂元さんは、
まるでメスでも握るかのように見事に鹿肉を捌いていった。
で、同宿となった方々にもお裾分けし、私とつむぎさんは1年ぶりの鹿刺を堪能した。

お楽しみの夕食も終わり、使い捨てカイロを敷き詰めたシェラフに潜り込み就寝。
と、2時頃、携帯電話の音で目が覚めた。
夕食時は何度やっても圏外だった携帯電話にメールが着信した合図だ。
それで何気なく携帯電話を手に取りメールをチェックすると、
数件のメールの中に名古屋在住で昨年のGWに鈴鹿の御池でお会いした
アーリィバードさんからのメールがあり、内容を見てビックリ。
なんと我々が向かう予定の大棚の頭に富士山目的で来られるというのだ。
なんとか連絡がつけばいいなぁと思いながら、再び眠りについた。


避難小屋からご来光を望む

5時半頃起床したが、小屋前から見えるご来光に感激したり、
のんびりと朝食や出立の準備をしているうちに時間は過ぎ、結局小屋を出発したのは8時すぎ。
すでに高くなった陽光を左手に受けながら、良く締まった雪の上を快適に歩いていく。
避難小屋から菰釣山山頂までは広い稜線のなだらかな登りが続き、
山頂が目の前に近づいた時点で、正面にでっかい富士山がドーンと現れた。
西丹沢の山々は樹木に囲まれて展望はイマイチな印象が強いが、
この菰釣山は素晴らしい展望台で富士山を中心に左手には箱根や愛鷹、
右手には南アルプスや八ヶ岳などが広がる大パノラマを楽しむことができた。

ここで携帯を取り出しメモリを確認すると、アーリィバードさんの番号発見!
昨年GWの鈴鹿御池オフの時にお会いしていたので、その時に登録したのだろう。
で、さっそく電話してみると...おっ!繋がった!
いきなりの電話にアーリィバードさんも面食らっていらっしゃったようだが、
MLを見たと説明すると納得された様子で、
「お茶でも」という言葉に素早く反応して「なら山伏峠まで迎えに来て!」
との図々しいお願いに快諾していただいた。
ラッキー!これで1時間以上歩行時間が短縮できた。(をい)


菰釣山頂直下はいきなりのヤセ尾根下り

さて、あまりにも素晴らしい展望に立ち去りがたいところではあるが、
アーリィバードさんをお待たせするわけにもいかないし、
これからのコースはずーっと富士山に向かって行くのだからと出発。
すると、いきなりヤセ尾根の急坂が現れた。
細い尾根には数十センチの積雪のせいでさらに細くなりナイフエッジのようだ。
両脇ともかなり下まで積雪の急斜面が続いており、落ちたらまず止まりそうもない。
この日は風が弱かったが、もし強風でも吹いていればかなり怖かっただろう。
そしてその後もこのコースはヤセ尾根が続くので、
無雪期はともかく積雪時には意外と気を抜くことができない。
またアップダウンも多く、最後の大棚ノ頭までの間に名のあるピークは3つ。
そして名無しのピークは...もう数えてらんない...(+_+)
でも正面には常に富士山が見えているので、しんどいより楽しい方が上かな。

そして、今、石割山へ登られているはずのアーリィバードさんのことや、
寒さで不調の坂元さんの携帯電話のことなどを話しながら歩いていると、
こんな季節なのに菰釣山へと向かうたくさんの人とすれ違った。
前日の途中で出会ったのが一組二人だけだったことと比べるとすごい賑わいだ。
実際、山伏峠の駐車場は車で溢れていたので、
富士山目的のこの山域は今の時期がベストシーズンと言えるのかもしれない。


稜線にはクサリ場もあります

名ありピークにたどり着いて喜んだり、名無しピークにガッカリしながら
アップダウンを繰り返していくと、やがて石保土山に到着。
エアリアマップには展望が良いように書かれていたが、木々に囲まれイマイチ。
夏場だとまったく展望は無いと思われ、エアリアマップの展望良好っていったい..
そして雪に埋もれた階段の下りに悪戦苦闘ののち、最後の大棚ノ頭を登り切れば
登りは完了だと意気込んでいると、大棚ノ頭には巻き道が付いていてラッキー!
なんてこともありながら、ようやく山伏峠への分岐に到着。
ここで再度アーリィバードさんに電話をかけてみると、
すでに山伏峠に到着して待っていらっしゃるとのこと。
時計を確認すると約束の12時をすでに10分もすぎている。
こりゃえらいこっちゃと、雪道の下りが苦手なつむぎさんを坂元さんに任せて、
一人山伏峠へ向かって駆け下りた。


廃業した山中湖高原ホテルの裏に下り立つ

結局30分遅刻で山伏峠に到着も嫌な顔ひとつせず出迎えてくださり、
途中のファミレスで会食をしたのち、わざわざ御殿場駅まで送っていただいた。
本当にお世話になりました。m(__)m >アーリィバードさん
2週間後の蓼科でもよろしくお願いしますね。(^^)


【コースタイム】
大滝橋 8:20…一軒屋避難小屋 9:30-9:40…大滝峠上 10:40…畦ヶ丸避難小屋 11:35-12:35…
大界木山 14:05…城ヶ尾峠 14:30…中ノ丸 15:30…菰釣避難小屋 16:25-(泊)-8:05…
菰釣山 8:30-8:55…油沢ノ頭 10:05…もみの木ノ頭 10:30…石保土山 11:20…山伏峠 12:25
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