Trekking Reports 〜山歩きの記録

2002.9.1(日) 本当の空とリンドウの青【安達太良山 会津】

安達太良山と鉄山へ続く稜線

腰痛の状態が微妙だったので、最悪ゴンドラリフトに乗るだけでもいいやと、いうことにして、
リフトから安達太良山の往復や歩いて奥岳まで下るコース。そして、中ノ沢温泉へ下りるコースや
土湯峠まで縦走するコースまで想定して、腰の調子と相談しながら現地で決めることにした。

ゴンドラリフトで思いっきり高度を稼ぎ、木道などもあるよく整備された道をのんびりペースで
登っていくと、樹林帯を抜けたあたりでエゾリンドウがいっぱい咲いていた。
それまでにもうるさいほど道端にあったアキノキリンソウやシラネニンジンとともに
お花畑を形成していたので、いきなり撮影モードに突入。
風にそよぐ花々と夢中で格闘しているうちに、腰痛はすっかり治まってしまった。

安達太良山山頂に到着するまでは、穏やかなササの平原だが、山頂直下のガレ場を直登すると一変、
火山特有の岩と砂の荒涼とした世界になってしまった。
特に遠くに見える沼ノ平の乳白色の岩壁はあまりにも異様だ。
また安達太良山山頂も変わっており、ドーム状のピークは乳首山の名前そのまんま。
ちょっとした岩登りで乳首山のピークに立つとさらに展望は広がり、
強風が吹く中で、しばし大パノラマを楽しんだ。


山頂から鉄山方面を望む。奥は吾妻連峰

で、体調も良さそうなので、ゴンドラリフト駅へ戻るのは却下。
名前の通り、幅の広い稜線の牛ノ背を風で舞い上がる砂に悩まされながら歩いて、
ゴンドラリフトを利用せずに奥岳へ下るコースとの分岐点に到着した。
そこは沼ノ平の真正面にあたり、のぞき込むと硫黄臭の風が鼻をついたので、
急いで沼ノ平全景を写真に収めて、とっとと撤退。
まずは分岐には向かわずに、とりあえず正面の矢筈森へと登った。

さて、これからどうしようかと考えながら、岩の上に腰掛けてひとまず休憩。
奥岳へ戻るなら分岐まで引き返すわけだが、
この先のヤセ尾根の馬ノ背が手招きしているような気がするし、さらにその先の鉄山も惹かれる山だ。
えーい!行っちゃえ!ということで、奥岳へ戻る案も却下。
滑る砂の斜面を恐々下って、馬ノ背に下り立った。


なんとも異様な景観の沼ノ平

鉄山は名前の通り鉄のような黒い岩壁がそそり立つ、なんとも迫力のある山で、
道は左側の斜面を巻き、反対側から頂上に立つことができる。
ここからの展望は安達太良山からは見えない沼ノ平が間近にある分、さらに迫力満点で、
切れ落ちた足下がさらにその迫力を助長した。

鉄山で簡単にコンビニおむすびの昼食をすませて、鉄山避難小屋へと向かった。
避難小屋は黒い壁が特徴の犬小屋を大きくしたような味も素っ気もない建物だが、
中をのぞいてみると予想外に綺麗で、結構よさげだった。ただし、水場無し。
この避難小屋からは沼ノ平の縁を通って中ノ沢温泉へと下ることができるのだが、
そちらへは誰も歩いておらず、沼ノ平がちょっと不気味だったことと、
最後の舗装路歩きが長いということでこれも却下。箕輪山を越えて旧土湯峠へと向かうことにした。

避難小屋からはかなりの標高差を下ることになる。
足下には岩も多いので、ちょっと嫌な下りだが、道端はエゾリンドウだらけ。
まさにリンドウの小径といった様相で、しんどさもまったく気にならない。
鞍部のだだっ広い平原もやはりリンドウが多く、群生も一ヶ所や二ヶ所ではない。
「おー、ここまで来て良かった〜」と思いながら歩いていくと、
箕輪山への急登となり、「う〜ん、失敗したかなぁ」と早くも後悔モード。


箕輪山から安達太良山と鉄山を振り返る

箕輪山山頂では横向温泉から箕輪山の周回コースを歩かれている中年夫婦と出会い、
花の話や、目の前に大きく見えている先日登った東吾妻の話で盛り上がった。
このご夫婦の話ではお盆の頃に歩いたときは、旧土湯峠付近でハクサンフウロが見られたと聞かされ、
まだ残っているかなぁと楽しみが増えた。
そして食事の準備を始めたご夫婦に「お先に!」と声をかけて箕輪山をあとにした。

箕輪山からは滑りやすい土の坂道をどんどん下る。
次に登る山の鬼面山がものすごく低く見えので、相当下らなくちゃいけないようだ。
ただ、このあたりから樹木が視界を遮るようになるので、
なかなか着かないことでイライラさせられずにすむ。
また強い日差しが遮られるので涼しい...かと思いきや、風まで遮られるので、
暑さはあまり変わらないか。

ようやく鞍部に着くと、上から見たときあんなに小さく見えた鬼面山が正面にドーンとそびえていた。
登山道はガレた岩場の道で、いかにもしんどそうだ。
それでもなんとか登り切ると、子供たちの賑やかな声が聞こえてきた。
小さい子供もいたので、安達太良から縦走してきたんじゃなくて、野地温泉から登ってきたのだろう。
ただ、山頂は完全に占領されていたので、休憩は取らずにそのまま下ることにした。


磐梯吾妻スカイラインから見上げる鬼面山は想像以上に険しい

鬼面山からの下りは登りと同様にガレた斜面。さらに登りよりも標高差があるので、
うんざりしながら下っていると、突然、道端にハクサンフウロが現れた。それもかなりの数だ。
ハクサンフウロにはもう遅いだろうと、箕輪山での話を眉唾で聞いていた私は大感激。
(補足:この時はハクサンフウロと思っていましたが、後日調べるとタチフウロのようだったので、
この日出会った花たちでは、タチフウロとしました。)
さらにウメバチソウやトモエシオガマも現れて、すっかり狂喜乱舞。
と、ここで油断があったのだろう。足を滑らせて...
「あー!転けるー!腰痛がぁ...」
「でも、下手に踏ん張ったら、よけいにヤバイかも」
「よし、踏ん張らずにそろ〜っと転けよう」
(この間、0.05秒)
で、派手に仰向けにひっくり返った。
幸いにも多少擦り傷を作った程度で体には問題はなかったのだが、下敷きとなったデジカメが小破。
電池のカバーの爪の一部が折れて、ロックができなくなってしまった。
ま、電池が外れやすくなっただけで、デジカメが使えなくなったわけではないが、
修理に出さなきゃとならないかと思うと、気が重い...
ん?これは新しいデジカメを買えというお達しか?(x_x)\☆バキッ!!

さらにアクシデントは続く。
当初は旧土湯峠から野地温泉に下るつもりだったのだが、地図を見ると土湯峠に茶屋の文字を発見。
軽量化のために水が不足気味だった状況では非常にありがたく、土湯峠でかき氷を食べるぞ!と、
意気込んで尾根道をまっすぐに進むことにした。
で、旧土湯峠をすぎてしばらく進むと、新野地温泉の方向を示す道標が現れた。
道はなにげなくそっちに続いていたので道なりに進むと、なぜかどんどん下りはじめた。
地図で確認すると、土湯峠へのルートにはそんな下りはないようだ。
おかしいと思い引き返すと、道標のあったところに、ヤブへと入っていく踏み跡があった。
そしてよく見ると奥の方にテープがぶら下がっている。
エアリアマップで赤実線のコースのはずなのに、完全な廃道状態。
だが、地形的にもここしか考えられず、意を結してヤブの中へと踏み込んだ。


うぉーっ!道がな〜い!

道はかなりしっかりと踏まれているが、左右からこれでもかとササが覆い被さり、
時折、道をはずして本物のヤブに突入しそうになる。
半袖シャツだったので、腕はササがすれてひりひりしてくるし、時々右手に崩壊地が現れるので、
ヤブの先に地面があるかどうかが心許なく、結構怖い。
それでもようやくヤブを抜け舗装路に飛び出すと、そこは土湯峠..ではなく、電波塔。
地図で確認すると尾根道はさらに続いているので、周囲を探すと..ありました。
やっぱりヤブの道が...遠回りにはなるものの舗装路を下っても土湯峠に行くことはできるのだが、
こうなったら尾根の先端まで行こうじゃないかということで、ヤブ漕ぎ第二ラウンド開始となった。

ようやくヤブを抜け、土湯峠に到着。さぁ、茶屋はどこかな〜と、あたりを見回すも、
廃業してシャッターを下ろしたドライブインがあるのみで、自販機ひとつない。
ま、ここへ通じる道がヤブになっている時点で、嫌な予感はしていたのだが、
それでも、かなり期待していたんだけどなぁ。(;_;)

バスの時間まで一時間半ほどの待ち時間があったので、
野地温泉まで歩いていけば、途中に自販機ぐらいあるだろうと思い、
疲れた足を引きずりながら、磐梯吾妻スカイラインを下りはじめた。
で、ようやく自販機が見つかったのは野地温泉...予定通り旧土湯峠で下っていれば、
ヤブ漕ぎも、暑いアスファルト歩きもしなくてすんだのにと思うと、
どっと疲れ果てバス停に座り込み、ようやく手に入れたスポーツドリンクを立て続けに二本空けた。


久々の山歩きは、久々の本格的山歩きになり、久々のヘロヘロ山歩きになってしまいました。
ちょっと歩きすぎたかなぁと思いましたが、翌日も腰の状態は悪くないので、
とりあえず良かった良かった。でも、かなり装備を絞って軽量化した結果であり、
今月末の鳳凰オフへの参加はやっぱり難しいだろうなぁ。

この日出会った花たち
クリックでこの日出会った花たちの写真がご覧になれます。

【コースタイム】
ゴンドラリフト 9:05…表登山口分岐 9:35…安達太良山(乳首山) 10:35-10:50…矢筈森 11:15…
鉄山 11:35-11:50…箕輪山 12:40-12:50…鬼面山 13:55…旧土湯峠 14:35…土湯峠 15:10
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